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Thwe, T. A.; 寺田 敦彦; 日野 竜太郎; 永石 隆二; 門脇 敏
Journal of Nuclear Science and Technology, 59(5), p.573 - 579, 2022/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)高レベル放射性合水廃棄物容器内発生している水素の燃焼及び爆発の危険性について注意する必要がある。本研究では、密閉容器内での水素燃焼の特性を調査するためにオープンソースコードOpenFOAMを使用してシミュレーションを行い、初期火炎速度の影響による火炎面の挙動を調べた。初期の層流火炎速度が増加すると、火炎の半径,圧力,温度が増加し、流体力学的効果によりセル状火炎形状は堅牢になったことが分かった。コードの検証分析のために既存の水素-空気爆発実験から導出した火炎速度モデルをコードに実装し、火炎面に格子解像度の影響を明らかにした。格子サイズが小さくなると、火炎面のセル分離がより明確に形成され、火炎半径が大きくなった。シミュレーションによって得られた火炎半径とセル状火炎面は実験結果と合理的に一致した。
熊谷 友多; 永石 隆二; 木村 敦*; 田口 光正*; 西原 健司; 山岸 功; 小川 徹
Insights Concerning the Fukushima Daiichi Nuclear Accident, Vol.4; Endeavors by Scientists, p.37 - 45, 2021/10
福島第一原子力発電所の放射性汚染水の処理では、汚染水から放射性のセシウムやストロンチウムを除去するためゼオライトが吸着剤として用いられる。吸着処理中や処理後の吸着剤保管時には、水の放射線分解で水素が発生する。安全な処理のためには発生する水素量の評価が重要である。そこで、ゼオライト系吸着剤と海水との混合物からガンマ線照射により発生する水素を測定し、処理時の水素発生量を評価した。海水のみ、吸着剤1wt%添加、約50wt%添加の試料について測定した結果、吸着剤量が1wt%では、海水のみの場合と同等の水素発生量であったが、約50wt%では減少した。しかし、約50wt%添加試料で測定された水素発生量は、混合物中の海水の放射線分解からのみ水素が発生するとして見積もった水素量よりも大きく、吸着剤に付与された放射線エネルギーが水素発生に寄与することが示唆された。汚染水中の核種分析の結果を元に、本研究の実験結果から水素発生量を評価した結果、処理前の汚染水1tからは標準状態で3.6mL/h、処理後の吸着剤では高放射線場となるため、吸着剤1tから1.5L/hの水素が発生すると見積もられた。
堀田 拓摩; 山岸 功; 永石 隆二; 柏谷 龍之介*
JAEA-Technology 2021-012, 34 Pages, 2021/07
東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所における多核種除去設備(Advanced Liquid Processing System; 以下「ALPS」という。)および増設多核種除去設備(Improved ALPS)の前処理設備から発生する炭酸塩沈殿物を主とする廃棄物(以下「炭酸塩スラリー」という。)は高性能容器(High Integrity Container; 以下「HIC」という。)に格納されている。このHIC内において、水の放射線分解により発生した水素ガスの炭酸塩スラリー内での保持および、それに伴う容積増加が原因と推定される上澄み水のHIC外部への漏えい事象(溢水)が発生した。この溢水の発生が確認された当時に保管されていた大部分のHICにおいて、外部への溢水は観察されていない。このことはHIC内炭酸塩スラリー自体の性状や気泡の保持特性の理解が溢水発生条件を明らかにする上で重要であることを示唆している。そこで本研究では、溢水したHIC内炭酸塩スラリーの組成を模擬した炭酸塩スラリーを作製し、その炭酸塩スラリーの非放射性条件下での性状および気泡の保持特性を明らかにすることを目的とした。まず、溢水が発生した炭酸塩スラリーの組成を模擬するために、溢水した炭酸塩スラリーが調製された当時のALPS運転条件を調査し、炭酸塩スラリーの主要元素であるマグネシウムとカルシウムの比率を変えた5つの原水を調製した。これら原水から炭酸塩等を沈殿させ、実機ALPSと同じクロスフローフィルタ方式を用いて模擬炭酸塩スラリーを作製した。次に、作製した炭酸塩スラリーの化学分析を実施した。また、沈降試験を実施して沈降層の密度(以下「沈降密度」という。)、降伏応力を測定した。最後に、沈降層への気泡注入試験を実施し、炭酸塩スラリー内部での気泡保持/放出特性について検討した。模擬炭酸塩スラリーは原水組成のカルシウム含有率が高いほど沈降密度が高くなることが分かった。そして、沈降密度が高い模擬炭酸塩スラリーでは沈降層の降伏応力が高く、注入した気泡を保持しやすい傾向が観察された。これらのことから、溢水したHIC内炭酸塩スラリーを模擬するためには原水組成に関する情報が重要であり、また、スラリー内での気泡の保持状況には炭酸塩スラリーの密度が影響を及ぼすことを明らかにした。
