Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
山本 誠士郎*; 大平 直也*; 伊藤 大介*; 伊藤 啓*; 齊藤 泰司*; 今泉 悠也; 松場 賢一; 神山 健司
Proceedings of 12th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS12) (Internet), 4 Pages, 2022/10
To develop a microscopic pressure drop prediction model based on detailed measurement data of gas liquid two-phase flow, the pressure drop was measured in the vertical upward gas-liquid two-phase flow formed in quasi-2D test section. The measurement results showed that the pressure drop in the quasi-2D test section was much smaller than that in the ordinal packed bed system, which suggests that the pressure drop mechanism in the quasi-2D test section could be different from that in the ordinal packed bed system due to differences in two-phase flow characteristics in the two systems. The void fraction distribution was also measured in the quasi-2D test section by the X-ray imaging technique, which revealed that there was a local distribution of the void fraction in the channel unit structure of the closest packed bed.
今泉 悠也; 青柳 光裕; 神山 健司; 松場 賢一; Akayev, A. S.*; Mikisha, A. V.*; Baklanov, V. V.*; Vurim, A. D.*
第26回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集(インターネット), 4 Pages, 2022/07
高速炉の炉心崩壊事故での炉心からの燃料流出後の残留炉心物質の冷却性は、炉心物質の配置に大きな影響を与え、それは炉容器内保持(IVR)達成のための重要な要素である。残留炉心物質の冷却は「インプレース冷却」と呼ばれ、その評価のため、実機の炉心での挙動をSIMMER-IIIで解析し、その解析結果に基づき重要度ランクテーブル(PIRT)の手法を適用した。そして、PIRTによって抽出された熱流動現象に着目した実験をEAGLE-3のフレームワークで実施した。実機のインプレース冷却の段階で発生し得る継続的な液位振動が実験では観察され、SIMMER-IIIで解析を実施した。解析結果の調査から、実験結果と解析結果の差異は、ナトリウム液位の上での非凝縮性ガスの残存と占有によることが分かったが、これは実験では非現実的だと考えられる。この問題を解決するため、非凝縮性ガスとナトリウム蒸気のガス混合モデルを開発し、その新モデルにより実験結果と解析結果の一致が大幅に改善された。
松場 賢一; 篠原 正憲; 豊岡 淳一; 稲葉 良知; 角田 淳弥
エネルギー・資源, 43(4), p.218 - 223, 2022/07
世界的な「脱炭素化」の潮流において、日本は2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、原子力を含めたあらゆる選択肢の追求を方針にしている。その有望な選択肢の一つである小型モジュール炉(SMR: Small Modular Reactor)を含む新型炉開発を推進することは、原子力に対する社会要請に応えるうえでも重要である。本稿では、国内外のSMR開発動向を解説するとともに、SMRを含む新型炉開発に係る日本原子力研究開発機構の取組みを紹介し、おわりにSMRを含む新型炉の国内導入に向けた今後の展望を述べる。
Johnson, M.*; Delacroix, J.*; Journeau, C.*; Brayer, C.*; Clavier, R.*; Montazel, A.*; Pluyette, E.*; 松場 賢一; 江村 優軌; 神山 健司
Proceedings of International Conference on Fast Reactors and Related Fuel Cycles; Sustainable Clean Energy for the Future (FR22) (Internet), 8 Pages, 2022/04
シビアアクシデントに関する日仏共同実験の一環として、ナトリウム冷却高速炉の原子炉容器内下部プレナムへ溶融燃料が流出した時の燃料-冷却材相互作用について、その解明に向けた研究を実施している。MELT施設では、ナトリウム中へ流出したキログラム単位の模擬溶融炉心物質が急冷される様子をX線で可視化することができる。現在準備中のSERUA施設では、融体と冷却材の接触境界面温度が上昇した場合の沸騰熱伝達を評価するためのデータ取得を予定している。この論文では、これらの施設を活用した実験協力の現状について紹介する。
松場 賢一; 加藤 慎也; 神山 健司; Akayev, A. S.*; Baklanov, V. V.*
Proceedings of 28th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 28) (Internet), 4 Pages, 2021/08
