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牛島 寛章; 岡田 祐次; 光井 研人; 中村 剛実; 井上 修一
no journal, ,
JRR-3では温度制御しながらキャプセルを照射する装置を更新している。従来の装置は、制御棒の位置変化によりキャプセル温度が変動するたびに手動で調整する必要があった。そこで今回の更新では、原子炉起動前から停止後までのキャプセル温度制御を自動化することを目的としている。新システムは、真空制御とヒーター制御を採用している。装置の性能を確認するため、コールド試験を実施した。模擬キャプセルをいくつかの温度に変化させることで、装置が満足のいく性能を発揮することがわかった。また、原子炉出力値が新システムに取得されるようにする。従来の装置では、キャプセル温度の変化をフィードバックすることで目標温度を維持していた。一方新装置ではキャプセル温度が変化する前に原子炉出力に連動して制御を開始するので、温度維持の精度向上が期待できる。
冬島 拓実; 牛島 寛章; 光井 研人; 遠藤 泰一; 松井 義典; 岡田 祐次; 河 侑成; 端 邦樹; 石島 暖大; 仁尾 大資; et al.
no journal, ,
原子炉構造材料の照射脆化評価の高度化に資する基礎データの取得のため、JRR-3で照射試験を行うための垂直照射キャプセルの設計・製作を行った。照射試験においては、試料の軸方向全長にわたり高精度かつ平坦な照射温度の制御が求められたことから、キャプセルの型式として真空・ヒーター温度制御併用型を選定し、JRR-3のガンマ発熱率分布データに基づく熱解析を行い、キャプセル構成材の寸法を決定した。照射試験の結果、
2
C以内の高精度な照射温度制御を達成し、試料全体でも目標照射温度範囲(290
10
C)を満足することができた。本発表では、当該キャプセルの設計(照射温度解析を含む)、製作及び検査について報告する。
武田 遼真; 大森 崇純; 光井 研人; 武内 伴照; 牛島 寛章; 松井 義典; 仁尾 大資; 遠藤 泰一; 岡田 祐次; 井手 広史
no journal, ,
キャプセルの温度制御に用いるヒータ線は、キャプセル保護管内のアダプタ部でシース線からソフトケーブルに変換しており、アダプタ部はエポキシ樹脂により絶縁されている。原子炉運転中、炉心からのガンマ線を受けることで、ヒータの絶縁性の劣化を招く可能性がある。そのため、キャプセル保護管内のガンマ線量についてin-situで測定が可能なSPGDを用いて評価を試みた。原子炉起動時には、炉出力100kWからSPGDの出力電流に有意な上昇が見られ、各出力のステップ状の上昇に従い比例していることが確認された。SPGD出力電流について、
Co照射場における校正定数を用いてガンマ線量率に換算したところ、20MW定格運転時で約12kGy/hとなった。原子炉停止時には、炉出力及びSPGDの信号が約2分で10分の1以下にまで急減衰したことから、SPGDの出力は主に核分裂に伴う即発ガンマ線によるものと考えられる。その後、SPGD出力値は緩やかに減衰しており、放射化した
Al等及び短半減期のFP核種等の崩壊ガンマ線による影響が示唆された。以上より、JRR-3における照射試験時のキャプセル内ガンマ線量に関する基本的なデータが取得できた。
河 侑成; 端 邦樹; 岡田 祐次; 牛島 寛章; 光井 研人; 冬島 拓実; 石島 暖大; 仁尾 大資; 渡邊 勝哉; 田上 進; et al.
