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論文

Mesoporous silica particles as topologically crosslinking fillers for poly($$N$$-isopropylacrylamide) hydrogels

宮元 展義*; 島崎 浩太朗*; 山本 浩亮*; 新立 盛生*; 蒲池 雄一郎*; Bastakoti, B. P.*; 鈴木 孝宗*; 元川 竜平; 山内 悠輔*

Chemistry; A European Journal, 20(46), p.14955 - 14958, 2014/11

 被引用回数:18 パーセンタイル:49.6(Chemistry, Multidisciplinary)

It is demonstrated that mesoporous silicas (MPSs) can be used as effective "topological cross-linkers" for poly($$N$$-isopropylacrylamide) (PNIPA) hydrogels to improve the mechanical property. Three-dimensional bicontinuous mesporous silica is found to effectively reinforce the PNIPA hydrogels, as compared to nonporous silica and two-dimensional hexagonally ordered mesoporous silica.

論文

Aspect-ratio-dependent phase transitions and concentration fluctuations in aqueous colloidal dispersions of charged platelike particles

山口 大輔; 宮元 展義*; 藤田 貴子*; 中戸 晃之*; 小泉 智; 太田 昇*; 八木 直人*; 橋本 竹治

Physical Review E, 85(1), p.011403_1 - 011403_15, 2012/01

 被引用回数:21 パーセンタイル:75.06(Physics, Fluids & Plasmas)

電荷を帯びた板状のニオブ酸化物のコロイド水溶液の相転移を中性子小角散乱及びX線小角散乱により詳細に調査した。その結果、(1)コロイド水溶液はコロイド粒子の体積分率を0.01に固定した場合、広いアスペクト比において等方相と液晶相に相分離すること。(2)アスペクト比を大きくすることにより、粒子間隔の秩序性が著しく高くなること。(3)液晶相において著しい濃度ゆらぎが観測されたこと。これは従来の分子からなる液晶では予期できないことだが、今回の対象である板状のコロイド粒子では起こり得ることである。というようなさまざまな新規性を明らかにした。

論文

Combined SANS, SEC, NMR, and UV-vis studies of simultaneous living anionic copolymerization process in a concentrated solution; Elucidation of building-up processes of molecules and their self-assemblies

Zhao, Y.; 宮元 展義*; 小泉 智; 橋本 竹治

Macromolecules, 43(6), p.2948 - 2959, 2010/04

A simultaneous living anionic copolymerization of a concentrated solution of deuterated styrene (S) and nondeuterated isoprene (I) monomers in deuterated benzene as a solvent was studied by a combination of time-resolved measurements of small-angle neutron scattering (SANS), size exclusion chromatography (SEC), nuclear magnetic resonance (NMR), and ultraviolet-visible spectroscopy (UV-vis). The molecular building-up process and its consequence on the bottom-up self-assembling process during the copolymerization reaction were observed on three different length scales on the same batch of the solution, which enabled us to explore simultaneously the time changes in the local structure (living chain ends), the primary structure (propagating chains), and the higher order structure (microdomains). We found that the copolymerization process was divided into two time regions, defined by regions I and II. In region I, the copolymerization of S and I monomers took place, and all I monomers were consumed at the end of region I. In the early stage of region I (region I$$_{rm a}$$), the SANS profiles were almost time-independent and exhibited no scattering maximum, whereas in the late stage of region I (region I$$_{rm b}$$), a scattering maximum appeared at $$q$$$$_{rm m}$$ m and hardly changed with time, although the maximum intensity $$I$$$$_{rm m}$$ slightly increased with time. In region II, pure polystyrene (PS) block chains were formed. The polymerization-induced disorder-order transition (ODT) and order-order transition (OOT) were observed.

論文

Combined SANS, SEC, NMR, and UV-Vis studies of simultaneous living anionic copolymerization process; Simultaneous elucidation of propagating living chains at three different length scales

Zhao, Y.; 田中 宏和*; 宮元 展義*; 小泉 智; 橋本 竹治

Macromolecules, 42(5), p.1739 - 1748, 2009/04

 被引用回数:15 パーセンタイル:45.74(Polymer Science)

The living anionic copolymerization of a mixture of isoprene (I) and styrene (S) monomers, in the dilute solution with deuterated benzene as a non-polar solvent and sec-butyllithium as an initiator, was investigated by a simultaneous measurement of time-resolved small-angle neutron scattering (SANS), size exclusion chromatography (SEC), nuclear magnetic resonance (NMR), and ultraviolet-visible (UV-Vis) spectroscopy. The combined time-resolved study on the same single batch reaction solution enabled us to investigate the structural change of the propagating living chains in three different length scales on a rigorously common time scale: the type of living chain ends, primary structure of single living chains, and the association of living chains. Although the living anionic copolymerization of S and I has been studied extensively, there is no study so far that uses such a combination of real-time methods as this study on the same single batch reaction solution.

