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論文

幌延URLにおける低アルカリ性セメント系材料の適用性確認

中山 雅; 丹生屋 純夫*; 南出 賢司*

原子力バックエンド研究(CD-ROM), 23(1), p.25 - 30, 2016/06

高レベル放射性廃棄物の地層処分施設において、坑道の空洞安定性確保や周辺岩盤のゆるみ領域の抑制、掘削に伴う湧水量の抑制のため、セメント系材料を用いた吹付けコンクリートやグラウトが検討されている。これらの材料の影響で坑道周辺の地下水のpHが高アルカリ化することにより、緩衝材を構成するベントナイトや周辺の岩盤を変質させ、人工バリアおよび天然バリアとしての性能に影響を与えることが懸念されている。このような影響を低減するために、日本原子力研究開発機構では、普通ポルトランドセメントにポゾラン材料を混合した低アルカリ性セメント(以下、HFSC)を開発し、化学的特性、機械的特性、施工性などについて検討を実施してきた。本研究では、HFSCを吹付けコンクリートとして、幌延深地層研究センター地下施設の350m調査坑道の施工に適用し、施工性について確認した。その結果、HFSCが現地のプラントを用いて製造可能であること、地下施設の設計基準強度を上回る強度発現が可能であること、および地下施設の通常の施工に使用されているセメント系材料と同等の施工性を有することが確認され、HFSCの地下坑道への適用性が確認された。

論文

初期地圧の異方性を有する岩盤における支保設計と計測結果に基づく妥当性検証について

本島 貴之*; 矢吹 義生*; 南出 賢司*; 名合 牧人*; 青柳 和平

トンネル工学報告集(CD-ROM), 24, p.I_10_1 - I_10_5, 2014/12

幌延深地層研究計画の一環として堆積軟岩中に周回状の大深度地下施設を建設するにあたり、事前に初期地圧の調査を行って、掘削方向と主応力の方向の関係に応じて支保パターンを変更する経済設計を試みている。さらに筆者らは、施工時において内空変位の計測を行って掘削方向と内空変位計測結果の関係を整理し、事前に調査を行った初期地圧測定結果が妥当であったかを念頭に、計測結果と予測解析結果との比較をおこなった。その結果、両者の間は正の相関が認められ、値の大小についても変形係数の設定値と実測値との差から想定される範囲に収まっていることが確認された。これらのことから、地上からの調査で実施した初期地圧の測定結果はほぼ妥当であるものと確認された。

論文

大深度立坑における湧出ガス対策について

名合 牧人*; 萩原 健司*; 南出 賢司*; 本島 貴之*; 神 和美; 工藤 元; 杉田 裕; 三浦 養一*

第49回全国建設業労働災害防止大会研究論文集(CD-ROM), p.77 - 80, 2012/10

本書では、幌延深地層研究センターの大深度立坑建設時における、湧出ガス対策について報告するものである。幌延深地層研究センターにおいては、湧出ガス対策として、次の6つの管理を講じている。(1)事前調査による、地層,地下水に含まれるメタンガス量,濃度の把握、(2)通気解析(シミュレーション)による送風機, 集塵機, 風管仕様の決定、(3)止水グラウト工によるメタンガスの湧出低減対策、(4)内燃機関の使用禁止、防爆機器の採用、(5)メタンガス管理体制の設定、(6)メタンガス湧出状況の監視モニタリング。このうち、本論では、日常の安全管理活動の中で実施している、3$$sim$$6について述べる。幌延深地層研究センターにおける立坑の深度は、現在換気立坑で深度290m、東立坑で深度250mであり、メタンガスの湧出状況については、断層部において0.3%$$sim$$1.3%までの上昇が確認されているが、上述の整備した湧出ガス対策に基づいて適切に管理している。メタンガス濃度を低下させる対策を行ううえでは、監視モニタリングの有用性が確認されている。

論文

Low alkaline cement used in the construction of a gallery in the Horonobe Underground Research Laboratory

中山 雅; 佐藤 治夫; 杉田 裕; 伊藤 誠二*; 南出 賢司*; 北川 義人*

Proceedings of 13th International Conference on Environmental Remediation and Radioactive Waste Management (ICEM 2010) (CD-ROM), p.51 - 56, 2011/01

