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論文

Status of JENDL

岩本 修; 岩本 信之; 柴田 恵一; 市原 晃; 国枝 賢; 湊 太志; 中山 梓介

EPJ Web of Conferences, 239, p.09002_1 - 09002_6, 2020/09

Recent progress and future plan of the JENDL project are presented. Two special purpose files were released recently. One is the JENDL Photonuclear Data File 2016 (JENDL/PD-2016) and the other one is the JENDL Activation Cross Section File for Nuclear Decommissioning 2017 (JENDL/AD-2017). Regarding the general-purpose file, we are planning to release a next version of JENDL-4.0 opened in 2010, which would be made available by 2022 as JENDL-5. New data evaluation and revision are in progress. The first test version of the JENDL-5 called JENDL-5$$alpha$$1 has been created by updating neutron reaction data for about 100 nuclides.

論文

Toward next JENDL Fission Yield Data and Decay Data

湊 太志

EPJ Web of Conferences, 242, p.05004_1 - 05004_6, 2020/09

JENDLグループでは現在、微視的理論モデルとJENDL/DDF-2015以降に測定された実験データを基に、新しい崩壊データの開発を行っている。新しい崩壊データには、半減期や遅発中性子分岐比などの基本的な崩壊データだけではなく、これまでのJENDL崩壊データには含まれていなかった遅発中性子スペクトルも収録される予定である。本発表では、新しい崩壊データの中身を紹介するとともに、この崩壊データとポストJENDL/FPY-2011となる東京工業大学のグループが開発した核分裂収率データを用いた総和計算の結果について発表する。また、核分裂収率の入射中性子エネルギー依存性の評価に関わる、最近の理論研究についても紹介する。

論文

Theoretical study of Nb isotope productions by muon capture reaction on $$^{100}$$Mo

Ciccarelli, M.*; 湊 太志; 内藤 智也*

Physical Review C, 102(3), p.034306_1 - 034306_9, 2020/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:100(Physics, Nuclear)

The isotope $$^{99}$$Mo, the generator of $$^{rm 99m}$$Tc used for diagnostic imaging, is supplied by extracting from fission fragments of highly enriched uranium in reactors. However, a reactor-free production method of $$^{99}$$Mo is searched over the world from the point of view of nuclear proliferation. Recently, $${}^{99}$$Mo production through a muon capture reaction was proposed and it was found that about 50% of $$^{100}$$Mo turned into $$^{99}$$Mo through $$^{100}$$Mo$$ (mu^-,n)$$ reaction. However, the detailed physical process of the muon capture reaction is not completely understood. We, therefore, study the muon capture reaction of $$^{100}$$Mo by a theoretical approach. We used the $$pn$$ QRPA to calculate the muon capture rate. The muon wave function is calculated with considering the electronic distribution of the atom and the nuclear charge distribution. The particle evaporation process from the daughter nucleus is calculated by the Hauser-Feshbach statistical model. From the model calculation, about 38% of $$^{100}$$Mo is converted to $$^{99}$$Mo through the muon capture reaction, which is in a reasonable agreement with the experimental data. It is revealed that negative parity states, especially $$1^-$$ state, play an important role in $$^{100}$$Mo $$(mu^-,n)^{99}$$Nb. Isotope production by the muon capture reaction strongly depends on the nuclear structure. To understand the mechanism, excitation energy functions have to be known microscopically.

論文

Advanced concepts in TRISO fuel

湊 和生; 小川 徹

Comprehensive Nuclear Materials, 2nd Edition, Vol.5, p.334 - 360, 2020/08

高温ガス炉燃料として、微小燃料核を熱分解炭素及び炭化ケイ素で四重に被覆したTRISO被覆粒子燃料が開発されてきた。ここでは、TRISO被覆粒子燃料の高温での性能向上、核分裂生成物による被覆層腐食の抑制及び核分裂生成物の保持能力の向上、並びに高速中性子体系で使用できる燃料など、種々の先進的な被覆粒子燃料について、燃料概念,製造,検査方法,照射挙動等の結果を体系的にとりまとめた。2012年に刊行されたComprehensive Nuclear Materialsに掲載された同名論文の内容に、その後の研究開発の進展を加筆したものである。