論文

Hierarchical structure of niobate nanosheets in aqueous solution

山口 大輔; 宮元 展義; 小泉 智; 中戸 晃之*; 橋本 竹治

Journal of Applied Crystallography, 40(s1), p.s101 - s105, 2007/04

 被引用回数:22 パーセンタイル:86.18(Chemistry, Multidisciplinary)

中性子,X線を使った超小角散乱,小角散乱法を相補的に活用し1nmから10$$mu$$mの5桁に渡る空間スケールを横断的に観察することで、層状ニオブ酸化物結晶K$$_{4}$$Nb$$_{6}$$O$$_{17}$$を水中で剥離して得られるナノシート(厚み1.6nm)が形成する液晶構造、及びその構造階層性を解明した。本研究ではナノシートサイズを数100nmから数$$mu$$mに制御し、シートサイズが液晶の階層構造に及ぼす影響について以下の点を明らかにした。シートサイズより小さな100nm$$sim$$数nmの小角散乱の空間スケールでは、ナノシートが形成するラメラ状積層構造が観察された。ここではシート間距離、また積層構造の秩序性はシートサイズに大きく依存することが明らかとなった。一方、数100nm$$sim$$10$$mu$$mの超小角散乱の空間スケールではナノシートと溶媒である水との間の濃度揺らぎに起因するフラクタル構造の存在を確認した。またこのフラクタル構造はシートサイズに依存しないことが明らかとなった。これらの液晶構造の階層性は、従来の光学顕微鏡などの巨視的観察では得ることのできない知見であり本国際会議で口頭発表する。

論文

Living anionic polymerization of methyl methacrylate controlled by metal-free phosphazene catalyst as observed by small-angle neutron scattering, gel-permeation chromatography and UV-visible spectroscopy

宮元 展義; 井上 佳尚*; 小泉 智; 橋本 竹治

Journal of Applied Crystallography, 40(s1), p.s568 - s572, 2007/04

 被引用回数:5 パーセンタイル:53.48(Chemistry, Multidisciplinary)

フォスファゼン(PZN)触媒を用いたリビングアニオン重合により重水素化テトラヒドロフラン(THF)中でメチルメタクリレートの重合を行い、重合過程を中性子小角散乱(SANS)により観察した。触媒溶液のSANS観察では、PZN1分子より大きな散乱体の存在が確認され、THF中で10,ベンゼン中で100程度のPZNカチオンが会合して存在していることが示唆された。触媒溶液にモノマーを加えると重合反応が一気に進行した。リビングポリマー溶液のSANS観察ではゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で見積もられた分子量と同程度の分子量のポリマー鎖が、会合した触媒分子と共存していることが示唆された。溶液を空気中の水分と接触させて失活させても、SANS曲線に変化は観察されなかった。これらのことから、本系においてリビングポリマーは会合せずに単独で存在していることが示された。強い静電相互作用によりLiイオンと複数のリビングアニオン末端が会合体を形成する有機リチウム化合物触媒としたリビングアニオン重合とは対照的な結果である。PZNカチオンの電荷密度が極めて小さくまたリビングアニオン末端も多くのポリマー鎖に非局在化されているためにPZNカチオンとリビングアニオン末端間の相互作用が非常に弱く、このような違いが生じたものと考えられる。

論文

Aggregation behavior of polyisoprene chain ends during living anionic polymerization as investigated by time-resolved small-angle neutron scatting

宮元 展義; 山内 一浩*; 長谷川 博一*; 橋本 竹治; 小泉 智

Physica B; Condensed Matter, 385-386(1), p.752 - 755, 2006/11

 被引用回数:5 パーセンタイル:27.22(Physics, Condensed Matter)