ナトリウム冷却高速炉における炉心崩壊事故の発生時に深さと体積が制限されたナトリウム領域(浅いナトリウムプール)に流出した炉心溶融物の微粒化と冷却挙動に関する知見を得るため、溶融炉心物質の模擬物質として溶融アルミナを用いた炉外試験を行った。本試験の結果に基づき、以下のメカニズムを把握した。(1)溶融ジェットと浅いナトリウムプール底面との衝突に伴うFCI(Fuel-coolant interaction)が微粒化を促進する。(2)浅いナトリウム領域の外側にヒートシンクとなるナトリウムが存在する場合、ナトリウム蒸気の膨張と凝縮に伴い当該領域の内外間でナトリウムの流出入が発生し、この流出入による熱交換が当該領域内部のナトリウム温度の上昇を抑制する。(3)この温度上昇抑制が溶融炉心物質の効果的な冷却に寄与する。今後、シミュレーションツールを用いた試験解析を行い、本研究で把握したメカニズムを確認する。
Johnson, M.*; Journeau, C.*; 松場 賢一; 江村 優軌; 神山 健司
Annals of Nuclear Energy, 151, p.107881_1 - 107881_13, 2021/02
被引用回数:5 パーセンタイル:84.68(Nuclear Science & Technology)日本原子力研究開発機構のMELT試験施設では、キログラムスケールの高温溶融ステンレス鋼とナトリウムとの相互作用を可視化するために、高分解能X線イメージングを用いている。本研究では、溶融ジェットの微粒化と急冷の定量的な評価のために、新しい画像処理ソフトウェアSPECTRAを開発した。X線による視野範囲を横切る溶融相の追跡と3次元再構成により、実験後に回収されたデブリの72%を検出することができた。融体と冷却材の界面に固化クラストが存在することが確認され、一方、熱的な微粒化に伴い急速な蒸気膨張が引き起こされた。本研究で観察された溶融ジェットの微粒化は、溶融ジェット内に取り込まれた冷却材が気化し、固化クラストの微粒化に十分な内部過圧を発生させたことで説明できる。この熱的な微粒化によって形成されたデブリは、粗いクラスト状の固化物とより細かい固化物から成る二つのピークを有する粒子径分布を示した。
五十嵐 魁*; 大貫 涼二*; 堺 公明*; 加藤 慎也; 松場 賢一; 神山 健司
Proceedings of 2020 International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 2020) (Internet), 6 Pages, 2020/08
In order to improve the safety of nuclear power plants, it is necessary to make sure measures against their severe accidents. Especially, in the case of a sodium-cooled fast reactor (SFR), there is a possibility of significant energy release due to formation of a large-scale molten fuel pool accompanied by re-criticality in the event of a core disruptive accident (CDA). It is important to ensure in-vessel retention that keeps and confines damaged core material in the reactor vessel even if the CDA occurs. CDA scenario initiated by Unprotected Loss Of Flow (ULOF), which is a typical cause of core damage, is generally categorized into four phases according to the progression of core-disruptive status, which are the initiating, early-discharge, material-relocation and heat-removal phases for the latest design in Japan. During the material-relocation phase, the molten core material flows down mainly through the control rod guide tube and is discharged into the inlet coolant plenum below the bottom of the core. The discharged molten core material collides with the bottom plate of the inlet plenum. Clarification of the accumulation behavior of molten core material with such a collision on the bottom plate is important to reduce uncertainties in the safety assessment of CDA. In present study, in order to make clear behavior of core melt materials during the CDAs of SFRs, analysis was conducted using the SIMMER-III code for a melt discharge simulation experiment in which low-melting-point alloy was discharged into a shallow water pool. This report shows the validation results for the melt behavior by comparing with the experimental data.
