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沢 和弘; 角田 淳弥; 植田 祥平; 鈴木 修一*; 飛田 勉*; 斎藤 隆; 湊 和生; 高野 利夫; 関野 甫
Journal of Nuclear Science and Technology, 38(6), p.403 - 410, 2001/06
被引用回数:7 パーセンタイル:48.43(Nuclear Science & Technology)HTTRの初装荷燃料は日本初の大量生産による高温ガス炉燃料であるため、その品質を慎重に調べる必要がある。そこで、製造時関連の品質管理の他に、運転中の燃料の健全性を確認するための試験を原研において行った。試験は(1)SiC層破損率確認試験,(2)照射後燃料加熱試験及び(3)加速照射試験より成る。製造時のSiC層破損率確認測定では、製造過程のSiC層破損率測定に加え、原研がSiC層破損率を測定し、測定値が95%信頼限度内で一致することを確認した。燃料コンパクトの照射後加熱試験を行い、加熱した燃料コンパクト内に破損粒子がないことを確認した。Csの拡散係数の測定値は、従来の試験燃料と同等以上の保持能力であることを示した。さらに、製造した燃料の加速照射試験を行い、HTTRにおける最大燃焼度33GWd/tの約2倍まで破損が生じていないことがわかった。今後実施する予定の照射後試験計画についても述べた。
湊 和生; 小川 徹; 高野 利夫; 関野 甫; 冨田 健
Journal of Nuclear Materials, 279(2-3), p.181 - 188, 2000/06
被引用回数:34 パーセンタイル:87.57(Materials Science, Multidisciplinary)ZrC被覆燃料粒子は、高温ガス炉用SiC被覆燃料粒子の代わる候補のひとつである。ZrC被覆燃料粒子の優れたセシウムの保持特性の機構を明らかにするために、照射後加熱試験前後の個々のZrC被覆燃料粒子のセシウムのインベントリを線計測により求めるとともに、X線ラジオグラフにより個々の粒子を観察した。内側の高密度熱分解炭素層が破損し、ZrCと燃料核とが反応している粒子では、燃料核のセシウム保持能力が高く、逆に、内側の高密度熱分解炭素層が健全な粒子では、燃料核のセシウム保持能力が低いことを見いだした。
湊 和生; 小川 徹; 沢 和弘; 石川 明義; 冨田 健; 飯田 省三; 関野 甫
Nuclear Technology, 130(3), p.272 - 281, 2000/06
被引用回数:72 パーセンタイル:96.64(Nuclear Science & Technology)ZrC被覆燃料粒子は、高温ガス炉用SiC被覆燃料粒子に代わる候補の一つである。ZrC被覆燃料粒子とSiC被覆燃料粒子の高温における照射性能を比較するために、同一条件の下で、キャプセル照射試験を実施した。照射温度は1400-1650C、燃焼率は4.5%FIMAであった。照射後試験の粒子断面観察において、ZrC被覆層にはパラジウムによる腐食は観察されなかったが、SiC被覆層にはパラジウム腐食が認められた。被覆層の貫通破損率の検査では、ZrC被覆燃料粒子には有意な破損は認められなかったが、SiC被覆燃料粒子には照射による破損が認められた。ZrC被覆燃料粒子の高温における優れた照射性能が明らかになった。
湊 和生; 小川 徹; 沢 和弘; 関野 甫; 高野 利夫; 喜多川 勇; 石川 明義; 冨田 健; 大枝 悦郎
Proc. of the Int. Conf. on Future Nuclear Systems (GLOBAL'99)(CD-ROM), 8 Pages, 1999/00
ZrC被覆粒子燃料は、その優れた特性から、現行のSiC被覆粒子燃料に代わり得る候補であり、高温ガス炉の直接ヘリウムサイクルやプルトニウム燃焼に寄与できるのではないかと考えられている。ZrC被覆燃料粒子の高温での健全性及び核分裂生成物の保持特性について、照射後加熱試験により調べた。その結果、ZrC被覆粒子燃料の優れた高温特性を明らかにした。また、1400Cから1650Cにおいて照射試験を行った。ZrC被覆粒子燃料にはとくに異常は認められなかったが、SiC被覆粒子燃料には、核分裂生成物のパラジウムによる腐食が認められた。
