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廣内 淳; 鯨岡 郁雄; 高原 省五; 高田 モモ*; Schneider, T.*; 甲斐 倫明*
Journal of Radiological Protection, 45(1), p.011508_1 - 011508_14, 2025/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Environmental Sciences)異なる要因によるリスクを比較できるリスク指標は、国民の理解を深める上で有用である。国際放射線防護委員会(ICRP)は、低線量における放射線被ばくによる健康影響を定量化するために"デトリメント"という概念を開発した。しかし、デトリメントは放射線分野に特有のものであり、他のリスクと単純に比較することはできない。そこで本研究では、公衆衛生分野等で利用されるリスク指標(障害調整生存年数(DALY)、生涯罹患リスク、生涯死亡リスク)に着目し、放射線被ばくによるそれらのリスク指標を33カ国間で計算した。全固形がんの生涯死亡・罹患リスクとDALYは、国によって男性で1.5-2.0倍、女性で1.2-1.5倍の差が見られ、これらの値は発展途上国ほど低いことが示された。さらに、各部位のリスク指標値の大小関係はデトリメントと同様の傾向を示し、これらのリスク指標値はデトリメントの代替指標として利用できる可能性を示した。
鯨岡 郁雄; 野口 芳宏*; 嶋田 和真; 廣内 淳; 高原 省五
Radiation Protection Dosimetry, 200(16-18), p.1561 - 1567, 2024/11
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Environmental Sciences)国産の放射線誘発がんリスクの推定モデルを実装した計算コードを開発するために、公開されている他国の既存の計算コード(RadRAT (U.S.NIH)、Blue Book Model (U.S.EPA)、Korean-Specific Model(FNC Technology Co, Ltd))と、これらのコードの基本となるBEIR VII(米国科学アカデミーの電離放射線の放射線健康リスクに関する報告書)を調査し、3つのコードとBEIR VIIモデルの計算結果を比較した。各コードとBEIR VIIで計算した全固形がんの生涯寄与リスクのうち、特にKorean-Specific Modelで計算した結果については、他と有意な差が認められた。この原因の一つはいくつかの組織や臓器のリスク移転に関するパラメータがコード間で異なっていることであり、このことは日本版コードの開発において慎重に検討されるべき課題の一つである。
廣内 淳; 鯨岡 郁雄; 高原 省五; 高田 モモ*; Schneider, T.*; 甲斐 倫明*
Journal of Radiological Protection, 44(2), p.021510_1 - 021510_10, 2024/06
被引用回数:2 パーセンタイル:79.59(Environmental Sciences)リスクに基づく放射線防護基準の根拠を検討する際には、統計的なベンチマークデータが必要である。これまでは、英国王立協会のリスク評価研究がベンチマーク統計として用いられてきたものの、1983年のデータであり、最近の医療インフラや生活水準に関するデータが反映されていない。そこで本研究では、ベンチマークデータとしてベースラインがん罹患率と死亡率に着目し、33か国のデータを比較した。ここでは、各国のがん罹患率と死亡率のデータを用いて計算した生涯死亡リスクと生涯罹患リスク、障害調整生存年(DALYs)を算出し、各国でそれらの値を比較した。結果の一つとして、すべての固形がんの生涯死亡・罹患リスクとDALYsは、国によって男性で2-4倍、女性で2-3倍の差が見られた。また、これらの値は発展途上国ほど低いことが示された。本研究では、ベースラインのがん死亡・罹患率に基づく健康リスクを、放射線によるがんリスクと比較する際の基準とすべきであると提案した。
廣内 淳; 鯨岡 郁雄; 野口 芳宏*; 真辺 健太郎; 高原 省五
no journal, ,
日本では、放射線防護を目的としたがん罹患・死亡リスク評価コードが整備されておらず、原子力災害における対応の判断等に最新の科学的知見に基づいたリスク指標を活用することが困難である。そこで、放射線被ばくに伴うがん罹患・死亡リスク評価コードの開発が進められている。本コードの特徴の一つとして、汎用性を高めるために放射線防護以外の分野でも利用されている余命損失や障害調整生存年を出力する。本発表は、原子力規制庁令和6年度放射線対策委託費(放射線健康リスク評価コードの開発)事業の一環として実施している。
