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長井 修一朗
JAEA-Research 2006-053, 184 Pages, 2006/08
理想気体と純粋凝縮相化合物からなる系の平衡状態を記述する計算コード「CHEEQ」を作成した。「CHEEQ」コードは解析コードzc132.f, 熱力学データベースzmdb01,入力データファイルzindbからなり、元素ガス(max20),気相化合物(max200)及び凝縮相化合物(max100)合わせて200以下の系に対して、気相成分の分圧,凝縮相化合物のモル数の計算が可能である。熱力学データベースzmdb01には約1000の元素,化合物を収録した。そのうち約200個はアクチナイド元素,化合物のデータである。本報告では、化学平衡にかかわる基本方程式とその解法の概要を述べるとともに、計算コードのマニュアルの役目も持たせるために、熱力学データベース,入出力情報についても記載し、利用の便を図った。
長井 修一朗
JNC TN8410 2002-014, 127 Pages, 2003/02
(1)定温・定圧での平衡の基準"Gibbs自由エネルギーは極小"の原理に基づいた、2相2成分及び2相3成分系状態図計算プログラムを作成した。(2)このプログラムを用いて、理想溶液モデルで記述されるUO-PuO系、正則溶液モデルで記述したAg-Au-Cu系状態図の計算結果を評価し、解析プログラムの妥当性を確認した(3)U-O及びPu-O系の固・液相線を最も良く再現するように設定したパラメータを用いたU-Pu-O系状態図は、O/Mの低下に従い小さな極大を持つPu-O系と類似の固・液相線となり、Aitken等及び森本の測定結果と良く一致した。(4)Aitken等によるU-Pu-O系の固・液相線の測定結果は測定精度向上を図る必要があるが、Pu-O系の固・液相線と自己矛盾のない優れた測定データであることが確認できた。
長井 修一朗
JNC TN8410 2001-022, 120 Pages, 2001/10
平成12年6月から平成13年2月にかけて、25回にわたってプルトニウム燃料センターの研究者に対して化学熱力学の講義及び問題演習を行った。本資料はその時の講義に使用したテキストに加筆修正し報告書としてまとめたものである。本テキストの特色は*化学平衡の条件、即ち、・孤立系ではエントロピー極大、・等温等圧系ではGIBBS自由エネルギーが極小、・相平衡では各相のケミカルポテンシャルが等しい、について、それ等を具体的に示すことにより平衡成立条件の理解を容易にした。*核燃料の製造に関係ある熱力学的性質について、詳しく述べた。
長井 修一朗
JNC TN8410 99-019, 97 Pages, 1999/07
20年ほど前の、プルトニウム燃料部の時代より、燃料物性評価の目的で多数の文献が収集され、データ集として取りまとめられている。しかしながら、これらのデータを燃料製造や照射挙動の解析に利用するためには整理・評価し、解析ツールとして、整備する必要が有る。本報告書は、これらの作業の第一ステップとしてUO2,PuO2及びMOX燃料の酸素分圧測定データを整理・評価し、Blackburnモデルを基に、UO2,PuO2及びMOXの酸素分圧(酸素ポテンシャル)解析コード"GO2MOX"を作成した。これまで報告されている多くの測定結果を利用してコードの改良・検証を実施し、"GO2MOX"は測定結果を十分再現しうることを確認した。今後、PuO2及び高O/M領域のMOX燃料についての測定データの充実を図り、その結果を反映することにより、コードの信頼性がより高まるものと考える。
佐藤 博之; 高橋 克郎; 岩田 耕司; 中本 香一郎; 長井 修一朗; 山下 芳興
動燃技報, (100), p.69 - 85, 1996/12