論文

Anomalous radioisotope production for $$^{68}$$ZnO using polyethylene by accelerator neutrons

塚田 和明; 永井 泰樹*; 橋本 慎太郎; 湊 太志; 川端 方子*; 初川 雄一*; 橋本 和幸*; 渡辺 智*; 佐伯 秀也*; 本石 章司*

Journal of the Physical Society of Japan, 89(3), p.034201_1 - 034201_7, 2020/03

 被引用回数:0 パーセンタイル:100(Physics, Multidisciplinary)

ポリエチレン遮へい中の$$^{68}$$ZnOに、50MeV重陽子と$$^{9}$$Beによる($$d,n$$)反応で生成した中性子を照射することで、$$^{67}$$Ga, $$^{66}$$Ga, $$^{rm 69m}$$Zn、並びに$$^{64}$$Cuの特異な生成を実験的に確認した。特に、ポリエチレン遮へい内で得られた収率は、遮へいなしの実験と比較して、約20倍の収量を示した。一方、鉛遮へい内の金属$$^{68}$$Zn試料の照射における$$^{67}$$Ga, $$^{66}$$Ga, $$^{rm 69m}$$Zn、並びに$$^{64}$$Cuの収量と、$$^{68}$$ZnO及び金属$$^{68}$$Zn試料の照射における$$^{67}$$Cu, $$^{65}$$Ni及び$$^{65}$$Znの収量は、遮へいによる影響はほとんど受けていない。この実験結果は、遮へい条件を調整することで、中性子反応に限らず陽子反応を含む多様で大量の放射性同位元素を、一度の照射で同時に合成できるという加速器中性子の注目すべき特性を示すものである。また、PHITSコードを利用した生成量予測を試み、本実験結果と比較することで、本生成量の特異性について評価した。

論文

Spin-isospin properties of $$N=Z$$ odd-odd nuclei from a core+$$pn$$ three-body model including core excitations

湊 太志; 谷村 雄介*

European Physical Journal A, 56(2), p.45_1 - 45_18, 2020/02

 被引用回数:0 パーセンタイル:100(Physics, Nuclear)

$$N=Z$$核において、不活性コアを考慮した3体模型は原子核の基底状態の対相関やスピン-アイソスピン励起について一定の理解を与える。しかしながら、コアと核子の間に働く残留相互作用によって、コア核は有意に影響を受けることが知られている。したがって、より詳細に基底状態とスピン-アイソスピン励起を理解するためには、コアの励起を考慮する必要がある。この研究では、コアの振動励起を取り入れた3体問題を解くことによって、奇奇核の基底状態とスピン-アイソスピン励起の変化を調べた。コアの振動励起を取り入れることで、(a)磁気モーメント、(b)基底状態と励起状態のエネルギー差、(c)B(M1)とB(GT)、の値が改善することが分かった。また価陽子と価中性子間の平均二乗距離と価陽子と価中性子の重心とコアの平均二乗距離がわずかに大きくなることが分かった。

論文

JENDL/ImPACT-2018; A New nuclear data library for innovative studies on transmutation of long-lived fission products

国枝 賢; 古立 直也; 湊 太志; 岩本 信之; 岩本 修; 中山 梓介; 江幡 修一郎*; 吉田 亨*; 西原 健司; 渡辺 幸信*; et al.