no journal, ,
発電用軽水炉の原子炉圧力容器(RPV)においては、中性子照射脆化を考慮した構造健全性評価が実施されている。軽水炉の60年超運転での安全確保のためには、高照射量領域まで中性子照射したRPV鋼の照射脆化データを拡充し、RPVの健全性評価の精度向上を図る必要がある。本研究では、RPV鋼の溶接熱影響部の照射脆化感受性の確認等を目的としてJRR-3を用いて中性子照射試験を行い、廃棄物安全試験施設(WASTEF)にて照射後試験を実施することとした。国内PWR比較標準材や、銅含有量が高く照射脆化が大きいと考えられるRPV鋼を対象として、PWRの60年運転に相当する照射量約7
10
n/cm
まで、照射温度290
10
Cを目標に照射した。その後、WASTEFまで照射キャプセルを輸送し、キャプセルの解体作業やフルエンスモニタを用いた照射量評価を行った。発表では引張試験等の照射後試験結果を報告する。
端 邦樹; 岡田 祐次; 河 侑成; 牛島 寛章; 光井 研人; 冬島 拓実; 石島 暖大; 仁尾 大資; 渡邊 勝哉; 勝山 仁哉
no journal, ,
令和5年の法改正を受けて、発電用原子炉の60年超運転が可能となり、安全な長期間運転に資する技術開発の重要性が増している。日本原子力研究開発機構では、炉心からの中性子照射を長期間受ける構造材料の経年劣化事象を適切に評価するための知見の拡充や技術基盤の整備を目的として、これまでJMTRにて培った材料照射試験技術をJRR-3の垂直照射設備に移植し、JMTRの廃止措置以降途絶えていた照射試験技術の再興を進めてきた。その第一歩として、原子炉圧力容器鋼の中性子照射脆化に係る試験研究を行うための整備を進め、本年5月に第一回目の照射試験の遂行に至った。本シリーズ発表では、本試験研究における準備、照射試験、及び廃棄物安全試験施設(WASTEF)での照射後試験について報告する。
牛島 寛章; 光井 研人; 冬島 拓実; 岡田 祐次; 遠藤 泰一; 松井 義典; 河 侑成; 端 邦樹; 中村 剛実
no journal, ,
原子炉構造材料の照射試験では、照射温度が材料の照射損傷に影響を与える要因の一つとなるため、できる限り恒温での照射が望まれる。しかしながら、試料温度に大きな影響を与えるガンマ発熱分布は制御棒位置の影響を受けるため、制御棒を大きく動かす原子炉出力上昇時や臨界後の数日間は恒温状態を維持することが難しい。本照射試験では、原子炉出力上昇時の低温照射を避けるため原子炉起動前からキャプセルの温度を照射目標温度の290
C前後に昇温し、断熱層の真空度及びヒータ出力の自動制御により、原子炉起動時に試料が照射目標温度で維持されることを確認した。また、本制御プログラムに組み込まれている真空度とヒータ出力をバランスする機能により、臨界後の出力変動でヒータ出力が制御可能範囲を逸脱することを防ぎ、JRR-3の運転1サイクルを通して安定した温度制御を実現することに成功した。
光井 研人; 牛島 寛章; 小笠原 礼羅; 岡田 祐次; 鈴木 真琴; 木村 和也; 大内 諭; 仁尾 大資; 石島 暖大; 遠藤 泰一; et al.
no journal, ,
原子炉構造材の照射脆化研究における照射試料は、発電炉の温度環境を再現するために目標温度範囲290
C
10
Cで照射される。JRR-3の運転は、原子炉起動時に出力がステップ状に上昇すること、定格出力(20MW)に到達した後の数日間は、制御棒による出力調整を頻繁に行うことから、試料に対するガンマ発熱量の変化が激しい。目標温度を一定に保つためには、既存設備の手動制御では限界があったため、自動制御ができるように垂直照射設備を高度化した。設備の自動温度制御性能を検証するため、模擬装置で原子炉模擬出力を入力し性能を確認した。その結果、原子炉出力上昇時の温度は+9
C以内、定格出力時以降では
0.9
C以内であり、目標温度範囲内に抑えられることが確認できた。
光井 研人; 牛島 寛章; 岡田 祐次; 石島 暖大; 加治 芳行; 仁尾 大資; 遠藤 泰一; 松井 義典; 中村 剛実
no journal, ,
For the purpose of more accurate temperature control, we upgraded the vertical irradiation facility. After the upgrade, the first irradiation test was carried out to control the sample temperature at 290
10 degree C by adjusting the heater and gas pressure from reactor start up to shut down. Since the reactor power increases stepwise up to rated power 20 MW, especially the power change is rapid from 10 MW to 15 MW. Accordingly, the sample temperature increased by a maximum of +9 degree C from the target temperature. And during rated operation, the sample temperatures of the axial direction varied over
10 degree C in a part of uppermost layer. In the second test, to decrease the temperature change during start up, we have improved the auto control function of the gas pressure parameter. Furthermore, the diameter of the gas tube was extended to enhance control response. As a result, the sample temperature was controlled within +6.6 degree C. In addition, we optimised the capsule design for uniform gradient of the sample temperature by using the gamma heating data from the first test. Consequently, temperature difference in axial direction decreased within
5 degree C during rated operation. Thus, these tests confirmed the higher performance on temperature control accuracy of the vertical irradiation facility.