大洗工学センターでは,1970年の開所以来,高速実験炉「常陽」の建設・運転およびFBR基盤技術の蓄積・充実を進めてきた。これらの結果は「もんじゅ」の建設・運転に反映されている。また,「もんじゅ」で発生したナトリウム漏洩事故については,その原因究明に取り組んでいる。今後は,原子力開発利用長期計画に沿って2030年頃までにFBR実用化が可能となるよう技術を極め,さらに,実用化時代の多様なニーズに対応できる技術体系を構築していく。本稿においては,FBR固有技術の柱である安全性,炉心・燃料,高温構造システムの三分野を中心とした研究開発の現状および今後の展開について紹介する。
中江 延男; 長井 修一朗
Proceedings of 3rd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-3), 0 Pages, 1995/00
動燃と米国DOEとの共同研究として、FBR-II炉を利用しての緩慢な過渡出力試験が実施されている。本試験においては、燃料仕様や照射条件の異なる19本の燃料燃料ピンからなる燃料集合体を用いての過渡過出力試験が、これまでに5回実施されており、それらを通じてPNC製被覆管の破損裕度が高いことが実証されている。また、照射後試験や解析評価の結果から、燃料ピンに歪みを生じさせ破損に到らしめるメカニズムは燃料ペレットと被覆管の機械的相互作用(FCMI)であることが明らかになった。本試験で得られたデータは、CEDARをはじめとする燃料挙動解析コードの開発に利用されている。
遠藤 秀男; 森平 正之; 佐藤 俊一; 上村 勝一郎; 長井 修一朗
PNC TN8410 94-003, 115 Pages, 1993/12
現在動燃内で窒化物燃料の実用性評価研究を進めている。窒化物燃料の窒素に天然窒素を使用した場合、炉内でのSUP14/Nの(n,p)反応によるSUP14/Cの発生と増殖比の低下を招くことになるため、窒化物燃料としての特性を活かすためにはSUP15/Nを使用する必要がある。ところが、現在のSUP15/N生産量は小さく価格も約11万円/gと非常に高価である。そのため、生産量を大きくした場合のSUP15/N濃縮コスト評価の必要性が生じ、SUP15/N濃縮研究の第一人者である米国在住の石田孝信教授及びDr.W.Spindelに委託研究としてコスト評価をお願いした。本報告書は委託研究の最終成果報告を動燃の技術資料として再整理したものである。なお、評価に当たってのSUP15/N生産量を100kg/年4,500kg/年に、濃縮度を90%99.7%(または99.9%)に設定した。また、NITROX法の交換反応はH/SUP14/NO/SUB3+SUP15/NOH/SUP15/NO/SUB3+SUP14/NOと表わせる。
遠藤 秀男; 森平 正之; 川瀬 啓一; 佐藤 俊一; 上村 勝一郎; 長井 修一朗
PNC TN8410 93-065, 192 Pages, 1993/04
現在動燃内で窒化物燃料の実用性評価研究を進めている。窒化物燃料の窒素に天然窒素を使用した場合、炉内でのSUP14/Nの(n、p)反応によるSUP14/Cの発生と増殖比の低下を招くことになるため、窒化物燃料としての特性を活かすためにはSUP15/Nを使用する必要がある。ところが、現在のSUP15/N生産量は小さく価格も約11万円/gと非常に高価である。そのため、生産量を大きくした場合のSUP15/N濃縮コスト評価の必要性が生じ、SUP15/N濃縮研究の第一人者である米国在住の石田孝信教授及びDr.W.Spindelに委託研究としてコスト評価をお願いした。本報告書は委託研究の初年度分の成果報告書(英文)を和訳したものである。なお、初年度分の評価に当たってのSUP15/N生産量を50kg/年及び100kg/年に設定した。また、NITROX法の交換反応はH/SUP14/NO/SUB3+SUP15/NOH/SUP15/NO/SUB3+SUP14/NOと表わせる。
