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石井 康雄; 豊嶋 厚史; 塚田 和明; 浅井 雅人; Li, Z.*; 永目 諭一郎; 宮下 直*; 森 友隆*; 菅沼 英夫*; 羽場 宏光*; et al.
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 84(9), p.903 - 911, 2011/09
被引用回数:17 パーセンタイル:49.43(Chemistry, Multidisciplinary)本研究では、HF/HNO水溶液中における104番元素ラザホージウム(Rf)の陽イオン交換挙動を4族同族元素Zr, Hf並びに擬同族元素Thとともに調べた。その結果、HF/0.10M HNO水溶液中におけるRfの分配係数()はフッ化物イオン濃度([F])の増加に対して減少することがわかった。これはRfフッ化物錯体の逐次錯形成を示している。また、Rfと同族元素の値の変化を水素イオン濃度([H])の関数として調べた。log値はlog[H]に対して直線的に減少し、その傾きは-2.1から-2.5の間であった。この結果はこれらの元素が同じ錯イオン、おそらく[MF]と[MF]の混合物として溶液中に存在することを示している。またそのフッ化物錯体形成の強さはZrHfRfThの順であった。
石井 康雄; 豊嶋 厚史; 塚田 和明; 浅井 雅人; 當銘 勇人; 西中 一朗; 永目 諭一郎; 宮下 直*; 森 友隆*; 菅沼 英夫*; et al.
Chemistry Letters, 37(3), p.288 - 289, 2008/03
被引用回数:20 パーセンタイル:55.11(Chemistry, Multidisciplinary)104番元素ラザホージウム(Rf)の低次フッ化物錯体の形成を調べるため、HF/HNO水溶液系におけるRfの陽イオン交換挙動を4価の陽イオンであるZr, Hf及びThの挙動と比較を行った。AIDA(線測定装置結合型自動迅速イオン交換分離装置)を用いた加速器オンライン実験でRfの陽イオン交換挙動を調べた。原子力機構タンデム加速器施設において、Cm(O,5)により合成したRf(半減期: 78s)をHe/KClガスジェット搬送法によりAIDAへ搬送し130秒間捕集した。これを250LのHF/0.1M HNO水溶液で溶解し、1.6mm i.d.7.0mm又は1.0mm i.d.3.5mmの陽イオン交換カラムへ溶離展開させ、その溶出液をTa皿に捕集した。その後、0.1M HF/0.1M HNOによってカラム中の残留物を溶出させ、別のTa皿に捕集した。これらを蒸発乾固させた後、600mmのPIPS検出器でRfの線を測定しその分配係数を求めた。HF/0.1M HNOにおいてZr, Hf, Th及びRfは、フッ化物イオン濃度の増加に従いその 値が減少した。これは、これらのイオンにフッ化物イオンが配位することによって、陽イオン交換樹脂への吸着性能が減少したものと考えられる。陽イオン交換樹脂への吸着の強さの順序はZrHfRfThとなり、これは各元素のイオン半径の大きさの順序と一致した。
石井 康雄; 當銘 勇人; 豊嶋 厚史; 浅井 雅人; 西中 一朗; 塚田 和明; 永目 諭一郎; 宮下 直*; 森 友隆*; 菅沼 英夫*; et al.
no journal, ,
硝酸/フッ化水素酸混合溶液中における104番元素ラザホージウム(Rf)の化学的性質を、陽イオン交換クロマトグラフによって調べた。陽イオン交換樹脂に対するRfの分配係数のフッ化水素酸濃度及び硝酸濃度依存性を精密に測定し、Rfがフッ化物錯体を形成する強さは同属元素であるZrやHfに比べて著しく弱いことを明らかにした。同様の結果は陰イオン交換樹脂を用いた実験によっても得られており、これらの結果からRfのフッ化物錯形成に関して定量的な議論が可能になった。
石井 康雄; 當銘 勇人; 豊嶋 厚史; 浅井 雅人; 西中 一朗; 塚田 和明; 永目 諭一郎; 宮下 直*; 森 友隆*; 菅沼 英夫*; et al.
no journal, ,
ラザホージウム(Rf)の硝酸/フッ化水素酸水溶液中における陽イオン交換樹脂との分配挙動を単一原子的手法により調べた。発表では4価の陽イオンである同属元素Zr, Hf及び擬同族元素Thとの比較を行いながらRfのフッ化物イオンとの錯形成について議論する。
島田 耕史; 田中 秀実*; 廣川 智隆*; 齊藤 友比古*; 角森 史昭*
no journal, ,
断層は、地下からの物質移行経路であり、地震・断層活動に伴う断層帯の化学環境変化やその影響範囲を検討するうえで重要である。地下水に溶けて、断層を通過して地表に運ばれた地下深部起源ガスを連続観測するための高汎用性装置開発として、飛騨市宮川町の跡津川断層破砕帯中の地下水溶存ガスの連続観測を、市販の四重極型質量分析計を用い、試料採取・水蒸気除去・導入・測定までの装置の自動化を進めてきた。その結果、約100km離れた大地震(2007年能登半島地震)に同期する希ガス濃度比変動が捉えられるなどの、物質移行経路としての役割が検討可能になってきた。平成19年度のコールドトラップの改造により、地下水起源の水蒸気の影響を大気導入時の影響以下に抑えることに成功した。本装置は、揚水量やガス導入圧を自由に調節できるので、断層帯通過流体研究をさまざまな地域で進めるうえで有効と考えられる。発表では、装置の概要を、得られたデータとともに紹介する。