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足立 匡*; Ogawa, Taiki*; 小宮山 陽太*; 須村 拓也*; Saito-Tsuboi, Yuki*; Takeuchi, Takaaki*; Mano, Kohei*; Manabe, Kaoru*; 川端 幸樹*; 今津 毅士*; et al.
Physical Review B, 111(10), p.L100508_1 - L100508_6, 2025/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Materials Science, Multidisciplinary)Chiral superconductivity exhibits the formation of novel electron pairs that breaks the time-reversal symmetry and has been actively studied in various quantum materials in recent years. However, despite its potential to provide definitive information, effects of disorder in the crystal structure on the chiral superconductivity has not yet been clarified, and therefore the investigation using a solid-solution system is desirable. We report muon-spin-relaxation (SR) results of layered pnictide BaPtAs
Sb
with a honeycomb network composed of Pt and (As, Sb). We observed an increase of the zero-field
SR rate in the superconducting (SC) state at the Sb end of
, suggesting the occurrence of a spontaneous magnetic field due to the time-reversal symmetry breaking in the SC state. On the other hand, a spontaneous magnetic field was almost and completely suppressed for the As-Sb mixed samples of
and 0.2, respectively, suggesting that the time-reversal symmetry-breaking SC state in
is sensitive to disorder. The magnetic penetration depth estimated from transverse-field
SR measurements at
and 0.2 behaved like weak-coupling
-wave superconductivity. These seemingly incompatible zero-field and transverse-field
SR results of BaPtAs
Sb
with
could be understood in terms of chiral
-wave superconductivity with point nodes on the three-dimensional Fermi surface.
真辺 健太郎; 佐藤 薫; 高橋 史明
Journal of Nuclear Science and Technology, 59(5), p.656 - 664, 2022/05
