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Zhou, Z.; 西田 明美; 桑村 仁*
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 2, p.481 - 485, 2011/10
地震時等繰り返し荷重を受ける場合に損傷が発生しやすい鉄骨接合部の崩壊挙動を詳細に把握することは、非常に重要である。本研究では、一様な圧縮力を受ける角型鋼管に角錐をはめ込んだソケット接合の極限荷重を実験と有限要素解析の両面から調査した。線形座屈,非線形座屈,修正Riks法の三種類の有限要素解析を実施した。得られた有限要素解析の結果を実験結果と比較したところ、非線形座屈解析と修正Riks法解析は線形座屈解析よりも精度がよい結果となった。さらに、非線形座屈解析と修正Riks法解析により計算された極限荷重は近い結果ではあったが、修正Riks法解析がより実験結果に近い結果となっており、3つの解析法の中では修正Riks法解析が圧縮力を受ける鉄骨接合部の崩壊解析に最も有効であるという知見を得た。
Zhou, Z.; 桑村 仁*; 西田 明美
Procedia Engineering, 10, p.1433 - 1439, 2011/00
被引用回数:2 パーセンタイル:72.87(Engineering, Multidisciplinary)鋼材が塑性変形の過程で破断するとき、その様態が脆性破壊である場合においても、先行する延性きれつが破断の引き金となる。このとき、延性きれつの発生にノッチの存在が重要な役割を果たし、ノッチ形状に依存する応力三軸度が延性きれつ発生ひずみを決定付ける。このことから、応力三軸度と延性きれつ発生ひずみの関係が、ノッチを有する鋼材の実験と有限要素解析を組合せた検討に基づいて提案されている。しかしながら、その際の有限要素解析においては、延性きれつの源となるミクロなボイド(空孔)の発生・成長が考慮されていないので、そこから得られる応力-ひずみ状態の解析結果は実態とかけ離れている可能性がある。そこで、本研究では、ボイドの発生・成長を考慮した数理塑性モデルを用いてノッチを有する鋼材の応力-ひずみ状態を解析し、ボイドを考慮しない従来のモデルと比較することによってボイドの影響を調査するとともに、実験結果との整合性も合わせて検討した。得られた結果から、ノッチを有する鋼材の応力三軸度-塑性ひずみ関係におけるミクロボイドの影響は、安定限界点までは小さく、安定限界点を越えたあとは次第に大きくなることがわかった。
Zhou, Z.; 伊藤 拓海*; 桑村 仁*
Proceedings of 9th Pacific Structural Steel Conference (PSSC 2010), Vol.2, p.1037 - 1042, 2010/10
1994年ノースリッジ地震と1995年兵庫県南部地震では、数回又は数十回の繰り返し荷重を受けた後、鉄骨建物の脆性破壊が発生している。脆性破壊を考慮して耐震設計を行うためには、延性き裂進展と塑性変形振幅の相関関係を解明することが重要であるが、今のところ、特に大振幅の場合では、この相関関係は十分解明されていない。本論文では、実験結果よりき裂進展に関する考察を行った。延性き裂深さ・平均延性き裂深さと塑性率振幅・塑性歪エネルギー率振幅の相関性を分析した。き裂深さの予測について、塑性歪エネルギー率振幅による予測が塑性率振幅による予測より精度が高く、平均延性き裂深さの予測が最大延性き裂深さの予測より精度が高いことがわかった。温度の影響については、冷却した場合の延性き裂進展速度は室温の場合より大きいことがわかった。
Zhou, Z.; 西田 明美; 桑村 仁*
Proceedings of Joint International Conference of 7th Supercomputing in Nuclear Application and 3rd Monte Carlo (SNA + MC 2010) (USB Flash Drive), 5 Pages, 2010/10
鋼部材接合部の構造力学的性能の研究には、接合部の崩壊挙動を詳細に検討する必要がある。本研究では、有限要素法と実験により、圧縮荷重を受ける角錐-角筒ソケット接合部の限界荷重を検討した。有限要素法解析においては四節点のシェル要素を使って接合部をモデル化し、三種類の解析、すなわち線形座屈解析,非線形座屈解析とRiks法解析を実施した。線形座屈解析では、座屈が起きる直前までは線形状態であることを前提とし、圧縮荷重は直接加えた。非線形座屈解析では、座屈前までは非線形解析を行い、材料非線形と大変形を考慮した。Riks法解析では、非線形と大変形を考慮し、Riksメソッドを使用した。これら有限要素解析の結果と実験結果と比較したところ、Riks法解析の結果と実験結果の一致は良好であり、鋼部材接合部の崩壊分析に適用できることがわかった。