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黒田 陸斗*; 松本 亮介*; 小田 豊*; 深井 吾央*; 木田 健太*; 飯倉 寛; 栗田 圭輔
2022年度日本冷凍空調学会年次大会講演論文集, 6 Pages, 2022/09
霜の形成は、熱交換器の熱伝達性能に熱抵抗を引き起こす。本研究では、カーエアコンシステムに使用される熱交換器上の着霜分布を中性子ラジオグラフィにより評価した。着霜の初期段階では、熱交換器の上流側に霜が発生したが、時間の経過とともに熱交換器の下流側に霜が付着していった。
永井 浩大*; 藤原 秀紀*; 荒谷 秀和*; 藤岡 修平*; 右衛門佐 寛*; 中谷 泰博*; 木須 孝幸*; 関山 明*; 黒田 文彬*; 藤井 将*; et al.
Physical Review B, 97(3), p.035143_1 - 035143_8, 2018/01
被引用回数:21 パーセンタイル:70.17(Materials Science, Multidisciplinary)フェリ磁性体MnVAl単結晶の電子構造を軟X線吸収磁気円二色性(XMCD)、軟X線共鳴非弾性散乱(RIX)によって調べた。全ての構成元素のXMCD信号を観測した。Mn L XMCDの結果は、密度汎関数理論を基にしたスペクトル計算により再現でき、Mn 3状態の遍歴的性質が明らかとなった。V LXMCDの結果はイオンモデル計算によって定性的に説明され、V 3電子はかなり局在的である。この描像は、V L RIXSで明らかとなった局所的な遷移と矛盾しない。
岩澤 譲*; 阿部 豊*; 金子 暁子*; 黒田 泰平*; 松尾 英治*; 海老原 健一; 坂場 弘*; 小山 和也*; 伊藤 和宏*; 成合 英樹*
Proceedings of 15th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-15) (USB Flash Drive), 12 Pages, 2013/05
高速増殖炉の安全な設計において、炉心崩壊事故が起きることを想定した場合、ナトリウム冷却材による炉心溶融物の固化及び除熱が強く要求される。溶融物ジェットの固化挙動を評価するには、炉心溶融物と冷却材との相互作用を詳細に理解する必要がある。本研究では、炉心溶融物を模擬した溶融金属及び透明流体を、冷却材を模擬した水に射出した実験において、両模擬部物質のジェットブレイクアップ挙動を高速度ビデオカメラで観察し、既存の理論との比較した。さらに、二相流体格子ボルツマン法を用いた液体ジェットのシミュレーションにより定性的なジェット挙動を再現した。
牧野 高紘*; 柳川 善光*; 小林 大輔*; 福田 盛介*; 廣瀬 和之*; 池田 博一*; 齋藤 宏文*; 小野田 忍; 平尾 敏雄; 大島 武; et al.
信学技報, 108(100), p.67 - 72, 2008/06
放射線によって生じる論理LSI(Large Scale Integrated Circuit)でのソフトエラーは、FF(Flip Flop)やラッチ回路に粒子が当たって発生するだけでなく、組合せ論理回路に当たって発生するスパイクノイズによっても発生する。この放射線誘起スパイクノイズを測定するために、インバータ24段の論理セルチェインと拡張バッファー及び自己トリガFFチェインから構成されるスナップショット回路を作製した。実験はKr 322MeVとXe 454MeVのイオンをテストチップに対して垂直と45度で入射させ、線エネルギー付与LET4092(MeV/cm/mg)の範囲でSET(Single Event Transient)パルス幅を測定した。その結果、インバータ24段を接続したチェインについて、0度(垂直)照射では取得SETパルスの総数が、LETの増加に対して増加を示し、45度照射では、取得SETパルスの総数はLETの増加にかかわらず一定であった。また取得したSETパルス幅分布の最頻値と半値幅をLETの関数で示した結果、SETパルス幅はLETの増加に対して飽和傾向を示すことが見いだされた。さらにSETパルス幅の上限が約1nsであることから、SETパルスを除去するために必要なフィルタ回路の時定数は最大1nsとすれば良いということもわかった。
榊原 哲朗; 田辺 務; 高橋 邦明; 圷 茂; 小嶋 裕; 坂下 章*; 黒田 一彦*
Proceedings of International Waste Management Symposium 2005 (WM 2005), 0 Pages, 2005/00
TRU廃棄物の放射能濃度決定方法の検討に資するため、東海再処理施設から発生する雑固体廃棄物中の核種組成・放射能濃度を調査するため、実廃棄物のサンプリング・分析計画を立案した。その計画に基づき一部のサンプルを取得し分析した。
黒田 寛*; 磯田 豊*; 大西 光代*; 岩橋 雅行*; 佐藤 千鶴*; 中山 智治*; 伊藤 集通; 伊勢田 賢一*; 西澤 慶介*; 島 茂樹*; et al.