伊藤 大介*; 栗崎 達也*; 伊藤 啓*; 齊藤 泰司*; 今泉 悠也; 松場 賢一; 神山 健司
Proceedings of 18th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-18) (USB Flash Drive), p.6430 - 6439, 2019/08
ナトリウム冷却高速炉の炉心崩壊事故において、炉心に形成された燃料デブリの冷却は、燃料の炉容器内保持を達成する上での一つの重要な要素である。「インプレース冷却」と呼ばれるその冷却の性能を明らかにするためには、デブリベッドでの気液二相流の特性をよく把握することが必要である。ここで、デブリベッドは炉心の狭小流路中に形成され得るため、壁効果の影響を無視することができない。そのため、本研究では、粒子充填層で模擬したデブリベッド中の二相流への壁効果の影響を明らかにすることを目的とした。圧力損失を測定し従前のモデルによる結果と比較し、空隙率分布やボイド率分布をX線ラジオグラフィーで測定した。そして、圧力損失の評価モデルを修正し、それらのモデルの適用性について調査した。
加藤 慎也; 松場 賢一; 神山 健司; Ganovichev, D. A.*; Baklanov, V. V.*
Proceedings of 2019 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2019) (Internet), 9 Pages, 2019/05
炉心崩壊事故における溶融炉心の原子炉内収束を確実にすることを目指し、溶融炉心の即発臨界超過に伴う大規模なエネルギー発生を防ぐために、制御棒案内管(CRGT)を通じた溶融炉心物質の炉外排出が検討されている。CRGTを高圧プレナム接続にすることを検討した場合、ナトリウム流量調整機構のようなCRGT内部の構造体は炉心領域からの溶融炉心物質の排出を阻害し得る。これらの背景に基づき、CRGTを通じた溶融炉心物質の排出挙動を明らかにすることを課題の1つに取り上げたカザフスタン共和国国立原子力センター(NNC-RK)との共同研究「EAGLE-3計画」が開始された。ナトリウム流量調整機構の破壊に関するその周囲のナトリウム冷却効果について検討するため、NNC-RKが所掌する炉外試験装置においてナトリウムと燃料模擬物質である溶融アルミナを使用した試験が実施された。本試験結果は、溶融アルミナの流入初期段階においてボイド領域の発達が排出経路から液相ナトリウムを排斥し、これに伴ってナトリウム流量調整機構の周囲におけるナトリウム冷却効果を排除したことを示した。結果として、早期のナトリウム流量調整機構の破壊と大規模な溶融アルミナの流出が生じた。
今泉 悠也; 青柳 光裕; 神山 健司; 松場 賢一; Ganovichev, D. A.*; Baklanov, V. V.*
Proceedings of 27th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-27) (Internet), 11 Pages, 2019/05
ナトリウム冷却高速炉の事故における炉心からの燃料流出の後の炉心残留燃料の冷却は、炉心物質の分散割合に大きな影響を与えるものであり、炉容器内保持(IVR)を達成するための重要な要素である。残留炉心物質の冷却は「インプレース冷却」と呼ばれ、その評価を行うため、実機についての予備解析をSIMMER-IIIにより行った。その解析結果に基づき、重要度ランクテーブル(PIRT)の手法を適用した。そして、PIRTによって抽出した3つの熱流動現象の調査とSIMMER-IIIの妥当性確認への活用のため、それらの現象に着目した基礎的な実験を考案した。また、実機でのインプレース冷却の際に発生し得るナトリウム液位の継続的な振動現象を実現するため、SIMMER-IIIによるサーベイ解析を実施した。その結果、液位振動の振幅や継続時間に対する実験条件の影響が定量的に明らかになり、具体的な実験条件を決定するために必要な知見が得られた。
栗崎 達也*; 伊藤 大介*; 伊藤 啓*; 齊藤 泰司*; 今泉 悠也; 松場 賢一; 神山 健司
Proceedings of 11th Korea-Japan Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-11) (Internet), 3 Pages, 2018/11
ナトリウム冷却高速炉のシビアアクシデント時の炉心部での燃料デブリの冷却(インプレース冷却)における冷却性を評価するにあたっては、デブリベッド内の気液二相流の圧力損失の評価が重要な要素の一つである。その予測式としてはLipinskiモデルが提案されているものの、空隙率の空間分布が均一でない場合には予測精度が低下すると考えられる。そのため、空隙率分布が均一でない充填層での気液二相流の圧力損失を測定する実験を行い、流路断面を分割することにより圧力損失を評価するようLipinskiモデルを修正した。その結果、修正Lipinskiモデルは元のLipinskiモデルよりも良好に実験値を予測することを確認した。
松場 賢一; 神山 健司; Ganovichev, D. A.*; Baklanov, V. V.*
Proceedings of 11th Korea-Japan Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-11) (Internet), 4 Pages, 2018/11
ナトリウム冷却高速炉の炉心損傷事故においては、溶融炉心物質が制御棒案内管を経路として炉心入口プレナム中へ液柱状に流出すると考えられる。この時、炉心入口プレナムは高さと容積が少ない領域であるため、流出した溶融炉心物質は当該プレナムの底板に液柱状のまま衝突する可能性が高い。本研究では、炉心入口プレナム領域と同様、深さの浅いナトリウム中に流出する溶融炉心物質の微粒化挙動を解明するため、模擬溶融炉心物質として溶融アルミナをナトリウム中に放出させる炉外試験を実施した。その結果、少量の塊状のアルミナ固化物がナトリウム中に設置した底板上に見られたが、大半の溶融アルミナは微粒化し、デブリとなって底板上に堆積した。この結果から、溶融炉心物質は深さの浅いナトリウム中に流出する場合でも微粒化し、急速に冷却され得ることが分かった。
伊藤 大介*; 伊藤 啓*; 齊藤 泰司*; 青柳 光裕; 松場 賢一; 神山 健司
Nuclear Engineering and Design, 334, p.90 - 95, 2018/08
