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上出 英樹; 川崎 信史; 早船 浩樹; 久保 重信; 近澤 佳隆; 前田 誠一郎; 佐賀山 豊; 西原 哲夫; 角田 淳弥; 柴田 大受; et al.
次世代原子炉が拓く新しい市場; NSAコメンタリーシリーズ, No.28, p.14 - 36, 2023/10
高速炉、高温ガス炉を始めとする次世代原子炉の開発が進み、日本を含む世界の電力あるいは熱利用など産業利用の市場への貢献が目前となっている。ここでは、世界の動向を含め日本の開発状況についてまとめ、特に第4世代原子力システム国際フォーラム(GIF)の活動ならびに日本の高速炉、高温ガス炉、世界のSMRについて開発の現状を解説した。
鈴木 慎太郎*; 田久保 耕*; 久我 健太郎*; 髭本 亘; 伊藤 孝; 冨田 崇弘*; 志村 恭通*; 松本 洋介*; Bareille, C.*; 和達 大樹*; et al.
Physical Review Research (Internet), 3(2), p.023140_1 - 023140_12, 2021/05
本論文では常圧において転移温度が20Kに達するYb化合物の発見について報告している。価数揺動物質-YbAlBのAlサイトをMnに置換することで、反強磁性転移温度が極めて高くなるだけでなく、重い電子状態から近藤半導体に近い抵抗の大きな金属状態へと変わることが見出された。
武田 哲明*; 稲垣 嘉之; 相原 純; 青木 健; 藤原 佑輔; 深谷 裕司; 後藤 実; Ho, H. Q.; 飯垣 和彦; 今井 良行; et al.
High Temperature Gas-Cooled Reactors; JSME Series in Thermal and Nuclear Power Generation, Vol.5, 464 Pages, 2021/02
本書は、原子力機構における今までの高温ガス炉の研究開発の総括として、HTTRの設計、燃料、炉内構造物や中間熱交換器などの要素技術の開発、出力上昇試験、950Cの高温運転、安全性実証試験などの運転経験及び成果についてまとめたものである。また、HTTRでの知見をもとに、商用炉の設計、高性能燃料、ヘリウムガスタービン、ISプロセスによる水素製造などの要素技術開発の現状について記述しており、今後の高温ガス炉の開発に非常に有用である。本書は、日本機械学会の動力エネルギーシステム部門による化石燃料及び原子力によるエネルギーシステムの技術書のシリーズの一冊として刊行されるものである。
角田 淳弥; 柴田 大受; 坂場 成昭; 大崎 弘貴*; 加藤 秀樹*; 藤塚 公仁弘*; 武藤 剛範*; Gizatulin, S.*; Shaimerdenov, A.*; Dyussambayev, D.*; et al.
Proceedings of 7th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2014) (USB Flash Drive), 7 Pages, 2014/10
黒鉛は、黒鉛減速・ヘリウム冷却炉である高温ガス炉(HTGR)の炉内構造物として使用される。HTGRの空気侵入事故時には、TRISO被覆燃料粒子の表面にSiOが形成され、SiCの酸化は進行せず、核分裂生成物は燃料粒子内に保持される。近年提案された安全性の新しい概念を導入した本質的安全高温ガス炉の安全性を究極に高めるため、耐酸化燃料を炉内黒鉛構造物使用に使用することで、TRISO被覆燃料粒子及び燃料コンパクトの破損を防ぐことが期待される。黒鉛の表面にSiCを被覆した黒鉛は、耐酸化黒鉛の候補材の一つであり、原子力機構と黒鉛製造メーカ4社は、耐酸化黒鉛開発の共同研究を立ち上げた。また、国際科学技術センターパートナープロジェクトの下、原子力機構とカザフスタン核物理研究所は、耐酸化黒鉛に及ぼす照射の影響の研究を開始した。照射試験に使用する黒鉛を選定するため、耐酸化黒鉛の予備酸化試験を実施した。本報告は、耐酸化黒鉛の予備酸化試験の結果、照射目試験計画、照射試験及び照射後試験計画について述べる。