河 侑成; 端 邦樹; 渡邊 勝哉; 岡田 祐次; 牛島 寛章; 光井 研人; 冬島 拓実
no journal, ,
原子力発電所の安全性確保のために、原子炉圧力容器(RPV)の照射脆化は重要な課題である。RPVの継手溶接熱影響部(継手HAZ)は監視試験対象であるが、その金属組織は非均質であるため、試験片の採取位置のわずかな違いが破壊靭性に影響を与える可能性がある。本研究では、継手HAZの試験片の採取位置(溶接溶融線からの距離)の違いに着目し、高照射量領域における破壊靭性を確認するとともに、母材の試験結果と比較した。1970年代製造のRPV鋼を模擬した銅含有量が比較的高い(0.13wt.%)低合金鋼の継手HAZを対象に、溶接溶融線から0.5mm及び2mmの位置がノッチ部(試験対象となる位置)となるように採取位置を設定したミニチュアC(T)試験片を製作した。研究用試験炉JRR-3で照射温度290
10
Cで約1
10
n/cm
まで中性子照射を実施した後、廃棄物安全試験施設WASTEFで破壊靭性試験を行った。照射した継手HAZのうち、母材に近い継手HAZの破壊靭性参照温度は溶接金属に近い継手HAZより20
C以上高い温度を示し、母材に近いほうの破壊靭性値が低いことが分かった。各位置における未照射材の
との比較により照射脆化量を確認した結果、0.5mm及び2mmの継手HAZの間では照射脆化量に顕著な差異は見られなかった。
端 邦樹; 河 侑成; 岡田 祐次; 牛島 寛章; 光井 研人; 冬島 拓実; 渡邊 勝哉; 中村 剛実; 外山 健; 福元 謙一*; et al.
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原子炉圧力容器(RPV)の経年劣化事象として中性子照射脆化が知られている。実機監視試験データの蓄積により60年またはそれを超えるような照射量のデータも得られている。一方で、監視試験データは実プラントの材料や照射条件に限定されるため、種々のパラメータの影響評価や脆化メカニズム研究等への活用には不向きな面がある。したがって、照射脆化の科学的な理解の深化のためには、研究炉を用いた照射試験設備が必要であり、現在検討中の新試験研究炉の垂直照射設備への期待は大きい。また、原子力機構では、これまでJMTRにおいて、照射脆化に係る試験だけではなく、冷却水中での荷重付加が必要となる照射誘起応力腐食割れ(IASCC)に係る試験等、多くの試験技術を有していた。国際的な照射試験ニーズも踏まえると、これらの試験技術の継承や高度化を進めるとともに、照射後試験まで含めた一連の照射研究基盤を整備する必要がある。そこで、約14年間停滞していた材料照射試験技術をJRR-3において復活させ、新試験研究炉へと繋ぐための技術継承を進めている。本発表では、JRR-3において実施したRPV鋼の照射試験及び廃棄物安全試験施設WASTEFを活用した照射後試験の状況について紹介する。電気技術規程JEAC4216-2015に準拠して微小破壊靭性試験片を用いた照射後試験を行ったところ、破壊靭性の指標となる破壊靭性参照温度T0が-69
Cと得られた。これは過去に同一材料をハルデン炉で照射したときと同等の結果であり、今回のJRR-3照射試験で既往研究と同等の結果が得られることが確認できた。
岡田 祐次; 光井 研人; 牛島 寛章; 冬島 拓実; 仁尾 大資; 石島 暖大; 加治 芳行; 遠藤 泰一; 松井 義典; 中村 剛実; et al.
