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論文

Observation of high-pressure polymorphs in bulk silicon formed at relativistic laser intensities

Rapp, L.*; 松岡 健之*; Firestein, K. L.*; 寒河江 大輔*; 羽原 英明*; 向井 啓一郎*; 田中 和夫*; Gamaly, E. G.*; 兒玉 了祐*; 瀬戸 雄介*; et al.

Physical Review Research (Internet), 6(2), p.023101_1 - 023101_18, 2024/04

固体表面に超相対論的強度のレーザーパルスを照射すると表面にプラズマが発生し、内部は超高圧状態になることが知られている。本研究ではシリコン単結晶に当該レーザーを照射し、内部に生成された高圧相の結晶構造分析をBL22XU(JAEA-BL)の応力・イメージングステーションの回折システムにより実施した。その結果、内部には体心、菱面体、六方晶、正方晶というシリコンが持つといわれている高圧相の存在が確認された。今後は、さらにデータの蓄積を図り、材料内部の構造、強度、機能性制御への発展を図っていきたいと考えている。

論文

Selective adsorption of Pd(II) over Ag(I) in nitric acid solutions using nitrogen-donor-type adsorbents

鈴木 智也*; 大坪 右京*; 尾形 剛志*; 塩飽 秀啓; 小林 徹; 矢板 毅; 松岡 光昭*; 村山 憲弘*; 成田 弘一*

Separation and Purification Technology, 308, p.122943_1 - 122943_7, 2023/03

 被引用回数:3 パーセンタイル:22.13(Engineering, Chemical)

主にAgを含む使用済み製品からPd金属をリサイクルするために硝酸抽出が行われており、ほとんどのPd残留物はAg(I)含有溶液から分離される。しかし、このAg(I)溶液中には少量のPd(II)が残存していることが多い。そのため、硝酸溶液中のPd(II)とAg(I)を分離することは、Pdのリサイクルを効率的に進めるために必要不可欠である。本研究では、アミン(R-Amine),イミノ二酢酸(R-IDA),ピリジン(R-Py),ビスピコリルアミン(R-BPA)で機能化した4種類の窒素ドナー型吸着材を用いて硝酸溶液中のPd(II), Ag(I)を分離する研究を実施した。R-Amine,R-IDA,R-Pyは硝酸溶液からAg(I), Cu(II), Ni(II), Fe(III)を選択的に吸着したが、R-AmineはPdの吸着効率が低いことが判明した。一方、R-BPAはPd(II), Ag(I), Cu(II)を全濃度において90%以上吸着することができた。フーリエ変換赤外分光法及び広域X線吸収微細構造法(EXAFS)による吸着金属イオンの構造解析から、窒素ドナー型吸着剤の分離機構を明らかにした。R-IDA, R-Py, R-BPAへのPd(II)吸着は官能基(それぞれイミノ二酢酸,ピリジン,ビスピコリルアミン)へのPd(II)配位を介して起こり、R-Amineへの吸着はNO$$_{3}$$$$^{-}$$と[Pd(NO$$_{3}$$)$$_{4}$$]$$^{2-}$$のアニオン交換を介して起こることがわかった。R-IDA,R-Py,R-BPAは、配位性吸着機構により、高いPd(II)吸着挙動を示すことが明らかとなった。塩酸(5.0M)およびチオ尿素(0.1M)溶離液は、それぞれR-IDAから83%およびR-Pyから95%のPd(II)を脱離させた。R-Pyは吸着選択性と脱着効率から最も効果的なPd(II)吸着剤だった。

論文

Crystallinity in periodic nanostructure surface on Si substrates induced by near- and mid-infrared femtosecond laser irradiation

宮川 鈴衣奈*; 上林 大介*; 中村 浩隆*; 橋田 昌樹*; Zen, H.*; 染川 智弘*; 松岡 健史*; 小倉 広之*; 寒河江 大輔*; 瀬戸 雄介*; et al.