松村 太伊知; 永石 隆二; 片倉 純一*; 鈴木 雅秀*
Radiation Physics and Chemistry, 166, p.108493_1 - 108493_9, 2020/01
被引用回数:1 パーセンタイル:16.13(Chemistry, Physical)原子炉内のSUS等の構造材料は、電離放射線の環境に晒されるため腐食や劣化が起こる。材料の厚さが異なると周囲の線質が変化して腐食等の程度が変わると予測されるが、これまでの研究ではこの影響について検討されていない。そこで本研究では、水中のSUS304板の表側にガンマ及びベータ線源を置いた際の、板の表裏両側での二次放射線(光子、電子)のエネルギースペクトルを板の厚さ、並びに線源と板の間隔を変えて解析的に評価した。Csガンマ線の場合、板の厚さに対するスペクトルの依存性は裏側でより明確だった。
Sr、
Yベータ線の場合、スペクトルはガンマ線の場合と明らかに異なり、裏側では電子のスペクトルは光子より遥かに低下した。このように、スペクトルが入射放射線の種類、材料の厚さ、線源と板の間隔によってどのように変化するかを明らかにするとともに、入射放射線に対する二次放射線のエネルギー低下を議論した。
松村 太伊知; 永石 隆二; 片倉 純一*; 鈴木 雅秀*
Nuclear Science and Engineering, 192(1), p.70 - 79, 2018/10
被引用回数:1 パーセンタイル:12.83(Nuclear Science & Technology)これまでTMI-2事故時の汚染水処理に用いた水没式の脱塩システム(SDS)に対して、アスペクト比の小さな吸着塔を円筒形状に近似して、その軸方向のみを対象にしたgammaスキャニングに関する解析的研究を進めてきた。本研究では、事故時の報告書をもとに再現した現実系の軸方向のスキャニングを模擬した計算を行い、円筒形状の結果と比較するとともに、径方向のスキャニングも新たに試みて、吸着塔内の核種分布の3次元評価の可能性を模索した。吸着塔の上面および底面からの径方向のスキャニングの模擬計算では、ゼオライト充填層中に仮想的なディスク形状とシェル形状に設定したCs-137がそれぞれ明瞭に観察可能であることを確証した。
永石 隆二
Radioisotopes, 66(11), p.601 - 610, 2017/11
冷却水喪失事故を代表とするシビアアクシデント(過酷事故)において水の放射線分解は事故時及びその後の廃止措置、廃棄物処理・処分等で、爆発源となる水素の発生、並びに腐食等の接水材料の劣化の要因となる。さらに、福島第一原子力発電所(1F)事故では平常時には到底考えられない海水が投入されたことで、これらの現象がより複雑となった。本記事では特集「最新放射線化学」の応用編において原子力に関連した放射線化学の最新の成果として、1F事故以降進めてきた研究について、海水塩分、固体共存、工学的条件をキーワードに紹介・解説する。
本岡 隆文; 永石 隆二; 山岸 功
QST-M-2; QST Takasaki Annual Report 2015, P. 95, 2017/03
福島第一原発での汚染水処理で炭酸塩スラリーが発生し高性能容器(HIC)に保管されている。HIC上のたまり水発生原因を推察するため、高崎量子応用研究所のコバルト照射施設で模擬炭酸塩スラリーに実機HICよりも高吸収線量率で線を照射した。炭酸塩濃度95g/Lのスラリーに
線を8.5kGy/h照射すると、水位上昇、スラリー内の気泡発生、上澄液の出現、ガス放出を観察した。本試験結果より、水位上昇の原因はスラリー内のガス蓄積による体積増加と推察された。HIC上のたまり水発生に、ガス蓄積によるスラリーの体積増加が示唆された。
永石 隆二; 本岡 隆文; 山岸 功
Proceedings of 2016 EFCOG Nuclear & Facility Safety Workshop (Internet), 6 Pages, 2016/09
多核種除去設備(ALPS)の高性能容器(HIC)中で起きた炭酸塩スラリーの液位上昇に伴うたまり水発生は、スラリー中のSr-90等からのベータ線による放射線分解に起因すると考えられるが、詳細は明らかにされておらず、その原因究明に関する実験的研究を東電、東芝、栗田工業と協力しながら段階的に進めてきた。実験では、水素が主要なガス生成物であり、海水成分のハロゲン化物イオンだけでなく凝集沈殿処理剤の炭酸イオンによってもその発生が促進されることがわかった。また、水素が溶存種から気泡に変わり高粘度のスラリーに保持されることで、スラリーの容積変化(膨張)が起こるとともに、照射下で特異に上澄み水が形成されることがわかった。
松本 義伸*; Do, Thi-Mai-Dung*; 井上 将男; 永石 隆二; 小川 徹
Journal of Nuclear Science and Technology, 52(10), p.1303 - 1307, 2015/10