被引用回数:1 パーセンタイル:9.64(Nuclear Science & Technology)内部被ばく線量は、評価対象の体格特性に依存することが知られている。標準的コーカソイドの体格特性に基づく人体モデルを用いて評価された国際放射線防護委員会(ICRP)の線量係数を日本人に適用するにあたっては、コーカソイドと日本人の体格特性の違いによる線量係数の変動幅について把握しておくことが重要である。本研究では、平均的成人日本人モデルに基づく既存の比吸収割合データ(SAF)に対しICRP 2007年勧告に完全に準拠した最新の線量評価手法に合致するよう追加計算を伴う修正を行うとともに、平均的な日本人体格特性を反映した実効線量係数を評価し、ICRPの線量係数と比較した。その結果、8割程度の摂取条件については差違が10%以内となった。ただし、一部の摂取条件では、臓器質量の違いや胸腔周辺の皮下脂肪量の違いにより、
40%程度変動することが確認された。本研究により得られた知見は、ICRPの線量係数を異なる体格特性を持つ集団に適用する際に有用である。なお、本研究で整備した日本人SAFの電子ファイルは付録として公開される。
高橋 史明; 真辺 健太郎; 佐藤 薫
JAEA-Review 2020-068, 114 Pages, 2021/03
現在の日本国内の放射線安全規制は、国際放射線防護委員会(ICRP)による1990年勧告の主旨に基づいて制定されているが、ICRPはこれに置き換わる2007年勧告を公開した。そのため、原子力規制委員会の下に設置されている放射線審議会では、最新の2007年勧告の主旨を国内の規制へ取り入れるための検討を進めている。また、ICRPは2007年勧告に準拠する内部被ばく評価に用いる実効線量係数の公開も進めており、内部被ばくの評価法に係る技術的基準の見直しも想定される。現在のところ、作業者や公衆の内部被ばく防護のための濃度限度について、改正に必要な実効線量係数の全ては公開されていない。一方で、既に公開されている実効線量係数については、作業者の内部被ばく防護で重要な核種へ適用されるものも含まれる。そこで、ICRPが平成28年(2016年)から令和元年(2019年)にかけて発刊した「職業人の放射性核種摂取(Occupational Intakes of Radionuclides)シリーズ」のparts2、3及び4に基づいて、新しい実効線量係数及び基本となる線量評価モデルやデータをレビューし、現在の国内における内部被ばく評価法に係る技術的基準からの変更点を調査した。さらに、今後の2007年勧告を踏まえた内部被ばく評価法に係る技術的基準の円滑な改正に供するため、課題等を整理した。
真辺 健太郎; 佐藤 薫; 高橋 史明
BIO Web of Conferences (Internet), 14, p.03011_1 - 03011_2, 2019/05
被引用回数:1 パーセンタイル:68.19(Public, Environmental & Occupational Health)線量係数は放射性核種1Bq摂取当たりの預託実効線量であり、内部被ばくに対する線量評価や防護基準値の設定における基礎的な量である。本研究では、国際放射線防護委員会(ICRP)の2007年勧告に従う内部被ばく線量評価コードの開発の一環として、最新の線量評価用モデル・データを用いた線量係数計算機能を開発した。開発した機能の品質は、本機能による計算結果とICRPが公開している作業者に対する線量係数データベースの収録値を比較することにより検証した。本発表では、線量係数の比較結果や、今後の開発計画について報告する。
真辺 健太郎; 佐藤 薫; 高橋 史明
Journal of Nuclear Science and Technology, 56(5), p.385 - 393, 2019/05
被引用回数:4 パーセンタイル:33.76(Nuclear Science & Technology)高エネルギー加速器施設では、高エネルギー粒子と施設構造物、施設内の空気等との核反応によって様々な放射性核種が生成され、施設作業者に対する潜在的な内部被ばく源となる。しかしながら、国際放射線防護委員会(ICRP)が公開しているICRP 2007年勧告に従う線量係数(放射性核種1Bq摂取当たりの預託実効線量)の中には、半減期が10分未満の短半減期核種は含まれていない。そこで、本研究では対応する元素の体内動態モデル等に基づき、このような短半減期核種の吸入摂取及び経口摂取に対するICRP 2007年勧告に従う線量係数を評価した。その結果をICRP 1990年勧告に従う線量係数と比較したところ、吸入摂取では線量係数が減少し、経口摂取では増加する傾向が見られた。こうした線量係数の変化は、線量計算手順の変更や消化管モデルの改訂等が原因であることが明らかになった。この結果は、高エネルギー加速器施設におけるICRP 2007年勧告に対応した放射線防護計画の立案に有用なものとなる。
