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三ツ口 丈裕; 岡部 宣章*; 國分 陽子; 松崎 浩之*
原子力バックエンド研究(CD-ROM), 31(2), p.96 - 110, 2024/12
高レベル放射性廃棄物の地層処分においては、その処分システムが持つべき隔離機能が数万年間は自然現象で損なわれる恐れのないサイト選定をすることが前提であるとともに、サイト固有の地質環境やその長期的変化を見込んだ上で合理的な処分システムを構築する必要がある。近年、日本国の地質環境の長期安定性を評価する目的で、本邦の地下流体(深部地下水、温泉水、油田や天然ガス田に付随する鹹水など)の元素・同位体組成の研究が進められており、ヨウ素およびその放射性同位体であるヨウ素129(I: 半減期1,570万年)もその研究対象に含まれている。本総説では、地球表層の様々な天然物質のヨウ素含有量およびヨウ素129/127同位体比(
I/
I比)に関する知見、試料の前処理・測定法、日本国内の地下流体の
I/
I比データについて概説し、さらに、そのデータの解釈・問題点および不確実性、そして地質環境長期安定性評価に向けた示唆について述べる。
櫻井 敬久*; 紅林 泰*; 鈴木 颯一郎*; 堀内 一穂*; 高橋 唯*; 堂下 典弘*; 菊地 聡*; 門叶 冬樹*; 岩田 尚能*; 田島 靖*; et al.
Physical Review D, 109(10), p.102005_1 - 102005_18, 2024/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Astronomy & Astrophysics)銀河宇宙線の永年変化は銀河の活動に密接に関係しており、局所的な銀河磁場・星間雲・超新星残骸の近くの環境が反映される。高エネルギー銀河宇宙線によって大気中で生成される高エネルギーミューオンは、深い地層まで透過し、岩石中に放射性同位体を生成する。Beや
Alのような長寿命の放射性核種は岩石中に蓄積されるため、高エネルギーミューオンの収量の長期変動、ひいては数百万年間の高エネルギー銀河宇宙線(GCR)の長期変動の調査に利用できる。本研究では、CERN SPSのCOMPASS実験ラインにて、160GeV/cの正ミューオンを合成石英プレートと花崗岩コアに照射して、岩石中の
Beと
Alの生成断面積を測定した。更に、ミューオンが直接起こす核破砕反応とミューオンが生成した二次粒子が引き起こす反応が、岩石中での長寿命核種の生成にそれぞれどの程度寄与するかを明らかにした。
都留 智仁; 西村 克彦*; 松田 健二*; 布村 紀男*; 並木 孝洋*; Lee, S.*; 髭本 亘; 松崎 禎市郎*; 山口 正剛; 海老原 健一; et al.
Metallurgical and Materials Transactions A, 54(6), p.2374 - 2383, 2023/06
被引用回数:2 パーセンタイル:25.24(Materials Science, Multidisciplinary)高強度Al合金の水素脆化感受性は、Al合金の実用化において重要な課題として認識されているが、水素のトラップまたは分布の特定は困難であった。本研究では、実験とシミュレーションに基づいた効果的なアプローチにより、Al合金中の潜在的なトラップサイトを探索することを提案する。Al-0.5%Mg, Al-0.2%Cu, Al-0.15%Ti, Al-0.011%Ti, Al-0.28%V, Al-0.015%V (at.%)に対して、5から300Kの温度範囲でゼロフィールドミュオンスピン緩和実験が行われた。双極子場の幅の温度変化から、Al-0.5%Mgに3つのピーク、Al-0.2%Cuに4つのピーク、Al-0.011%TiとAl-0.015%Vに3つのピークがあることが明らかにされた。観測されたピークに対応するミュオントラップサイトの原子配置は、溶質及び溶質-空孔ペア周りの水素のトラップエネルギーに対する第一原理計算を用いてよく同定された。ミュオンピーク温度とトラップエネルギーの間に線形関係が抽出されたことにより、Al合金において水素と強い結合エネルギーを持つ合金元素とその複合体の可能性を探ることができる。
Wallner, A.*; Froehlich, M. B.*; Hotchkis, M. A. C.*; 木下 哲一*; Paul, M.*; Martschini, M.*; Pavetich, S.*; Tims, S. G.*; Kivel, N.*; Schumann, D.*; et al.