被引用回数:4 パーセンタイル:35.41(Nuclear Science & Technology)酸化物等の固体材料が水中に添加されると、放射線分解による水素発生が増大することが知られている。本研究では、シビアアクシデント後のデブリが共存する炉水からの水素発生挙動を予測するため、水の線分解による水素発生に対する、ジルコニウム酸化物またはジルカロイ4の酸化生成物の添加効果を調べた。
線のエネルギーが水と酸化物に与えられ、それぞれで独立して水素が発生するとした場合の、酸化物の寄与分は水中に共存する重量分率の増加とともに飽和に達する傾向を示し、海水中よりも純水中の方が顕著であった。また、その寄与分は結晶構造や組成によらず、粒子サイズあるいは比表面積に強く依存していることがわかった。
上地 優; 谷口 昌司*; 西畑 保雄; 永石 隆二; 田中 裕久*; 平田 慎吾*; 原 未来也; 日野 竜太郎
E-Journal of Advanced Maintenance (Internet), 7(1), p.84 - 89, 2015/05
原子力発電所の事故対策の一つである水素影響緩和に対して、新形式の静的触媒式再結合器が開発中である。この再結合器は、重量削減や水素処理能力の増加、耐環境性、製品品質の向上を目指し自動車用モノリス触媒を用いる。本研究では、水素-酸素再結合反応における活性化エネルギーを検討すると共に、原子炉内特有の環境条件である放射線への耐性について実験的評価を行った。その結果、活性化エネルギーは5.75kJと低い値を示すことを明らかにした。また、照射触媒の分析を行った結果、成分分布に有意な変化は認められない。さらに、照射触媒の反応試験を実施したところ、照射触媒が、未照射触媒と比較して反応性が向上することが分かった。
永石 隆二
原子力・量子・核融合事典,4, p.106 - 107, 2014/12
原子力では放射性核種及び核反応を取り扱うため、施設や装置は線,
線等の放射線に晒される。このような放射線場では装置や機器、材料が放射線損傷・分解で劣化して、本来もつ、あるいは期待される機能や性能が低下する可能性がある。また、施設や作業の工程によって、取り扱う放射性核種や核反応の量及び質が異なるため、異なる放射線場が形成され、劣化や機能低下の程度が異なる。原子力での放射線効果として、原子炉内部の腐食ならびに炉水環境の制御、原子力施設でのケーブル等の劣化等も挙げられるが、ここでは、核燃料サイクルの後段にあたるバックエンドである、再処理と地層処分での放射線効果について解説する。
上地 優; 谷口 昌司*; 西畑 保雄; 永石 隆二; 田中 裕久*; 平田 慎吾*; 原 未来也; 日野 竜太郎
Proceedings of 2nd International Conference on Maintenance Science and Technology (ICMST-Kobe 2014), p.87 - 88, 2014/11
原子炉におけるSAMのひとつである水素影響緩和のため、新形式の静的触媒式再結合器が開発されている。これは、重量削減や水素処理性能、環境耐性及び製品品質の向上のため、自動車用のモノリス担体触媒をもとに開発が進められている。本研究では、触媒の基本性能を明らかにするため水素再結合反応における活性化エネルギーを評価した。また、線照射による劣化に関する評価も併せて実施した。実験結果から、量論組成ガス供給において、活性化エネルギーは5.7kJ/molと算出された。また、1.0MGyまでの
線照射では、劣化が生じることはなく、むしろ触媒活性を増加させる効果があることが分かった。
永石 隆二; 森田 圭介; 山岸 功; 日野 竜太郎; 小川 徹
Proceedings of 2014 Nuclear Plant Chemistry Conference (NPC 2014) (USB Flash Drive), 9 Pages, 2014/10
スリーマイル島原子力発電所(TMI-2)の冷却水喪失事故で発生した汚染水を処理した吸着塔(SDSベッセル)に対しては、残水量、放射線分解による水素の発生、ゼオライトに吸着したCsの分布等が実際の吸着塔を用いて大規模に測定され、その結果は吸着塔のサイズや構造の情報とともに公開されている。本研究ではTMI-2事故で使用した吸着材を用いて、水蒸気吸着挙動等の表面構造の測定、並びに
線照射による水素発生の測定といった小規模な試験を行い、そこで得た最新の結果と公開情報をもとに、TMI-2事故での吸着塔内の吸収線量率及び水素発生率の再評価を試みた。本研究で行った評価の手順及び結果は、福島第一原子力発電所事故の汚染水処理で発生する廃吸着塔の内部で起こる水素発生の挙動を把握する上でも重要である。
永石 隆二; 井上 将男; 日野 竜太郎; 小川 徹
Proceedings of 2014 Nuclear Plant Chemistry Conference (NPC 2014) (USB Flash Drive), 9 Pages, 2014/10
福島第一原子力発電所事故では破損した原子炉施設の冷却のために海水を使ったため、スリーマイル島原子力発電所の冷却水喪失事故とは異なり、事故後に発生した汚染水に海水成分が含まれた。これに伴い、腐食や水素発生と密接に関係する、海水の放射線分解の反応計算がいくつかのグループによって行われたが、それらは1次収量や放射線誘起反応の塩濃度依存性(塩効果)を考慮していないため、広範囲の塩濃度に対して適用できない。そこで、本研究では、1次収量の塩効果を示す定常照射実験の結果、並びに反応の塩効果を示すパルス照射実験(パルスラジオリシス)の結果をもとに、海水の希釈及び濃厚系での放射線分解挙動に関する考察を試みた。
