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櫻井 映子*; 櫻井 栄一*; 石井 慶造*; 山内 祥聖*; 小塩 成基*; 江夏 昌志; 佐藤 隆博; 神谷 富裕
no journal, ,
本研究では、有害な化学物質から肺を保護するために重要な働きをしている肺血液関門細胞に対するニコチンの影響を調べるために、培養したマウス肺血液関門細胞に0.02, 0.2, 2Mのニコチンを一定時間作用させ、凍結乾燥の後、大気マイクロPIXE(Particle Induced X-ray Emission)で細胞内微量元素の測定を行った。その結果、ニコチンの作用用量を増加させると肺血液関門細胞内の亜鉛量が減少し、カルシウム量が増加した。酸化的ストレスの除去に亜鉛が使用される一方で、細胞死が引き起こされカルシウムが増加すると考えられる。今後、測定試料数の増加により統計精度を上げ、肺血液関門細胞内の微量元素に対するニコチン量の影響を定量的に評価する。
櫻井 映子*; 櫻井 栄一*; 石井 慶造*; 小塩 成基*; 伊藤 駿*; 松山 成男*; 江夏 昌志; 山田 尚人; 喜多村 茜; 佐藤 隆博; et al.
no journal, ,
本研究は、ニコチン等の有害な化学物質の摂取を抑制する血液関門細胞の機能について、マウスの系統差を明らかにすることを目的としている。今回は、細胞の増殖能力が異なるICR系統とC57BL/6J系統の3周齢のマウスから肺血液関門細胞を分離し、コラーゲンコートした培養フラスコを使用して、COインキュベーター内で培養した。培養液を緩衝液に置換後、0.022Mのニコチンを一定時間作用させた後凍結乾燥し、微量元素分布をTIARAの大気マイクロPIXE(particle induced X-ray emission)装置で分析した。その結果、細胞の増殖能力が高いC57BL/6Jマウスの肺血液関門細胞では、ニコチン添加量の増加とともにリンの量が16g/cmから2g/cm以下に急激に低下しカルシウムと塩素が増加したが、ICRマウスではそのような変化が見られなかった。このように、マウスの系統による血液関門細胞の機能の違いについて、大気マイクロPIXEを用いて細胞内微量元素の観点から調査可能であることが示された。
小塩 成基*; 伊藤 駿*; 石井 慶造*; 松山 成男*; 寺川 貴樹*; 佐多 大地*; 遠山 翔*; 笠原 和人*; 久保 亮介*; 江夏 昌志; et al.
no journal, ,
本研究では、国内で最も多く消費される農産物であるコメが、セシウム(Cs)を含む土壌で栽培された場合のCsの集積部位を明らかにするために、マイクロPIXE (particle induced X-ray emission)を用いてコメ内部のCsの元素分布測定を行った。また、より高感度にCsの挙動を観察することを目的とし、Csと同族で約5倍の特性X線発生断面積を持つルビジウム(Rb)をCsの代替として用いることを検討した。CsおよびRbを別々に散布した土壌で、14日間および34日間栽培したイネから収穫したコメを試料として用いた。測定の結果、Csは白米部よりも糠や籾殻に多く集積する様子が観察され、栽培期間14日と34日のCsの濃度比は1.53.0で、栽培期間の比(34日間/14日間=2.43)とおよそ合致していることから、1日で取りこむ量が大きく変化しないと仮定すると、イネの生育によって取り込まれたCsを可視化したと考えられる。Rbの集積部位はCsの場合と類似しており、RbがCsの代替として使用可能であることが示唆されたが、感度については連続X線のバックグラウンドのためCsと同等となり向上は図れなかった。