野上 嘉能; 加藤 直人; 豊島 光男; 関 正之; 石田 忍; 飛田 典幸; 長井 修一朗
PNC TN8410 93-190, 93 Pages, 1993/03
破損燃料集合体検出装置(FFDL)は、高速実験炉「常陽」炉内で燃料破損が発生した場合、任意の燃料集合体内の燃料要素の破損の有無を同定しようとする装置である。FFDLは、炉停止時に回転プラグ上に据付け燃料集合体内のナトリウムを吸い上げ、ナトリウム中に含まれるFPガスをキャリアガスへ吸着させてFPガス検出装置に導入し、FPガスを検出するものである。昭和60年度には、ガスプレナム部破損に対するFFDLのFP検出性能を確認した。 今回は、燃料カラム部破損に対する検出性能を確認する。このため、FFDL試験用集合体試験用要素(以下、F3Bと称す。)を製造するものである。F3Bは、試験用要素2本、校正用要素1体、ダミー要素27本で構成される。F3Bの試料ペレットは、「常陽」MK-II3次取替用製品ペレットを使用した。F3Bの熱遮蔽ペレットは、「常陽」MK-II取替用熱遮蔽ペレットを使用した。F3Bは、1989年3月に燃料ペレットを受け入れ、1991年4月に要素製造を終了した。本報告書は、要素の製造、加工における諸データを整理、収録したものである。
宮本 寛; 成田 大祐; 森平 正之; 遠藤 秀男; 上村 勝一郎; 長井 修一朗
PNC TN8410 93-009, 69 Pages, 1993/01
プルトニウム燃料工場の製造工程を支援するために実施した試験のうち、1.測温チップ精度確認試験、2.第4容器密度ばらつき評価試験及び3.連続炉運転条件把握試験の結果をまとめた。試験の結果、以下のことが結論として言える。1.測温チップ精度確認試験については、測温チップの材質がAl/SUB2/O/SUB3であることから還元雰囲気中では使用できないと推定される。2.第4容器密度ばらつき評価試験については、密度のばらつきに及ぼす要因は、粉末工程から成形工程までの要因により焼結炉内の装荷位置の要因が大きい。3.連続炉運転条件把握試験については、連続焼結炉を使用しての焼成は、バッチ式焼結炉と比較して問題がない。
宮本 寛; 成田 大祐; 遠藤 秀男; 山本 純太; 上村 勝一郎; 長井 修一朗
PNC TN8410 92-230, 118 Pages, 1992/08
核燃料技術開発部プルトニウム燃料開発室では、「もんじゅ」外側炉心燃料ペレットの量産時の製造条件の確立に寄与するために、小規模試験を実施した。試験の方法は、プルトニウム燃料工場より原料粉及び乾式回収粉を受け入れ、乾式回収粉添加率及びポアフォーマの添加率をパラメータにして、焼結特性との相関を調べた。試験の結果、ペレットの焼結密度、金相写真、Puスポット写真、ペレットの収縮特性に関するデータから判断すると、本試験に使用した粉末の物性値(比表面積、平均粒径)では、ポアフォーマの添加率、乾式回収粉の添加率をコントロールすることで所定の密度にコントロールすることは可能だと思われる。また、焼結ペレット中の不純物(Si,Al,C,N)、ガス不純物とも規格値以内であった。本試験で使用した乾式回収粉は、比較的低温で焼結したペレットの乾式回収粉で活性度の高いものである。今後プルトニウム燃料工場で「もんじゅ」外側炉心ペレットの量産を考慮すると、焼結の進んだペレットから回収した活性度の低い乾式回収粉についても試験をする必要がある。
山本 偉政; 遠藤 秀男; 檜山 敏明; 佐藤 俊一; 山口 俊弘; 上村 勝一郎; 長井 修一朗
PNC TN8410 92-199, 56 Pages, 1992/07
