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松下 太樹*; 小沢 耀弘*; 荒木 康史; 藤本 純治*; 佐藤 昌利*
Physical Review B, 111(24), p.245131_1 - 245131_11, 2025/06
被引用回数:1 パーセンタイル:36.38(Materials Science, Multidisciplinary)We investigate the intrinsic spin Nernst effect (SNE), a transverse spin current induced by temperature gradients, in topological Dirac semimetals (TDSMs) and magnetic Weyl semimetals (MWSMs) with Ising spin-orbit coupling. The intrinsic SNE is described by the spin Berry curvature, which reflects the geometric nature of TDSMs and MWSMs. We clarified that the intrinsic SNE becomes significant when the Fermi energy is near, but slightly deviates from, the energy of the point nodes. In this situation, Bloch electrons with strong spin Berry curvature contribute to the SNE while avoiding carrier compensation between electrons and holes. We found that in TDSMs with small Fermi surfaces, the spin Nernst angle, which measures the efficiency of the SNE, is larger than that observed in heavy metals. This suggests that TDSMs with small Fermi surfaces can achieve efficient heat-to-spin current conversion. In MWSMs, variation in the magnitude of the exchange coupling with magnetic moments significantly changes the SNE, affecting both the direction and magnitude of the spin Nernst current. This implies that ferromagnetic transitions can be used to reverse the spin Nernst current. These results provide the fundamentals for future topological spin caloritronics.
松下 太樹*; 永井 佑紀; 藤本 聡*
Journal of the Physical Society of Japan, 90(7), p.074703_1 - 074703_7, 2021/07
被引用回数:3 パーセンタイル:26.26(Physics, Multidisciplinary)物質を特徴付ける新しい方法として、準粒子の寿命に起因した非エルミート有効準粒子ハミルトニアンを用いる方法がある。しかしながら、その非エルミート性に起因する現象がどの物質でどのように現れるかはあまり知られていない。本研究では、ワイル・ディラック半金属と呼ばれる物質群において、これらの物質が高磁場環境下において準粒子スペクトルに非エルミート性を反映した特異な状態が現れることを示した。通常、ハミルトニアンはエルミートであるが、準粒子の有効ハミルトニアンが非エルミートになることによって、例外点と呼ばれる非エルミート行列特有のトポロジカル構造が生じ、その影響によって、高磁場で量子化された準位が潰れることがあることがわかった。このスペクトルの崩壊は角度分解光電子分光などの実験によって観測できることを予言した。本研究により、物質の新しい側面をトポロジーとして見出すことができた。
松下 太樹*; 永井 佑紀; 藤本 聡*
Physical Review B, 100(24), p.245205_1 - 245205_9, 2019/12
被引用回数:22 パーセンタイル:65.24(Materials Science, Multidisciplinary)物質を特徴付ける新しい方法として、準粒子の寿命に起因した非エルミート有効準粒子ハミルトニアンを用いる方法がある。しかしながら、その非エルミート性に起因する現象がどの物質でどのように現れるかはあまり知られていない。本研究では、ワイル・ディラック半金属と呼ばれる物質群において、不純物や格子欠陥が存在する場合、準粒子スペクトルに非エルミート性が現れることを示した。通常、ハミルトニアンはエルミートであるが、準粒子の有効ハミルトニアンが非エルミートになることによって、例外点と呼ばれる非エルミート行列特有のトポロジカル構造が運動量空間に現れることがわかった。そして、この例外点は角度分解光電子分光などの実験によってフラットバンドとして観測できることを予言した。本研究により、物質の新しい側面をトポロジーによって見出すことができ、かつ不純物や欠陥が本質的な役割を示すことがわかった。
松下 太樹*; 小沢 耀弘*; 荒木 康史; 藤本 純治*; 佐藤 昌利*
no journal, ,
スピンカロリトロニクスは排熱によるスピンの制御を目的とする研究分野である。スピンゼーベック効果(温度勾配に沿った方向のスピン伝導)とスピンネルンスト効果(温度勾配に垂直な方向のスピン伝導)は、当該研究分野における中心的な現象であり、温度勾配によるスピン流の生成を可能にする。そのため、スピンゼーベック効果は様々な系で研究されてきた。一方で、スピンネルンスト効果は微視的理論が長らく不在であり、その理論研究は乏しかった。また、大きなスピンネルンスト効果を実現する条件は整理されておらず、効率的な熱流-スピン流変換の指針の提案が望まれている。最近、スピンネルンスト効果の微視的理論が提案された。この微視的理論は、ラッティンジャーの重力理論に依拠しており、低温極限でスピン流が非物理的な発散をせず、スピン流のモットの関係式を満たすなど望ましい性質を持つ。さらに、スピンネルンスト効果の内因性機構がスピンベリー曲率と呼ばれる幾何学的量により記述されることも明らかとなった。スピンベリー曲率は、ディラック点やワイル点の周りで発散的に増大する。そのため、ディラック半金属やワイル半金属の幾何学的性質が、大きなスピンネルンスト効果を実現する可能性がある。本発表においては、ディラック半金属と磁性ワイル半金属における内因性スピンネルンスト効果の理論研究の成果を報告する。はじめに、内因性スピンネルンスト効果の公式を示し、強いスピンネルンスト効果が得られる条件を整理する。その後、ディラック半金属と磁性ワイル半金属におけるスピンネルンスト効果について、点ノードのエネルギーに対する依存性を議論し、これらのトポロジカル物質の幾何学的性質が大きなスピンネルンスト効果を実現し、効率的な熱流-スピン流変換に利用できることを示す。