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岡根 哲夫; 藤森 伸一; 井野 明洋; 藤森 淳; Dhar, S. K.*; Mitra, C.*; Manfrinetti, P.*; Palenzona, A.*; 酒井 治*
Physical Review B, 65(12), p.125102_1 - 125102_7, 2002/03
被引用回数:13 パーセンタイル:55.55(Materials Science, Multidisciplinary)YbCoX(X=Ga, Al)は、同じ結晶構造を有し、X=Gaでは価数揺動系,X=Alでは反強磁性秩序を見せる近藤格子系の物性を示す。このXリガンドの違いに応じた物性の起源を明らかにするため、本研究はこれらの化合物の電子状態を高エネルギー分解能の光電子分光実験により調べた。X=AlではX=Gaに比べてYb4fエネルギーレベルが上昇していることが観測された。このエネルギーレーザーの上昇をYb4F-リガンドSP電子の混成の減少が、X=AlとX=Gaでの物性の違いの起源と考えられる。またX=Gaでは結合エネルギー26meVに近藤ピークを観測した。この近藤ピークのエネルギー位置と幅は不純物アンダーソンモデルから予想される値と近い値を持つが、顕著な非対称形状を示した。この非対称形状の起源として、電子-正孔体の形成を提案した。
岡根 哲夫; 藤森 伸一; 井野 明洋*; 藤森 淳*; Dhar, S. K.*; Mitra, C.*; Manfrinetti, P.*; Palenzona, A.*
Physica B; Condensed Matter, 312-313, p.349 - 351, 2002/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Physics, Condensed Matter)YbCoX(X=Ga,Al)は、X=Alでは近藤格子系となりT=1.2Kで反強磁性秩序を示すのに対して、X=Gaでは価数揺動系となりパウリパラ常磁性基底状態をとる。本研究では高エネルギー分解能光電子分光によりフェルミ準位近傍の電子状態を調べ、近藤格子系から価数揺動系への物性の変化を電子状態の観点から理解することを目的とした。実験結果では、X=Gaの化合物では明瞭に近藤ピークが観測できたのに対して、X=Alの化合物ではフェルミ準位近傍に構造は見つからなかった。これは不純物アンダーソンモデルによるスペクトル解析から、これらの物質の特性温度の違いを反映したものとして理解される。