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小川 達彦; Morev, M.*; 飯本 武志*; 小佐古 敏荘*
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 4, p.574 - 577, 2014/04
400MeV/uの炭素イオンを鉛ターゲットに照射し、ターゲット内部に発生した放射性フラグメントの分布を測定した。そして、得られたフラグメントの分布から、フラグメント生成反応断面積を0400MeV/uの範囲でエネルギーの関数として求めた。実測で得た断面積は比較可能な先行研究の実験値と比較して妥当な一致を示したことから、本研究で考案した実験法により、これまで困難であった数百MeV/uのエネルギーにおけるフラグメント生成反応断面積のエネルギー依存性の測定が可能であることが確認できた。実験結果と放射線輸送計算コードPHITSの計算値を比較すると、PHITSは核分裂フラグメントより軽い生成物を過小評価することに加え、エネルギー150MeV/u以上で過小、100MeV/u以下で過大な断面積を与えることがわかった。
小川 達彦; Morev, M. N.*; 小佐古 敏荘*
Transactions of the American Nuclear Society, 109(2, Part 2), p.1253 - 1255, 2013/11
放射線医学総合研究所HIMACにおいて400MeV/uの炭素イオンを厚い鉛ターゲットに照射し、Pb(C,x)反応でのフラグメント生成断面積をエネルギーの関数として32種類の生成核に対して求めることに成功した。実験では、陽子入射でこれまで用いられてきた積層箔法を重イオン入射反応用に改良した新手法を用い、これにより先行研究にほとんどなかった励起関数の測定を可能とした。本実験での測定結果は、薄いターゲットを使用して測定した結果との比較で矛盾なく一致していることから、本測定手法は妥当なものと判断される。実験結果により放射線輸送計算コードPHITSを検証した結果、軽いフラグメントや100MeV/u近くのエネルギーに対して断面積の過小評価がみられた。さらなる解析によりPHITSの物理モデルの欠損、特にマルチフラグメンテーション過程の不足がその理由であることを明らかにした。なお、本発表は2012年に開催された第12回放射線遮へい国際会議における報告がセッション最優秀論文賞に選定されたため、本学会に推薦され、招待講演を行うものである。
小川 達彦; Morev, M.*; 佐藤 達彦
Proceedings of 11th Meeting of the Task Force on Shielding Aspects of Accelerators, Targets and Irradiation Facilities (SATIF-11), p.51 - 58, 2013/10
原子核-原子核反応によって生成するフラグメントは、重粒子線治療や重イオン加速器施設における放射線安全の重要なファクターである。そのため、フラグメント生成反応断面積はこれまでの研究で継続的に測られてきたが、ターゲット,入射粒子種,エネルギーなどパラメータが多岐に渡る一方、一回の実験では限られた点でしか断面積が得られないことが問題であった。本研究ではTOF法とE-E法を組合せることにより、一回の重イオン照射でフラグメント生成断面積を各アイソトープごとにエネルギーの関数として測る手法を開発した。手法の妥当性を評価するために、400MeV/u酸素イオンの炭素ターゲットへの照射し、発生したフラグメントを本測定法により測定する実験を放射線輸送計算コードFLUKAで再現した。その結果、Heを同時に生成する反応の一部は(例: O(C,x)He+C), Heの同時計数ロスで断面積が過小評価される可能性が示されたが、50-100MeV/u以上400MeV/u以下のエネルギー域において断面積を数10%の誤差範囲内で測定できることが明らかになった。
小川 達彦; Morev, M. N.*; 佐藤 達彦; 橋本 慎太郎
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 300, p.35 - 45, 2013/04
被引用回数:8 パーセンタイル:53.52(Instruments & Instrumentation)炭素イオン照射による鉛のフラグメンテーション反応断面積を400MeV/u以下で測定し、分子動力学モデルと統計崩壊モデルの組合せで反応を記述するPHITSによる計算シミュレーションの妥当性を分析した。実験では、鉛ターゲットを炭素イオンビームの進行方向にスライスし、各スライスに生成された核種を測定することで、質量数が24から175の32種類のフラグメントに対する生成断面積を得ることに成功した。そして、さまざまな質量数のフラグメント生成反応断面積について、実験値と計算値を系統的に比較検証することが可能となった。その比較の結果、計算シミュレーションでは、質量数が20-60の間のフラグメントと、110-130の間のフラグメントは一桁以上過小評価されていることが確認された。これらのフラグメントは、計算シミュレーションにおいてそれぞれ核分裂と蒸発によって生成し、過小評価はマルチフラグメンテーション反応過程が考慮されていないためであることが判明した。さらに、この傾向は反応時のエネルギーが低いほど顕著であった。この分析結果は、過小評価等の問題点を解決するためには、マルチフラグメンテーション反応機構などの考慮されていない反応を計算シミュレーションへ組み込むことが重要であると示すものである。
橋本 周; Morev, M. N.*; 飯本 武志*; 小佐古 敏荘*
no journal, ,
複数検出器を使った汎用性のある中性子線量評価について報告する。複数検出器の出力比で構成されるベクトル空間中で、線量値の取り得る範囲は限定されることがわかっている。この手法について、特殊な比例計数管,個人線量計などを用いて実用化検証を行った。従来と同等の機器を使いながらも、従来に比べて、個別の中性子場に対応した線量評価値が得られることが示された。
橋本 周; Morev, M. N.*; 飯本 武志*; 小佐古 敏荘*
no journal, ,
複数の放射線検出器出力に閉凸空間データ処理法を適用した線量評価法を検討している。複数検出器の出力相関から得られる放射線場に関する情報を線量評価にフィードバックさせて、信頼性の高い線量評価を可能にする。中性子による個人線量や空間線量の測定において、単純な測定器であっても、それらの組合せで十分な精度の線量評価が可能なことを確認した。また、測定器の組合せと線量評価能力の間に関係を見いだした。
小川 達彦; Morev, M.*; 小佐古 敏荘*; 佐藤 達彦; 橋本 慎太郎; 仁井田 浩二*
no journal, ,
核反応モデルJQMD及びGEMを含むPHITSコードを用いて、鉛ターゲットに炭素線を照射させた場合の生成核を計算することで、Pb(C,x)フラグメンテーション反応断面積の励起関数を10-400MeV/uの範囲で求め、測定した結果と比較した。計算結果は、核分裂収量ピーク領域(質量数60-110)の前後の質量数のフラグメントを10分の1程度に過小評価した。計算では核反応の動的過程と、その後の核分裂を含む統計崩壊過程で質量数が20-120の間のフラグメントが生成するが、質量数20-60及び110-130の領域では核分裂収量ピーク領域と比べて、顕著にフラグメント生成が少なく、この質量数領域は実験値に対して計算値が過小評価された領域と一致した。また、過小評価の傾向はエネルギーが低い反応ほど顕著であった。本研究により、中高エネルギーの重イオンの入射で発生する重い核のフラグメンテーションでは、核分裂収量ピーク前後の領域のフラグメント生成をより正確に再現するため、現在反映されていない反応機構(マルチフラグメンテーション等)を考慮する必要性があることを明らかにした。