Journal of Nuclear Science and Technology, 56(12), p.1073 - 1091, 2019/12

 被引用回数:1 パーセンタイル:58.8(Nuclear Science & Technology)

長寿命核分裂生成核種(LLFP)の核変換技術確立に向けた革新的研究開発に資することを目的とし、新たな核データライブラリJENDL/ImPACT-2018を開発した。開発した核データライブラリは主要なLLFPである$$^{79}$$Se, $$^{93}$$Zr, $$^{107}$$Pd, $$^{135}$$Csおよび周辺核種(計163核種)に対する中性子及び陽子入射の評価済核反応断面積がエネルギー200MeVを上限として格納されている。断面積の評価においては核反応モデルコードCCONEを用いると共に、測定データの乏しい核種やエネルギー領域の断面積を根拠を持って推定するために微視的な核構造理論を積極的に活用した。また、近年RIBF/RIKENにおいて逆運動学を用いて測定された測定データに基づいて主要な核反応モデルパラメータを最適化した。得られたデータは従来手法により求められた既存の核データライブラリJENDL-4.0/HEやTENDL-2017に比べて、安定核種に対する測定データをよく再現することを確認した。

論文

A Review of separation processes proposed for advanced fuel cycles based on technology readiness level assessments

Baron, P.*; Cornet, S. M.*; Collins, E. D.*; DeAngelis, G.*; Del Cul, G.*; Fedorov, Y.*; Glatz, J. P.*; Ignatiev, V.*; 井上 正*; Khaperskaya, A.*; et al.

Progress in Nuclear Energy, 117, p.103091_1 - 103091_24, 2019/11

 被引用回数:4 パーセンタイル:28.97(Nuclear Science & Technology)

本論文では、将来のクローズド燃料サイクルにおける使用済燃料のための分離プロセスに対する国際的リビューの結果が、技術成熟度評価の結果ととともに示されている。本研究は、ORCD/NEAで組織された燃料リサイクル化学に関する専門家グループによって実施されたものである。本研究の特徴的な点は、分離プロセスを使用済燃料中の分離対象元素(ウラン, ウラン-プルトニウム, マイナーアクチノイド, 発熱性元素等)別の分離階層により区分けして評価したことであり、これに使用済燃料の前処理プロセスの評価を加えている。分離プロセスとしては湿式プロセスと乾式プロセスの両者をカバーしている。

論文

Statistical properties of thermal neutron capture cross sections calculated with randomly generated resonance parameters

古立 直也; 湊 太志; 岩本 修

Physical Review C, 100(1), p.014610_1 - 014610_7, 2019/07

 被引用回数:0 パーセンタイル:100(Physics, Nuclear)

共鳴パラメータの統計的性質を使って求められた熱中性子捕獲断面積$$sigma_{rm th}$$の統計的不定性について調べた。本研究では、乱数を用いて生成された共鳴パラメータから、$$sigma_{rm th}$$の確率密度分布を数値的に導出した。この結果、熱中性子エネルギーに最も近い最初の共鳴の統計的ゆらぎによって、熱中性子捕獲断面積が広い範囲に分布することが分かった。また、平均共鳴幅が平均崩壊幅と比較して十分に大きな値を持つ原子核においては、それぞれの$$sigma_{rm th}$$の確率密度分布が似た形状をしていることも分かった。計算された確率密度分布は、193核種の熱中性子捕獲断面積の実験データと比較され、両者が良い一致を示していることが分かった。

論文

Phenomenological level density model with hybrid parameterization of deformed and spherical state densities

古立 直也*; 湊 太志; 岩本 修

Journal of Nuclear Science and Technology, 56(5), p.412 - 424, 2019/05

 被引用回数:2 パーセンタイル:34.3(Nuclear Science & Technology)

本研究では、球形状態と変形状態において異なる準位密度パラメータで与えられる現象論的準位密度の計算手法と、$$s$$波中性子共鳴幅の実験データを用いた準位密度パラメータの最適化法について議論を行う。球形状態から変形状態への遷移の記述は、微視的核構造計算から導出された計算結果をもとに、パラメータ化を実行し、準位密度を導出した。また、得られた準位密度を用いて、統計モデルによる核子・核反応計算も行った。球形,変形およびそれらの中間の状態を持つ原子核を標的核として計算を実行し、得られた結果が実験データとほぼ良い一致を示すことが分かり、本モデルの妥当性が示された。本研究では、計算された断面積に対する回転集団運動による状態密度の増大の効果についても議論を行う。

論文

新材料・新製品開発のための先端解析技術

佐々木 宏和*; 西久保 英郎*; 西田 真輔*; 山崎 悟志*; 中崎 竜介*; 磯松 岳己*; 湊 龍一郎*; 衣川 耕平*; 今村 明博*; 大友 晋哉*; et al.