海の研究, 13(6), p.553 - 564, 2004/11
定期船ADCP流速データを用いて、黒田・磯田(2004)が提案した年周期変動成分に関する調和解析上の注意点に基づき、津軽海峡東口周辺における潮流と残差流(年周期変動)成分を見積もった。調和解析上の最大の問題点は、日単位のデータサンプリングによりK1とP1分潮からSa分潮と同じ周期のエイリアシングが生じるため、K1, P1, Saの3分潮を同時に分離することが不可能なことである。まず、Sa, K1の2分潮を選択し、O1, M2, Q1, N2の4分潮を加えて調和解析を行った結果、空間的に安定し、卓越したK1分潮流を見積もることができた。しかし、平衡潮汐におけるK1とP1分潮の振幅比(約0.3)から推測して、K1分潮流の卓越は同時に、除外したP1分潮流の年周期変動成分に対する影響も無視できないことを意味する。そこで、津軽海峡東口周辺の検潮所におけるK1とP1分潮の潮位の振幅比と位相差の関係を潮流に仮定した調和解析を再び行い、過去に行われた係留流速観測結果に近いK1分潮流の調和定数を得ることができた。このような潮流成分の見積もり方法によって、津軽海峡内における年周期変動を提示することが初めて可能となった。
大西 光代*; 礒田 豊*; 黒田 寛*; 岩橋 雅行*; 佐藤 千鶴*; 中山 智治*; 伊藤 集通; 伊勢田 賢一*; 西澤 慶介*; 島 茂樹*; et al.
北海道大学水産科学研究彙報, 55(2), p.105 - 119, 2004/10
津軽海峡における流量変動と潮流特性を明らかにするために船底設置型ドップラー流速計による流速モニタリングを1999年10月29日から2000年3月31日までの期間行った。観測ラインは海峡中央部を横断するものであった。津軽海峡は北太平洋と日本海を結ぶ海峡であり対馬暖流の主要な流出口である。平均流の強流部はほぼ海峡中央部に位置し流れの向きは北東方向であった。また、その両側にあたる北海道と本州沿岸には反流が存在した。平均流の流量、すなわち津軽暖流流量は、正味西向きに1.8Sv(1Sv=10ms)であった。潮流は主要四大分潮(M2, S2, O1, K1)分潮について解析した。海峡内の潮汐は一般に半日周潮が卓越しているが、潮流においてはK1とM2の海峡通過流量がそれぞれ0.72Svと0.52Svであり、日周潮が卓越していた。潮流による通過流量と潮汐の位相関係からK1は定在波の特徴を持ち、M2は進行波の特徴を持つことが明らかとなった。また順圧的な構造を持つ半月周期の変動も明らかとなった。Mf分潮の潮汐は日本海沿岸で振幅13cmと大きく、北太平洋沿岸では1cmに満たない。このことは津軽海峡に存在する半月周期の変動が津軽海峡の両出口でのMf分潮潮汐の振幅差に由来することを強く示唆している。
伊藤 集通; 外川 織彦; 大西 光代*; 礒田 豊*; 中山 智治*; 島 茂樹*; 黒田 寛*; 岩橋 雅行*; 佐藤 千鶴*
Geophysical Research Letters, 30(13), p.11_1 - 11_4, 2003/10
津軽暖流の流速並びに流量の変動が、連続した海峡横断流速モニタリングデータから調べられた。1999/11-2000/03の期間流速断面の構造は定常的であり、中心部には津軽暖流が、その南北には還流が見られた。そして、これらの流速は観測期間を通じ減少する傾向であった。また、同期間の津軽暖流の流量は流速の変動にともない2.1から1.1Svに減少しており、その平均流量は1.5Svであった。津軽暖流の流量変動は日本海-太平洋の水位差と線形の相関関係があり、水位差の全流量に対する寄与はおよそ70%になると見積もられた。
黒田 寛*; 礒田 豊*; 大西 光代*; 岩橋 雅行*; 佐藤 千鶴*; 中山 智治*; 伊藤 集通; 伊勢田 賢一*; 西澤 慶介*; 島 茂樹*; et al.