真辺 健太郎; 佐藤 薫; 高橋 史明
JAEA-Data/Code 2016-013, 48 Pages, 2016/12
国際放射線防護委員会ICRPは、2007年勧告において、コーカソイドの身体的特性を備えた男女別のボクセルファントムに基づく等価線量の男女平均値に組織加重係数を適用し、実効線量を評価することとした。内部被ばくに対する線量評価で必須の比吸収割合SAFは、その算出に使用するファントムの体重や臓器質量に依存する。したがって、今後ICRPが公開する2007年勧告対応の線量係数(放射性核種1Bq摂取あたりの預託実効線量)は、コーカソイドの身体的特性が反映されたSAFに基づき評価され、かつ男女平均されたものとなる。一方、成人日本人は成人コーカソイドに比べて小柄であり、臓器質量の特徴も異なる。ICRPの線量係数を日本人の放射線防護の目的に利用するにあたり、人種による身体的特性の違いが線量係数に及ぼす影響について把握することは重要である。本研究では、平均的成人日本人女性ファントムJF-103を汎用放射線輸送計算コードMCNPX2.6.0に組み込み、67個の線源領域と42個の標的臓器の組合せについて、10keVから10MeVの範囲の25種類の単色光子及び電子に対するSAFを計算した。本報告書のデータと、先に公開した平均的成人日本人男性ファントムJM-103の光子及び電子SAFデータを用いることにより、光子及び電子以外の放射線を放出しない放射性核種の摂取に対し、成人日本人の平均的な特性を反映させた性別毎及び性平均の線量係数を算出するためのSAFデータが整備された。
真辺 健太郎; 佐藤 薫; 高橋 史明
JAEA-Data/Code 2014-017, 60 Pages, 2014/10
国際放射線防護委員会ICRPは、2007年勧告において、コーカソイドの体格、臓器質量のデータに基づく人体モデルを線量評価のための標準ファントムと定めた。標準ファントムは、内部被ばく線量評価においては、比吸収割合SAFの算出に用いられる。一方、成人日本人は、成人コーカソイドに比べ小柄であり、臓器質量の特徴も異なる。SAFは体格や臓器質量に依存するため、両人種間の身体的特性の違いが線量係数に影響を及ぼす可能性がある。そこで、平均的成人日本人男性ファントムJM-103を汎用放射線輸送計算コードMCNPX 2.6.0に組み込み、67個の線源領域と41個の標的臓器の組合せについて、10keVから10MeVの範囲の25種類の単色光子及び電子に対するSAFを計算した。また、本研究の計算結果とICRPの成人男性の標準ファントムによるSAFを比較して、成人日本人とコーカソイド間の身体的特性の違いがSAFに及ぼす影響を分析した。本研究で計算したJM-103のSAFは、成人日本人男性と成人コーカソイド男性の身体的特性の違いが線量係数に及ぼす影響を評価するための基礎データとなる。
真辺 健太郎; 佐藤 薫; 遠藤 章
Physics in Medicine & Biology, 59(5), p.1255 - 1270, 2014/03
被引用回数:6 パーセンタイル:26.18(Engineering, Biomedical)国際放射線防護委員会(ICRP)の2007年基本勧告では、実効線量の評価において、標準的なコーカソイドの体格特性に基づくファントムを用いることとしている。内部被ばく線量評価に用いられる比吸収割合(SAF)は、その算出に使用するファントムの体格特性に依存する。そこで、コーカソイドに比べて小柄で、脂肪量が少ない日本人の体格特性が内部被ばく線量評価に及ぼす影響を解析した。まず、平均的成人日本人ファントム(JM-103)を放射線輸送計算コードMCNPXに組み込み、内部被ばくの線量評価で重要な光子及び電子に対するSAFを計算した。ICRP標準成人男性ファントムの電子SAFは文献値を参照し、光子SAFはJM-103と同様に計算した。各ファントムのSAFを用いて、923の放射性核種の2894の摂取ケースに対する実効線量係数相当量(以下、実効線量係数と呼ぶ)を算出し、相互に比較した。その結果、両者の違いは最大で約40%となったが、97%のケースでは違いが10%以内であることが明らかになった。また、体格、臓器・組織の質量等の違いが実効線量係数に与えた影響を解析した。本研究により得られた知見は、コーカソイドの体格特性が反映されたICRPの実効線量係数を、異なる体格特性を持つ人種に適用する際に有用となる。