TRU核種含有燃料取扱時には、TRU核種から放出されるガンマ線、中性子線による被ばくの増加が懸念されることから、TRU核種含有燃料取扱時の線量当量評価を実施した。本評価では、まずMOX燃料の線量当量評価に使用してきた解析手法がTRU核種含有燃料の線量当量評価に適用可能か否かを線量当量率測定データに基づき検証した。検証の結果、鉛しゃへいがある場合の計算精度に若干の問題点は残るが、MOX燃料の線量当量評価に使用してきた解析手法は、TRU核種含有燃料の線量当量評価に適用可能と判断した。次に現状のプルトニウム燃料施設のグローブボックスにおいて、TRU核種含有燃料を取扱うことが可能か否かについて、しゃへい能力及び線量当量率の観点から評価した。その結果、現状のプルトニウム燃料施設のグローブボックスにおいてTRU核種含有燃料を取扱う場合、しゃへい能力及び線量当量率の両方の観点から、Amを含有するMOX燃料は、その含有量が2w/oであっても、300gのバッチサイズの製造は無理であると判断した。しかし粉末飛散のないあらかじめ固型化されているサンプル(例えばグリーンペレット)であり、鉛入りグローブ、ピンセットを使用すれば、少量なら取扱が可能であると思われる。
宮本 寛; 川瀬 啓一; 遠藤 秀男; 上村 勝一郎; 山本 純太; 長井 修一朗
PNC TN8410 92-194, 97 Pages, 1992/06
本報では、酸化破砕による乾式回収のための最適条件の把握を行うために、「もんじゅ」内側炉心ペレット(PuO/SUB2富化度21.5wt%)を用いて乾式回収粉添加率をパラメータにしたペレット酸化試験、斜方晶(M/SUB3/O/SUB8-z相)析出確認試験を行い、その結果をまとめた。実施した試験の結果から、酸化温度500度C付近の3時間空気中での酸化により破砕が起こり、乾式回収が適用できる事が確認された。また、この時のX線回析による組織についての分析を行ったところ、MO/SUB2+x相の中にM/SUB3/O/SUB8-z相とみられる相が存在していることが確認され、エッチング後の金相写真による観察においても2相分離が確認された。この事より、酸化破砕はMO/SUB2+x相(面心立方晶)の中に、M/SUB3/O/SUB8-z(斜方晶)相が析出することにより起こると考えられる。しかし、1000度Cで酸化を行ったサンプルでもM/SUB3/O/SUB8-z(斜方唱)相が析出しているのが確認されたが、破砕は認められなかった。この違いは、1000度CではM/SUB3/O/SUB8-z(斜方品)相がPuの移動を伴って結晶粒界から析出するのに対して、500度CではPuの移動を伴わずに粒内から析出することによる違いと推定される。
成田 大祐; 宮本 寛; 森平 正之; 遠藤 秀男; 上村 勝一郎; 長井 修一朗
PNC TN8410 92-186, 82 Pages, 1992/06
「もんじゅ」初装荷燃料製造条件確立試験の一環として、焼結の十分進んだペレットからの乾式回収粉を添加したペレットの製造条件の確立を目的に、プルトニウム燃料工場(以下「Pu工場」という。)より乾式回収粉(LIC51)及び原料粉を受入れ、乾式回収粉添加率及びポァフォーマ(以下「P.f」という。)添加率をパラメータとして焼結特性との相関を調べた。本試験の結果、乾式回収粉添加率の増加に伴い粉末物性及び焼結特性に少なからぬ影響がみられ、粉末物性に対しては、平均粒径、かさ及びタップ密度の増大、比表面積の減少等、また焼結ペレットに対しては、密度の減少が観察された。しかしながら、添加率40W/Oまでの結果からみると、粉末物性及びP.f添加率と焼結密度との間に良い相関がみられ、また強度的に取扱上問題がないことから、添加率40W/Oまでは、上記相関性を考慮した条件設定をすれば製造上問題はないと思われる。なお、焼結ペレットのクラック発生の観点から、造粒圧は低めの方が望ましいと思われる。
芳賀 哲也; 小幡 真一; 河野 秀作; 上村 勝一郎; 長井 修一朗; 馬上 康*
PNC TN8410 92-064, 143 Pages, 1992/04