湊 和生; 小川 徹; 福田 幸朔; 関野 甫; 喜多川 勇; 三田 尚亮
Journal of Nuclear Materials, 249(2-3), p.142 - 149, 1997/00
被引用回数:60 パーセンタイル:95.87(Materials Science, Multidisciplinary)ZrC被覆燃料粒子は、高温ガス炉用SiC被覆燃料粒子に代わる候補のひとつである。ZrC被覆燃料粒子の1800C・3000時間及び2000C・100時間の照射後加熱試験を実施し、核分裂生成物の放出挙動を調べた。核分裂ガスの放出監視及びX線ラジオグラフ観察から、加熱試験中の被覆層の貫通破損は生じなかったことが明らかになった。ZrC被覆燃料粒子のセシウムに対する優れた保持能は、1800Cまで確認された。1800CにおけるZrC層中のセシウムの拡散係数は、SiC層中における値よりも2桁以上小さいこと、及びZrC層中のルテニウムの拡散係数は、SiC層中のセシウムの拡散係数とほぼ同等であることが明らかになった。
塚田 隆; 芝 清之; 中島 甫; 薄井 洸; 近江 正男; 後藤 一郎; 加藤 佳明; 中川 哲也; 川又 一夫; 田山 義伸; et al.
JAERI-M 92-165, 41 Pages, 1992/11
原研及び動燃による共同研究「中性子照射材料の破壊特性評価試験」のうち、高速炉「常陽」で使用済みのラッパー管を供試材として行った、水中応力腐食割れ性評価試験の結果について報告する。原研では平成元年度より炉心構造材料の照射腐食割れ研究を行っており、一方動燃では燃料集合体の照射後水中裸貯蔵に関連して水環境下での照射後ステンレス鋼の応力腐食割れ(SCC)感受性評価が課題となっている。本研究では、照射量810n/cm(=約40dpa)のラッパー管より試験片を製作し、溶存酸素32ppmの純水中で60C、200C、300Cにおいて低歪速度引張試験を実施した。その結果、60Cでは完全な延性破断を確認したが、300Cの水中では破断面の一部に粒界破面が観察された。これらの結果から、高速炉照射したステンレス鋼は、常温においてはSCC感受性を示さないが、高温水中においてはSCC感受性を持つようになると考えられる。
JRR-2臨界実験グループ; 神原 豊三; 荘田 勝彦; 平田 穣; 庄司 務; 小早川 透; 両角 実; 上林 有一郎; 蔀 肇; 小金澤 卓; et al.
JAERI 1025, 62 Pages, 1962/03
第2号研究用原子炉JRR-2は、20%濃縮ウランのMTR型燃料を用いた重水減速・冷却の熱中性子研究炉である。この炉の最大熱出力は10MW,平均熱中性子束密度は110n/cmsecである。この論文は昭和35年10月1日、臨界に到達し、翌36年1月末まで実施した各種の特性試験についての報告書である。内容はJRR-2の臨界試験,制御棒の校正,重水上部反射体効果,燃料要素の反応度効果,温度係数等の特性試験,熱中性子束分布の測定と出力の校正について述べてある。これらの実験は、JRR-2管理課並びに技術研究室より特別に編成されたJRR-2臨界実験グループによって実施されたものである。
横堀 伸一*; 春山 純一*; 矢野 創*; 鳴海 一成; 三田 肇*; 高橋 淳一*
no journal, ,
地球では既に失われてしまった生命の起源に関連する物質や生命の痕跡が、地球に最も近い天体である月で見つかる可能性について、宇宙環境利用科学委員会「月における生命探査の可能性の検討」研究チームで検討した。月の表面では、生命の生存はおろか、生命の起源に関連する物質でさえ、紫外線暴露や極度の温度変化等で変性・分解してしまうので、生命の痕跡が検出される可能性は極めて低い。しかし、月に複数個存在が確認されている溶岩チューブ孔及び極域永久陰は、太陽放射暴露や温度変化が少ないため、宇宙塵由来の生命起源関連物質や地球からの飛来物質が保存されている可能性がある。したがって、地球由来物質が月面に到達するかのシミュレーション,溶岩チューブ孔の形成時期の推定,模擬環境下での標的物質検出の検証などの研究とともに、in situ解析やサンプルリターンを前提とした月における生命探査は必要と結論づけられる。
横堀 伸一*; Yang, Y.*; 河口 優子*; 杉野 朋弘*; 高橋 勇太*; 鳴海 一成; 高橋 裕一*; 林 宣宏*; 吉村 義隆*; 田端 誠*; et al.