Science, 372(6543), p.742 - 745, 2021/05
被引用回数:66 パーセンタイル:97.00(Multidisciplinary Sciences)鉄よりも重い元素の半分は、極短時間に無数の中性子を捕獲する過程(r過程)によって生成される。理論的研究によって、このr過程の物理的な条件や基礎課程は明らかになってきているが、その天体サイトと元素合成量に関してはいまだに議論の的で、超新星爆発や中性子星合体などが候補に挙がっている。我々のグループでは、太平洋で採取したマンガンクラスト試料から太陽系外起源の超微量のFe(半減期260万年)と
Pu(半減期8,060万年)を加速器質量分析で定量した。
Feは主に巨大質量の星が爆発(超新星爆発)してその一生を終えるときに形成・放出される一方で、
Puはr過程のみで生成される。
Feの分析結果からは過去1,000万年の間に太陽系近傍で起こった2つの異なる重力崩壊型の超新星爆発による
Feの地球への流入があったことが明らかになった。
Pu/
Feの流入比は、どちらの重力崩壊型の超新星爆発でも同様の値であった。
Puの分析結果から求めた
Puの地球への流入量は、超新星爆発がr過程を支配していると仮定した理論予想値よりも低かった。つまり本研究結果は、超新星爆発がr過程を支配しているのではなく、中性子星合体など他の寄与があることを示唆している。
小嵐 淳; 安藤 麻里子; 永野 博彦*; Sugiharto, U.*; Saengkorakot, C.*; 鈴木 崇史; 國分 陽子; 藤田 奈津子; 木下 尚喜; 永井 晴康; et al.
JAEA-Technology 2020-012, 53 Pages, 2020/10
近年急速に進行する温暖化をはじめとした地球環境の変化は、陸域生態系(とりわけ森林生態系)における炭素循環に変化をもたらし、その結果、温暖化や環境変化の進行に拍車をかける悪循環が懸念されている。しかしながら、その影響の予測には大きな不確実性が伴っており、その主たる要因は、土壌に貯留する有機炭素の動態とその環境変化に対する応答についての定量的な理解の不足にある。放射性炭素(C)や安定炭素(
C)同位体の陸域生態系における動きを追跡することは、土壌有機炭素の動態を解明するうえで有力な研究手段となりうる。本ガイドは、同位体を利用した土壌炭素循環に関する研究を、特にアジア地域において促進させることを目的としたものである。本ガイドは、土壌の採取、土壌試料の処理、土壌有機炭素の分画、
Cの同位体比質量分析法による測定及びその試料調製、ならびに
Cの加速器質量分析法による測定及びその試料調製に関する実践的手法を網羅している。本ガイドでは、炭素循環研究において広く用いられる
C分析結果の報告方法についても簡単に紹介する。さらに、同位体を利用した研究手法の実際的応用として、日本の森林生態系において実施した事例研究の結果についても報告する。本ガイドによって、同位体を利用した炭素循環研究に興味を持って参画する研究者が増加し、地球環境の変化の仕組みについての理解が大きく進展することを期待する。
松中 哲也*; 笹 公和*; 高橋 努*; 松村 万寿美*; 佐藤 志彦; Shen, H.*; 末木 啓介*; 松崎 浩之*
Radiocarbon, 61(6), p.1633 - 1642, 2019/12
被引用回数:2 パーセンタイル:9.34(Geochemistry & Geophysics)Areas affected by routine radiocarbon (C) discharges from the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant (FDNPP) and accidental releases in March 2011 were investigated by analysis of cores from Japanese cypress and cedar trees growing at sites 9 and 24 km northwest of the plant.
C concentrations in tree rings from 2008-2014 (before and after the accident) were determined by accelerator mass spectrometry, with
C activities in the range 231-256 Bq kg
C. Activities during the period 2012-2014, after FDNPP shutdown, represent background levels, while the significantly higher levels recorded during 2008-2010, before the accident, indicate uptake of
C from routine FDNPP operations. The mean excess
C activity for the pre-accident period at the sites 9 and 24 km northwest of the plant were 21 and 12 Bq kg
C, respectively, indicating that the area of influence during routine FDNPP operations extended at least 24 km northwest. The mean excess tree-ring
C activities in 2011 were 10 and 5.8 Bq kg
C at 9 and 24 km northwest, respectively, documenting possible impact of the FDNPP accident on
C levels in trees.