海の研究, 12(2), p.195 - 214, 2003/03
青森-室蘭間を運航する定期旅客船に搭載されたADCPによる2000年4月2001年4月までの流速データを用いて、日高湾西部陸棚上における数十日周期の流速変動を調べた。主要10分潮の潮流成分をADCPデータからさし引いた後、不等間隔のデータに2種類のスペクトル解析法を適用した結果、西部陸棚上において10,25,60日の3周期帯の流速変動が卓越していると判断された。不等間隔データに適用可能な新しいバンドパス法(HAB法)を提案し、それぞれの周期変動の水平・鉛直流速構造を抽出した。日高湾西部陸棚上におけるADCP観測点間で、3周期帯の流速変動は水平的にほぼ同位相であった。鉛直的にも10, 25日周期変動の位相差はほとんどみられなかったが、60日周期変動は数日の顕著な位相差がみられた。この位相は、下層流が上層流よりも常に先行している。流れと風とのクロススペクトル解析を行った結果、10日周期帯の流速変動のみが風との高い相関を示し、北西風が北西流よりも約1.5日先行していた。これは、大島・三宅(1990)によるモデルからの見積もりとよく一致している。また、10日周期帯の流速変動は秋~冬季にかけて卓越していたことから、この周期帯の変動が北西の季節風によって引き起こされていると推測される。
星月 久昇*; 黒田 勉*; 光藤 誠太郎*; 出原 敏孝*; Glyavin, M.*; 北野 彰洋; 石橋 淳一; 西 裕士; 柴原 格
遠赤外領域開発研究, 4, p.179 - 185, 2003/00
マイクロ波を用いたセラミックス焼結は、従来の抵抗炉等のように外部加熱による焼結法と比較し大きな利点があることから画期的な技術として注目されている。原子炉にて制御棒の中性子吸収材として使用されているBCの焼結試験を実施し、理論密度比74%の焼結体の製作に成功した。
榎枝 幹男; 小原 祥裕; 秋場 真人; 佐藤 聡; 秦野 歳久; 古作 泰雄; 黒田 敏公*; 菊池 茂人*; 柳 義彦*; 小西 哲之; et al.
JAERI-Tech 2001-078, 120 Pages, 2001/12
本報告書は、経済的競争力の強化と技術的な堅実さの維持を両立する原型炉ブランケットの概念構築を目的として行われた平成12年度の原型炉ブランケット設計会議での作業内容をとりまとめたものである。平成11年度の核融合会議戦略検討分科会の議論等から、原型炉の果たすべき使命に関して見直しがなされ、経済的な競合性を有する実用炉の原型であり、それと同じ材料と設計を使用して商業的に魅力ある動力炉の原型であるから、原型炉で、実用化に必要な技術はすべて開発し実証する、と結論付けられた。この見直しを受けて、過去数年にわたるプラズマ研究や炉工学技術開発の進展を勘案して、開発目標として再設定をし、原型炉としてA-SSTRで提案された超臨界水冷却方式の固体増殖ブランケットを目標とし、その概念検討を行った。本概念検討の結果、除熱,発電,燃料増殖,遮蔽などの基本的な性能に関して、超臨界水冷却固体増殖ブランケットの実現可能性が示された。また、電磁力に関する検討,超臨界水による腐食防止に関する予備調査,トリチウム生成挙動と回収方式の検討,冷却発電システムの検討,モジュール製作性の検討,遠隔保守着脱機構,交換計画の検討などを行い、今後解決するべき検討課題を明らかにした。
黒田 直志; 石川 法人; 知見 康弘; 岩瀬 彰宏; 池田 博*; 吉崎 亮造*; 神原 正*
Physical Review B, 63(22), p.224502_1 - 224502_5, 2001/06
被引用回数:9 パーセンタイル:48.04(Materials Science, Multidisciplinary)酸化物超伝導体の磁束系に及ぼす柱状欠陥の形態依存性について調べた。まずTEMによる観察の結果、GeVイオンによって生成される柱状欠陥は、電子的阻止能が大きい時は、連続的な、直径のそろった1本のトラックであるが、阻止能が小さくなるに従い、直径に大きな分布を持った構造になる。このような柱状欠陥形態に依存して、磁束のグラス転移の様子も変化する。阻止能の大きなイオンによって生成された欠陥は、Bose-glass転移をもたらすのに対し、阻止能の小さなイオンによる欠陥は、Bose-glass転移とくらべて、大きな臨界指数を持った、vortex glass転移をひきおこす。