佐藤 薫; 真辺 健太郎; 遠藤 章
Radioisotopes, 61(6), p.315 - 320, 2012/06
放射線被ばくに対する線量評価では、体格・臓器質量が臓器線量に影響するため、評価対象者の体格特性を可能な限り考慮して線量を評価することが求められるケースがある。日本人は、西欧人よりも小柄であるため、その体格・臓器質量を反映したファントムの開発が求められていた。これまでに原子力機構では、ある特定の成人日本人のCT画像を利用して、Otoko, Onago, JM, JFと呼ばれる複数の男女のボクセルファントムを開発した。本研究では、JM, JFファントムをもとに、体格・臓器質量について、成人日本人の平均的な特性を持ち、かつ、ICRP 2007年勧告(ICRP Publication 103)において実効線量の算定で必要とされているすべての臓器を有する男性(JM-103)及び女性(JF-103)のボクセルファントムを新たに開発した。そして、JM-103及びJF-103について、光子に対する比吸収割合を計算し、Otoko, Onago, JM, JFによる値と比較した。その結果、各ファントムの光子吸収割合は、臓器質量に強く依存することを明らかにした。このことから、平均的成人日本人の体格を模擬したJM-103及びJF-103は、ICRP 2007年勧告に基づき、標準的な成人日本人に対する線量のための有効なツールと考えられる。
横山 須美; 佐藤 薫; 真辺 健太郎; 野口 宏; 金子 広久; 沖 雄一*; 飯田 孝夫*; 田中 進*
Radiation Protection Dosimetry, 127(1-4), p.392 - 397, 2007/11
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Environmental Sciences)高エネルギー加速器施設において、空気の核破砕反応によって生成される放射性核種の吸入による内部被ばく線量を評価するためには、核種の物理化学的特性が重要となる。しかし、高エネルギー陽子照射場において核破砕反応により空気中のArから生成される放射性塩素の性状に関する十分な情報がない。そこで、Arを添加した空気に48MeVの陽子を照射して生成される放射性塩素のエアロゾル・ガス比を測定した。また、放射性塩素エアロゾルの生成に寄与する非放射性エアロゾルの粒径分布及び化学形を測定した。この結果、放射性塩素は、エアロゾル,酸性ガス,非酸性ガスで存在すること,放射性塩素エアロゾルの割合は70%以上であること、放射性塩素ガスは30%が酸性ガス及び70%が非酸性ガスであることを明らかにした。また、照射初期段階の非放射性エアロゾル濃度は、2030nmにピークを持ち、10分後には、多くの粒子が200nm以下に幅広く分布した。このことから、加速器施設のビームライン周辺において、非放射性エアロゾルへの放射性塩素の付着により生成される放射性塩素エアロゾルの粒径は、ICRPのデフォルト値よりもかなり小さいと考えられる。
真辺 健太郎; 嶋 洋佑*; 佐藤 薫; 高橋 史明
no journal, ,
放射線施設等における個人線量管理や、事故等で放射性核種を体内に取り込んだ際の内部被ばく線量評価では、全身カウンタやバイオアッセイ等のモニタリング結果から核種の摂取量を推定する。本研究では、国際放射線防護委員会(ICRP)2007年勧告に従う内部被ばく線量評価コードの開発の中で、最新の体内動態モデルを用いて、モニタリング結果から核種の摂取量を推定する機能の開発を進めている。平成30年度は、平成29年度に実施した概念設計に基づき、1回又は複数回の急性摂取及び慢性摂取を対象とし、最尤推定法により摂取量を推定する基本機能を開発した。また、本機能の妥当性の検証は、核種摂取量推定に関する先行研究を例題とし、本機能による推定結果を文献値と比較することにより行うこととした。当日の発表では、本機能が採用した摂取量推定手法と数例の比較結果について報告する。
真辺 健太郎; 佐藤 薫; 高橋 史明
no journal, ,
原子力機構安全研究センターでは、平成29年度より原子力規制委員会放射線安全規制研究推進事業として、ICRPの2007年勧告に基づく内部被ばく線量評価コードの開発を進めている。このコードは、2007年勧告の国内法令取入れに伴う内部被ばく防護基準値の見直しにおける実効線量係数の計算を行うための機能とともに、体外計測やバイオアッセイによるモニタリング値から放射性核種の摂取量を推定する機能を実装する計画となっている。本発表では、核種摂取量推定機能の概要や想定される適用方法について報告する。