大橋 弘史; 佐藤 博之; Yan, X.; 角田 淳弥; 野本 恭信; 田澤 勇次郎; 野口 弘喜; 今井 良行; 橘 幸男
JAEA-Technology 2013-016, 176 Pages, 2013/09
原子力機構は、小型高温ガス炉システムの開発途上国等への2030年代の世界展開を目指し、蒸気タービンによる発電、工業プロセスへの高温蒸気、及び地域暖房への低温蒸気供給を目的とした小型高温ガス炉システムの商用1号機あるいは実証炉と位置づけられるリファレンスの原子炉として、原子炉熱出力50MWtの小型高温ガス炉システム(HTR50S)の概念設計を進めている。本検討では、HTR50Sのプラント設計として、原子炉出口温度750Cで発電,蒸気供給,地域暖房を行うシステムを対象としたうえで、原子炉出口温度900Cへの高温化及び中間熱交換器の追設を考慮に入れ、プラント基本仕様及び各設備の設計要件に基づき、炉内構造物,原子炉圧力容器,炉容器冷却設備,停止時冷却設備,中間熱交換器,蒸気発生器及びヘリウムガス循環機,蒸気発生器隔離及びドレン設備,原子炉格納容器,発電設備及び熱供給設備の概念設計、並びに配置概念検討を実施した。これらの結果、各設備ともに設計目標を達成でき、小型高温ガス炉システムの概念設計の技術的成立性を示すことができた。本報は、小型高温ガス炉システムのプラント設計及び技術的成立性評価の結果について報告する。
大橋 弘史; 佐藤 博之; 後藤 実; Yan, X.; 角田 淳弥; 田澤 勇次郎*; 野本 恭信; 相原 純; 稲葉 良知; 深谷 裕司; et al.
International Journal of Nuclear Energy, 2013, p.918567_1 - 918567_18, 2013/00
原子力機構は、開発途上国等による2020年代の実証的高温ガス炉システムの建設を目指して、送電網が整備されていない中小都市向けの熱出力50MWの小型高温ガス炉(原子炉出口温度750C及び900C)の概念設計を実施した。設計思想は、地域暖房,プロセス熱供給,ガスタービン発電及び熱化学法による水素製造の実証試験等の多目的熱利用に係るユーザーの要請に応えることが可能なこと、HTTRの設計を基に特段の研究開発なしでHTTRより性能を向上させること、高温ガス炉の固有の特性及び受動的崩壊熱除去系を用いて安全性をより向上させることである。設計目標に対する設計結果及び代表的な事象に対する安全予備評価の結果、設計した小型高温ガス炉の技術的成立性を示すことができた。
本田 順一; 松井 寛樹; 原田 晃男; 小畑 裕希; 冨田 健
JAEA-Technology 2012-022, 35 Pages, 2012/07
我が国において発電コスト及び放射性廃棄物の低減を目的とした軽水炉燃料の高度利用が進められている。電力事業者は、さらなる高燃焼度化,高出力化に対応するための改良型燃料の開発を進めてきており、国は、これら改良型燃料の申請にかかわる安全規制を行ううえで必要とされる安全基準,指針等を整備するために、常に最新の技術的知見を蓄積することが重要となる。日本原子力研究開発機構では、被覆管材料の微細組織の違いが事故時の燃料挙動に及ぼす影響を簡便かつ定量的に把握、評価するために結晶方位解析装置付遠隔操作型電子プローブマイクロアナライザを開発した。本装置は、高放射性物質を対象試料として使用するため、遠隔操作型とし、設置する施設の規制及び放射性物質取り扱い上の観点から耐震性及び放射性物質の閉じ込め機能を考慮した構造とした。本報告書は、照射後試験装置として開発した結晶方位解析装置付遠隔操作型電子プローブマイクロアナライザの仕様と、その特性試験結果をまとめたものである。
本田 順一; 松井 寛樹; 原田 晃男; 小畑 裕希; 冨田 健
JAEA-Technology 2012-021, 17 Pages, 2012/07