ATR実証炉において、冷却材喪失事故時に燃料被覆管がバルーニングした場合の、チャンネル内流路形状の変化を調べるため、多数ピンバルーニング試験を実施した。尚、本試験は電源開発株式会社との受託契釣に基づき、新型転換炉技術確証試験の一部として平成2年度から平成3年度に渡って実施したものである。本試験では、冷却材喪失事故条件を模擬して、実証炉集合体の一部を模擬した試験体のうちの被覆管7本を破裂させる方法で、内圧をパラメータとした試験を4体実施し、流路閉塞率を求めた。試験結果をもとに、燃料集合体のバルーニングによる流路閉塞率を検討した結果、集合体全断面の流路閉塞率は最大でも77%であり、再冠水実験に用いられた流路閉塞率条件である78%よりも小さいことが分かった。本試験の結果は、電源開発株式会社が行うATR実証炉冷却材喪失事故時の安全評価に使用される。
大代 操; 上村 勝一郎; 河野 秀作; 高橋 邦明; 長井 修一朗; 宇野 弘樹*
PNC TN8410 92-225, 44 Pages, 1992/03
燃料製造R&Dの課題の1つである、原料粉末特性と燃料ペレット特性との関係を得るため粒子密度、比表面積、粒径・粒度分布測定装置を新しく設置した。試験装置の測定精度、データの信頼性・再現性等の確認や測定条件の最適化を図るため、標準物質を用い上記の装置のコールド試験を実施した。その結果、粒子密度測定において表面に凹凸が見られない試料の場合、公称値(液浸法による)との誤差は約4%以下であり、表面形状が複雑な場合は約16%であった。測定条件については、ガス圧力を0.35kg/cm/SUP2以下にし、試料の脱ガス処理を十分に行うことが必要である。比表面積測定では、測定値が粒子表面形状に大きく依存し、BBT多点法のプロット図で直線の場合は公称値との誤差が5%、曲線の場合は11%であった。測定条件についてはガス分子を試料に吸着させることにより値を求めているので測定前の脱ガス処理を完全に行うことが必要である。また、レーザ回析理論に基づく解析評価式が粒子を球形と仮定しているため、粉末が球状の場合には公称値との誤差が5%以内であったが、球状以外でも10%以内であった。また、測定条件として、粒子が溶媒中で均一に分散していなければならないので測定試料に適した溶媒液を使用しなければならない。なお、原料粉の様に比重が大きいものについては、蒸留水が適していると言われている。以下の結果から、各測定装置の測定精度と最適測定条件を確認することができた。
若林 利男; 鹿倉 栄; 長井 修一朗; 中江 延男; 永井 寛
PNC TN9410 92-052, 56 Pages, 1992/02
本報告書は、「もんじゅ」以降の大型高速炉燃料設計仕様の選定に役立てるため、平成3年に実施した検討の結果をまとめたものである。検討した項目を以下に示す。・炉心燃料設計の方向性・燃料健全性判断基準・炉心燃料設計用物性値これらの検討結果は、実証炉の炉心・燃料設計仕様の選定に有効に反映されるものと期待する。
飛田 典幸; 加藤 直人; 野上 嘉能; 長井 修一朗; 上村 勝一郎
PNC TN8410 91-272, 244 Pages, 1991/11
ペレット製造における不合格品を乾式回収粉原料として再利用することは,原料粉末の有効利用のみならず製品の特性をコントロールする上からも必要不可欠である。本試験は「もんじゅ」初装荷燃料製造に合わせ,乾式回収粉添加がMOX燃料の焼結挙動に与える影響を調べ,プルトニウム燃料工場(以下「Pu工場」という。)での生産性向上に資するとともに広くMOX燃料技術開発の一環として実施した。本試験に用いた粉末はPu工場で「もんじゅ」燃料製造に使用しているものである。試験の結果,乾式回収粉を55w/o添加しても,ペレット製造上大きな問題点は発生しなかった。また,ペレットの焼結密度の標準偏差を小さくするためには,乾式回収粉の添加率に関係なく,ポアフォーマを造粒後でなく造粒前に添加する必要がある。乾式回収粉の添加率が少ない場合には,粉末の活性度が大きいと焼き膨れが生じ,ペレットの焼結密度が大幅に低下する現象が生じた。本試験の結果,今後解決すべき課題として,乾式回収粉の性状の差によるペレット特性への影響及びペレットの焼き膨れメカニズムの解明とその防止策開発がある。これらについては,引き続き試験を行い解決を図っていく予定である。