真辺 健太郎; 佐藤 薫; 高橋 史明
no journal, ,
放射性核種を継続的に摂取し続ける慢性摂取では、摂取開始から一定時間が経過した後で体内の放射能が平衡状態になるという特徴がある。本研究では、Csの可溶性エアロゾルの慢性摂取について、国際放射線防護委員会(ICRP)による体内動態モデルの更新が内部被ばく線量評価に及ぼす影響を調べた。新旧2種類の動態モデルを用いて体内放射能の推移及び年実効線量率を計算した結果、体内放射能が平衡状態となる3年経過後において、体内放射能は呼吸気道における動態モデルの更新により13%増加し、線量率はセシウムの全身移行モデルの更新により41%増加することが明らかになった。
高橋 史明; 佐藤 薫; 真辺 健太郎
no journal, ,
原子力規制庁では、国内の放射線規制へICRP2007年勧告の主旨を取り入れるための議論を進めている。放射線規制の改正があった場合、放射線防護のための基準値も見直される。原子力機構では、内部被ばく防護のための新しい基準値の基本となるICRPの実効線量係数について、基本とするモデルに従い正確に導出されることを検証するため、基盤技術となる内部被ばく線量評価コードを原子力規制庁からの受託事業で開発している。開発したコードは、ICRP2007年勧告に準拠する線量評価モデルやデータを実装し、今後に公開が予想される新しいモデルを簡便に追加できる構成としている。これまでに公開されたICRPの新しい実効線量係数を参照して、開発したコードの妥当性を確認した。他、放射線事業者の内部被ばくモニタリングに有益な機能も開発し、同コードに実装した。
真辺 健太郎; 渡嘉敷 雄士*; 佐藤 薫; 高橋 史明
no journal, ,
原子力機構安全研究センターでは、原子力規制委員会放射線安全規制研究戦略的推進事業として、平成29年度からの4ヶ年計画で、国際放射線防護委員会(ICRP)2007年勧告に基づく内部被ばく線量評価コードの開発を進めている。事業3年目となる平成31年度は、放射性核種1Bq摂取当たりの預託実効線量(線量係数)を計算する機能とモニタリング値から核種の摂取量を推定する機能を統合し、計算条件等を指定するグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を開発することで、コードのプロトタイプ(版)を完成させた。
版は、JavaアプリケーションとしてWindows, Linux及びmacOSマシンで動作する。GUIによる操作では、計算対象核種, 摂取経路, 化学形の他、核種摂取量推定機能では摂取時期及びモニタリング値も入力する。さらに、使用する体内動態モデルに関する移行経路の追加や移行係数の変更、1990年勧告対応のモデルやデータの使用も可能とした。本発表では、
版の概要とコードの完成及び公開までの計画について報告する。
高橋 史明; 真辺 健太郎; 佐藤 薫
no journal, ,
国内の放射線安全基準は、国際放射線防護委員会(ICRP)による1990年勧告の主旨を踏まえて制定されている。一方、ICRPは1990年勧告に置き換わる2007年勧告を公開しており、その主旨を反映した国内基準の改正に関する検討も進められている。そこで、ICRPの職業被ばくによる内部被ばく線量評価に関する刊行物であるOIR(Occupational Intakes of Radionuclides)シリーズ等を調査し、今後の内部被ばく防護のための基準値の改正で留意すべき課題などを整理した。ICRPは、2007年勧告に準拠する内部被ばく線量評価のプロセスとして、摂取した核種の放射能に実効線量係数(Sv/Bq)を乗じる手法を引き続き採用した。ただし、OIRシリーズでは、現在の安全基準で考慮されている半減期10分未満の核種に対する実効線量係数は提供されていない。また、OIRシリーズのサブマージョン核種に対する線量評価データは、国内の空気中濃度限度の算定で基礎としたデータとは異なる条件で計算されている。これらのICRPが線量係数を提供しない核種や被ばく状況については、国内で独自にデータ整備を進めること等が課題となる。
真辺 健太郎; 横山 須美; 遠藤 章; 佐藤 薫
no journal, ,