Scientific Reports (Internet), 12, p.20955_1 - 20955_8, 2022/12

 被引用回数:1 パーセンタイル:10.22(Multidisciplinary Sciences)

大型放射光施設(SPring-8)にて原子力研究機構が有するビームラインBL22XUの応力イメージング装置を用いて、レーザー誘起周期構造(Laser-Induced Periodic Surface Structure: LIPSS)の結晶評価を行った。測定対象のLIPSSは、Ti:Sapphireレーザー(波長800nm)とMIR-FEL(中赤外自由電子レーザー:波長11.4$$mu$$m)の2種の近・中赤外フェムト秒レーザーを用い、Si基板上に形成された。これらのレーザーは波長の違いの他、レーザーパルスの構造に違いがあり、その違いが形成されるLIPSSの構造に与える影響があることが分かった。放射光XRDにより、Ti:Sapphireレーザーによって形成されたLIPSSは、転位などの欠陥は発生せずに結晶性を維持するものの残留歪が存在することが判明した。一方、MIR-FELによって形成されたLIPSSは、残留歪はないものの転位などの欠陥が発生していることが分かった。これらの結果から、LIPSSを形成する光源レーザーの選択により、結晶状態の異なるLIPSSが得られることが分かった。これらの情報は、今後のLIPSSの機能的応用に向けた取り組みにおいて、有用な情報となりうる。

論文

Mesospheric ionization during substorm growth phase

村瀬 清華*; 片岡 龍峰*; 西山 尚典*; 西村 耕司*; 橋本 大志*; 田中 良昌*; 門倉 昭*; 冨川 喜弘*; 堤 雅基*; 小川 泰信*; et al.

Journal of Space Weather and Space Climate (Internet), 12, p.18_1 - 18_16, 2022/06

 被引用回数:1 パーセンタイル:13.46(Astronomy & Astrophysics)

巨大な太陽フレアによってもたらされる太陽風により磁気圏内にエネルギーが溜まり、そのエネルギーが一気に解放されるサブストームが発生する。そのサブストームが発生する際、高エネルギー電子が大量に中間圏まで降り注ぐ事象(EEP)がしばしば観測されるが、その詳細な発生メカニズムは解明されていない。本研究では、あらせ衛星により観測された2つのEEPに対して、3次元グローバル電磁流体力学的(MHD)シミュレーションや放射線挙動解析コードPHITSを使った解析によりその発生メカニズムを検討した。その結果、カレントシート散乱とwave-particle散乱がEEPの初期及びサブストーム発生後に重要な役割を果たしていることが示唆された。

論文

MIRS: an imaging spectrometer for the MMX mission

Barucci, M. A.*; Reess, J.-M.*; Bernardi, P.*; Doressoundiram, A.*; Fornasier, S.*; Le Du, M.*; 岩田 隆浩*; 中川 広務*; 中村 智樹*; Andr$'e$, Y.*; et al.

Earth, Planets and Space (Internet), 73(1), p.211_1 - 211_28, 2021/12

 被引用回数:18 パーセンタイル:82.30(Geosciences, Multidisciplinary)

MMX赤外線分光計(MIRS)は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)のMMXミッションに搭載されているイメージング分光計である。MIRSは他の4つのフランス研究所との協力、フランス国立宇宙研究センター(CNES)の協力と財政支援、およびJAXAと三菱電機(MELCO)との緊密な協力によりパリ天文台で開発されている。この装置はMMXの科学的目的を完全に達成するべく設計されている。MIRSはフォボスとダイモスの表面組成の分析およびサンプリングサイトの選択時に使用される組成診断スペクトル機能を含む近赤外線スペクトルマップ機能をリモートで提供する。MIRSはまた、火星の大気、特に雲,塵,水蒸気などの空間的時間的変化についても観測を行う予定である。

論文

Phase transition and domain formation in ferroaxial crystals

林田 健志*; 上村 洋平*; 木村 健太*; 松岡 悟志*; 萩原 雅人; 廣瀬 左京*; 盛岡 仁*; 長谷川 達夫*; 木村 剛*

Physical Review Materials (Internet), 5(12), p.124409_1 - 124409_10, 2021/12

 被引用回数:23 パーセンタイル:80.28(Materials Science, Multidisciplinary)

