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森井 志織
放射化学, (51), p.21 - 23, 2025/03
粘土鉱物は、放射性廃棄物地層処分時に放射性核種を吸着して環境中への拡散を防ぐために利用されるが、粘土鉱物構造中のFeの酸化状態は拡散抑制の性能に影響を及ぼす可能性がある。本研究では、地下環境における粘土鉱物への放射性核種の吸着挙動を詳細に明らかにするために、還元環境における粘土鉱物中のFeの酸化状態や配位構造を調べた。標準水素電極電位で-0.5Vの電圧を印加して電解した粘土鉱物構造中のFeの酸化状態と配位構造をメスバウアー分光法により調べたところ、粘土鉱物八面体構造中のFeの一部が3価から2価に還元されたことが明らかになった。本研究で明らかにした粘土鉱物に含まれるFeの化学特性は、基礎知見として放射性廃棄物処分の信頼性向上に貢献する。
蓬田 匠; 大内 和希; 森井 志織; 岡 壽崇; 北辻 章浩; 駒 義和; 今野 勝弘*
Scientific Reports (Internet), 14, p.14945_1 - 14945_11, 2024/06
被引用回数:5 パーセンタイル:40.64(Multidisciplinary Sciences)福島第一原子力発電所3号機建屋滞留水中の固形分の多数の粒子状物質の中から、
核種を含有する微粒子の検出を試みた。
核種濃度の異なる、トーラス室と主蒸気隔離弁室の2か所から採取した試料について分析を行った。大部分の
核種は10
m以上の固形分に存在していた。SEM-EDXを用いる元素分析により、
mサイズのUを主成分とする微粒子を検出した。また、アルファトラック法により検出した粒子では、粒径100
m程度までの鉄粒子上に
核種が分布する様子を観測できた。3号機滞留水中におけるUやその他の
核種の存在形態が明らかになった。
森井 志織; 蓬田 匠; 浅井 志保*; 大内 和希; 岡 壽崇; 北辻 章浩
KEK Proceedings 2023-2, p.132 - 137, 2023/11
放射性廃棄物処分時の安全評価対象核種であるZr-93分析の簡易化法として、溶液化が困難な固体試料に含まれるZr同位体をレーザーアブレーション(LA)-ICP-MSで分析する固体同位体希釈質量分析法(固体IDMS)を検討した。固体放射性廃棄物を模擬した分析試料(模擬固体試料)に固体状のスパイク(同位体参照固体)を添加して作製したIDMS用試料をLA-ICP-MSにより同位体比測定し、固体IDMSの成立性を調べた。その結果、溶解操作を経ずに模擬固体試料中のZr同位体の定量分析が固体IDMSにより可能であることが実証でき、溶液化が困難な放射性廃棄物中Zr-93の新規分析法として実現できる見込みが得られた。
森井 志織; 蓬田 匠; 浅井 志保*; 大内 和希; 岡 壽崇; 北辻 章浩
分析化学, 72(10.11), p.441 - 448, 2023/10
高レベル放射性廃棄物(HLW)等の処分時の安全評価対象核種のひとつであるZr-93のICP-MS定量分析をより迅速化する手法として、Zrを選択的に固相抽出した試料をそのままレーザーアブレーション(LA)してICP-MSで定量分析する技術開発を行った。DGAレジンにZrのみを吸着させる新規Zr固体試料調製法により、試料調製時間を従来よりも大幅に短縮した。Zr固体試料をLA-ICP-MS測定するための最適なレーザー照射条件を検討した。開発した手法をHLW模擬試料中のZr同位体定量に適用した結果、IDMSにより求めた同位体定量値は試料の元素濃度から求めた含有量と不確かさの範囲で一致したため、実際の放射性廃棄物試料中のZr-93についても同様の手順で定量できる見込みを得た。
蓬田 匠; 佐伯 盛久*; 森井 志織; 大場 弘則*; 北辻 章浩
Analytical Sciences, 37(12), p.1843 - 1846, 2021/12
