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濱田 一弥; 中嶋 秀夫; 河野 勝己; 高野 克敏*; 堤 史明*; 関 秀一*; 奥野 清; 藤綱 宣之*; 溝口 満*
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 16(2), p.787 - 790, 2006/06
被引用回数:6 パーセンタイル:37.33(Engineering, Electrical & Electronic)原研では、国際熱核融合実験炉(ITER)の活動の一環として、中心ソレノイド(CS)のジャケットの試作作業を進めている。ITER CSの導体は、外形51.4mm角,内径35.1mmの穴を持つ矩形ジャケットを使用する。ジャケットは、4Kで耐力1000MPa以上,破壊靭性値KIC(J)130MPa以上が要求される。ジャケット材料には、原研が開発したJK2LB鋼(0.03C-22Mn-13Cr-9Ni-1Mo-0.2N-B)を使用する。素材の製作として、3ton溶解炉及びElectroslag Remelting(ESR)工程を経て、直径170mmのJK2LB鍛造ビレットを1.6ton製作し、良好な熱間加工特性及び量産が可能であることを確認した。ジャケットは外形及び内径精度が+/-0.2mm、穴の偏芯率10%以下、ジャケット単長は最低5mを達成する必要がある。試作した鍛造ビレットから、熱間押し出し及び冷間引抜によりジャケットを試作し、寸法精度を確認した。その結果、外形及び内径の変動は0.2mm以下、偏芯率は5%以下、ジャケットの単長は7mであることを確認した。以上の結果より、ITER CSジャケットの製作に必要な技術を確立できた。
碇本 岩男*; 加藤 潤吾*; 奥田 隆成*; 溝口 満*
JNC TJ4440 2001-004, 53 Pages, 2002/03
「もんじゅ」制御棒の長寿命化のためには、B4Cペレットのリロケーションを抑制することが重要であり、B4Cペレットの周囲にシュラウド管を設置することが有効であることが判明している。「もんじゅ」では600日(高燃4サイクル)寿命を目指しており、従来の管形状のシュラウド管では、シュラウド管の破損の可能性が高く、リロケーション抑制効果を担保するため、二重C型シュラウド管の採用を計画している。本研究は、薄肉、スリット付、二重構造のC型シュラウド管を試作し、実機仕様を満足する製作性、検査性があることを確認する目的で実施したものであり、主な成果は以下の通りである。(1)C型シュラウド管を試作するために、実機条件を考慮して、内側、外側シュラウド管の仕様を設定した。(2)内側、外側シュラウド管の製作方法を策定し、試作を行った。(3)試作した内側、外側シュラウド管を対象に、試験検査を実施し、全試験検査項目の規定値満足していることを確認した。(4)本研究の成果により、長寿命化のキー技術の一つであるC型シュラウド管の製作、検査性についての課題は解決することができた。
藤原 優行*; 原田 誠*; 奥田 隆成*; 中村 重治*; 溝口 満*
PNC TJ9058 97-001, 110 Pages, 1995/10
分散強化型(ODS)フェライト鋼は、優れた高温クリープ強度と耐照射性に優れていることから大型高速増殖炉の燃料被覆管材料として開発が進められている。本年度の開発目標は再結晶組織が得られる合金成分の被覆管を試作し、その機械的特性が以下の値を満足していることである。1) 650C,10000時間における内圧クリープ破断強度が200MPa以上であること。2)400Cでの周方向の引張一様伸びが1%以上であること。3)燃料被覆管を製造するのに十分な冷間加工性、再結晶特性を有すること。分散強化型マルテンサイト鋼については、9%から11%Cr鋼を対象に加工熱処理条件と加工性の関係を検討した。得られた成果を要約すると、(1)ODSフェライト鋼に関しては、1)冷間圧延と焼鈍を繰り返すことにより、高速原型炉サイズ(6.50.47t)の被覆管が得られる可能性を見出した。2)圧延と焼鈍を繰り返すことによって、圧延方向に沿って割れが発生しやすくなる傾向が認められた。割れの発生原因と対策を明らかにし、管圧延に成功した。3)最終焼鈍材は完全に再結晶しておらず、一部未再結晶組織となっていた。(2)ODSマルテンサイト鋼に関しては、1)焼きならし後、炉冷することによって被覆管加工に十分な硬さに軟化することが分かった。2)低炭素9Cr鋼はフェライト単相となり、1200C以上の焼鈍で著しい軟化が認められ、12Crフェライト鋼と同様の特性を示した。
菊池 満; 関 泰; 及川 晃; 安藤 俊就; 小原 祥裕; 西尾 敏; 関 昌弘; 滝塚 知典; 谷 啓二; 小関 隆久; et al.
Fusion Engineering and Design, 18, p.195 - 202, 1991/00
被引用回数:8 パーセンタイル:66.05(Nuclear Science & Technology)JT-60トカマクにおけるプラズマ電流の80%に及ぶブートストラップ電流の観測により核融合炉設計において、ブートストラップ電流率を高くとることができるようになった。これに基づいた動力炉(SSTR)の概念設計を行なった結果について報告する。SSTRの特徴は定常運転をするための電力を減らすためにブートストラップ電流を利用することである。この要請により適度なプラズマ電流(12MA)と高ポロイダルベータ(=2)を設定した。この条件を満足させめために、高アスペクト比(A=4)と強磁場(B=16.5T)を用いた。電流駆動には負イオン源NBIを用いる。近未来の工学・物理に基づいて正味の電気出力を出す炉の概念を示すことができた。
濱田 一弥; 中嶋 秀夫; 河野 勝己; 高野 克敏; 堤 史明; 奥野 清; 溝口 満*; 鳥井 正志*
no journal, ,
ITER計画において、日本はトロイダル磁場(TF)コイル用導体の調達を担当し、現在、その準備を、国内メーカの協力を得て進めている。TFコイル導体は、SUS316LN製の保護管(ジャケット:外径46.3mm、肉厚1.6mm)に、0.8mmの超伝導線を約1000本束ねたケーブルを引き込んだ構造であり、導体単長は最大760mである。TFジャケットの強度要求は、0.2%耐力が950MPa以上、伸びが30%以上である。今回、原子力機構は、SUS316LNを用いて、TFジャケットを試作し製造性及び機械特性を検証するとともに、導体を製造する設備(ジャケッティング装置)の設計を行った。ジャケットは、既存のシームレス・パイプ量産製造設備を使用して製作し、外径について0.2mmの要求公差を満たし、ジャケット単長は要求値(10m以上)を上回る14mの製作が可能であるなど、ITERの要求寸法特性を満足できることを確認した。また、4Kでの引張り試験の結果、1000MPa以上の0.2%耐力を測定し、ITERの要求強度を満たした。ジャケッティング装置は、14m長さのジャケットを溶接接続し、760mの直線ジャケットを製作した後、同じ長さの超伝導ケーブルを引き込み、径方向に圧縮成型した後で、所定の径に巻き取る機能を有するもので、本装置の基本設計を完了した。これらのジャケット試作及びジャケッティング装置設計作業により、TFコイル導体の調達準備を進展させている。