山岸 功; 永石 隆二; 加藤 千明; 森田 圭介; 寺田 敦彦; 上地 優; 日野 竜太郎; 佐藤 博之; 西原 健司; 津幡 靖宏; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 51(7-8), p.1044 - 1053, 2014/07
被引用回数:15 パーセンタイル:74.86(Nuclear Science & Technology)福島第一原子力発電所の放射性塩水の処理で発生した使用済ゼオライト吸着塔の安全保管を目的として、ゼオライト系吸着材Herscheliteの基礎特性を研究し、水素発生及び容器の塩分腐食を評価した。Herschelite試料の水素発生量は、試料の水位と溶存種に依存する。これは、発生した水素が、水面へ拡散移動する過程で、ラジカルにより酸化されるためである。このような水の液深効果を考慮して、海水あるいは純水に浸かったHerscheliteからの水素発生率を評価した。これら基礎特性データを用いて、基準となる崩壊熱504Wの吸着塔内の水素濃度を熱流動解析した。その結果、塔内に残留する洗浄水の有無に係わらず、水素濃度は爆発下限界(4%)に至らないと評価された。吸着塔容器材料であるステンレス鋼SUS316Lの定常腐食電位は、吸収線量率とともに増加したが、Herscheliteを共存させることで増加が抑制された。崩壊熱504Wの吸着塔底部の環境は750Gy/h-60C以下と評価され、20,000ppmCl
濃度以下では、Herscheliteと接触した316L鋼の局部腐食は直ちに発生しないと考えられる。
熊谷 友多; 木村 敦; 田口 光正; 永石 隆二; 山岸 功; 木村 貴海
Journal of Nuclear Science and Technology, 50(2), p.130 - 138, 2013/02
被引用回数:28 パーセンタイル:90.79(Nuclear Science & Technology)Hydrogen production by -radiolysis of the mixture of mordenite, a zeolite mineral, and seawater was studied in order to provide basic points of view for the influences of zeolite minerals, of the salts in seawater, and of rise in temperature on the hydrogen production by the radiolysis of water. These influences are required to be considered in the evaluation of the hydrogen production from residual water in the waste zeolite adsorbents generated in Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Station. As the influence of the mordenite, an additional production of hydrogen besides the hydrogen production by the radiolysis of water was observed. The additional hydrogen can be interpreted as the hydrogen production induced by the absorbed energy of the mordenite at the yield of 2.3
10
mol/J. The influence of the salts was observed as increase of the hydrogen production. The influence of the salts can be attributed to the reactions of bromide and chloride ions inhibiting the reaction of hydrogen with hydroxyl radical. The influence of the rise in temperature was not significantly observed up to 60
C in the mixture with seawater. The results show that the additional production of hydrogen due to the mordenite had little temperature dependence.