藤沢 純平*; 南 雅代*; 國分 陽子; 松崎 浩之*
JAEA-Conf 2018-002, p.91 - 94, 2019/02
ベリリウム-10(Be)は高層大気中で生成される宇宙線生成放射性核種であり、BeOやBe(OH)
の形でエアロゾルなどに付着して滞留した後、降水とともに地表面に沈降する。地表に降下した
Beは、河川などを通じて運搬され、海底や湖底に堆積していく。
Beは地球表層における大気循環や水循環など、全球的・地域的な物質循環の影響を受けることから、過去の気候変動を調べる指標の一つとして近年注目されている。ベリリウムはpH
5においてほとんどが水酸化物となり、土壌や鉱物の粒子表面に吸着する形で存在する。したがって細粒の粒子を多く含む堆積物は単位質量当たりの表面積が大きくなり、
Be濃度が大きくなると考えられ、粒径組成の異なる堆積物試料を分析する際には、粒径の影響を考慮する必要がある。本研究では、河川堆積物の粒径と
Be濃度にどのような関係があるかを明らかにすることを目的にした。琵琶湖に流入する18河川の河口付近で河川堆積物を採取し、5区分の粒径に分け、東濃地科学センターの加速器質量分析装置にて
Be濃度を測定した。
東郷 洋子*; 高橋 嘉夫*; 天野 由記; 松崎 浩之*; 鈴木 庸平*; 寺田 靖子*; 村松 康行*; 伊藤 一誠*; 岩月 輝希
Geochimica et Cosmochimica Acta, 191, p.165 - 186, 2016/10
被引用回数:35 パーセンタイル:76.93(Geochemistry & Geophysics)ヨウ素の地層中での移行挙動を理解するうえで、化学状態(価数及び局所構造・結合状態)を把握することは重要である。ヨウ素は環境中で一般的には陰イオンの形態を取りやすく、地層への収着性が低い元素であるとともに、陰イオンの他にさまざまな化学形態をとり、各形態で挙動が異なるため、移行挙動の予測は極めて難しい。そこで、本研究では固液両相の化学形態を分析し、表層土壌圏及び地下岩石圏でのヨウ素の挙動解明を試みた。その結果、有機物が熟成される過程でヨウ素イオンが地下水中に溶出されることが示唆された。また、表層で有機態として固相へ分配されたヨウ素は、深層で無機態となって液相へと溶出するが、一部は有機ヨウ素として固相に残ることが明らかとなった。
Mao, W.*; 藤田 将弥*; 近田 拓未*; 山口 憲司; 鈴木 晶大*; 寺井 隆幸*; 松崎 浩之*
Surface & Coatings Technology, 283, p.241 - 246, 2015/12
被引用回数:3 パーセンタイル:12.88(Materials Science, Coatings & Films)イオンビームスパッタ蒸着法では初めて、成膜温度973K、成膜時の真空度10Pa未満という条件で、Si (100)基板上に単相のEr
O
(110)薄膜を作製することに成功した。Erのシリサイドが反応時に生成するものの1023Kでの加熱アニールにより、E
O
の単相膜に変化し、エピタキシャル成長することを反射高速電子線回折法(RHEED)やX線回折法(XRD)などの手法によって確認した。
片山 淳; 亀尾 裕; 中島 幹雄; 松崎 浩之*
第10回AMSシンポジウム報告集, p.234 - 237, 2008/00
Iを加速器質量分析装置で分析するためには、従来ヨウ化銀の沈殿から測定ターゲットを作製する。より高感度に
Iを分析するためには、沈殿生成のために加える担体量を減らす必要がある。しかし、沈殿の生成と回収には1mg以上の担体が必要である。本研究では、沈殿生成の代わりに銀表面へのヨウ素分子の吸着反応を利用した直接的な測定ターゲットの作製方法の基礎検討を行った。本法によれば、1から0.2mgの担体で測定ターゲットを作製することができた。
加藤 岑生; 伊藤 剛士*; 須貝 宏行; 河村 繕範; 林 巧; 西 正孝; 棚瀬 正和; 松崎 禎市郎*; 石田 勝彦*; 永嶺 謙忠*
Fusion Science and Technology, 41(3), p.859 - 862, 2002/05
原研では核融合研究の推進のために、小型トリチウムリサイクルシステムの開発を進めている。従来、原研が開発し、55.5TBq(1500Ci)の純粋なトリチウムガスを濃縮してきたガスクロマトシステムでは、分離後のキャリヤーガス中のトリチウムをモレキュラーシーブスカラムに捕集し、次いでキャリヤーガスの流れを切り替え、循環させてウランゲッターに捕集している。本システムでは、分離後のキャリヤーガス中のトリチウムのみをプロトン導電体により透過させ、直接ウランゲターに捕集するなどの改良を行い、自動化することを考えている。各種の実験で使用したトリチウム混合ガスから実験現場でトリチウムを回収し、再利用できれば、核融合研究をより効率的に進めることができる。また、小型トリチウムリサイクルシステムは、英国のRIKEN-RAKLミュオン触媒核融合研究を進めるでも非常に有用である。
松崎 禎市郎*; 永嶺 謙忠*; 石田 勝彦*; 中村 哲*; 河村 成肇*; 棚瀬 正和; 加藤 岑生; 黒沢 清行; 橋本 雅史; 須貝 宏行; et al.