平塚 浩士*; 岡本 貴博*; 黒田 聡*; 奥津 哲夫*; 前岡 裕徳*; 田口 光正; 吉永 鉄大郎*
Research on Chemical Intermediates, 27(1-2), p.137 - 153, 2001/02
被引用回数:9 パーセンタイル:18.52(Chemistry, Multidisciplinary)凝縮相においてベンジルクロライドの光分解を行い反応中間体について分光学的に研究を行った。ベンジルクロライドを含むエタノールを77Kで紫外線照射し、分光測定したところ2種類の反応中間体(塩素がオルト位に転移したベンジルクロライドの異性体と、ベンジルラジカル)が確認された。また、これら2種類の中間体の生成は、室温において紫外線レーザー光照射直後の過渡吸収測定によっても確認された。これら中間体は、励起状態のベンジルクロライドが溶媒かご中でベンジルラジカルと塩素原子となったものが、かごを抜けきれずに塩素がオルト位に再結合した、あるいはかごを抜け出した結果生じたと考えられる。
黒田 雅利*; 山中 伸介*; 永瀬 文久; 上塚 寛
Nuclear Engineering and Design, 203(2-3), p.185 - 194, 2001/01
被引用回数:14 パーセンタイル:68.97(Nuclear Science & Technology)反応度事故条件下における軽水炉燃料棒の破損挙動を解明するために、水素吸収管の破壊に関する解析を破壊力学に基づき行った。応力強度因子(SIF)、J積分及び塑性降伏荷重といった破壊力学パラメータを用いて破壊評価ダイヤグラム(FAD)を構築し、被覆管の破壊応力を評価した。FADから予測される被覆管の破壊応力は、原研が実施したNSRRパルス照射試験や高速加圧バースト試験の結果と定量的に一致した。
黒田 雅利*; 吉岡 邦彦*; 山中 伸介*; 穴田 博之*; 永瀬 文久; 上塚 寛
Journal of Nuclear Science and Technology, 37(8), p.670 - 675, 2000/08
RIA条件下及び内圧負荷時のジルカロイ被覆管の破損挙動に及ぼす析出水素化物の影響を明らかにするために、有限要素法解析により被覆管に負荷される応力-ひずみ分布を求めた。解析に必要なd-Zrと水素化物の機械的性質は超音波音速測定法及び引張試験により測定した。解析結果から、水素化していない被覆管では、内表面で相当塑性ひずみが最も大きくなり、内表面が破損の起点となったと予想される。一方、外表面に水素化物がリム状に偏析した被覆管では、水素化物リム層が比較的低い内圧で破壊することから、破損起点は外表面であったと推測される。水素化した被覆感の応力状態から推定される破損挙動は、NSRRで行われた高燃焼度燃料に対するパルス照射試験結果や高速加圧バースト試験結果と良く一致することがわかった。
黒田 直志; 石川 法人; 知見 康弘; 岩瀬 彰宏; 岡安 悟; 池田 博*; 吉崎 亮造*; 神原 正*
Physica C, 321(3-4), p.143 - 150, 1999/00
被引用回数:11 パーセンタイル:54.6(Physics, Applied)高温超伝導体に重イオン照射を行うと円柱状の欠陥が生じることが知られており、円柱状欠陥を持つ高温超伝導体の磁束ピニングや磁束の動的挙動に興味が持たれている。われわれは、異方性の異なるBi(Sr,La)CuO単結晶とBiSrCaCuO単結晶において重イオン照射により円柱状欠陥を導入し、その時の磁束の動的挙動を交流帯磁率測定により調べ、異方性が磁束の動的挙動にどのように影響するか調査した。BiSrCaCuO単結晶にでは、ボーズグラス転移が見いだされたが、非常に異方性が強いBi(Sr,La)CuOではボーズグラス転移は見いだせなかった。これは、2次元の極限では、グラス転移が0K以上で起こらないことに対応していると考えられる。
倉沢 利昌; 高津 英幸; 佐藤 聡; 森 清治*; 橋本 俊行*; 中平 昌隆; 古谷 一幸; 常松 俊秀; 関 昌弘; 河村 弘; et al.