我が国において発電コスト及び放射性廃棄物の低減を目的とした軽水炉燃料の高度利用が進められている。電力事業者は、さらなる高燃焼度化,高出力化に対応するための改良型燃料の開発を進めてきており、国は、これら改良型燃料の申請にかかわる安全規制を行ううえで必要とされる安全基準,指針等を整備するために、常に最新の技術的知見を蓄積することが重要となる。日本原子力研究開発機構では、これらの被覆管材料の微細組織を調べるために遠隔操作型イオンミリング装置を開発した。本装置は、高放射性物質を対象試料として使用するため、遠隔操作型とし、設置する施設の規制及び放射性物質取り扱い上の観点から耐震性を考慮した構造とした。本報告書は、照射後試験装置として開発した遠隔操作型イオンミリング装置の仕様と、その特性試験結果をまとめたものである。
小泉 智; Zhao, Y.; 富田 陽子*; 近藤 哲男*; 岩瀬 裕希; 山口 大輔; 橋本 竹治
European Physical Journal E, 26(1-2), p.137 - 142, 2008/05
被引用回数:53 パーセンタイル:86.07(Chemistry, Physical)セルロースは一般には水に不溶であるが微生物(酢酸菌)が生成するバクテリアセルロースゲルは総体積の99%もの水を含むことができる。これは驚異の含水率における超分子系と位置付けることができる。そのからくりを解き明かすべく中性子超小角散乱法によってセルロース組織中のアモルファス領域と水の分布を解析すると、水は数ナノメータサイズのミクロフィブリル(微結晶)の周辺から階層的に閉じ込められていることが明らかとなった。この階層構造は微生物の生態(特に細胞運動)と深く関連があり微生物の培養条件との関連を論じる。また構造階層性と含水率の関係を散乱法で求められたフラクタル次元をもとに解析した。
松井 寛樹; 岩井 孝; 本田 順一; 畠山 祐一; 三田 尚亮; 荒井 康夫
no journal, ,
マイナーアクチノイド核変換用燃料の候補であるイナートマトリクス窒化物燃料を模擬した、(Zr,Pu)N及び(TiN,PuN)の照射後破壊試験のうち、X線微小分析等を報告する。X線微小分析では、燃料ペレットの構成元素であるPu, Ti, Zrのほか、FP元素としてNd, Xe, Pd, Mo, Cs及びTeを選択した。両試料とも、外周部の燃焼度が若干高いことを反映したPu及びFPの存在を示す結果となった。Xeの線分析結果は燃焼度に応じた分布であり、外周部への移行は生じていないと結論できる。(Zr,Pu)Nでは、外周部の一部でCsの析出が見られ、該当箇所の面分析を実施したが、ほかの元素の共存等を判別するに至らなかった。
小泉 智; 近藤 哲男*; 富田 陽子*; 岩瀬 裕希; 山口 大輔; 橋本 竹治
no journal, ,
集光型中性子超小角散乱装置(SANS-J-II)を利用して酢酸菌が生成したバクテリアセルロース(BC)を水で膨潤したままでその場観察した。その結果、ナノメートルからマイクロメートルの空間スケールで、BCの非晶内部の水がマスフラクラルにしたがって分布することを確認した。これらの実験結果をもとに水の空間分布からBCを構成するミクロフィブリルの非晶構造を決定したので本発表で報告する。
小泉 智; 富田 陽子*; Zhao, Y.; 岩瀬 裕希*; 山口 大輔; 近藤 哲男*; 橋本 竹治; 増井 友美
no journal, ,
酢酸菌が生成するマイクロビアルセルロース(MC)は培地中でペクリルと呼ばれるゲルフィルムとして存在する。このフィルムは水で膨潤し含水率が99%に達する驚異の超分子系である。このカラクリを明らかにするために、中性子超小角散乱観察により、ナノメートルからマイクロメートルの空間スケールでMCの階層構造を解析し、非結晶内部にさまざまな次元のマスフラクラルに従って階層的に分布することを確認した。これらの実験結果を元にMCのからくりを菌体構造,生息と関連させて議論する。併せて高含水率の人工高分子ゲルの代表であるポリアクリルアミドゲルと対比しながら、含水のカラクリの違いを論じる。
角田 淳弥; 柴田 大受; 大崎 弘貴*; 衛藤 基邦*; 小西 隆志*
no journal, ,