国際放射線防護委員会(ICRP)がPublication 100(Publ.100)において導入したヒト消化管モデル(HATM: Human Alimentary Tract Model)は、Publ.30モデルの開発以降に得られた新たな知見等を取り入れ、Publ.30モデルにコンパートメントを追加し詳細化するとともに、物質移行に関するパラメータが成人男女,年齢に応じて与えられた新しいモデルである。本研究では、HATMの導入による内部被ばく評価への影響を明らかにするために、経口摂取量の評価に必要な排泄率についてHATMとPubl.30モデル間での比較を行い、さらにそれに基づき評価される経口摂取量について比較を行った。成人男性がPuを摂取したときの排泄率について比較した結果、排泄率にモデル間の違いが見られた。そして摂取から7
10日目に採取した糞試料から摂取量を評価すると、HATMはPubl.30モデルの約7
20倍にもなることが明らかになった。
横山 須美; 真辺 健太郎; 佐藤 薫; 遠藤 章
no journal, ,
国際放射線防護委員会(ICRP)は、従来のPublication30の胃腸管モデル(Publ.30モデル)を詳細化した新しい消化管モデル(HATM)を発表した。このHATMでは、電子に対する消化管壁の線量を標的細胞に対して評価することとなった。このようなモデルの変更が消化管の線量にどのような影響を与えるかを明らかにするため、HATMとPubl.30モデルを用いて、エネルギー分布の異なるベータ線放出核種による消化管の吸収線量を計算し、比較を行った。その結果、S-35のようなベータ線のエネルギーが低い核種の場合、HATMで計算した右結腸及び左結腸の吸収線量は、Publ.30モデルで計算した値よりも顕著に低かった。この差は、HATMで用いた比吸収割合(SAF)がPubl.30モデルで用いた値よりも低いことが決定的な要因であることが明らかとなった。また、P-32のようなベータ線エネルギーの高い核種の場合、HATMを用いて計算した胃の吸収線量は、Publ.30モデルで計算した値より45%高かった。これは、HATMを用いて計算した胃内容物の総壊変数がPubl.30モデルを用いて計算した値より高くなることに加え、HATMで用いた胃のSAFが0.3MeV以上でPubl.30モデルの値よりも高いことが要因であることが明らかとなった。
真辺 健太郎; 佐藤 薫; 遠藤 章
no journal, ,
ICRP2007年基本勧告に基づく内部被ばくによる実効線量等の評価では、標準的なコーカソイドの体格・臓器質量データを有するファントムで算出した比吸収割合SAFを用いるとされている。コーカソイドとわれわれ日本人の体格・臓器質量等は異なるため、日本人の体格・臓器質量等を反映したSAFを用いて算出した内部被ばく線量に関する知見は、国内法令への2007年勧告の取入れの検討等で重要となる。そこで、本研究では、成人日本人男性の平均的な体格・臓器質量を持つJM-103ファントムを用いて評価したSAFをもとに、作業者のK,
Ag及び
Iの吸入摂取量あたりの実効線量に相当する量(実効線量)を計算し、ICRP標準成人男性ファントムのSAFに基づく値と比較した。その結果、全身に分布する
Kについては人種間の体格の違い、
Agについては集積する肝臓の質量の違いに起因し、JM-103の方が大きい実効線量を与えるが、その違いは10%程度であることがわかった。また、
Iは、集積する甲状腺の質量に差がほとんどないため、摂取量あたりの実効線量もほぼ等しいことが明らかになった。今後、さまざまな核種,摂取条件について計算を行い、線量の違いを系統的に解析する予定である。
高橋 史明; 真辺 健太郎; 佐藤 薫
no journal, ,
国際放射線防護委員会(ICRP)は、自身の公表した2007年勧告に従う内部被ばく線量評価用モデルやデータを順次公開している。本研究では、ICRPの2007年勧告の取入れに伴う国内の放射線防護基準値の見直しにおける実効線量係数の計算、モニタリング値から放射性核種の摂取量の推定を可能とするコードを開発する。本コードの開発においては、国内の基準値の見直しへ利用するため、ICRPにより今後も公開されるデータの拡張への対応可能な設計とする。また、実際のモニタリングに基づく線量推定を鑑みて、体内放射能の変化を計算する機能の開発を進める。このコードの開発は、原子力規制委員会からの委託事業により、4か年の計画で進めるもので、この演題では全体概要を報告する。