高レベル放射性廃棄物の地層処分施設は地下深部に建設されるため、坑道の空洞安定性確保などのため、セメント系材料が支保工に使用される。この場合、セメント系材料からの高アルカリ成分の溶出により、周辺の地下水のpHが13程度となり、緩衝材であるベントナイトや周辺岩盤を変質させ、そのバリア性能に影響を与えることが懸念されている。日本原子力研究開発機構では、このような影響を抑制するために低アルカリ性セメントを開発し、そのpH低下挙動や支保工としての実用性について検討を行っている。本報告では、幌延深地層研究センターの地下施設の深度140m調査坑道において、開発した低アルカリ性セメントを吹付けコンクリートとして使用した原位置施工試験について述べる。施工試験の結果、HFSCは、OPCと同等の施工性を有することが確認できた。また、施工後の日常管理計測から、内空変位についてもOPCと同等の傾向を示し、空洞安定性が確保されることを確認した。以上の結果から、地下坑道の施工においてHFSCを吹付けコンクリートとして適用できると判断された。今後は、10年程度に渡って、壁面からのコアの採取や採水などを実施し、坑道周辺の地下水及び岩盤に与える影響を確認する計画である。

報告書

瑞浪超深地層研究所・換気立坑における堆積岩部を対象としたポストグラウチング試験施工とその評価

久慈 雅栄*; 松井 裕哉; 原 雅人; 南出 賢司*; 見掛 信一郎; 竹内 真司; 佐藤 稔紀*; 浅井 秀明

JAEA-Research 2008-095, 54 Pages, 2009/01

JAEA-Research-2008-095.pdf:13.14MB

トンネル,地下発電所などの地下空洞建設にあたっては、掘削に伴い大量の湧水が発生することがある。空洞内への湧水は地上までの汲み上げや水質浄化に多大な費用を要することがあるため、場合によってはできるだけ湧水量を抑制することが望まれる。日本原子力研究開発機構で建設中の瑞浪超深地層研究所では、研究坑道の掘削に伴って発生する湧水の処理(水質調整)及び湧水抑制にかかわるコストを最小限に抑えることが施工上の課題となっている。さらに、今後掘削する領域の地質構造や地下水状況を調査した結果、特定の深度で大量湧水が発生する可能性が高いことがわかった。そこで瑞浪超深地層研究所においては、既に研究坑道掘削を終了した区間における湧水抑制対策としてポストグラウチング工法を採用し、その有効性を把握するために、換気立坑堆積岩部を対象としてポストグラウチングの基本的な設計・施工方法を検討し、試験施工を実施した。その結果、今回実施したポストグラウチング工法は、透水性の改良効果や、注入次数の増加に伴う注入量の減少傾向による改良効果を確認することができた。本報告書では、ポストグラウチング試験施工の概要とともに、その過程で得られた知見などをとりまとめた。

論文

立坑掘削における内空変位の初期変形率と覆工コンクリート応力の相関

山崎 雅直; 津坂 仁和; 羽出山 吉裕*; 南出 賢司*; 高橋 昭博*

第38回岩盤力学に関するシンポジウム講演論文集(CD-ROM), p.196 - 201, 2009/01

本稿は、地下研究施設の立坑掘削に伴う地下空洞の安定性や支保設計の妥当性を評価する目的で、立坑掘削時に取得した内空変位計測データと覆工コンクリート応力計測データから、初期変形率と覆工コンクリート応力の収束値(土被り圧で無次元化)を整理し、両者の相関について分析した結果を報告する。その結果、(1)内空変位の初期変位率と土被り圧で無次元化した覆工コンクリート応力収束値とは相関性が高いこと,(2)ショートステップ工法を対象とした内空変位の初期変位率より覆工コンクリート応力の収束値の予測が可能であることが判明した。

論文

Countermeasures planned for reducing water inflow into deep shafts at the Mizunami Underground Research Laboratory

久慈 雅栄; 佐藤 稔紀; 見掛 信一郎; 原 雅人; 南出 賢司; 杉原 弘造

Journal of Power and Energy Systems (Internet), 2(1), p.153 - 163, 2008/00

瑞浪超深地層研究所(MIU)が岐阜県瑞浪市に建設中である。MIUは深さ1,000mの2本の立坑と水平坑道群から構成される。MIUプロジェクトの目標は、深い地質環境での調査技術,解析技術,評価技術の確立、及び花崗岩のような結晶質岩における大深度での工学技術の適用範囲の拡大を図ることである。主立坑の直径は6.5m,換気立坑の直径は4.5mである。2本の立坑を接続する水平トンネルが100m間隔で掘削される。科学的研究のため深度約500mに中間ステージ、及び深度約1,000mに最深ステージが設置される予定である。主立坑,換気立坑の2006年11月時点の深度はそれぞれ180mと191mである。掘削を進めるにつれ、立坑への湧水量が増加し、プロジェクト進行に支障が生じている。湧水量を低減するために、ポストグラウトとプレグラウトが計画されている。換気立坑においてポストグラウト試験施工を実施され、その適用性が評価された。