イソプレン及びスチレンのリビングアニオン重合過程を時間分解中性子小角散乱(SANS)及びゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定し、イオン性のリビング末端が形成する会合体について以下のことを明らかにした。反応の溶媒には重水素化ベンゼン、開始剤にはsec-BuLiを用いた。イソプレンの系(最終分子量5300g/mol)では時間とともに散乱強度が増加する様子が観察された。GPCにより測定した分子量の時間変化に関するデータを用いることで、時間分解SANSにより得られる散乱曲線を定量的に解析し、会合数の時間変化を明らかにした。一方、リビング重合を停止させるとSANSプロファイルは大きく変化し、散乱強度は大きく減少した。この結果は、重合停止に伴う末端会合の解消を示唆している。

論文

In situ and real-time small-angle neutron scattering studies of living anionic polymerization process and polymerization-induced self-assembly of block copolymers

田中 宏和; 山内 一浩*; 長谷川 博一*; 宮元 展義; 小泉 智; 橋本 竹治

Physica B; Condensed Matter, 385-386(1), p.742 - 744, 2006/11

 被引用回数:22 パーセンタイル:65.77(Physics, Condensed Matter)

重水素化ベンゼン中でスチレンモノマーとイソプレンモノマーを共存させ、sec-ブチルリチウムを開始剤としてリビングアニオン重合を行った。これによりポリスチレンとポリイソプレンからなるブロック共重合体を合成した。この合成過程を中性子小角散乱(SANS),ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC),紫外可視光吸収スペクトル(UV-vs)により時間分割的に測定し、重合に伴う構造形成の様子をその場・実時間観察した。その結果、重合初期にはまずイソプレンモノマーが優先的に重合されてポリイソプレンが生成し、系内のイソプレンモノマーが消費されたのちスチレンモノマーの重合が始まり、ポリイソプレン-ポリスチレンブロック共重合体が生成することがGPC, UV-vsの結果から明らかとなった。また、この重合過程において、溶液内で高分子鎖は単独では存在せず、数本が集まって会合体を形成していることがSANSから明らかとなった。さらには、重合初期のポリイソプレンが生成している時間領域では、その会合数が4であるが、重合後期にスチレンモノマーの重合が始まると、会合数が2に急激に減少することが明らかとなった。

論文

ITER物理R&D専門家会合報告

小川 雄一*; 滝塚 知典; 三浦 幸俊; 東井 和夫*; 福田 武司; 若谷 誠宏*; 井手 俊介; 高瀬 雄一*; 飛田 健次; 福山 淳*; et al.

プラズマ・核融合学会誌, 77(10), p.1042 - 1048, 2001/10

平成13年3月$$sim$$7月にかけて開催された6つのITER物理R&D専門家会合の概要を報告する。閉じ込めのデータベースとモデリングに関する専門家会合では、高密度閉じ込め実験に関する討議と閉じ込め比例則の検証作業を行った。輸送と内部障壁の物理専門家会合では、国際データベース活動の現状をレビューするとともに今後の作業計画を策定した。高エネルギー粒子と加熱及び定常運転専門家会合では、ITERの先進定常運転における重点課題項目の抽出と解決に向けての討議検討を行った。周辺及びペデスタルの物理専門家会合では、磁場構造に注目したペデスタル特性の解析に重点を置くことになった。スクレイプ・オフ層及びダイバータの物理専門家会合では、ダイバータ熱負荷の比例則構築と金属ダイバータの特性について議論した。また、計測専門家会合では、電磁気計測における放射誘起起電力の問題について討議した。

口頭

中性子小角散乱によるニオブ酸ナノシート液晶の構造解析

宮元 展義; 山口 大輔; 中戸 晃之*; 小泉 智; 橋本 竹治

no journal, , 

本研究では超小角及び小角中性子散乱(USANS及びSANS)及び超小角X線散乱(USAXS)によりナノシート液晶の観察を行い、ナノシートの平均サイズL及び濃度$$Phi$$の関数として液晶構造が変化する様子を明らかにした。K$$_{4}$$Nb$$_{6}$$O$$_{17}$$単結晶をプロピルアンモニウムと反応後、水で繰り返し洗浄することでナノシートゾルを得た。このゾルを10-180分間超音波処理し、適当に希釈することで、L及び$$Phi$$の異なる一連の試料を得た。散乱曲線のq$$>$$0.1nm$$^{-1}$$の領域では、液晶のラメラ構造に起因するピークが確認された。面間隔はLには依存せず約40nmであったが、$$Phi$$の減少とともに増加した。一方0.01nm$$^{-1}$$$$<$$q$$<$$0.1nm$$^{-1}$$の領域では、ナノシート一枚の形状を反映するため、散乱はLによって大きく異なった。q$$<$$0.01nm$$^{-1}$$の領域ではLに対する依存性は見られなくなり、q$$^{-2.5}$$のベキで立ち上がる散乱が観察された。これは、Lに依存しないフラクタル的な液晶ドメイン構造の存在を示している。