山岸 功; 永石 隆二; 寺田 敦彦; 上地 優; 加藤 千明; 森田 圭介; 西原 健司; 津幡 靖宏; Ji, W.*; 福島 久志*; et al.
IAEA-CN-211 (Internet), 5 Pages, 2013/01
福島第一原子力発電所事故では、損傷炉心の冷却のために大量の放射性汚染水が発生した。塩水を含む汚染水処理にはゼオライトによるセシウム吸着が適用されたが、使用済ゼオライトは高放射能廃棄物となるため、その安定保管が喫緊の課題である。原子力機構は水処理設備の運転で生じる二次廃棄物管理の研究開発を実施しており、使用済ゼオライトの安定保管に関しては、性状の調査及び現行保管方法の有効性評価を行っている。評価においては、崩壊熱の影響、水の放射線分解による水素発生、塩水に曝された容器の健全性を考慮する必要がある。本発表では、これまでに得られた成果について報告する。
石田 圭輔*; 斉藤 拓巳*; 青柳 登; 木村 貴海; 永石 隆二; 長崎 晋也*; 田中 知*
Journal of Colloid and Interface Science, 374(1), p.258 - 266, 2012/05
被引用回数:26 パーセンタイル:55.96(Chemistry, Physical)Time-resolved laser fluorescence spectroscopy is an effective speciation technique for fluorescent metal ions, which can be further extended by the parallel factor analysis. The adsorption of Eu on kaolinite as well as gibbsite as a reference mineral was investigated by TRLFS together with batch adsorption measurements. The PAFAFAC modeling provided the fluorescence spectra, decay lifetimes and relative intensity profiles of three Eu
surface complexes with kaolinite; an outer-sphere complex and two inner-sphere complexes. Their intensity profiles qualitatively explained the measured adsorption of Eu
. Based on the TRLFS results in varied H
O/D
O media, it was shown that the outer-sphere complex exhibited more rapid fluorescence decay than Eu
aquo ion, because of the energy transfer to the surface. Factor B was an inner-sphere complex, which became dominant at relatively high pH, high salt concentration and low Eu
concentration. Its spectrum and lifetime were similar to those of Eu
adsorbed on gibbsite, suggesting its occurrence on the edge face of the gibbsite layer of kaolinite. From the comparison with the spectra and lifetimes of crystalline or aqueous Eu(OH)
, factor C was considered as a poly-nuclear surface complex of Eu
formed at relatively high Eu
concentration.
熊谷 友多; 永石 隆二; 木村 敦; 田口 光正; 西原 健司; 山岸 功; 小川 徹
日本原子力学会和文論文誌, 10(4), p.235 - 239, 2011/12
福島第一原子力発電所の放射性汚染水の処理では、汚染水から放射性のセシウムやストロンチウムを除去するためゼオライトが吸着剤として用いられる。吸着処理中や処理後の吸着剤保管時には、水の放射線分解で水素が発生する。安全な処理のためには発生する水素量の評価が重要である。そこで、ゼオライト系吸着剤と海水との混合物から線照射により発生する水素を測定し、処理時の水素発生量を評価した。海水のみ、吸着剤1wt%添加,約50wt%添加の試料について測定した結果、吸着剤量が1wt%では、海水のみの場合と同等の水素発生量であったが、約50wt%では減少した。しかし、約50wt%添加試料で測定された水素発生量は、混合物中の海水の放射線分解からのみ水素が発生するとして見積もった水素量よりも大きく、吸着剤に付与された放射線エネルギーが水素発生に寄与することが示唆された。汚染水中の核種分析の結果を元に、本研究の実験結果から水素発生量を評価した結果、処理前の汚染水1tからは標準状態で3.6mL/h、処理後の吸着剤では高放射線場となるため、吸着剤1tから1.5L/hの水素が発生すると見積もられた。
永石 隆二
放射線化学(インターネット), (92), p.15 - 21, 2011/09
福島第一原子力発電所の放射性汚染水処理において、処理前の汚染水,バッチ法やカラム法による吸着処理,処理後の廃棄ゼオライトを想定して、それぞれの放射線エネルギー吸収量を見積もり、これとCo
線による照射実験で決定した水素発生収量から、各ケースでの水素発生率を評価した。ここで、処理前とバッチ処理時の水素発生率を汚染水1tあたりで約0.2mmol/h、カラム処理時と処理後の水素発生率を約39mmol/hと評価した。さらに、吸着塔内での水素発生率に及ぼす脱水などの影響や、酸素の発生について議論するとともに、汚染水処理における放射線効果として吸着核種の保持や金属材料の腐食についても議論した。