黒鉛は、減速材に黒鉛、冷却材にヘリウムガスを用いた高温ガス炉(HTGR)の炉内構造物として使用される。HTGRは高温のヘリウムガスを取り出すことが可能であり、固有の安全性を有する魅力的な原子炉である。その中で、超高温ガス炉(VHTR)は、第4世代原子炉の中でも有望な原子炉である。IG-110黒鉛は、高強度で耐酸性を有する黒鉛であり、原子力機構の高温工学試験研究炉(HTTR)や中国の高温ガス炉HTR-PMで使用され、VHTRで使用される黒鉛の有力な候補の一つである。IG-430黒鉛は、IG-110よりもさらに高強度で耐酸化性を有する黒鉛であり、先進型VHTR用黒鉛である。本研究では、これらの黒鉛の弾性係数及び熱膨張係数を測定し、圧縮強度と微細構造の関係を評価した。また、材料特性に与える密度の緻密化の影響をX線CTによる測定した黒鉛内部の微細構造をもとに評価した。
小畑 裕希; 豊川 琢也; 冨田 健; 木村 康彦
no journal, ,
軽水炉燃料の高燃焼度化により、燃料被覆管に吸収される水素量が増加する。吸収された水素は、被覆管の脆化による破損の原因となる。そのため、被覆管母材中の水素量を正確に測定することは、被覆管の安全裕度を知るうえで非常に重要である。従来の高温抽出法による測定では、酸化膜とともに被覆管全体を高温溶融させて発生した水素を測定するため、被覆管の脆化と強い相関を持つ母材中の水素量のみを測定することができなかった。2段階加熱法は、酸化膜と被覆管母材の水素を分離測定することが可能である。分離抽出温度条件を含む測定手法について、非照射被覆管を用いた試験で得られた知見を報告する。
柴田 大受; 角田 淳弥; 永田 寛; 斎藤 隆; 土谷 邦彦; 坂場 成昭; 大崎 弘貴*; 加藤 秀樹*; 藤塚 公仁弘*; 武藤 剛範*; et al.
no journal, ,
高温ガス炉(HTGR)における空気侵入事故では、被覆粒子燃料の機械的な損傷を避けるため、酸化に対して炉内の黒鉛構造物の形状を維持することが重要である。高温ガス炉のさらなる安全性向上のためには、SiCで表面を被覆した耐酸化黒鉛の開発が重要であり、日本の主要な黒鉛メーカ4社と共同で、耐酸化黒鉛の開発を進めている。日本の技術である耐酸化黒鉛について早期に高温・中性子照射環境下での成立性を明らかにするため、HTGR開発に大きな興味を持っているカザフスタンと協力し、高温での照射試験が可能な核物理研究所(INP)のWWR-K炉を用いた照射試験計画を進めている。照射温度は1200Cを目標とし、照射試験は2014年4月から開始する予定である。カザフスタンでは、将来にHTGRを建設する場合に、本研究で得られた知見を設計に反映することが可能となる。
小畑 裕希; 豊川 琢也; 冨田 健; 木村 康彦
no journal, ,
軽水炉燃料の高燃焼度化により、燃料被覆管に吸収される水素量が増加する。吸収された水素は、固溶限度を超えると水素化物として析出し、被覆管の脆化による破損の原因となる。そのため、被覆管母材中の水素量を正確に測定することは、被覆管の安全裕度を知るうえで非常に重要である。水素は被覆管母材のみならず酸化膜にも吸収されるため、それぞれの水素量を分けて定量する必要がある。従来の高温抽出法による測定では、酸化膜とともに被覆管全体をインパルス炉で瞬時に溶融させて 発生した水素を測定するため、被覆管の脆化と強い相関を持つ母材中の水素量のみを測定すること ができなかった。そこで、加熱温度の設定が可能な水素分析装置を導入し、2段階加熱法により酸化膜と被覆管母材の水素の分離測定を可能とした。本報告では、分離抽出温度条件の決定方法を含む測定手法について紹介する。
大崎 弘貴*; 角田 淳弥; 柴田 大受; 小西 隆志*
no journal, ,
耐酸化性能を有する黒鉛として、黒鉛にボロンを添加した材料(GB材)が候補の一つとして挙げられる。これまで、GB材の耐酸化特性について、酸化時に三酸化二ホウ素(BO)膜が生成することで酸化の進行を抑制することが報告されているが、GB材を高温ガス炉の炉心支持黒鉛構造物へ適用するためには、高温ガス炉の使用条件において酸化したGB材の機械・熱的特性を調べる必要がある。本研究では、酸化したGB材の曲げ強度を調べるため、東洋炭素製GB材(GB-210)を用いて実施した酸化試験、曲げ試験及び表面観察の結果を報告する。