no journal, ,
生物にはさまざまな極限環境に存在するものがあり、生命の起原、Astrobiology研究の重要な研究対象として、それらの研究が進んでいる。高層大気圏も極限環境であり、そこでどのような生物が存在するのか研究が行われてきた。一方、生命の起源を考えるうえで、地球外に生命の起源を求める「パンスペルミア仮説」が古くから議論されてきた。これらのことを踏まえ、われわれのグループは、国際宇宙ステーション(ISS)上で、微生物や生命の材料になりうる有機化合物が天体間で移動可能かについての検証と、微小隕石の検出及び解析実験を行うことの提案と準備を行っている。そこでは、ISS外部に一定期間曝露した超低密度エアロゲルを用いて微小隕石やその他の微粒子を捕集し、エアロゲルの回収後にその表面と衝突トラックの顕微鏡観察等のさまざまな解析を行う。ISS軌道は強力な紫外線や放射線が降り注ぐ過酷な環境下であり、微生物は長期に生存するためには宇宙塵や粘土鉱物などの微粒子の内部に存在すると考えられる。そこで捕集した微粒子にDNA特異的な蛍光染色を行い、微生物の検出を行う。本発表では、上記のような微粒子を模した微生物と粘土鉱物の混合サンプルを用いた蛍光染色やPCRによる微生物の検出についての地上模擬実験の現状について報告する。また、宇宙曝露を予定している微生物の紫外線,放射線,真空,温度などに対する耐性について、地上対照実験を進めている。これについても併せて報告し、たんぽぽ計画の進行状況を報告する。
横堀 伸一*; Yang, Y.*; 杉野 朋弘*; 河口 優子*; 高橋 勇太*; 鳴海 一成; 橋本 博文*; 林 宣宏*; 今井 栄一*; 河合 秀幸*; et al.
no journal, ,
We proposed the "Tanpopo" mission to examine possible interplanetary migration of microbes, and organic compounds on Japan Experimental Module (JEM) of the International Space Station (ISS). Tanpopo consists of six subthemes. Two of them are on the possible interplanetary migration of microbes capture experiment of microbes at the ISS orbit and space exposure experiment of microbes. In this paper, we focus on the space exposure experiment of microbes. Microbes in space are assumed be exposed to the space environment with a kind of clay materials that might protect microbes from vacuum UV and cosmic rays, or exposed as the aggregates of which outer cells might protect inner cells from vacuum UV and cosmic rays. Dried vegetative cells of and our novel deinococcal species isolated from high altitude are candidates for the exposure experiment. In addition, we are planning to perform another space exposure experiments of microbes. In this paper, we discuss current status of exposure experiment of microorganisms defined for the Tanpopo mission and others.
小林 憲正*; 川本 幸徳*; Sarker, P. K.*; 小野 恵介*; 桑原 秀治*; 大林 由美子*; 金子 竹男*; 三田 肇*; 薮田 ひかる*; 吉田 聡*; et al.
no journal, ,
A wide variety of complex organic compounds including precursors of amino acids have been detected in carbonaceous chondrites and comets. It was suggested that organics in them were formed in quite cold environments, such as interstellar space. Irradiation of frozen mixture of possible interstellar molecules with high-energy particles gave complex amino acid precursors with high molecular weights. Such interstellar complex molecules would be altered by cosmic rays and solar light in proto-solar nebula and interplanetary space before the delivery to the Earth by such extraterrestrial bodies as space dusts. We examined possible alteration of amino acids and their precursors by irradiation with photons and heavy ions. Complex amino acid precursors with high molecular weights could be formed in simulated dense cloud environments, and they were much more stable than free amino acids against radiation. They could have been delivered to the Earth by space dusts. We are planning to collect space dusts and expose amino acids and their precursors in the Japan Experimental Module / Exposed Facility (JEM/EF) of the ISS in the Tanpopo Mission.