口頭

ニオブ酸化物ナノシート溶液の構造解析

山口 大輔; 宮元 展義; 小泉 智; 中戸 晃之*; 橋本 竹治

no journal, , 

層状ニオブ酸化物結晶K$$_{4}$$Nb$$_{6}$$O$$_{17}$$を水中に剥離して分散させた状態(このとき剥離した1枚1枚の結晶をナノシートと呼ぶ)を中性子及びX線小角散乱により幅広い波数(q)空間にわたって観察した。K$$_{4}$$Nb$$_{6}$$O$$_{17}$$ナノシートはシート1枚の厚み(約1.9nm)に対して、辺の長さ(以下平均粒径と記述する)が数100から数1000倍にも達し、その異方的な形状を反映して液晶性を示すことが知られている。このように極端に大きなアスペクト比(シートの平均粒径と厚みの比)は他の粘土鉱物のナノシート等には見られない特徴であり、本研究では、ナノシートのアスペクト比、及び濃度をパラメータとして水分散溶液の凝集構造を系統的に調べた。その結果、これまで液晶相と考えられていた濃度領域でも、溶媒である水はナノシートを均一には膨潤しておらず、水リッチな領域とナノシートリッチな領域が共存し、それらが不均一な構造を形成していることがわかった。この不均一な構造はフラクタル構造となっており、-2.5のべき指数を示した。ナノシートのアスペクト比は液晶を形成しているナノシートの近距離における秩序度には強い影響を及ぼすが、ナノシート液晶相と水リッチ相によって形成されるフラクタル構造にまではその影響が及んでいないことが明らかとなった。

口頭

リビングアニオン重合過程の中性子小角散乱によるその場観察

宮元 展義; 田中 宏和*; 山内 一浩*; 長谷川 博一*; 橋本 竹治; 小泉 智

no journal, , 

リビングアニオン重合は分子量分布が狭いポリマーや特殊構造を持ったブロックコポリマーの合成に有効な高分子合成法である。この重合過程では、重合末端がイオン性会合によって会合体を形成し、反応速度や得られる高分子の立体構造等と密接に関連すると言われているが、その詳細は明らかになっていない。本研究では、ポリスチレン,ポリイソプレン,スチレンイソプレンブロックコポリマーの重合過程を時分割中性子小角散乱(SANS),ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)及び紫外可視分光の時分割測定により観察し、重合の進行に伴うリビング末端の会合数fの変化を検討した。最終分子量5300のポリイソプレン重合過程(最終ポリマー濃度$$phi$$=3.7vol%)をSANS観察した結果、重合の進行とともに散乱強度が増加した。一方、微量のエタノールを添加し重合末端のイオンを失活させた場合に散乱強度は大きく減少した。この結果は重合中にイオン性会合による高分子の会合体形成され、重合末端の失活とともにその会合体が失われたことを示している。重合中の会合数fについて定量的な検討を行うため、「f本のリビングポリマーの重合末端が集合したスターポリマー形状の会合体モデル」の理論散乱曲線によりSANS結果をフィッティングした。会合数は重合初期で10程度であったが、重合の進行とともに4程度まで減少した。

口頭

酸化ニオブナノシート液晶の構造解析,1

山口 大輔; 宮元 展義; 小泉 智; 中戸 晃之*; 橋本 竹治

no journal, , 

中性子,X線を用いた超小角散乱,小角散乱法を相補的に活用し1nmから10$$mu$$mにわたる空間スケールを横断的に観察することで、層状ニオブ酸化物結晶K$$_{4}$$Nb$$_{6}$$O$$_{17}$$を水中で剥離して得られるナノシート(厚み1.6nm)が形成する液晶構造、及びその構造階層性を解明した。小角散乱が示す散乱極大により、ナノシートがラメラ状積層構造を形成していることが確認された。また散乱極大の波数位置からナノシート粒子間に存在している水の量を求めた。その結果、ナノシートは溶媒である水により理想的に(均一に)膨潤されているのではなく、約3割の水はナノシートの膨潤に寄与していないことが明らかとなった。この膨潤に関与していない水はより大きな空間スケールで系を観察したときに見られた濃度揺らぎの起源となっているものと考えられる。事実、超小角散乱領域において観察されたフラクタル構造より評価された濃度揺らぎの起源となっている水の量は約3割であり、小角散乱の観測結果と見事に一致した。この結果により、ナノシートが水中で形成している階層構造に関してほぼ完全な理解が得られたものと思われる。

