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岩本 昭; Mller, P.*; Madland, D. G.*; Sierk, A.*
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(4), p.332 - 336, 2002/04
被引用回数:2 パーセンタイル:17.03(Nuclear Science & Technology)核分裂における、最も生じやすい質量分割の理論計算が述べられる。模型はメッシュ点が250万以上の5次元のポテンシャルエネルギーの解析に依るものである。特別な関心は、鞍部点のエネルギーと位置を近似なしに求めることである。計算結果より、静的なポテンシャルエネルギー表面に多重の鞍部点が存在することをが示される。そのうち最も低い鞍部点とその次の鞍部点が重要であり、このうち一方が質量対称変形、残りが質量非対称変形をしていることが示される。このうちどちらが低いかは、核分裂する親核に依存して変化する。フェルミウムのアイソトープの場合には、この2者の高さは微妙に変化し、256Fmの場合には非対称変形の鞍部点が低く、一方258Fmの場合には対称変形の鞍部点が低くなる。この計算により、2重モード核分裂と呼ばれている現象が説明される。
Mller, P.*; Madland, D. G.*; Sierk, A. J.*; 岩本 昭
Nature, 409(6822), p.785 - 789, 2001/02
被引用回数:287 パーセンタイル:99.33(Multidisciplinary Sciences)核分裂のポテンシャル表面に対する、多次元の現実的な理論計算の結果が述べられる。このポテンシャル表面は、分裂核の基底状態から出発して鞍部点を超えて、最後に二つの分裂核に至る形状を記述する。今までの計算では、実験結果を再現するのに必要となる、多重の極小点や谷筋の径、尾根の存在等を記述することができる多次元のポテンシャル表面を正確に計算したものはなかった。この論文でわれわれは、5次元の形状パラメーターを動員して、260万を越すグリッド点に対する計算を行った。その結果、対称及び非対称な核分裂障壁が独立に存在すること、核分裂片の質量や相対的運動エネルギーが5次元の形状パラメーター空間での谷筋の径や尾根の存在様式と強く相関していること、を初めて明らかにした。
岩本 昭; Mller, P.*; Madland, D. G.*; Sierk, A. J.*
AIP Conference Proceedings 597, p.243 - 248, 2001/00
われわれは核分裂のポテンシャルエネルギー表面を、核分裂核の現実的な形状に対してSturtinskyの処方に従い計算した。それは5種類のパラメターを含みそれにより5次元空間の250万点以上のメッシュ点につき計算した。核分裂の鞍部点の解析を近似なしに行いそれより核分裂過程に関して次の知見を得た。(1)ほとんどのアクチノイド核は2種類の最も低い鞍部点を有し、一方は質量対象、一方は質量非対称である。(2)この二つの鞍部点の相対的な高さは核分裂核に依存して決まり、実験的に得られている質量分割モードは最も低い鞍部点の性質により決定される。(3)Fmアイソトープの2重モード核分裂は、鞍部点の解析から理解された。(4)非対称核分裂の非対称度のピーク値の実験値は、ポテンシャル表面の解析から理解された。