The ferroaxial order, which is characterized by a rotational structural distortion in a crystal, has been recently proposed as one of ferroic orders. Though the domain formation is a characteristic feature in ferroic materials, there has been little study done concerning that for the ferroaxial order. Here, we investigate ferroaxial domains that are formed through a ferroaxial transition in two representative ferroaxial materials, NiTiO$$_{3}$$ and RbFe(MoO$$_{4}$$)$$_{2}$$. We spatially resolve their domain structures using an optical method based on electric-field- induced optical rotation, that is, electrogyration (EG). In NiTiO$$_{3}$$, multi-domains are constructed when crystals undergo a ferroaxial transition and the domain size depends on the cooling rate around the transition temperature. Furthermore, the ferroaxial domain structure obtained by the EG measurement is well matched with that by scanning X-ray diffraction (XRD). RbFe(MoO$$_{4}$$)$$_{2}$$ also exhibits multi-domain states in which domain patterns are different each time a crystal undergoes a ferroaxial transition. In addition, the temperature dependence of the EG signal well obeys that of the order parameter of a first-order phase transition. These results ensure the effectiveness of the EG effect to elucidate the nature of ferroaxial order.

論文

Speciation and separation of platinum(IV) polynuclear complexes in concentrated nitric acid solutions

鈴木 智也*; 大坪 右京*; 尾形 剛志*; 塩飽 秀啓; 小林 徹; 矢板 毅; 松岡 光昭*; 村山 憲弘*; 成田 弘一*

Dalton Transactions (Internet), 50(33), p.11390 - 11397, 2021/09

 被引用回数:3 パーセンタイル:26.06(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

本研都市鉱山から白金(Pt)を回収するには、Pt(IV)の溶液化学を理解することが重要である。我々は、濃硝酸溶液中のPt(IV)錯体の化学種と分離を、X線吸収微細構造(XAFS)分光法によって調べた。Na$$_{2}$$Pt(OH)$$_{6}$$の濃縮硝酸溶液にはPt多核錯体が支配的に存在し、Pt濃度とNa$$_{2}$$Pt(OH)$$_{6}$$の溶解温度に依存することが明らかになった。0.90g-Pt/Lの加熱硝酸塩溶液と3.2g-Pt/Lの非加熱硝酸塩溶液には主に二核白金錯体が存在する。一方3.0g-Pt/Lの加熱溶液には、四核および六核錯体のような大きな多核錯体が主に存在していた。またイミノ二酢酸で機能化したキレート樹脂と硝酸トリメチルアンモニウムを有する強塩基性アニオン交換樹脂でPt(IV)イオンを吸着させると、大きなPt(IV)錯体の存在を確認した。高濃度のPt(IV)を含む加熱溶液からのPt(IV)錯体は、高い吸着効率を示すことがわかった。さらに、強塩基性陰イオン交換樹脂を使用すれば、Pd(II), Ag(I), Cu(II), Ni(II), Fe(III)が含まれる10M硝酸溶液から選択的にPt(IV)を吸着させることに成功した。

報告書

Synthesized research report in the second mid-term research phase, Mizunami Underground Research Laboratory Project, Horonobe Underground Research Laboratory Project and Geo-stability Project (Translated document)

濱 克宏; 笹尾 英嗣; 岩月 輝希; 尾上 博則; 佐藤 稔紀; 藤田 朝雄; 笹本 広; 松岡 稔幸; 武田 匡樹; 青柳 和平; et al.

JAEA-Review 2016-014, 274 Pages, 2016/08

JAEA-Review-2016-014.pdf:44.45MB

日本原子力研究開発機構は、高レベル放射性廃棄物の地層処分の実現に向けた国の第2期中期目標(平成22$$sim$$26年度)に基づき中期計画を策定し、処分事業と国による安全規制の両面を支える技術基盤を整備するため、地層処分研究開発と深地層の科学的研究の2つの領域において研究開発を進めている。今般、本中期計画期間における深地層の科学的研究分野(超深地層研究所計画、幌延深地層研究計画、地質環境の長期安定性に関する研究)の成果を取りまとめるにあたり、処分事業におけるサイト選定から処分開始に関する意思決定ポイントまでに必要な技術情報を事業者・規制機関が活用しやすい形式で体系化し、所期の目標の精密調査(前半)の段階に必要となる技術基盤として整備した。

論文

3D visualization of XFEL beam focusing properties using LiF crystal X-ray detector

Pikuz, T.*; Faenov, A.*; 松岡 健之*; 松山 智至*; 山内 和人*; 尾崎 典雅*; Albertazzi, B.*; 犬伏 雄一*; 矢橋 牧名*; 登野 健介*; et al.