口頭

フォスファゼン触媒によるメチルメタクリレートのリビングアニオン重合; 中性子小角散乱と紫外可視分光による重合過程の観察

宮元 展義; 井上 佳尚*; 小泉 智; 橋本 竹治

no journal, , 

フォスファゼン(PZN)触媒を用いたリビングアニオン重合により重水素化テトラヒドロフラン(THF)中でメチルメタクリレートの重合を行い、重合過程を中性子小角散乱(SANS)により観察した。触媒溶液のSANS観察では、PZN1分子より大きな散乱体の存在が確認され、THF中でPZNカチオンが会合して存在していることが示唆された。触媒溶液にモノマーを加えると重合反応が瞬時に進行した。リビングポリマー溶液のSANS曲線は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で見積もられた分子量と同程度の分子量のポリマー鎖が、会合した触媒分子と共存しているモデルでほぼ説明された。溶液を空気中の水分と接触させて失活させた場合、低角度領域(実スケールで10nm以上の領域)でのみ散乱強度のわずかな減少が観察された。これらのことから、本系ではリビングポリマーとPZN会合体は非常にゆるやかな集合体を形成していることが示唆された。これら結果は有機リチウム化合物触媒としたリビングアニオン重合とは対照的である。有機リチウムの系では強い静電相互作用によりイオンと複数のリビングアニオン末端がスターポリマー状の会合体を形成する。PZN系では、PZNカチオンの電荷密度がリチウムイオンと比べて極めて小さくまたリビングアニオン末端も多くのポリマー鎖に非局在化されているために、PZNカチオンとリビングアニオン末端間の相互作用が非常に弱い。このことが、両者の違いの原因であると考えられる。

口頭

中性子小角散乱と紫外可視分光の同時測定によるリビングアニオン重合過程のその場観察

宮元 展義; 井上 佳尚*; 小泉 智; 橋本 竹治

no journal, , 

リビングアニオン重合では、反応中に触媒や重合末端が形成する超分子構造が重要な役割を担うことが知られている。本研究では、中性子小角散乱(SANS),ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC),紫外可視分光法(UV-Vis)による複合測定システムを活用して、フォスファゼン触媒(PZN)によるメチルメタクリレートのリビングアニオン重合過程をその場観察し、触媒・助触媒・重合末端が形成する超分子構造を明らかにし、重合メカニズムを検討した。PZN溶液のSANS観察では、PZN1分子より大きな散乱体の存在が確認され、PZNカチオンが会合して存在していることが示唆された。PZN溶液に助触媒Irgacure 184を加えると過剰な散乱が現れ、Irgacure 184がPZN会合体に取り込まれた複合構造の形成が示唆された。さらにモノマーを加えると重合反応が進行し、リビングポリマー溶液が得られた。リビングポリマー溶液のSANS観察では、GPCで見積もられた分子量と同程度の分子量のポリマー鎖が、PZN/IRG会合体と共存していることが示唆された。溶液を空気中の水分と接触させて失活させると、紫外可視スペクトルに大きな変化が現れたが、SANS曲線に変化は観察されなかった。これらのことから、本系においてリビングポリマーは会合せずに単独で存在していることが示された。