論文

Countermeasures planned for reducing water inflow into deep shafts at the Mizunami Underground Research Laboratory

久慈 雅栄; 佐藤 稔紀; 見掛 信一郎; 原 雅人; 南出 賢司; 杉原 弘造

Proceedings of 15th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-15) (CD-ROM), 7 Pages, 2007/04

瑞浪超深地層研究所(MIU)が建設中である。MIUは深さ1,000mの2本の立坑と水平坑道群から構成される。主立坑の直径は6.5m、換気立坑の直径は4.5mである。2本の立坑を接続する水平トンネルは100m間隔で掘削される。深さ約500mに中間ステージ、及び深さ約1,000mに最深ステージが、科学的研究のために設置される予定である。主立坑,換気立坑の2006年11月時点の深度はそれぞれ180mと191mである。掘削の進行に伴い立坑への湧水量が増加し、プロジェクト進行に支障が生じている。湧水量を低減するために、ポストグラウトとプレグラウトが計画されている。換気立坑においてポストグラウト試験施工を実施され、その適用性が評価された。

論文

大深度立坑における湧水抑制対策としてのポストグラウト試験施工

久慈 雅栄; 佐藤 稔紀; 原 雅人; 見掛 信一郎; 南出 賢司

トンネル工学報告集(CD-ROM), 16, p.469 - 476, 2006/11

瑞浪超深地層研究所では、現在大深度の立坑を掘削中であるが、この立坑掘削に伴い多量の湧水が発生し、施工上の課題の一つとなっている。解決策の一つとして、湧水をできるだけ抑制することが必要と考えられ、ここでは実績の多いグラウト工法を基本にすることとした。既に掘削が終了した範囲については、ポストグラウト工法があるものの、その事例は非常に少ない。そこで、本報告では立坑におけるポストグラウト工法について基本検討を行い、それに基づいて試験施工を行った。検討の結果、覆工からカバーロックを兼ねた無注入区間を確保し、その先で一時的な止水領域を形成し、その外側に本格的な注入を行うこととした。今回は、立坑1/4周の試験施工区間を2か所設け、このうち1か所で注入仕様を定め、残り1か所でその仕様に基づいた注入による効果を確認した。その結果、試験後の注入範囲内ではルジオン値及び透水係数ともに1/5程度に低減し、湧水はほとんど認められないなど、今回のポストグラウト試験施工は比較的良い結果が得られたと判断される。

口頭

堆積軟岩の断層部が大深度立坑の覆工応力へ及ぼす影響の事前評価

稲垣 大介; 津坂 仁和; 青柳 和平; 萩原 健司*; 名合 牧人*; 南出 賢司*; 井尻 裕二*

no journal, , 

幌延深地層研究所の地下施設では、事前調査や周辺の掘削実績より、立坑の健全性に複雑な影響を及ぼすと考えられる複数の立体的に交差する断層の出現が予想されていた。立坑の支保設計においては、断層部を施工する際の覆工コンクリートの三次元的な応力分布を定量的に評価し、立坑の健全性を確保することが、課題の一つとして挙げられる。本稿では、この課題に対して、掘削前に実施した三次元逐次掘削解析による対象断層部の影響評価について報告する。

口頭

幌延深地層研究所における立坑底盤の割れ目の方向性と頻度分布

津坂 仁和; 山崎 雅直; 南出 賢司*; 羽出山 吉裕*

no journal, , 

幌延深地層研究所では、高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する技術の研究開発を目的として、1本の換気立坑と2本の主立坑、そして、深度300m以深の研究坑道から成る地下研究施設の建設を行っている。立坑の掘削においては、岩盤性状の評価と立坑内への湧水の主要因となる地質構造の把握を主目的として、詳細な地質観察を実施している。地層処分に関する主たる調査課題の1つである坑道周辺のEDZ(Excavated Disturbed Zone(掘削影響領域))の発達は、岩盤中の割れ目に大きく影響する現象である。よって、坑内で実施される地質観察結果に基づいて、観察される割れ目の頻度や方向性,開口幅などを整理し、今後、実施されるEDZの調査のための岩盤性状の基礎データを構築する必要がある。そこで、これまでに換気立坑で実施された底盤での岩盤調査から得られた割れ目の抽出図から、その頻度と方向性を考察した。その結果、観察された割れ目は2, 3の卓越する割れ目系に分類でき、それらの方向性は、これまでの露頭やボーリングなどを利用した地上からの地質調査で得られている幌延地域の代表的な割れ目系の走向とおおむね一致した。