角田 淳弥; 大崎 弘貴*; 國本 英治*; 山地 雅俊*; 小西 隆志*
no journal, ,
黒鉛材料は、黒鉛減速ヘリウムガス冷却高温ガス炉(HTGR)の炉内構造物使用される。高温ガス炉は、高温のヘリウムガスを取り出すことが可能で、固有の安全性を有する魅力的な原子炉である。高温ガス炉の炉心を支える炉心支持黒鉛構造物は、高温ガス炉で最も苛酷事象である空気(水)侵入事故において、高い安全性を確保する観点から、炉心の形状を維持し、炉心の冷却を可能にするため、耐酸化性が要求される。そのため、耐酸化性能に優れた黒鉛を開発することにより、高温ガス炉の安全性をさらに高めることが可能になる。ボロン添加黒鉛は、耐酸化性を向上させた黒鉛の候補材料であり、これまで酸化時にBCからBOに変化し、酸化の進行を防ぐことが報告されているが、ボロン添加黒鉛を炉心支持黒鉛構造物に使用するためには、その酸化メカニズムを理解する必要がある。本研究では、ボロン添加黒鉛(GB-210)について、酸化試験, 曲げ強度及び表面観察の結果から、酸化のメカニズムを定性的に評価した結果を報告する。
國本 英治*; 角田 淳弥; 大崎 貴士*; 大崎 弘貴*; 山地 雅俊*; 小西 隆志*
no journal, ,
黒鉛材料は黒鉛減速ヘリウムガス冷却炉である高温ガス炉(HTGR)の内部構造材として使用されている。高温ガス炉は、高温のヘリウムガスを取り出すことができ、また固有の安全特性を有することが大きな特徴である。そして、超高温ガス炉(VHTR)はGeneration-IV核原子炉システムとして最も有力な候補の一つである。IG-110黒鉛は、高強度で耐酸化特性に優れていることから、原子力機構のHTTR、中国のHTR-10で使用されている。さらに、IG-110黒鉛は高い品質安定性と長期にわたる安定的な供給が可能なことからもVHTRの内部構造材の主要な候補とされている。黒鉛構造部材の安全性を高めるためには、より高強度で耐酸化特性に優れた黒鉛が要求される。IG-430はIG-110よりも高強度で耐酸化特性に優れているため、次期候補材料と考えている。しかし、新材料であるIG-430は、原子炉設計に用いられる十分なデータベースが整っていない。そこで、設計に必要な機械的強度特性、熱特性、照射特性についてデータベースの整備を行っている。本研究では、IG-430の引張強度、圧縮強度及び疲労強度について統計的に評価を行い、高温ガス炉用黒鉛としての適性を検討した。さらに、IG-430の引張強度に対して、基準強度(Su値)を設定し、IG-430とIG-110のSu値と比較・検討することで、IG-430の優れた物理特性を明らかにした。
富田 直樹*; 古谷 正祐*; 朝日 学*; 久持 陸也*; 豊田 晃大; 矢田 浩基
no journal, ,
超音波フェーズドアレイはレーダー分野で開発された位相合成画像技術であり、原子力発電所における供用期間中検査等にも用いられている。ISIにおける超音波探傷試験(UT)は、一般的に配管や容器などの溶接部に対して外表面から板厚内の亀裂を検知するために行われるが、複雑形状や探傷位置から離れた部位に対する検査のニーズも存在する。本研究では、複雑形状に対する探傷精度向上を目的に、まず、フェーズドアレイUTを用いた複雑形状の試験片の探傷試験を行った。次に、得られた探傷画像を基に、19種類の事前学習ネットワークを使用した転移学習を行い、きずに対して高い判別精度が得られることを示した。
橘 幸男; 野口 弘喜; 角田 淳弥; 大橋 弘史; 佐藤 博之; 坂場 成昭
no journal, ,
高温ガス炉実証炉に向けては、環状炉心の確立、隔離弁等の大型化、規格・基準の確立、水素製造システムの高温ガス炉への接続技術の確立等が必要である。原子力機構は、2022年度にHTTRに水素製造システムを接続するプロジェクトを開始した。今後、十分な安全性を確保するための安全評価を進め、世界で初めて核熱を利用した水素製造技術を確認する。原子力機構は、英国及びポーランドから高温ガス炉導入に向けた技術協力の要請を受けており、将来の我が国での実証炉に向けた技術協力を開始した。本報告では、高温ガス炉実証炉に向けた開発の現状について紹介する。