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Madrid, J. F.*; 植木 悠二; 瀬古 典明
Radiation Physics and Chemistry, 90, p.104 - 110, 2013/09
被引用回数:27 パーセンタイル:89.01(Chemistry, Physical)アバカ(芭蕉科の多年草)は、強靭かつ軽量、また、耐湿性に優れており、古くから船舶用ロープ、漁網,紙幣,織物などの原料として利用されている。アバカの主要生産国であるフィリピンでは、このアバカ、及び、アバカ繊維の用途拡大を目指し様々な研究を実施している。アバカの主成分は、セルロース類であり、金属イオン吸着材の基材として利用できる可能性を秘めている。そこで本研究では、アバカ繊維を基材とする金属イオン吸着材の合成を試みた。その結果、エマルショングラフト重合とそれに続くアミン化処理により、目的とするアバカ繊維を基材とする新規金属イオン吸着材を合成することに成功した。吸着材のグラフト率、及び、アミン基密度はそれぞれ150%と2.7mmol/g-吸着材であった。また、性能評価試験として、Cuイオン、及び、Niイオンのバッチ式吸着試験を実施したところ、本吸着材はCuイオンに対してより高い選択性を有していることが分かった(吸着容量: 141.9mg-Cu/g-吸着材, 31.5mg-Ni/g-吸着材)。さらに、本吸着材の吸着速度を市販の粒子状イオン交換樹脂と比較したところ、金属イオンの種類に係わらず本吸着材の方がより速い吸着速度を示し、特に、Cuイオンに対しては粒子状樹脂の約30倍の吸着速度であった(浸漬時間5分後のCuイオンの除去率: 吸着材: 89.8%, 粒子状樹脂: 3.3%)。