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中嶋 薫*; 丸毛 智矢*; 永野 賢悟*; 木村 健二*; 鳴海 一雅; 齋藤 勇一
no journal, ,
高分子/生体分子の二次イオン質量分析においては目的の分子を壊さずに効率よくイオン化して放出させることが重要になる。我々はアミノ酸試料(フェニルアラニン)の基板に自立薄膜(非晶質SiN)を使用して、MeV Cイオンを基板(SiN)側から照射することで前方(下流)に放出される分子イオン収量の向上及び分子イオンの断片化(フラグメンテーション)抑制に関わる有効性を調べている。これまでに二次イオン出射面での一次イオンからのエネルギー付与密度がCイオンによるものよりも、Cが解離して炭素原子間距離が広がることによりエネルギー付与密度が適度に小さくなった方が無傷の分子イオン収量が向上し、かつ断片化がより抑制されることを明らかにした。今回は、試料の上流に設置した別のSiN薄膜でCイオンを分解させて得た、60個の炭素原子(イオン)を同時に試料に照射したときの二次イオンの質量分析を行った。すなわち、炭素原子間距離が極端に大きい場合を検討した。その結果、フェニルアラニンの分子イオン収量は0であり、また、フェニルアラニン分子に特徴的な高分子量フラグメントイオンは収量が相対的に小さくなった。この結果は、高い分子イオン収量と断片化の抑制を両立させるためには、クラスター照射によってもたらされる適度なエネルギー付与密度が重要であることを示唆している。
丸毛 智矢*; 中嶋 薫*; 木村 健二*; 鳴海 一雅; 齋藤 勇一
no journal, ,
単原子の一次イオンを試料に入射したときに入射側に放出される二次イオンを検出・分析する従来の二次イオン質量分析法(SIMS)では、生体試料の分析においては試料中の高分子を細かい断片にまでは壊さずに効率よくイオン化して放出させることが困難という欠点がある。そこで、本研究では、高分子二次イオンの断片化抑制と高収量化を目的として、高分子を細かく断片化せずに放出できることが期待されるクラスターイオンを一次イオンとして用いるとともに、薄膜試料において二次イオン収量がより高いと確認されている、透過一次イオンによる前方(試料下流側)での二次イオン検出を行う手法の有効性を調べた。厚さ20nmの非晶質SiN自立薄膜上に作製したアミノ酸薄膜に、SiN側から5MeV Cイオンを照射したときに前方に放出される二次イオンの質量分析を行った。その結果、従来方法に比べて分子イオン収量の向上及び分子イオン断片化抑制の効果が認められ、本手法が、アミノ酸の分析に有効であることを明らかにした。講演では、さらに分子量の大きなペプチドについての結果と併せて議論する。