森平 正之; 成田 大祐; 山口 俊弘; 長井 修一朗; 上村 勝一郎
PNC TN8410 91-236, 72 Pages, 1991/09
プルトニウム燃料工場の「もんじゅ」初装荷燃料製造においては,ペレット中の窒素・蒸発性不純物の残留及び焼結密度のばらつきが課題となった。本報告は,これらの問題点の解決を目的として平成2年5月から実施した試験の結果をまとめたものである。本試験の結果,(1) 予焼・焼結雰囲気を従来のN2-H2ガスからAr-H2ガスに,ポアフォーマをK-3からアビセルに替えることで窒素・蒸発性不純物を「もんじゅ」燃料の仕様内に収めることができる。(2) K-3,アビセル共に,添加量2.0wt%以上あるいは粒径を150m以上とした場合,窒素・炭素不純物量の増加及びO/Mの低下が生じ,「もんじゅ」燃料の仕様を超える場合がある。(3) 焼結密度ばらつきの原因は,MOXの崩壊熱によるK-3の溶融によるところが大きいため,耐熱性に優れたアビセルの採用により改善することができる。(4) 密度安定化のためには,粒径70100mのアビセルを造粒前に添加することが望ましい。(5) プルトニウム燃料工場の工程でバナナ状に曲がったペレットが発生したが,このような変形は焼結性が非常に良いMOX粉末を用い,かつグリーンペレット中のポアフォーマが偏っているときに生じる場合がある。等の知見が得られ,その結果を製造工程に反映することができた。「低密度ペレット製造条件確立試験」は平成3年度一杯継続実施するが,平成2年度末までに終了した不純物低減と密度安定化を中心とした試験の結果を「低密度ペレット製造条件確立試験(I)」として報告する。
西山 元邦; 平子 一仁*; 関 正之; 飛田 典幸; 長井 修一朗; 上村 勝一郎; 豊島 光男
PNC TN8410 91-221, 67 Pages, 1991/08
高強度フェライト/マルテンサイト鋼製被覆管(以下『高強度F/M鋼製被覆管』と称す。)は,日米左同研究に基づき平成4年度から高速増殖炉 実験炉「常陽」のB型特殊燃料集合体としての燃料照射試験が予定されている。ところが高強度F/M鋼製被覆管材は燃料要素加工時の溶接により溶接部近傍が焼入硬化し,延性,じん性等が劣る。そこで溶接後の熱処理が行える装置を新たに開発し,B型特殊燃料集合体の製造に反映させる事が必要となった。溶接部の局部熱処理を行うために装置の設計,製作を行い,装置の基本特性を把握するための性能試験及び熱処理試験を実施した。(1) 規定真空度(110-3Pa)までの到達時間は,約45分であった。(2) プログラムのコントロール機構(昇温,保持,降温)が設定通りに作動することを確認した。(3) 放射温度計の感知温度は,放射温度計の当たる部分の形状の変化によって大きく変わってしまう。(4) 本装置による試料の熱処理において,溶接による焼入れ硬化部の最高硬さは600Hvであったのに対し,熱処理後の溶接部近傍硬さは280320Hvまで軟化している事を確認した。(母材硬さは265Hv)(5) 高周波誘導加熱による溶接部の局部を熱処理する方法を採用し,加熱幅は約5mmに限定でき,且つ,熱処理時間は50分/本と短時間で行なえた。上記の結果から本装置の性能を総合して評価すると,概ね当初の設計性能を満足するものであり,溶接部の熱処理は可能であると判断できる。但し溶接部の形状及び光沢の違いにより熱処理温度にバラツキが生じるため,これらの温度制御の方法の確立と熱処理温度と鋼の焼き戻し硬さの関係の明確化が今後の課題と思われる。