小林 憲正*; 川本 幸徳*; 岡部 拓人*; Sarker, P. K.*; 大林 由美子*; 金子 竹男*; 三田 肇*; 神田 一浩*; 吉田 聡*; 鳴海 一成
no journal, ,
分子雲環境を模した重粒子線照射実験により、模擬星間物質から高分子態アミノ酸前駆体が生成することが確認されている。このような有機物を原始地球上に有機物を届けた媒体としては、彗星などから生じた微小な宇宙塵(惑星間塵)が隕石や彗星よりも重要であったことが示唆されている。惑星間塵は微小であり、その中の有機物は、太陽紫外線や宇宙線に直接曝露されるため、さらに変成を受けると考えられる。しかし、これまで惑星間塵は地球生物圏内で捕集されてはいるが、有機物に関する知見は少ない。本研究では、太陽系星間環境中での有機物の変成と、その有機物のキャラクタリゼーションのため、加速器等を用いた模擬実験を行った。各試料を固相で炭素線照射したものは200kGy照射してもほとんど分解せず、水溶液に照射した場合よりもより高い安定性を示した。溶液の場合、アミノ酸前駆体は遊離アミノ酸よりも安定であった。一方、軟X線照射の場合、イソバリンは40mWhでほぼ分解して0.1%以下になるのに対し、その前駆体は220mWhでも10%以上残存し、高い安定性が示された。
小林 憲正*; 川本 幸徳*; Sarker, P. K.*; 桑原 秀治*; 大林 由美子*; 金子 竹男*; 三田 肇*; 薮田 ひかる*; 吉田 聡*; 鳴海 一成; et al.
no journal, ,
原始地球上に有機物を届けた媒体としては、彗星などから生じた微小な宇宙塵が隕石や彗星よりも重要であったことが示唆されている。惑星間塵は微小であり、その中の有機物は太陽紫外線や宇宙線に直接曝露されるため、さらに変成を受けると考えられる。しかし、これまで惑星間塵は地球生物圏内で捕集されてはいるが、有機物に関する知見は少ない。本研究では、太陽系星間環境中での有機物の変成と、その有機物の性質解析のため、加速器等を用いた模擬実験を行った。試料として、隕石中に多く含まれるアミノ酸のグリシン及びイソバリン、その前駆体候補のヒダントイン及び5-エチル-5-メチルヒダントイン、複雑態アミノ酸前駆体(一酸化炭素・アンモニア・水への陽子線照射生成物)を用いた。これらの水溶液やそれを乾固したものに対し、290MeV/uの炭素線,線及び軟X線を照射した。各試料を固相で炭素線照射したものは200kGy照射してもほとんど分解せず、水溶液に照射した場合よりもより高い安定性を示した。溶液の場合、アミノ酸前駆体は遊離アミノ酸よりも安定であった。一方、軟X線照射の場合、イソバリンは40mWhでほぼ分解して0.1%以下になるのに対して、その前駆体は220mWhでも10%以上残存し、高い安定性が示された。また、いずれの試料も不溶性生成物を生じた。
赤羽 温; 冨田 仁*; 小川 奏; 西岡 一*; 山川 考一
no journal, ,
増幅光のパルス伸張と圧縮に正分散媒質のみを用いる実用的チャープパルス増幅レーザー装置のさらなる短パルス化を目指して、ポンプ光位相変調を用いた発生アイドラー光残留高次分散補償の研究を進めている。ポンプ光はシグナル光やアイドラー光に比べ狭帯域で、既存の空間光変調器等で容易に位相制御が可能である。また一度最適な位相変調が決まればファイバーブラッグ回折格子や体積ブラッグ回折格子等の堅牢な素子で任意の位相変調を安定に印可することができるため、装置のメリットを損なうことなく高次分散補償が可能である。位相制御実験の初めの一歩として行った光パラメトリック増幅段における相互作用光の位相計測ではシグナル光分散値に対して符号反転しないはずの3次分散が負に反転し、反転するはずの4次分散が反転せず正のままであるなど、ポンプ光位相変調の影響を示唆する実験結果が得られている。
横堀 伸一*; 河口 優子*; Yang, Y.*; 川尻 成俊*; 白石 啓祐*; 清水 康之*; 高橋 勇太*; 杉野 朋弘*; 鳴海 一成; 佐藤 勝也; et al.