Scientific Reports (Internet), 5, p.17713_1 - 17713_10, 2015/12

 被引用回数:39 パーセンタイル:87.40(Multidisciplinary Sciences)

we report, that by means of direct irradiation of lithium fluoride a (LiF) crystal, in situ 3D visualization of the SACLA XFEL focused beam profile along the propagation direction is realized, including propagation inside photoluminescence solid matter. High sensitivity and large dynamic range of the LiF crystal detector allowed measurements of the intensity distribution of the beam at distances far from the best focus as well as near the best focus and evaluation of XFEL source size and beam quality factor M2. Our measurements also support the theoretical prediction that for X-ray photons with energies $$sim$$10 keV the radius of the generated photoelectron cloud within the LiF crystal reaches about 600 nm before thermalization. The proposed method has a spatial resolution 0.4-2.0 micron for photons with energies 6-14 keV and potentially could be used in a single shot mode for optimization of different focusing systems developed at XFEL and synchrotron facilities.

報告書

第2期中期計画期間における研究成果取りまとめ報告書; 深地層の研究施設計画および地質環境の長期安定性に関する研究

濱 克宏; 水野 崇; 笹尾 英嗣; 岩月 輝希; 三枝 博光; 佐藤 稔紀; 藤田 朝雄; 笹本 広; 松岡 稔幸; 横田 秀晴; et al.

JAEA-Research 2015-007, 269 Pages, 2015/08

JAEA-Research-2015-007.pdf:68.65MB
JAEA-Research-2015-007(errata).pdf:0.07MB

日本原子力研究開発機構の第2期中期計画期間(平成22$$sim$$26年度)における、超深地層研究所計画および幌延深地層研究計画、地質環境の長期安定性に関する研究の成果を取りまとめた。研究成果については、地層処分事業におけるサイト選定から処分開始に関する意思決定ポイントまでに必要な技術情報を、事業者・規制機関が活用可能な形式で体系化し、所期の目標としていた精密調査(前半)の段階に必要となる技術基盤として整備した。

報告書

地質構造発達プロセスに基づく地質モデリング技術の開発(共同研究)

田上 雅彦*; 山田 泰広*; 山下 佳彦*; 宮川 歩夢*; 松岡 俊文*; Xue, Z.*; 辻 健*; 鶴田 忠彦; 松岡 稔幸; 天野 健治; et al.

JAEA-Research 2012-036, 110 Pages, 2013/02

JAEA-Research-2012-036.pdf:44.93MB

瑞浪超深地層研究所の周辺には北西-南東走向の断層が発達しており、これらの断層が地下水流動に影響を与えていることがわかっている。これらの断層は、研究所北側をほぼ東西に走る月吉断層の右横ずれ運動に伴って形成されたプルアパート構造に関連したものである可能性が指摘されているが、これらの断層の過去の活動履歴やその分布については、十分に明らかにされていない。本共同研究では、瑞浪超深地層研究所で確認されている地質構造を事例として、アナログモデル実験並びに数値シミュレーションを用いた地質構造の再現を試みた。まず、瑞浪超深地層研究所内及びその周辺において確認されている断層や剪断割れ目について古応力解析を実施し、運動像と形成時期を推定した。その結果と既往の研究をふまえて地質構造発達史を整理した。次に、現状の地質構造を再現するためのアナログモデル実験及び数値シミュレーションを実施した。再現された断層の配列・分布・発達密度といった三次元的な幾何特徴を現状の地質構造モデルと対比し、未調査地域における地質構造の発達状況を考察した。

論文

Technical know-how for modeling of a geological environment, 2; Geological modeling

松岡 稔幸; 天野 健治; 大澤 英昭; 仙波 毅

Proceedings of 13th International Conference on Environmental Remediation and Radioactive Waste Management (ICEM 2010) (CD-ROM), p.169 - 173, 2010/10

ある場所における地質環境特性に関する調査(サイト特性調査)においては、(1)収集・整理した情報に基づく地質環境モデルの構築,(2)構築した地質環境モデルに基づく調査計画の策定,(3)調査による情報の収集、を実施することにより、地質環境の理解度を向上させていくことが重要である。このサイト特性調査は、長期に渡って段階的に進められるものである。したがって、一連の作業にかかわる意思決定過程を透明性・追跡性を持って管理することや、作業を通じて逐次蓄積される経験・ノウハウを世代間で継承することが、技術継承や人材育成の観点から重要となる。日本原子力研究開発機構では、これまでに岐阜県東濃地域,北海道幌延地域で進めている地質環境調査技術開発において蓄積した経験・ノウハウ及び意思決定過程などの整理を行っている。また、これらの知識を管理するためのツールの一つとして、整理した情報をウェブを介して利用可能とするエキスパートシステム(ES)の開発を行っている。本研究では、ESに反映するための作業として、これまでに蓄積してきた経験・ノウハウに基づき、文献調査で得られる情報を用いた地質モデルの構築に関して考え方を整理し、作業の流れについてフロー図を用いて整理した。

