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荻原 寛之; 谷川 博康; 水井 智博*; 岸本 弘立*; 香山 晃*
no journal, ,
核融合炉ブランケットシステムにおける低放射化フェライト鋼の溶接・接合技術の最適化は重要な課題である。第一壁は、核融合反応により、高温・重照射下で弾き出し損傷と核変換ヘリウム生成に伴う核変換損傷を被るため、第一壁の溶接部位での照射効果の解明は、重要な課題となる。本研究では、低放射化フェライト鋼F82Hの多層盛TIG溶接部を対象としたデュアルイオン照射を行い、溶接パスに対応した照射後微細組織変化を明らかにすることを目的としている。特に、高温重照射環境で重要な課題であるスウェリング挙動について検討した。15mm厚のF82H-TIG溶接材(溶接パス5回,溶接後熱処理720C1h)の断面に対し、デュアルイオン照射をした。照射条件は、6.4MeV Feを用いて、470C,最大20dpaのシングルイオン照射を行った。デュアルイオン照射では、1.0MeV Heをエネルギーデェグレーダを透過させ、鉄イオンに対し、1510appm He/sの条件で同時照射した。非照射材の溶接金属部での硬さ試験の結果、溶接パス増加に伴い、硬さは増加した。デュアルイオン照射材の微細組織観察の結果、溶接パス増加に伴い、スウェリングは低減される傾向にあった。本研究を通して、耐スウェリング特性に優れた溶接法(入熱量の低減した溶接法)の提案及び耐照射特性を考慮した厚板溶接の施工法の改良のための照射後微細組織データを得ることができた。