Hyperfine Interactions, 118(1-4), p.229 - 234, 1999/00
英国Rutherford Appleton Laboratory,ISIS内のRIKEN-RALミュオン施設において、現在D-T反応によるミュオン触媒核融合(CF)実験中である。トリチウム取り扱いシステムを使用して、高純度トリチウムの1500Ciを用いて、実験の直前にHe-3を除いた液体及び固体におけるtt
反応を観測した。実際tt
反応は、dt
反応のバックデータとしてだけでなく、tt
反応に関連した新しい物理現象として重要である。この実験結果について報告する。
石田 勝彦*; 永嶺 謙忠*; 松崎 禎市郎*; 中村 哲*; 河村 成肇*; 坂元 眞一*; 岩崎 雅彦*; 棚瀬 正和; 加藤 岑生; 黒沢 清行; et al.
Hyperfine Interactions, 118(1-4), p.203 - 208, 1999/00
英国Rutherford Appleton Laboratory,ISIS内のRIKEN-RALミュオン施設において、現在D-T反応によるミュオン触媒核融合(CF)実験中である。ここではターゲットの重水素とトリチウムの混合比を0.1,0.2,0.28,0.4,0.5,0.6と0.7に変化させ、液体、固体それぞれについて、
CFサイクルにおけるミュオンの損失を測定するため、
X-rayの放出確率を測定した。実験では、トリチウムの崩壊で生成するHe-3が反応に影響するため実験直前に除いて行った。14MeVの核融合ニュートロンとX-rayの測定から、ミュオンサイクル数、ミュオン損失確率、
X-rayの放出確率を求めることができた。dt
の損失確率は、ミュオンの損失確率からtt
とdd
の影響を差引いて求めた。この結果を理論的な計算値と比較した結果について報告する。
河村 成肇*; 永嶺 謙忠*; 松崎 禎市郎*; 石田 勝彦*; 中村 哲*; 坂元 眞一*; 岩崎 雅彦*; 棚瀬 正和; 加藤 岑生; 黒沢 清行; et al.
Hyperfine Interactions, 118(1-4), p.213 - 215, 1999/00
英国Rutherford Appleton Laboratory,ISIS内のRIKEN-RALミュオン施設において現在D-T反応によるミュオン触媒核融合(CF)実験中である。RIKEN-RALミュオン施設でトリチウムの
崩壊で生成したHe-3がD-Tの混合固体中に蓄積し、液体では蓄積しないことを見いだした。実際、D-T濃度比が3:7の時の液体では、ニュートロンの放出減少率はターゲットを液化した直後から変化しないが、固体では、固化直後から増加する。このことから、すべてのHe-3が固体の中に残ることを示していると考えられる。これらの実験結果について報告する。
加藤 岑生; 黒沢 清行; 須貝 宏行; 棚瀬 正和; 松崎 禎市郎*; 石田 勝彦*; 永嶺 謙忠*
KEK Proceedings 99-11, p.113 - 127, 1999/00
英国のラザフォード・アップルトン研究所(RAL)のRIKEN-RAL施設においてミュオン触媒核融合実験(理化学研究所と原研の共同研究)に協力している。その実験に使用する高純度トリチウムガスを原研が供給した。トリチウムガスは、原研の材料試験炉(JMTR)で中性子照射したLiAl合金ターゲットを加熱抽出して得た。ミュオン触媒核融合実験用として、水素を除く必要性から、このトリチウムガスをクロマトグラフ法で分離精製して高純度トリチウムガスにした。また、日本から英国への高純度トリチウムガスを輸送するA型輸送容器及び実験に使用した後のトリチウムガス回収用Zr-Coゲッター容器を含む日本への輸送のためのA型輸送容器それぞれ1基を製作した。この報告では、トリチウムの製造、分離精製、Zr-Coゲッター容器を含むA型輸送要素の製作について報告する。
中村 哲*; 永嶺 謙忠*; 松崎 禎市郎*; 石田 勝彦*; 河村 成肇*; 坂元 眞一*; 岩崎 雅彦*; 棚瀬 正和; 加藤 岑生; 黒沢 清行; et al.