古河電工時報, (138), p.2 - 10, 2019/02

電子顕微鏡や放射光等の先端解析技術は、試料の構造や化学状態について多くの有用な情報をもたらし、材料研究に欠かせないツールとなっている。本稿では、これらの先端解析技術の中から、電子線ホログラフィや放射光を用いたX線小角散乱法(SAXS)等の手法を中心に、材料研究への応用事例を紹介する。これらの手法を活用することにより、未知であった材料の本質を明らかにすることができ、新製品開発の指針を定める上で重要な知見を得ることができる。

論文

Neutron energy dependence of delayed neutron yields and its assessments

湊 太志

Journal of Nuclear Science and Technology, 55(9), p.1054 - 1064, 2018/09

 被引用回数:1 パーセンタイル:75.54(Nuclear Science & Technology)

ウランとプルトニウムの遅発中性子収率の入射中性子エネルギー依存性について調べた。核分裂片の崩壊データと収率データによる総和計算法を採用し、後者のエネルギー依存性は現象論的手法を用いて計算した。本研究では、Most Probable Chargeと偶奇効果の入射中性子エネルギー依存性を考慮することで、遅発中性子のエネルギー依存性を系統的に再現することができた。得られた結果を用いて評価済核分裂収率データJENDL/FPY-2011に収納されている遅発中性子先行核の収率の修正を行った。その結果、新しい核分裂収率データは、元々持っている崩壊熱の再現性を失うことなく、総和計算法による遅発中性子収率の値を改善することができた。

論文

Reversible structural changes and high-rate capability of Li$$_{3}$$PO$$_{4}$$-modified Li$$_{2}$$RuO$$_{3}$$ for lithium-rich layered rocksalt oxide cathodes

田港 聡*; 平山 雅章*; 鈴木 耕太*; Kim, K.-S.*; 田村 和久; 菅野 了次*

Journal of Physical Chemistry C, 122(29), p.16607 - 16612, 2018/07

 被引用回数:5 パーセンタイル:55.06(Chemistry, Physical)

リチウムリッチな層状岩塩型酸化物はリチウムイオン電池の正極材料として期待されている。本研究では、Li$$_{3}$$PO$$_{4}$$で修飾したLi$$_{2}$$RuO$$_{3}$$(010)薄膜電極について、その表面構造と電気化学特性の関係を調べた。その結果、Li$$_{3}$$PO$$_{4}$$で修飾したLi$$_{2}$$RuO$$_{3}$$(010)表面では、表面のLiの一部がPに置換されており結晶構造が安定化していることが明らかになった。また、充放電速度についても検討し、20Cで可逆に充放電可能であることが分かった。

論文

HOTLAB 2017; 第54回ホットラボ・遠隔操作会議

湊 和生

日本原子力学会誌, 60(6), P. 365, 2018/06

日本原子力研究開発機構は、日本原子力学会および国際原子力機関の共催のもと、HOTLAB 2017会議を開催した。この会議は、照射後試験技術、遠隔操作技術、およびホットラボ施設の安全運用などの情報交換および協力を目的に、1963年からほぼ毎年、開催されてきた。本会議には、21か国から155名(うち海外107名)が参加し、51件の講演および29件のポスター発表があった。本会議では、ホットラボへ新しい技術・設備を導入する技術者とそれらを利用する研究者との議論が活発に行われた。世界的にホットラボが老朽化してきている中、東京電力福島第一原子力発電所の燃料デブリの分析のための新たなホットラボ建設に期待が寄せられた。また、微小な燃料材料試料で精巧な分析・測定ができる施設・設備の必要性が強調された。

論文

$$^{99}$$Mo yield using large sample mass of MoO$$_{3}$$ for sustainable production of $$^{99}$$Mo