報告書

超深地層研究所計画 年度報告書(2006年度)

西尾 和久; 松岡 稔幸; 見掛 信一郎; 鶴田 忠彦; 天野 健治; 大山 卓也; 竹内 竜史; 三枝 博光; 濱 克宏; 吉田 治生*; et al.

JAEA-Review 2009-001, 110 Pages, 2009/03

JAEA-Review-2009-001.pdf:49.84MB

独立行政法人日本原子力研究開発機構(原子力機構)東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階; 地表からの調査予測研究段階」、「第2段階; 研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階; 研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなる約20年の計画であり、現在は、第2段階である「研究坑道の掘削を伴う研究段階」を進めている。本報告書は、2002年2月に改訂した「超深地層研究所基本計画」に基づき、超深地層研究所計画の第2段階「研究坑道の掘削を伴う研究段階」における2006年度に実施した(1)調査研究、(2)施設建設、(3)共同研究等の成果を取りまとめたものである。

報告書

超深地層研究所計画 年度報告書(2005年度)

西尾 和久; 松岡 稔幸; 見掛 信一郎; 鶴田 忠彦; 天野 健治; 大山 卓也; 竹内 竜史; 三枝 博光; 濱 克宏; 吉田 治生*; et al.

JAEA-Review 2008-073, 99 Pages, 2009/03

JAEA-Review-2008-073-1.pdf:37.33MB
JAEA-Review-2008-073-2.pdf:37.16MB

独立行政法人日本原子力研究開発機構(原子力機構)東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、第1段階「地表からの調査予測研究段階」,第2段階「研究坑道の掘削を伴う研究段階」,第3段階「研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなる約20年の計画であり、現在は、第2段階である「研究坑道の掘削を伴う研究段階」を進めている。本報告書は、2002年2月に改訂した「超深地層研究所基本計画」に基づき、超深地層研究所計画の第2段階「研究坑道の掘削を伴う研究段階」における2005年度に実施した(1)調査研究,(2)施設建設,(3)共同研究等の成果を取りまとめたものである。

論文

Fast heating of cylindrically imploded plasmas by petawatt laser light

中村 浩隆*; 千徳 靖彦*; 松岡 健史*; 近藤 公伯; 中堤 基彰*; 乗松 孝好*; 白神 宏之*; 田中 和夫*; 兒玉 了祐*

Physical Review Letters, 100(16), p.165001_1 - 165001_4, 2008/04

 被引用回数:15 パーセンタイル:64.00(Physics, Multidisciplinary)

シリンドリカルに爆縮するプラズマの過熱についてレポートする。シリンダー状に爆縮したプラズマは長尺であることから$$rho$$R値を大きく稼ぐことができ、高速点火実験において効率のよい加熱のデモンストレーションになる。実験で評価された結合効率は14-21%であった。

論文

Experimental progress on zonal flow physics in toroidal plasmas

藤澤 彰英*; 井戸 毅*; 清水 昭博*; 岡村 昇一*; 松岡 啓介*; 井口 春和*; 浜田 泰司*; 中野 治久*; 大島 慎介*; 伊藤 公孝*; et al.

Nuclear Fusion, 47(10), p.S718 - S726, 2007/10

 被引用回数:103 パーセンタイル:95.12(Physics, Fluids & Plasmas)

帯状流の物理の実験的進展につきレビューする。新しい測定器により、プラズマ中の帯状流の存在が確認され、その時間空間特性,乱流や閉じ込めとの関係が明らかにされてきた。特に、測地的音波モードという振動帯状流について、測定結果が集積し、理論的進展をうながしている。乱流による帯状流の生成機構も解明されつつある。各国の装置の結果を比較,協力することにより、今後もなお一層、帯状流と閉じ込めとの関係の解明を進めることが重要である。

報告書

超深地層研究所計画における地表からの調査予測研究段階(第1段階)研究成果報告書

三枝 博光; 瀬野 康弘; 中間 茂雄; 鶴田 忠彦; 岩月 輝希; 天野 健治; 竹内 竜史; 松岡 稔幸; 尾上 博則; 水野 崇; et al.

