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木下 幹康; Chen, Y.*; 金田 保則*; Geng, H. Y.*; 岩沢 美佐子*; 大沼 敏治*; 一宮 尚志*; 西浦 廉政*; 板倉 充洋; 中村 仁一; et al.
no journal, ,
軽水炉燃料においては約70GWd/tの燃焼度で結晶粒が50200nmに変化する細粒化が観察されている。新クロスオーバ研究では加速器実験と計算科学的手法により、その主要なプロセスのシミュレーションが行われている。加速器照射においては、模擬燃料セリア(CeO)における、結晶の細粒化が部分的に再現された。TEM観察によると主要なプロセスは細粒化であり異なるスケールの酸素原子の欠陥と板状のクラスターが重要な役割を担っていることが示された。一方、第一原理,分子動力学,モンテカルロ法,メゾスケールのセルオートマトン法等の計算科学的研究も現在実施している。計算科学的研究の骨子は核分裂片トラックによる加熱とクエンチの繰り返しの理解がもとになっている。これらにより原子は高エネルギーの準安定位置と構造に置かれる。多くの実験観察をもとに目標とするプロセスの核心に解析が近づいている。
木下 幹康; 安永 和史*; 園田 健*; 岩瀬 彰宏*; 石川 法人; 左高 正雄; 安田 和弘*; 松村 晶*; Geng, H. Y.*; 一宮 尚志*; et al.
no journal, ,
新クロスオーバ研究で得られた成果概要を示す。高燃焼度燃料におけるセラミックス燃料の細粒化現象についてそのメカニズム解明とシミュレーション手法の開発をすすめている。主要な強調点は以下の2点である。(1)酸化ウランの模擬資料であるセリア(CeO)を用いて、イオンインプランターによる燃焼度の模擬、タンデム加速器による核分裂照射の模擬、の2つを組合せることによって細粒化の基礎過程である亜結晶の生成を実現した。(2)実燃料で観察される、上記細粒化の発生直前の事象である、酸素の再配置現象について、計算科学において検討をすすめた。過剰な酸素が存在する場合について(過化学量論組成について)第一原理計算では形成エネルギーの計算により秩序配列を再現することができた。加速分子動力学法では、過剰な酸素原子がクラスターをつくり、常温を含む低温でも高速に拡散運動することを初めて発見した。