被引用回数:1 パーセンタイル:2.54(Chemistry, Analytical)高レベル放射性廃液(HLLW)中に含まれる長寿命核種である
Pdの存在量を知ることは、HLLWの処分安全評価の観点から重要である。我々は、HLLW等に含まれる
Pdの定量のために、キセノンランプの光照射による簡易で単ステップのPd沈殿分離法を開発した。14元素を含む模擬HLLW試料に、キセノンランプによる光照射を行い、遠心分離によって生成したPd沈殿を回収した。光照射時の照射時間とエタノール濃度の最適化を行った結果、模擬HLLWからのPd回収率は50%に達し、他の13元素は99.5%以上除去された。Pd沈殿中には、HLLW中での主要な放射能源(Sr, Cs, Ba)や、
Pdの定量分析の際に測定妨害となる元素(Zr, Ru)が含まれておらず、開発した分離法は実際のHLLWなどへ適用可能であることが示された。
核種分析,11; 酸浸漬による微粒子及び
核種の溶解挙動蓬田 匠; 森井 志織; 岡 壽崇; 駒 義和; 北辻 章浩
no journal, ,
滞留水固形分の
核種は主に鉄粒子やU粒子として存在している。酸溶液を用いた浸漬により鉄粒子を選択的に溶解し、これらの粒子中の
核種の存在割合を調べることを試みた。固形分中のウランの多くは、他の
核種と同様に鉄粒子上に存在し、U粒子としての存在割合は5%以下であると推察される。
核種分析,7; 1号機原子炉建屋等滞留水のU、Npの分析森井 志織; 大内 和希; 蓬田 匠; 岡 壽崇; 北辻 章浩; 駒 義和; 今野 勝弘*
no journal, ,
福島第一原子力発電所の滞留水中の固形分に含まれる
核種の存在形態調査として、1号機原子炉建屋等の滞留水をフィルタ分画し、そのU及びNp濃度をICP-MSで調べた。これらの元素の大部分は、2、3号機と同様に孔径10
m以上の大きな分画試料に存在するが、滞留水の採取場所によっては0.1
m以下の微細粒子もしくはイオン状で含まれる場合もあることが分かった。
核種分析,9;
核種を含有する微粒子の分析蓬田 匠; 大内 和希; 森井 志織; 岡 壽崇; 北辻 章浩; 駒 義和; 今野 勝弘*
no journal, ,
1号機滞留水中の固形分の粒子状物質の中から、
核種を含有する微粒子を検出し分析した。粒径サブ
mから数
mサイズのUを含む微粒子を検出したところ、Uを主成分とする微粒子と、Uよりも燃料被覆管由来のZrの含有割合が高い微粒子が観測された。また、粒径10
mから数百
m程度のFe粒子への
核種の分布も確認でき、その存在形態は2号機および3号機のトーラス室滞留水の
核種含有粒子と類似していた。
森井 志織; 蓬田 匠; 中田 正美; 岡 壽崇; 北辻 章浩; 高橋 嘉夫*
no journal, ,
本研究では幅広い酸化還元電位における粘土鉱物中の鉄(Fe)の酸化状態や配位構造を調べることで、粘土鉱物中のFeの酸化還元が放射性廃棄物地層処分環境における放射性核種の移行遅延に及ぼす影響を明らかにする。粘土鉱物を特定の電位で電解して鉱物構造中のFeの酸化状態を制御しメスバウアー分光測定した。得られたスペクトルに基づき3価から2価に還元されたFeの割合を求めると共に、その時の2価Feの配位構造を明らかにした。
森井 志織; 蓬田 匠; 中田 正美; 岡 壽崇; 北辻 章浩; 高橋 嘉夫*
no journal, ,
本研究の目的は、環境中における粘土鉱物構造中のFeと共存元素の酸化還元を理解することである。そのため、多様な酸化還元電位(Eh)-pH条件における粘土鉱物構造中のFeの酸化状態を調べている。鉄が含まれる粘土鉱物(ノントロナイト)を特定のEh-pH条件に制御した電気化学セル内で電解し、電解中に流れた電荷量からFeの酸化状態を調べた。その結果、同じEh条件の環境において、pHの違いが粘土鉱物構造中のFeの酸化状態に影響を及ぼすことが明らかになった。
北辻 章浩; 深谷 洋行; 原賀 智子; 岡 壽崇; 大竹 良徳; 丹保 雅喜; 稲田 有紗; 青野 竜士; 木名瀬 暁理; 五十木 理子; et al.