口頭

幌延深地層研究計画におけるサイクルタイムの分析

北川 義人*; 山崎 雅直; 萩原 健司*; 南出 賢司*; 関谷 美智

no journal, , 

日本原子力研究開発機構が、北海道幌延町において建設を進めている深度500m程度の立坑等からなる深地層の研究施設において、平成21年3月末で換気立坑250m,東立坑140mまでの掘削を完了した。そこで、立坑工事の積算精度向上を目的として、これまで実施した立坑工事の施工実績のうち、サイクルタイムをまとめ、分析した結果について発表するものである。

口頭

低アルカリ性セメントを用いた吹付けコンクリートの原位置適用性試験,2; 幌延URLにおける原位置吹付け施工性試験

北川 義人*; 南出 賢司*; 名雪 利典*; 山西 毅; 関谷 美智; 伊藤 誠二; 佐藤 治夫; 中山 雅

no journal, , 

地層処分事業においては、コンクリートなどに由来する高アルカリ性が人工バリアの緩衝材として使用されるベントナイトの膨潤性能、及び天然バリアを構成する岩盤へ影響を及ぼすことが懸念されている。このような影響を低減するため、原子力機構では低アルカリ性セメント(HFSC)を開発しており、幌延の地下施設の140m調査坑道においてHFSCを用いた吹付けコンクリートの原位置適用性試験を実施した。本報告では、普通ポルトランドセメント(OPC)を用いた吹付けコンクリートとHFSCを用いた吹付けコンクリートを実際の掘削サイクルの中で坑道の支保として使用し、HFSCの施工性について、OPCとの比較を通じて評価を行った。その結果、HFSCはOPCとほぼ同等の施工性を示し、特に跳ね返り率や粉じん濃度などについてはOPCよりも優れた性能を示した。また、HFSCはOPCよりも密実な吹付けコンクリートであることが示され、HFSCは従来の材料と比較して施工性及び品質に問題はなく、支保工への利用が可能であると考えられる。

口頭

堆積軟岩における大深度立坑掘削に伴う崩落対策工の検討

萩原 健司*; 名合 牧人*; 南出 賢司*; 小川 弘之*; 宇山 幹紀*; 傳馬 啓輔*; 木須 芳男*; 森本 勤*; 工藤 元; 津坂 仁和

no journal, , 

北海道天塩郡幌延町において建設を進めている地下研究施設の立坑においては、「高抜け」を誘発する可能性のある、断層破砕帯やブレイクアウトに起因する地山の崩落が発生している。これらの崩落を抑制する対策工を検討した結果、通常2m(無支保区間最大3m)の掘削長を1m(無支保区間最大2m)として、1mの掘削と1mの覆工を繰り返す、1覆工長を短縮する案が最も有効であることが明らかとなった。

口頭

堆積軟岩における大深度立坑掘削に伴う崩落対策工の効果

南出 賢司*; 萩原 健司*; 名合 牧人*; 小川 弘之*; 宇山 幹紀*; 傳馬 啓輔*; 木須 芳男*; 森本 勤*; 工藤 元; 津坂 仁和

no journal, , 

立坑掘削では、断層破砕帯やブレイクアウト現象の影響による地山の崩落に起因する、「高抜け」と呼ばれる現象を抑制しなければならない。北海道天塩郡幌延町において建設を進めている幌延地下研究施設の立坑において、高抜け誘発する断層破砕帯やブレイクアウトを抑制する対策工の検討を行い、ステップ長の変更、及び増しロックボルトを実施した結果、崩落対策として有効であり、覆工の健全性が確保されることが明らかとなった。