被引用回数:6 パーセンタイル:60.34(Nuclear Science & Technology)多孔質媒体を通過する二相流を理解することは、軽水炉のみならずナトリウム冷却高速炉を対象としたシビアアクシデント解析コードを開発する上でも必要なことである。ナトリウム冷却高速炉の炉心損傷事故時には溶融燃料と冷却材が相互作用した結果として、多孔質状のデブリベッド内で気液二相流が形成されると考えられる。このような多孔質媒体中における二相流場の特性を明らかにするためには、局所的な空隙率とその分布を把握することが重要である。本研究では、X線ラジオグラフィを用いて球体充填層内における局所空隙率を測定するとともに、その径方向分布を評価し、従来の空隙率モデルと比較した。さらに、球体充填層内を通過する空気と水の二相流におけるボイド率の径方向分布を得た。
Sheikh, Md. A. R.*; Son, E.*; 神山 基紀*; 森岡 徹*; 松元 達也*; 守田 幸路*; 松場 賢一; 神山 健司; 鈴木 徹*
Journal of Nuclear Science and Technology, 55(6), p.623 - 633, 2018/06
被引用回数:7 パーセンタイル:65.53(Nuclear Science & Technology)高速炉の炉心損傷事故時に形成される燃料デブリの堆積高さは、燃料デブリの冷却性及び臨界特性に影響する重要な要因の一つである。本研究では、燃料デブリの堆積挙動に関する実験データベースを構築するため、燃料デブリを模擬した特性(粒子径,密度,球形度等)の異なる固体粒子(アルミナ,スティール)の混合粒子を水プール中へ落下・堆積させる実験を行い、粒子ベッドの堆積高さを測定するとともに、均質粒子及び混合粒子から成るデブリベッドの堆積高さを予測する実験相関式を構築した。構築した実験相関式は粒子ベッドの堆積高さの測定結果と良く一致することを確認した。
松場 賢一; 神山 健司; 豊岡 淳一; Zuev, V. A.*; Kolodeshnikov, A. A.*
Proceedings of 17th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-17) (USB Flash Drive), 11 Pages, 2017/09
ナトリウム中に流出した液柱状の溶融炉心物質の微粒化及びそれに伴う冷却挙動を解明するため、溶融炉心模擬物質として溶融アルミナを用いた炉外試験の結果を分析した。本分析の結果、溶融アルミナの液柱はナトリウム中を数十センチメートル程度の距離まで浸入すると微粒化によって崩壊するが、スティール構造物に与える熱的負荷を無視できる程度まで冷却されるためには、液柱崩壊までの距離(微粒化距離)に加え、有意な冷却距離を要することを把握した。すなわち、原子炉容器内下部構造への熱負荷低減の観点からは、微粒化距離のみならず冷却距離の評価が必要である。
小野田 雄一; 松場 賢一; 飛田 吉春; 鈴木 徹
Mechanical Engineering Journal (Internet), 4(3), p.16-00597_1 - 16-00597_14, 2017/06
For the prototype sodium-cooled fast reactor, MONJU, the mechanical energy and structural response under energetics caused by neutronic power excursion during Unprotected Loss of Flow accident (ULOF) were preliminarily analyzed. The objective of this study is to demonstrate the integrity of the reactor vessel against the mechanical load induced by the energetics. Conservative energy production was assumed in order to confirm the robustness of the safety design of MONJU. Mechanical energy was evaluated with the code in which mechanistic modelling of core expansion was implemented. The mechanical energy, which were obtained by analyzing the expanding behavior of core materials after energetics, were about one order of magnitude below the thermodynamic work potential calculated by assuming isentropic expansion of the fuel vapor to one atmosphere, which was often used as an indicator to express the severity of the energetics. Structural integrity was then evaluated with coupled fluid-structure dynamics code using the obtained mechanical energy. No or very small circumferential residual strain of the reactor vessel was evaluated in most analytical cases, and even in the most conservative energy production case, the residual strain was only 0.008 % so that the integrity of the reactor vessel is maintained. The result obtained in the present study shows that MONJU has enough robustness against the mechanical load under energetics.