Fusion Engineering and Design, 27, p.449 - 456, 1995/00
被引用回数:7 パーセンタイル:59.17(Nuclear Science & Technology)核融合実験炉(ITER,FER)で増殖ブランケットとして、セラミックスの層状構造ブランケットが採用されている。このセラミックスブランケットの設計および研究開発に関する最近の原研での研究成果を発表する。ブランケットの設計ではブランケット第1壁の冷却チャンネル中の冷却水停止時の温度上昇および熱応力の解析をおこなうと共に、冷却水の圧力損失の評価をおこなった。ブランケット設計を支援するR&Dではブランケット筐体の製作およびHIP接合部の機械試験を行い、実機製作への見通しを得ると共に有意義なデータベースを取得した。ペブル(Be)充填層の熱伝導度測定および増殖セラミックスの熱サイクル試験、構造材と増殖材の両立性試験後の引張試験データなどを評価解析して発表する。
倉沢 利昌; 高津 英幸; 佐藤 聡; 中平 昌隆; 古谷 一幸; 橋本 俊行*; 河村 弘; 黒田 敏公*; 常松 俊秀; 関 昌弘
Fusion Technology 1994, Vol.2, 0, p.1233 - 1236, 1995/00
原研で行っている核融合実験炉のための固体増殖材方式ブランケットの設計とR&Dの最近の成果をまとめた。固体増殖材ブランケットは、広範なR&Dベース、高い安全性、DEMO炉への適合性等から、実験炉の増殖ブランケットとしても魅力ある概念である。原研では、増殖材、増倍材共にペブル形状にして層状に配置した構造を提案してきており、詳細な核・熱・機械特性解析評価と製作性の検討を行うことにより設計を進めている。また、ペブル材料の特性評価、ペブル充填層の熱伝導特性評価、ブランケット構造体の製作性及びその機械特性評価等を進めた。本論文は、これら設計及びR&Dの最近2年間の進展をまとめる。
堀池 寛*; 黒田 敏公*; 村上 好樹*; 杉原 正芳; 松田 慎三郎
JAERI-M 93-208, 31 Pages, 1993/10
核融合開発の方向に関する議論の一に運転形態が定常かパルスかと言う議論がある。これはトカマクの電流励起についての原理的なものであるが今迄定量的に比較研究された事が無かった。本報はSSTRを定常炉のリファレンスとしてこれと同等技術ベースに則りこれに近いパルス炉の概念を決める事により相互の定量比較を試みた。内容は2部から成り、1つは疲労の効果の評価で、パルス炉は短時間で起動停止を繰返すため疲労が大でこれが炉寸法に与える効果を評価した。2はパルス的な熱出力の取り扱いで、電力網に送電する場合1日に何回も出力が零になる発電所は受け入れられないとすると、それを改良するのに蓄熱器が必要となるがその規模は炉の停止時間の函数となる。この点を他の要因-電源の規模に与える停止時間の影響と合わせて評価することによりパルス出力を補償するに必要な装置規模を評価した。以上の結果、炉の小型化の重要性が判った。
高津 英幸; 森 清治*; 吉田 浩; 橋本 俊行*; 倉沢 利昌; 小泉 興一; 榎枝 幹男; 佐藤 聡; 黒田 敏公*; 鈴木 達志*; et al.
Fusion Technology 1992, p.1504 - 1508, 1993/00
ITERのドライバー・ブランケットの第一オプションとして、概念設計段階に3つの固体増殖体ブランケット概念が選択された。本報告は、その内の一つとして、日本が中心となって提唱している「層状ペブル・ベッド型」ブランケットの設計についてとりまとめたものである。概念設計以降、更に詳細な核熱・構造解析を実施し、構造の簡素化、最適化を実施すると共に、CADを用いた構造図の展開を図り、製作性の観点からもチェックを行うことにより、現実的でありかつ信頼性の高いブランケット概念がまとめられた。