Hyperfine Interactions, 118(1-4), p.209 - 212, 1998/00
英国Rutherford Appleton Laboratory,ISIS内のRIKEN-RALミュオン施設において、現在D-T反応によるミュオン触媒核融合(CF)実験中である。ミュオン触媒核融合では、生成する
粒子にミュオンが付着し、X-rayが放出される。この時に
の運動エネルギーに依存したドップラー拡がりをもったK
X-rayとK
X-rayの放出を観測することができた。この強度比の情報はdt
のミュオン損失確率を理論的に計算するうえで重要である。観測結果と理論計算について考察した結果を報告する。
工藤 博司; 藤江 誠; 棚瀬 正和; 加藤 岑生; 黒沢 清行; 須貝 宏行; 梅澤 弘一; 松崎 禎市郎*; 永嶺 謙忠*
Applied Radiation and Isotopes, 43(5), p.577 - 583, 1992/00
ミュオン触媒核融合(CF)実験で必要とする高純度、高濃縮トリチウムを50TBqレベルで調製した。同位体濃縮にはガスクロマトグラフ法を、化学的精製には活性ウランによるトリチウム化物生成反応を利用するシステムを考案し、最終的には同位体純度99.9%以上、化学的純度99.7%以上の高品位トリチウムガスを得た。特に、
CF実験の妨害となる
Heおよび
Heの混入は、調製直後の値として0.02%以下に抑えることができた。このトリチウムガス(300ml)をD
ガスと混合(1:2)してターゲット容器に充填し、20Kで液化後
ビームで照射した。
CFサイクルにおける
-付着率として
o=0.39
0.14%を得た。
永嶺 謙忠*; 松崎 禎市郎*; 石田 勝彦*; 渡辺 康*; 坂元 真一*; 岩崎 雅彦*; 三宅 康博*; 西山 樟生*; 鳥養 映子*; 栗原 秀樹*; et al.
Muon Catal. Fusion, 5-6, p.289 - 295, 1991/00
トリチウム濃度30%の液体D-Tターゲットにパルスビームを照射し、ミューオン触媒核融合実験を行った。
-付着現象にともない生成する
原子から放出される特性X線(8.2keV)の直接測定に成功した。また、測定したX線のスペクトル幅(0.64
0.22keV)は、ドップラー効果を考慮した理論に一致した。X線の強度から、実効
付着率として
=0.34
0.13%を得た。
三ツ口 丈裕; 岡部 宣章*; 國分 陽子; 松崎 浩之*
no journal, ,
造礁サンゴは熱帯/亜熱帯の浅海に生息し、炭酸カルシウムの骨格を分泌しつつ成長するが、塊状種の骨格には年輪が刻まれていることが多い。本講演では、豪州北西沖で採取された造礁サンゴ骨格試料(1884年1994年の年輪を持つ)のヨウ素129濃度(
I/
I比)の測定結果を発表する。本試料の
I/
I比は1955年
1990年代前半まで明確な増加傾向を示すが(1960年代には2度の減増を伴う)、これは人類核活動(1945年以降の大気圏核爆発や核燃料再処理)で環境に放出された
Iの影響である。なお、1884年
1950年の
I/
I比はほぼ一定であり、人類核活動前の天然状態を示している。
片山 淳; 石森 健一郎; 亀尾 裕; 鈴木 崇史; 松崎 浩之*; 木村 健一*; 金野 正晴*; 天野 光; 中島 幹雄
no journal, ,
ヨウ素-129を加速器質量分析装置で分析するために、従来のヨウ化銀沈殿生成によらない方法として銀及び銀メッキによる新規吸着剤に直接ヨウ素分子を吸着させてターゲットを調製する手法を新たに開発した。本法によれば、10.2mgのヨウ素からヨウ素-127/-129同位体比を測定することが可能である。標準物質から作成した検量線と照射済標準岩石(花崗岩)中のヨウ素-129の定量結果、及び実試料分析における問題点を検討する。