no journal, ,
福島第一原子力発電所(1F)廃炉を円滑に進めるためには、廃炉に伴い発生する放射性核種を含む処理水や廃棄物を安全に処理・処分するための前提となる放射性核種分析に携わる人材の確保が必要である。原子力機構原子力科学研究所では、福島廃炉安全工学研究所とともに、これからの廃炉を担う分析人材の育成事業を開始した。本講演では、若手職員を対象とした分析作業者・分析管理者・技術開発者の育成や夏期休暇実習生の制度を利用した取組み等を述べる。
observation of the re-oxidation behavior of structural iron in montmorillonite by X-ray absorption fine structure森井 志織; 山口 瑛子; Derkowski, A.*; 高橋 嘉夫*
no journal, ,
The redox processes of structural Fe in clay minerals can alter their structure and cation exchange capacity. In this study, X-ray absorption fine structure was applied to observe
the re-oxidation of structural Fe(II) in montmorillonite. We analyzed short-term, time-dependent changes in the oxidation state and coordination environment of structural Fe. The results indicate that the re-oxidation of structural Fe(II) in clay minerals requires more than several hours. One possible explanation is that montmorillonite contains a relatively low amount of structural Fe, which may limit electron transfer within the structure.
柳澤 華代; 五十木 理子; 森井 志織; 岡 壽崇; 北辻 章浩; 深谷 洋行; 原賀 智子; 大竹 良徳; 丹保 雅喜; 稲田 有紗; et al.
no journal, ,
福島第一原子力発電所の廃炉作業を円滑に進めるため、日本原子力研究開発機構(JAEA)は、1Fサイト内に立地する大熊分析・研究センターにおいて、ガレキや伐採木、焼却灰などの放射性廃棄物の分析ならびに多核種除去設備等処理水(ALPS処理水)の第三者分析を行っている。しかし、廃炉作業は長期にわたることに加え、分析対象となる放射性核種は69核種にも及ぶことから、幅広い知識と経験を持つ分析技術者を中長期的に確保・育成する必要がある。この課題を解決するため、発表者らが所属するJAEA原子力科学研究所では、大熊分析・研究センターと連携し、JAEAの若手職員や大学、民間企業からの人材を受け入れ、管理区域内での作業や核種分析技術を実践的に習得してもらうための実習を行っており、今後も積極的に外部人材の受け入れを推進する予定である。本発表では、本事業における原子力科学研究所での人材育成の取り組みについて紹介し、さらに、今後の展望や人材受け入れに関する情報提供を行う。
森井 志織; 蓬田 匠; 中田 正美; 岡 壽崇; 北辻 章浩; 高橋 嘉夫*
no journal, ,
粘土鉱物は環境中において、構造中の鉄(Fe)が電子受容体(Fe(III))、供与体(Fe(II))として働き、共存元素と酸化還元を起こして固定化する性質を持つ。この時の粘土鉱物構造中のFe(構造中Fe)の酸化状態や配位構造の変化を調べることで、構造中Feと共存元素の反応の詳細が明らかになる見込みがある。本発表では、電気化学実験や共存元素との酸化還元反応などにより、構造中Feの酸化状態が変化した試料に対し、Fe-57メスバウアー分光法を用いて構造中Feの酸化状態と配位構造を明らかにした結果を報告する。