塚田 和明; 永井 泰樹*; 橋本 和幸*; 川端 方子*; 湊 太志; 佐伯 秀也*; 本石 章司*; 伊藤 正俊*

Journal of the Physical Society of Japan, 87(4), p.043201_1 - 043201_5, 2018/04

 被引用回数:5 パーセンタイル:35.7(Physics, Multidisciplinary)

A neutron source from the C(d,n) reaction has a unique capability for producing medical radioisotopes like $$^{99}$$Mo with a minimum level of radioactive wastes. Precise data on the neutron flux are crucial to determine the best conditions for obtaining the maximum yield of $$^{99}$$Mo. The measured yield of $$^{99}$$Mo produced by the $$^{100}$$Mo(n,2n)$$^{99}$$Mo reaction from a large sample mass of MoO$$_{3}$$ agrees well with the numerical result estimated by the latest neutron data, which are a factor of 2 larger than the other existing data. This result provides an important conclusion towards the domestic production of $$^{99}$$Mo; about 50% of the MoO$$_{3}$$ sample mass with a single Mo in Japan would be met using a 100 g $$^{100}$$MoO$$_{3}$$ sample mass with a single accelerator of 40 MeV, 2 mA deuteron beams.

論文

核データ研究の最前線; たゆまざる真値の追及、そして新たなニーズへ応える為に,4; 核図表; 壮大なる原子核の地形図

小浦 寛之; 湊 太志; 飯村 秀紀

日本原子力学会誌, 60(1), p.35 - 40, 2018/01

日本原子力学会誌の連載講座「核データ研究の最前線-たゆまざる真値の追及、そして新たなニーズに応える為に-」の第4回として「核図表-壮大なる原子核の地形図-」の題目で解説を行う。本稿ではまず核図表を用いて原子核の実験的同定の外観を示し、次いで原子核の合成の歴史について紹介し、特に近年における合成手法の進展と現状を日本の加速器を中心に述べる。次に原子核構造・核崩壊データの例として、核構造崩壊データファイルEvaluated Nuclear Structure Data File(ENSDF)及び評価済み原子質量データAtomic Mass Evaluation(AME)の紹介とその意義について述べる、さらに原子核研究の最近の進展として、日本の新元素ニホニウムを含む超重元素研究の現状、地球ニュートリノ観測と核崩壊データの関連、原子核の新しい魔法数の発見、天体核物理と核データの関係について紹介する。最後に核図表を広く普及させる方策のひとつとして、3次元ブロック核図表を用いたアウトリーチ活動について紹介する。

論文

Interference effect between neutron direct and resonance capture reactions for neutron-rich nuclei

湊 太志; 福井 徳朗

EPJ Web of Conferences, 163, p.00037_1 - 00037_5, 2017/11

 被引用回数:1 パーセンタイル:25.96

中性子捕獲反応は複合核過程と直接過程に分けられる。ほとんどの原子核において、複合核過程が中性子捕獲断面積の大部分を占めているが、軽核や魔法数核、中性子過剰核になると直接過程もまた重要になることが知られている。さらに、複合核過程と直接過程の間には干渉が存在することも知られている。しかしながら、複合核過程と直接過程のどちらかがもう片方より大きければ、その効果は小さく、ほとんどの原子核で干渉効果の影響は無視されてきた。しかし近年になり、一部の魔法数核において、干渉効果によると思われるデータが実験的に観測された。実際に、MengoniとOtsukaらによる理論計算によって、そのデータが干渉効果によって説明できることが報告された。同じように、中性子過剰核においても干渉効果の影響が見られるかどうかが次の課題となる。そのため、中性子過剰核の中性子捕獲断面積を理論的に計算し、それに対する干渉効果の影響を調べた。本発表では、いくつかの原子核の結果について議論を行い、干渉効果が中性子過剰核でも重要になることを報告する。

論文

Measurement and estimation of the $$^{99}$$Mo production yield by $$^{100}$$Mo($$n,2n$$)$$^{99}$$Mo

湊 太志; 塚田 和明*; 佐藤 望*; 渡辺 智*; 佐伯 秀也*; 川端 方子*; 橋本 慎太郎; 永井 泰樹*

Journal of the Physical Society of Japan, 86(11), p.114803_1 - 114803_6, 2017/11

 被引用回数:5 パーセンタイル:42.65(Physics, Multidisciplinary)