no journal, ,
熱圏を周回するInternational Space Station (ISS)を利用し、極限環境における微生物存在の検証実験を行うことを計画している。超低密度エアロゲルを長期間曝露し、惑星間塵や宇宙デブリを含む微粒子を捕集する。捕集された微粒子とそれが形成する衝突痕に対して、微生物又は微生物関連生体高分子の検出を試み、ISS軌道での地球由来微生物の存在密度の上限を推定する。また、微生物を宇宙曝露することにより、微生物の宇宙環境での生存可能性と生存に影響を与える環境因子について推定を行う。宇宙曝露実験に用いる微生物として、現在、(R1株とDNA修復系変異株), TR0125, ST0316, sp. HK-01, JY3を検討している。実際の運用では、同装置は汎用曝露装置に固定され、きぼう与圧部エアロックからロボットアームによって同曝露部に設置され、一定時間曝露された後に再度同ルートで回収、有人帰還船に搭載して地球に帰還する予定である。
横堀 伸一*; 河口 優子*; Yang, Y.*; 川尻 成俊*; 白石 啓祐*; 清水 康之*; 高橋 勇太*; 杉野 朋弘*; 鳴海 一成; 佐藤 勝也; et al.
no journal, ,
地地球以外の天体に生命(又はその痕跡)を探そうとする研究、探査が盛んに行われるようになってくるとともに、「パンスペルミア仮説」が再考されている。そのようなパンスペルミアがそもそも可能であるかを検討するため、微生物の宇宙空間曝露実験による生命の宇宙空間での長期間生存可能性の検証が行われてきた。われわれは、ISS-JEM(国際宇宙ステーション・日本実験棟)曝露部上での微生物と生命材料となり得る有機化合物の天体間の移動の可能性の検討と微小隕石の検出及び解析実験を提案し[たんぽぽ:有機物・微生物の宇宙曝露と宇宙塵・微生物の捕集]、2013年度に実験開始を実現するため、準備を進めている。超低密度エアロゲルを長期間(1年以上)曝露し、惑星間塵や宇宙デブリを含む微粒子を捕集するとともに、新規に開発したエアロゲルの利用可能性を検証する。捕集された微粒子とそれが形成する衝突痕(トラック)に対して、微生物又は微生物関連生体高分子(DNA等)の検出を試み、ISS軌道(高度約400km)での地球由来微生物の存在密度の上限を推定する。また、微生物を宇宙曝露することにより、微生物の宇宙環境での生存可能性と生存に影響を与える環境因子について推定を行う。
横堀 伸一*; 小林 憲正*; 三田 肇*; 薮田 ひかる*; 中川 和道*; 鳴海 一成; 林 宣宏*; 富田 香織*; 河口 優子*; 清水 康之*; et al.
no journal, ,
現在準備を進めている国際宇宙ステーション(ISS)日本実験棟(JEM)の曝露部での宇宙実験「有機物・微生物の宇宙曝露と宇宙塵・微生物の捕集(たんぽぽ)」の中の、微生物と有機物の宇宙曝露実験についてその進行状況を報告する。微生物宇宙曝露実験は、生物の長期宇宙生存可能性の検討、有機物宇宙曝露実験は、宇宙起源の生命の起原に関連する有機物の宇宙での変成を検討する。微生物、有機物の双方について、宇宙曝露サンプルをほぼ選定を終え、宇宙曝露実験に対する地上対照データの収集を引き続き進めている。また、これらのサンプルの宇宙曝露方法についても、検討を行っている。
横堀 伸一*; 河口 優子*; 清水 康之*; 川尻 成俊*; 白石 啓祐*; 杉野 朋弘*; 高橋 勇太*; Yang, Y.*; 谷川 能章*; 橋本 博文*; et al.
