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芳賀 裕子; 熊沢 紳太郎*; 新村 信雄
Journal of Applied Crystallography, 32(5), p.878 - 882, 1999/00
被引用回数:15 パーセンタイル:72.53(Chemistry, Multidisciplinary)中性子イメージングプレートを実用する際の最大の問題は線のバックグラウンドである。そこで、中性子イメージングプレートの線感度の線エネルギー依存性を測定した。線のエネルギーが300keV以下のとき、熱中性子に対する感度のほぼ半分で、遮蔽が困難な300keV以上の場合は四十分の一であることがわかった。それをもとに、三号炉実験ホールで、線に対する鉛の中性子イメージングプレートに対する遮蔽効果を測定した。その結果、40mmの厚さの鉛で線バックグラウンドを十分の一に減少できることがわかった。さらに、中性子イメージングプレートを厚さ1mmの鉛で覆うことによって、中性子シグナルを減少させることなく、中性子入射方向からの線バックグラウンドを減少できることを明らかにした。
田中 伊知朗*; 栗原 和男*; 芳賀 裕子*; 峯崎 善章; 藤原 悟; 熊沢 紳太郎*; 新村 信雄
Journal of Physics and Chemistry of Solids, 60(8-9), p.1623 - 1626, 1999/00
被引用回数:9 パーセンタイル:48.91(Chemistry, Multidisciplinary)既存の生体高分子中性子回折計を改良し、中性子イメージングプレートを装備した回折計(BIX-I)の製作のための基礎的な実験と設計を終了した。設計にあたって解決されなければならない問題点が2つ存在した。一つは単位格子が80以下の生体高分子結晶からの最近接ブラッグ反射スポットを検出器上で分離すること、もう一つは中性子イメージングプレートの中性子及び線に対する十分な遮蔽である。われわれが建設した既存の中性子回折計と比較すると、試料位置の前進及び弾性湾曲シリコンモノクロメータの高性能化を実現させることにより、検出器の立体角が8.5倍及び中性子強度が5倍となるので、最終的な測定効率が約45倍に向上する。
芳賀 裕子*; 熊沢 紳太郎*; 新村 信雄
Journal of Physics and Chemistry of Solids, 60(8-9), p.1619 - 1621, 1999/00
被引用回数:1 パーセンタイル:10.01(Chemistry, Multidisciplinary)中性子イメージングプレート(以下中性子IP)中での中性子検出の基礎プロセスを考慮して中性子感度が最大になるように最適化を行った。中性子IPは、中性子を捕獲する中性子コンバータ物質とカラーセンターを生成する輝尽性蛍光物質からなる。中性子捕獲効率とカラーセンター生成効率は二つの物質のモル比に依存するため、異なるモル比の中性子IPの中性子感度を測定して最適化を行い、タンパク質結晶の回折斑点の測定により、最適化の有効性を確かめた。中性子IPの問題点は線に有感であることだが、線感度のエネルギー依存性を測定し、また、実験サイトにおいて鉛による線遮蔽効果を測定した結果、実験に十分な遮蔽が可能であることが判明した。さらに中性子IPの前面に鉛箔を密着させ、入射方向からの線遮蔽をすることにより、シグナル/ノイズ比が約1.5倍増加した。