森井 志織; 蓬田 匠; 大内 和希; 北辻 章浩
no journal, ,
長寿命放射性核種であるZr-93の分析法の簡易化のために高レベル放射性廃棄物(HLW)中のZr-93を分離し、固体の状態の試料として、レーザーアブレーション(LA)-ICP-MSで定量する手法を開発している。HLW模擬溶液からZr測定の干渉元素を除去するため、抽出クロマトグラフィーレジンにZrを選択的に吸着・保持する分離条件を検討した。溶離液の硝酸濃度を調整することによって、質量分析時の妨害元素をレジンから溶出でき、Zrのみを吸着させた固体試料を作製できる見込みが得られた。
森井 志織; 蓬田 匠; 高橋 嘉夫*
no journal, ,
粘土鉱物は元素を吸着・固定化し、有害元素の環境中での移行を抑制する重要な役割を果たす。一方、バナジウム(V)は環境汚染元素であるとともに放射性核種のアナログ元素として利用されるため、環境中での挙動の解明が重要である。本研究では、粘土鉱物構造中のFe(構造中Fe)の酸化状態および溶液pHが、構造中FeとVの反応および粘土鉱物へのV吸着挙動に及ぼす影響を明らかにするため、モンモリロナイトを用いたV吸着実験を行った。その結果、還元的環境ではVが構造中Fe(II)から電子を受け取り、還元を伴って吸着する可能性が示された。また、高pH条件ではVは還元されにくい傾向が認められた。以上より、低pHの還元環境ではVが粘土鉱物に固定化されやすく、環境中での移行性が低下すると考えられる。
森井 志織; 蓬田 匠; 浅井 志保*; 大内 和希; 岡 壽崇; 北辻 章浩
no journal, ,
本研究では、高レベル放射性廃棄物中のZr-93を簡易に分離し、固体の状態の試料としてレーザーアブレーション(LA)-ICP-MSで分析する手法の開発を目指している。LA-ICP-MSでZr同位体定量分析を行うため、試料作製法の検討とレーザー照射条件の最適化を行った。結果、固体状のZr試料を十分な精確さで同位体測定することが可能となり、分析の簡易化に成功した。
核種分析,1; 3号機滞留水の
核種分析大内 和希; 岡 壽崇; 蓬田 匠; 森井 志織; 北辻 章浩; 駒 義和; 今野 勝弘*
no journal, ,
福島第一原子力発電所3号機の原子炉建屋滞留水に含まれる粒子状固形分の
核種の存在状態の把握の一環として、滞留水を孔径10, 1, 0.1, 0.02
mのフィルタを用いて粒径ごとに分級し、固形分とろ液中のUおよびNp濃度をICP-MSで調べた。どちらの核種も大部分は10
m以上の大きな粒子に存在していること、一部は0.02
m以下の微細粒子もしくはイオン状で滞留水中に存在することなどがわかった。
核種分析,2; SEM-EDXおよびアルファトラック法による
核種を含有する微粒子の検出蓬田 匠; 大内 和希; 森井 志織; 岡 壽崇; 北辻 章浩; 駒 義和; 今野 勝弘*
no journal, ,
3号機滞留水中の固形分の多数の粒子状物質の中から、
核種を含有する微粒子の検出を試みた。SEM-EDXを用いる元素分析により、粒径数百nmから10
m程度のUを主成分とする微粒子を検出した。また、アルファトラック法により、粒径100
m程度までの鉄粒子上に
核種が分布する様子を観測できた。
森井 志織; 高橋 嘉夫*
no journal, ,
本研究では、特定の酸化還元条件下で粘土鉱物構造中鉄(Fe)の酸化状態制御を目的として、電気化学的手法の改良を行った。その結果、一定電位で長時間電解するのみでは、構造中Feの酸化状態を単純には制御できないことが明らかになった。さらに、メスバウアースペクトル測定の結果から、長時間の電解還元により構造中Feの電子状態および配位構造が変化していることが示された。