今泉 悠也; 神山 健司; 松場 賢一; 磯崎 三喜男; 鈴木 徹; 江村 優軌
Proceedings of 2017 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2017) (CD-ROM), 5 Pages, 2017/04
SFRの炉心崩壊事故における再配置過程を模擬するため、低融点合金を低水深水プール中に落下させた。なおここで、ノズル出口と底板の距離は、微細化を起こすには不十分だと考えられる距離に設定された。実験の結果、融体は底板に衝突した後、底板に沿って全方向に広がる様子が観察された他、底板上の温度は融体の分散につれ急低下していることが確認された。この結果により、融体の微細化と急冷は、底板の存在により促進されたことが示唆され、さらに、この促進現象は融体が底板上での分散により強制的に接触表面積が増加したことによるものであると考察した。また、試験後には顕著に微細化したデブリが観察されたが、これは、融体と水の界面にて微細な蒸気泡が生成されたことにより形成されたものと考えられる。
Sheikh, M. A. R.*; Son, E.*; 神山 基紀*; 森岡 徹*; 松元 達也*; 守田 幸路*; 松場 賢一; 神山 健司; 鈴木 徹
Proceedings of 10th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-10) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2016/11
ナトリウム冷却高速炉の炉心損傷事故における再配置過程では、微粒化デブリによる堆積ベッド形成挙動がデブリベッド冷却による炉容器内事故終息の観点で重要である。本研究では、粒子堆積ベッド形成挙動に関する実験データベースを構築するため、微粒化デブリを模擬した固体粒子を円筒型の水プール中へ重力落下によって放出させ、粒子堆積ベッドの形状及び高さを測定する実験を行った。本実験では、材質及びサイズの異なる3種類(アルミナ,ジルコニア,スティール)の球形・非球形粒子を用い、これらのパラメータが粒子ベッドの堆積形状に及ぼす影響を調べるとともに、その結果に基づき粒子ベッドの堆積高さを予測する整理式を実験データベースとして開発した。開発した整理式は、本実験で把握された重要パラメータに対する堆積ベッド高さの変化傾向をよく再現しており、広範な適用性を有していることが示された。
松場 賢一; 神山 健司; 豊岡 淳一; Zuev, V. A.*; Ganovichev, D. A.*; Kolodeshnikov, A. A.*
Proceedings of 10th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-10) (USB Flash Drive), 5 Pages, 2016/11
ナトリウム冷却高速炉の炉心損傷事故では、炉心領域の溶融燃料が炉心外へ流出することで損傷炉心がより深い未臨界状態に至るとともに、分散燃料が冷却の容易なデブリになると考えられる。このため、制御棒案内管を通じた燃料流出は炉心損傷事故の終息に影響を及ぼす重要な過程である。日本原子力研究開発機構とカザフスタン共和国国立原子力センターとの共同研究EAGLE計画では、制御棒案内管を通じた燃料流出挙動の解明を目的とした炉外試験をはじめとする新たな試験研究を開始した。本報告では、新たに開始した試験研究の進捗について、これまでに得られた試験結果を含めて述べる。
松場 賢一; 磯崎 三喜男; 神山 健司; 鈴木 徹; 飛田 吉春
Proceedings of 11th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics, Operation and Safety (NUTHOS-11) (USB Flash Drive), 8 Pages, 2016/10
ナトリウム冷却高速炉の炉心損傷時に原子炉容器下部プレナムへ流出した溶融炉心物質がデブリ化するまでの距離の評価を目的として、溶融炉心模擬物質を冷却材中へ放出させる試験を行い、デブリ化距離と流出条件の関係を実験相関式として整理した。実験相関式による予測は実験結果とよく一致した。本研究により、冷却材の沸騰・膨張によるデブリ化促進効果を考慮することで、ナトリウム中におけるデブリ化距離を適切に評価可能であることがわかった。