廣内 淳; 鯨岡 郁雄; 高原 省五; 高田 モモ*; 甲斐 倫明*; Schneider, T.*; Lecomte, J.-F.*
no journal, ,
算出されたリスクに基づく放射線防護基準の根拠を検討する際には、統計的なベンチマークデータが必要である。これまでは、英国王立協会のリスク評価研究がベンチマーク統計として用いられてきた。本研究では、ベースラインとなるがんの罹患率と死亡率に着目し、放射線に関連するがんリスクと比較する。ここでは、各国のがん罹患率と死亡率のデータを用いて計算した生涯死亡リスクと罹患リスク、障害調整生存年(DALYs)を発表する。結果の一つとして、各指標は国間によって異なり、生涯死亡リスクは0.120.30、生涯罹患リスクは0.22
0.54、DALYsは0.010
0.044yの値を取り、放射線に関連するがんリスクと比較する際に有用なデータを提供した。
高久 侑己*; 荻野 晴之*; 廣内 淳; 高原 省五; 鯨岡 郁雄; 野口 芳宏*; 真辺 健太郎
no journal, ,
原子力規制庁では、最新の放射線がんリスクの知見に基づき、年齢・性別・健康状態等の様々な条件に対して放射線がんリスクを評価する手法として、令和4年度から放射線健康リスク評価コードの開発を進めている。本発表では、本事業の概要として、規制上の位置づけやコード開発の目的等について説明する。その上で、令和5年度までに実施した、国内外の既存のリスク評価コードの調査結果及び疫学研究の調査結果と、これらの調査結果を基に検討したコードの概念設計について紹介する。
廣内 淳; 高原 省五; 鯨岡 郁雄; 野口 芳宏*; 真辺 健太郎; 高久 侑己*; 荻野 晴之*
no journal, ,
開発を進めている放射線健康リスク評価コードは、汎用性を高めるために以下の特徴を持ち、発表ではこれらについて紹介する。(1)臓器吸収線量以外にも観測値(周辺線量当量率や個人線量当量)からもがんリスクを算出することが可能である。(2)生涯寄与リスク以外にも公衆衛生などの他の分野で利用されているリスク指標(余命損失や障害調整生存年)を出力することが可能である。(3)一部のがんに対して、喫煙習慣を考慮したがんリスクの計算が可能である。本発表は、原子力規制庁令和6年度放射線対策委託費(放射線健康リスク評価コードの開発)事業の一環として実施している。
廣内 淳; 鯨岡 郁雄; 高原 省五; 高田 モモ*; 甲斐 倫明*; Schneider, T.*; Lecomte, J.-F.*
no journal, ,
ICRPでは、放射線被ばくによる健康への有害な影響を定量化するために"デトリメント"という概念を利用している。デトリメントは、致死的ながんの致死割合、非致死的ながんに罹患していることによるQOLの低下、害が発生した場合の余命損失が考慮されている。デトリメントは、放射線被ばくの分野でのみ使用されている指標であり、化学分野や環境分野などで使用されている他のリスクと比較することはできない。そこで本研究では、他の分野でも利用されているリスク指標DALY(病的状態や障害、早死により失われた年数を表す)に着目し、放射線被ばく時のDALYを37か国で求めた。DALYは被ばくで生じたがんによる死亡で短くなった損失余命と、がんの症状の重さと罹患から死亡までの長さに応じて失われた健康年数の和で求めた。ここで被ばく条件は、被ばく時年齢1865歳(職業被ばく想定)、被ばく線量20mSv/y(生涯約1Sv相当)とした。その結果、DALYは0.003
0.007y/人となり、諸外国の死亡率の上位である虚血性心疾患と脳卒中(0.01
0.1y/人程度)よりも低い値であった。
廣内 淳; 鯨岡 郁雄; 野口 芳宏*; 真辺 健太郎; 高原 省五
no journal, ,
放射線被ばくに伴うがん罹患・死亡リスクの定量的な予測は、放射線安全や原子力災害における対応の判断等における主要な根拠の一つである。しかしながら、日本においては、放射線防護を目的としたがん罹患・死亡リスク評価コードが整備されておらず、判断等に最新の科学的な知見を効率的に反映させることが困難であった。そこで、原子力機構では放射線被ばくに伴うがん罹患・死亡リスク評価コードの開発を進めている。本コードの機能として以下が挙げられる:(1)観測値(例えば個人線量当量や周辺線量当量率)から各臓器の吸収線量を計算する機能、(2)各臓器の吸収線量からがんリスク(生涯寄与リスク)を計算する機能、(3)出力値として生涯寄与リスク以外に他のリスク指標(例えば余命損失やDALY)を計算する機能。