JAEA-Research 2007-043, 337 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-043.pdf:28.14MB

本報告書は、結晶質岩を対象として、日本原子力研究開発機構が岐阜県瑞浪市で進めている深地層の研究施設計画である超深地層研究所計画における第1段階(地表からの調査予測研究段階)の調査研究成果をまとめたものである。この報告書では、第1段階の目標に対して調査研究の成果を適切に取りまとめるとともに、課題を抽出・整理し、第2段階(研究坑道の掘削を伴う研究段階)以降の調査研究の必要性について言及した。具体的には、結晶質岩(硬岩)を対象とした調査・評価のための方法論を示すとともに、重要な調査技術や解析技術を整備した。また、処分事業の基盤技術となる技術的知見やノウハウなどを整理した。さらに、第1段階において残された課題を整理し、第2段階以降の調査研究の必要性を明確化した。ここで取りまとめる成果は、地層処分技術の知識基盤として整備されるばかりでなく、処分事業並びに安全規制の両面を支える技術基盤の強化を図っていくうえで、有効に活用されるものである。

論文

Experimental progress on zonal flow physics in toroidal plasmas

藤澤 彰英*; 井戸 毅*; 清水 昭博*; 岡村 昇一*; 松岡 啓介*; 浜田 泰司*; 星野 克道; 永島 芳彦*; 篠原 孝司; 中野 治久*; et al.

Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 12 Pages, 2007/03

帯状流に関する実験の現状についてまとめる。測定の進歩により、帯状流の存在,時間空間特性,乱流との関係,閉じ込めとの関係などが明らかになりつつある。特に、帯状流の一種である測地的音波モードの測定結果の集積により、これを記述できる理論の構築が必要となっている。これらの帯状流と閉じ込めの解明をさらに進めるためには、装置間の横断的研究が非常に有効であると考えられる。

論文

流体流動電位法を用いた瑞浪超深地層研究所周辺の地下水流動モニタリング

松岡 稔幸; 仙波 毅; 石垣 孝一; 杉本 芳博*; 田上 正義*; 成田 憲文*

日本応用地質学会平成18年度研究発表会講演論文集, p.331 - 334, 2006/11

日本原子力研究開発機構では、地層処分研究開発の基盤となる「深地層の科学的研究」の一環として、岐阜県瑞浪市において建設工事を進めている瑞浪超深地層研究所の用地内とその周辺において、花崗岩中の地下水流動を規制すると考えられる断層や割れ目(帯)などを把握するための調査技術の開発を行っている。この一環で、地下施設の建設に伴い地下水流動に影響を及ぼす地質構造を直接に抽出することができる物理探査技術の開発を目的に、研究所用地内で掘削中の2つの立坑(主立坑:内径6.5m,換気立坑:内径4.5m)からの排水に伴う周辺地下水の移動による流動電位の発生を利用した流体流動電位法による地下水流動のモニタリング調査を試みた。その結果、排水に伴って流動する大局的な地下水の流動を規制する断層を抽出するとともに、それを境にして地下水の流動が異なっている様子を推定することができた。

論文

Comprehensive study on layout dependence of soft errors in CMOS latch circuits and its scaling trend for 65 nm technology node and beyond

福井 大伸*; 濱口 雅史*; 吉村 尚夫*; 親松 尚人*; 松岡 史倫*; 野口 達夫*; 平尾 敏雄; 阿部 浩之; 小野田 忍; 山川 猛; et al.

Proceedings of 2005 Symposia on VLSI Technology and Circuits, p.222 - 223, 2005/00

65nmノードのCMOSラッチ回路に対しプロトンビームによるソフトエラー加速試験を初めて行い、ソフトエラーレート(SER)のレイアウト依存性を明らかにした。臨界電荷量と電荷収集過程は拡散層サイズに強く依存するため、SERもそれらに対し依存する。拡散層サイズの最適化によりSERを70パーセント減少できることを見いだした。スケーリングの変化とSER劣化との関係において、電源電圧を高くすることでSERの増加を緩和し、劣化を抑制できることがわかった。

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