核診断に使われる$$^{99m}$$Tcの親核である$$^{99}$$Moの生成量の測定と計算を行った。$$^{99}$$Moは$$^{100}$$Mo($$n$$,$$2n$$)$$^{99}$$Mo反応によって作られ、中性子源はC($$d$$,$$n$$)反応を用いた。中性子のエネルギー範囲は熱領域から約40MeVまでである。測定された$$^{99}$$Moの生成量は、最新のC($$d$$,$$n$$)反応の実験データおよびJENDL評価済み断面積を用いて予測された数値計算結果と一致していることが分かった。次に、経済的に適した$$^{99}$$Moの生成法を模索するため、$$^{99}$$Mo生成の条件を変えた新しい系統的な数値計算を実施した。考慮した条件は、$$^{100}$$MoO$$_{3}$$サンプルの質量、炭素標的とサンプル間の距離、重陽子ビームの半径、照射時間である。得られた$$^{99}$$Moの生成量より、一つの加速器で$$^{99}$$Moの日本の需要量の約30%を担うことができることが分かった。また、1日2回$$^{99}$$Moから$$^{99m}$$Tcを溶出することで、$$^{99}$$Moの需要量の約50%まで引き上げることが可能であることが分かった。

論文

長寿命核種の分離変換技術の現状,4; 加速器駆動システムを用いた核変換システムと分離変換技術の成熟度

辻本 和文; 荒井 康夫; 湊 和生

日本原子力学会誌, 59(11), p.644 - 648, 2017/11

本稿は、日本原子力学会「放射性廃棄物の分離変換」研究専門委員会において、国内外における分離変換技術や関連する技術の研究開発状況について調査・分析してきた結果を基に、長寿命核種の分離変換技術の現状について、4回に分けて紹介するものである。第4回にあたる本稿では、加速器と未臨界炉を組み合わせた加速器駆動システム(ADS)と核変換用窒化物燃料を用いた核変換システムについて解説するとともに、分離変換技術の開発がどの段階まで進んでいるのかを解説する。ADSについては、ADSによるMA核変換システムの特徴について述べるとともに、日本原子力研究開発機構(JAEA)で概念検討を進めている液体鉛ビスマス冷却システムを解説した。また、JAEAで実施中の主な研究開発項目を述べるとともに、現在計画中の新たな実験施設を紹介した。窒化物燃料については、MA核変換システム用燃料としての特徴、製造技術と使用中の燃料ふるまい評価における課題を解説するとともに、JAEAで実施中の主な研究開発項目を紹介した。最後に、新技術の着想から実用化までをいくつかの段階に分けて技術開発の進展を体系的に示す指標である技術成熟度(TRL)を用いて、わが国における分離変換技術の成熟度を評価した結果を示した。

論文

Theoretical investigation of two-particle two-hole effects on spin-isospin excitations through charge-exchange reactions

福井 徳朗*; 湊 太志

Physical Review C, 96(5), p.054608_1 - 054608_8, 2017/11

 被引用回数:2 パーセンタイル:68.77(Physics, Nuclear)

The effect of the two-particle two-hole (2p2h) configuration on the Gamow-Teller (GT) transition causes the quenching problem of GT resonances. To solve this problem, we investigate the GT resonance of $$^{48}$$Ca(p,n)$$^{48}$$Sc. The Fermi transition of $$^{48}$$Ca is also investigated in order to demonstrate our framework. The transition density is calculated by the second Tamm-Dancoff approximation, whereas the distorted-wave Born approximation is employed to described the reaction process. A phenomenological Gaussian interaction is used to prepare the form factor. For the Fermi transition, our approach describes better the experimental behavior of the cross section than that calculated by the Lane model, which is conventionally adopted. We show the 2p2h effect on the GT transition decreases the magnitude of the cross section and does not change the shape of the angular distribution. The $$Delta l=2$$ transition on the present reaction is found to play a negligible role.

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