口頭

ニオブ酸化物ナノシートの水分散コロイド溶液における階層構造

山口 大輔; 宮元 展義; 小泉 智; 中戸 晃之*; 眞山 博幸*; 辻井 薫*; 橋本 竹治

no journal, , 

中性子,X線を使った超小角散乱,小角散乱法を相補的に活用し1nmから10$$mu$$mの5桁に渡る空間スケールを横断的に観察することで、層状ニオブ酸化物結晶K$$_{4}$$Nb$$_{6}$$O$$_{17}$$を水中で剥離して得られるナノシート(厚み1.6nm)が形成する液晶構造、及びその構造階層性を解明した。また、ニオブ酸化物ナノシートのコロイド状態と類似したフラクタル構造を有すると考えられる、ポーラスシリカの構造を原子力機構所属の中性子小角散乱装置SANS-J-IIに新たに導入された集光型デバイスを活用して観察した。その結果、ポーラスシリカとニオブ酸化物ナノシートのコロイド状態は同程度のフラクタル次元を有することが確認され、これまで困難であったコロイド状態におけるナノシートの空間分布の可視化という問題に対し、ポーラスシリカの顕微鏡観察との対比という方法により解決の糸口をつかんだので、その成果についても報告する。

口頭

中性子小角散乱によるリビングアニオン重合過程の時分割・その場観察

宮元 展義; 小泉 智; 橋本 竹治

no journal, , 

リビングアニオン重合は分子量分布が狭いポリマーや特殊構造を持ったブロックコポリマーの合成に有効な高分子合成法である。この重合の過程では、重合末端がイオン性会合によって会合体を形成し、反応速度や得られる高分子の立体構造等と密接に関連すると言われている。本研究では、中性子小角散乱(SANS),ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)及び紫外可視分光を複合的に用いることで、スチレン及びイソプレンが重水素化ベンゼン中で重合する過程を時分割・その場観察した。得られた結果を解析し、重合の進行・停止に伴うリビング末端の会合状態の変化を明らかにした。

口頭

In situ and real-time observation of living anionic polymerization process and polymerization-induced self-assembly of polyisoprene-b-polystyrene-d8

Zhao, Y.; 宮元 展義*; 小泉 智; 橋本 竹治

no journal, , 

重水素化ベンゼンを重合溶媒、sec-ブチルリチウムを開始剤とし、ポリイソプレン-重水素化ポリスチレンブロック共重合体をリビングアニオン重合により重合する過程と重合によって誘起された自己集合体の実時間その場観察を中性子小角散乱法,核磁気共鳴(NMR)法,ゲル浸透クロマトグラフィー法,赤外・可視分光法の組合せにより行った。その結果、重合過程には3つの時間領域が存在することが明らかになった。領域1ではポリイソプレンブロック鎖のみが成長する。領域2ではポリスチレンセグメントが鎖の中に現れ、デーパー構造が観察された。領域3では、ポリスチレンブロック鎖が急速に成長し、重合によって誘起されたミクロ相分離構造が観察された。

口頭

2次元の形状を有する粒子系の構造観察

山口 大輔; 宮元 展義*; 小泉 智; 橋本 竹治; 中戸 晃之*; 眞山 博幸*; 辻井 薫*

no journal, , 

異なる2つの物質のシート状粒子が形成する階層構造を中性子超小角・小角散乱法を用いて概観することにより、その相違点・類似点を包括的に論じた。得られた以下の結果について、高分子学会において口頭発表を行う。研究対象の第1の系は層状ニオブ酸結晶であるK$$_{4}$$Nb$$_{6}$$O$$_{17}$$を単位層(以下、これをナノシートと称する)に剥離し、水中に分散させた、ナノシートコロイドであり、これはナノシートが極めて大きな異方性を有するために液晶相が現れる。第2の系はワックスの一種であり、また超撥水表面を形成することでも知られているアルキルケテンダイマー(AKD)のリン片状結晶をテンプレートに用いて作製したシリカ多孔体である。これら2つの系において現れる階層構造はともに次のような特徴を有する。(1)近接する粒子間には(位置)の相関があり、その相関に起因した散乱極大が現れる。(2)さらに大きな空間スケールにおいては、散乱極大を与えるような構造は現れず、代わってフラクタル的な構造が現れる。

口頭

In-situ and real-time observation of simultaneous living anionic copolymerization of isoprene and styrene by SANS, SEC,UV-vis, and NMR

Zhao, Y.; 田中 宏和*; 宮元 展義*; 小泉 智; 橋本 竹治

no journal, , 

スチレン,イソプレンの非極性溶媒中での二級ブチルリチウムを開始剤とした同時リビングアニオン重合過程におけるモノマー組成,生成ブロック共重合の分子量,組成変化を微視的プローブであるSEC, UV-vis, NMRで追跡するとともにSANSにより反応進行に伴う重合活性末端の会合状態の変化を追跡した。特に後者の研究成果が際立って新しい。

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