no journal, ,
ISS-JEM(国際宇宙ステーション・日本実験棟)曝露部上での微生物と生命材料となり得る有機化合物の天体間の移動の可能性の検討と微小隕石の検出及び解析実験を提案した[たんぽぽ:有機物・微生物の宇宙曝露と宇宙塵・微生物の捕集]。現在、2014年度に実験開始を実現するため、その準備を進めている。超低密度エアロゲルを長期間(1年以上)曝露し、惑星間塵や宇宙デブリを含む微粒子を捕集するとともに、新規に開発したエアロゲルの利用可能性を検証する。捕集された微粒子とそれが形成する衝突痕(トラック)に対して、微生物又は微生物関連生体高分子(DNA等)の検出を試み、ISS軌道(高度約400km)での地球由来微生物の存在密度の上限を推定する。また、微生物を宇宙曝露することにより、微生物の宇宙環境での生存可能性と、生存に影響を与える環境因子について推定を行う。本発表では、本計画の概要と準備状況(特に微生物捕集並びに微生物宇宙曝露)等について報告する。
横堀 伸一*; Yang, Y.*; 藤崎 健太*; 河口 優子*; 小林 憲正*; 橋本 博文*; 河合 秀幸*; 三田 肇*; 鳴海 一成; 奥平 恭子*; et al.
no journal, ,
地球上に存在する生命の起源に関して、これまで多くの研究が行われてきた。地球における生命の起原を想定し、初期地球上での有機物の合成の可能性が検討されている。しかし、有機物の合成は地球上で進行した可能性と同時に、宇宙空間で合成された有機物が宇宙塵とともに初期地球に到達した可能性がある。一方、古くより生命が宇宙空間を移動するという仮説「パンスペルミア仮説」が提唱されていた。この仮説では地球外で誕生した生命が地球にやって来る可能性が想定されている。近年、火星由来隕石中での微生物様化石の発見を引き金に、隕石に載った微生物移動の可能性が議論されるに至っている。われわれは、これまで飛行機、大気球を用いた微生物採集を行い、成層圏から微生物を採集してきた。そこから、さらに上空でも微生物が到達している可能性に思い至った。真空中での微生物採集はこれまで試みられたことがない。われわれは、宇宙空間でデブリや宇宙塵採集に用いられてきた超低密度エアロゲルを微生物の採集に用いる可能性の検討を行った。また、エアロゲルを受動的な微生物捕集装置とする場合、他の宇宙塵等も合わせて捕集される。これらの宇宙塵には微生物が付着していなくとも有機物を含有している可能性がある。そのような宇宙塵が地球に有機物をもたらしたと考えると、それらの宇宙塵の有機物の解析を行うことも重要である。
横堀 伸一*; Yang, Y.*; 杉野 朋弘*; 河口 優子*; 板橋 志保*; 藤崎 健太*; 伏見 英彦*; 長谷川 直*; 橋本 博文*; 林 宣宏*; et al.
no journal, ,
We isolated two novel species of the genus , one from top of troposphere () and the other from bottom of stratosphere (). Can these newly isolated bacterial species and strains survive harsher environment such as space environment and/or other astronomical objects such as Mars? To address these questions, we have analyzed the survival of these microbial species and strains under the extreme conditions. Environment at high altitude is extreme for microorganisms not only because of high UV radiation, but also other stresses such as extreme dryness. To clarify how dryness affects to the survivability of microorganisms, we examined the effects of desiccation and high humidity on survival and DNA double strand breaks (DSB) of , and spores of . They exhibited different survival rates and DSB patterns under desiccation and high humidity. Higher survival and less DSB occurred at lower temperatures. Spores of showed the highest survivability at each condition. Survivability of at desiccation condition is higher than that at the humid condition, although survivability of at desiccation condition is lower than that at the humid condition. We also tested the effects of various factors on survivability of spp. Together with tests under desiccation condition, these test results suggested that spp. which we tested can survive in space for years.