no journal, ,
2050年カーボンニュートラル実現に向け、CO
を排出しない原子力エネルギーの活用が不可欠であり、軽水炉の長期利用や次世代革新炉の開発が求められている。しかし、JMTRの廃止により国内の照射試験基盤が縮小する中、JRR-3の垂直照射設備における温度制御照射試験の再構築が必要となった。令和3年の再稼働以降、設備の更新と技術者育成が進められ、令和5年度には高精度な照射設備の整備とキャプセルの設計・製作を実現し、令和6年度には2件の照射試験を完遂した。今後は、低コスト・短納期のキャプセル開発を進め、より効率的な照射試験体制の確立を目指すとともに、高温領域での照射や照射量評価に対応可能な人材の育成にも取り組む。
牛島 寛章; 光井 研人; 小笠原 礼羅; 岡田 祐次; 冬島 拓実; 遠藤 泰一; 石島 暖大; 仁尾 大資; 加治 芳行; 渡邊 勝哉; et al.
no journal, ,
原子炉構造材料の照射試験では、照射温度が材料の照射損傷挙動に影響を与える要因の一つとなるため、できる限り恒温かつ試料間でも均一な温度分布での照射が望まれる。2024年5月の最初の照射では制御熱電対部の温度を目標温度である約290
Cで維持することができたが、制御熱電対から離れた試験片では目標温度から10
C以上乖離し不均一な温度分布となった。2025年2月の2度目の照射試験では、5月試験時に得られたガンマ発熱率分布を設計に反映することで、試料全体をほぼ290
C
5
Cの範囲に収めることに成功した。また、制御配管の径の拡張等により原子炉出力上昇時の温度制御結果についても改善が見られた。2回目の照射試験におけるガンマ発熱率分布の解析結果は1回目のものと良い一致を示しており、今後のキャプセル設計においても試料全体で均一な温度分布となる制御が可能である。
牛島 寛章; 光井 研人; 小笠原 礼羅; 岡田 祐次; 遠藤 泰一; 石島 暖大; 松田 誠
no journal, ,
JRR-3垂直照射設備は、試料を炉心に装荷することで高い中性子強度で試料照射が可能な設備であり、主にRI製造、材料照射の用途で利用されている。JRR-3再稼働後は、RI製造が7回行われ、震災前同様の体制で照射受入れが可能である。また、原子炉材料の材料照射については設備更新を行い、2024年度に2回の照射を行った。材料照射では、照射中の温度が材料の照射損傷挙動に影響を与える要因の一つとなるため、できる限り恒温かつ試料間の均一な温度分布での照射が望まれる。震災後の運転再開に向けて、JRR-3垂直照射設備の更新にあたり、従来手動操作だった温度制御装置を自動化した。更新後の最初の照射試験で、導入した温度制御装置が自動制御性能を発揮できることを確認した。また、この照射試験データを元にキャプセルを設計した2回目の照射では、試料温度を目的の290
C
10
Cに維持しかつ試料全体で均一な温度分布を形成する照射に成功した。今後の課題として、高精度な温度制御を行うために各照射孔の実測のデータが不可欠である。そこで、カロリーメータキャプセルを製作中で、2026年度中の照射を計画している。本キャプセルは前述の材料照射キャプセルより構造を簡略化の上、機構内の工作工場で組立てすることによりコスト減を図る。本キャプセルにより各照射孔のデータが取得され、また簡略化した構造での温度制御能力が分かれば、今後の照射コスト・キャプセルの製作期間が大きく改善される。
石島 暖大; 渡邊 勝哉; 佐野 成人; 牛島 寛章; 光井 研人; 岡田 祐次; 仁尾 大資; 加治 芳行
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原子炉圧力容器(RPV)の長期運転時の健全性評価へのMini-C(T)試験片を用いたマスターカーブ(MC)法の技術基盤拡充を目的とし、RPV鋼標準材圧延材をJRR-3でPWR運転環境を想定した290
Cで中性子照射し、照射材に対し引張試験、破壊靱性試験およびシャルピー衝撃試験を実施した。温度制御システムの改良により、起動時の出力変動および定格運転時にも安定した温度制御を達成し、60年運転相当の照射量を達成した。照射後引張試験より降伏応力および引張強さを、シャルピー衝撃試験から、照射材の関連温度(T
)評価を実施した。さらにMini-C(T)および0.32T試験片の破壊靱性試験を実施し、試験片サイズの異なる参照温度(T
)の知見を拡充した。得られた試験結果よりT
、T
および照射によるこれらの移行量
T
、
T
を既往の公開データと比較した結果、良好な相関が得られた。これによりJRR-3を利用した中性子照射による照射材破壊靱性データの技術基盤拡充に資するデータが得られた。