口頭

幌延深地層研究計画 地下研究施設建設における情報化施工

南出 賢司*; 工藤 元; 津坂 仁和; 萩原 健司*; 小川 弘之*; 森本 勤*; 矢吹 義生*; 名合 牧人*

no journal, , 

幌延深地層研究計画において、地下施設施工時には切羽・壁面の地質観察および3Dスキャナーによる壁面形状測定を行い、地質情報と壁面形状の関係の整理を行っている。また、調査ボーリングやグラウト工事の情報を3次元化した地質情報管理システムに反映し、地下施設近傍における断層等の可視化を行っている。これらの情報を用いた結果、立坑掘削時の壁面崩落の傾向を把握でき、その対策を行うことにより壁面崩落を抑制することが可能となった。また、地下施設施工時に多量の湧水や地山崩落等が発生する可能性が高い箇所を、3次元的に適切に把握することにより、地質構造に対してより正確な事前対策を行うことが可能となった。

口頭

低アルカリ性セメントを用いた吹付けコンクリートの原位置適用性試験,1; 坑道支保工としての吹付けコンクリート配合の選定

野口 聡; 中山 雅; 岸 裕和; 北川 義人*; 南出 賢司*

no journal, , 

低アルカリ性が要求される地下坑道の吹付けコンクリートへの適用を目的に開発中の、普通ポルトランド,シリカフューム及びフライアッシュの混合比を4:2:4とする低アルカリ性コンクリートを用いた吹付けコンクリートの配合選定と地上での吹付け施工試験を2009年3月に実施した。W/B=30%とし、高性能減水剤を用いた配合を選定したところ、スランプが23cmとなり基準値である21cm$$pm$$2cmを、型枠から採取したコアの材齢28日の圧縮強度が38.3MPaとなり、幌延深地層研究センターの設計基準強度である36MPaを満足した。本配合はHLW処分場の地下坑道の支保工に適した、吹付け施工用のコンクリートに適している。また、地上吹付け試験でのリバウンド率が約13%と小さく、坑道内での施工環境の向上が期待される。この配合を用いて2009年6月より幌延深地層研究センターの140m調査坑道において原位置施工試験を行うことにした。

口頭

瑞浪超深地層研究所における研究と建設の現状と課題,5; ポストグラウチング試験施工の注入次数による注入量評価

久慈 雅栄; 原 雅人; 南出 賢司; 見掛 信一郎; 佐藤 稔紀; 池田 幸喜

no journal, , 

瑞浪超深地層研究所は、結晶質岩を主な対象として深度約1,000mの2本の立坑と複数の水平坑道群の建設を進めている。研究所の掘削に伴って発生する湧水抑制対策としてポストグラウチングを検討し、その試験施工を実施した。その結果、注入前後,注入領域内外でのルジオン試験等により、注入効果としての透水性低下を示した。本報告では、さらに注入次数による注入量から見た注入効果の評価を行い、注入次数に伴う注入量の低減傾向が確認されたことより注入効果が確認できたと評価された。

口頭

瑞浪超深地層研究所研究坑道掘削における湧水抑制対策; プレグラウト・結果と評価

原 雅人; 南出 賢司; 池田 幸喜; 山本 勝; 松井 裕哉; 久慈 雅栄

no journal, , 

換気立坑の湧水対策として、連接部及びボーリング横坑を対象としたプレグラウチングを実施し、その湧水抑制効果を確認した。

口頭

泥岩を対象とした掘削体積比エネルギーと割れ目頻度に関する一考察

山崎 雅直; 福井 勝則*; 南出 賢司*; 羽出山 吉裕*

no journal, , 

原子力機構は、高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する技術開発として、地下研究施設の建設を伴う研究プロジェクト(幌延深地層研究計画)を進めている。本研究では、掘削体積比エネルギーによる地山評価手法の確立を目的に、軟岩用自由断面掘削機による立坑掘削時に取得した消費電力量データと地質観察時に得た泥岩中の割れ目頻度の相関、並びに掘削体積比エネルギーと地下施設の岩盤等級区分の相関を考察した。その結果、地下施設で設定している岩盤等級区分と掘削体積比エネルギーには良好な相関関係を見いだすことができた。掘削体積比エネルギーは掘削と同時にデータを取得できることから、これを支保選定にリアルタイムに反映させることが可能となることに加え、壁面観察以前に岩盤等級評価が実施できるため、壁面観察結果と併用して地山を評価することでより適切な支保を設定できる可能性がある。今後の地下研究施設の施工においては、支保選定(岩盤等級区分)手法として期待できる掘削体積比エネルギーに関するデータを蓄積し、精度向上に役立てていく予定である。

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