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中嶋 薫*; 永野 賢悟*; 鈴木 基史*; 鳴海 一雅; 齋藤 勇一; 平田 浩一*; 木村 健二*
Applied Physics Letters, 104(11), p.114103_1 - 114103_4, 2014/03
被引用回数:6 パーセンタイル:25.97(Physics, Applied)In the secondary ion mass spectrometry (SIMS), use of cluster ions has an advantage of having a high sensitivity of intact large molecular ions over monatomic ions. This paper presents further yield enhancement of the intact biomolecular ions with measuring the secondary ions emitted from a self-supporting thin film in the forward direction, which is the same direction as primary beams. Phenylalanine amino-acid films deposited on self-supporting thin SiN films were bombarded with 5-MeV C ions. Secondary ions emitted in the forward and backward directions were measured under the bombardments of the SiN and phenylalanine sides, respectively. The yield of intact phenylalanine molecular ions emitted in the forward direction is about one order of magnitude larger than the backward direction, while fragment ions of phenylalanine molecules are suppressed. This suggests a large potential of transmission cluster-ion SIMS for the analysis of biological materials.
中嶋 薫*; 丸毛 智矢*; 永野 賢悟*; 木村 健二*; 鳴海 一雅; 齋藤 勇一
no journal, ,
高分子/生体分子の二次イオン質量分析においては目的の分子を壊さずに効率よくイオン化して放出させることが重要になる。我々はアミノ酸試料(フェニルアラニン)の基板に自立薄膜(非晶質SiN)を使用して、MeV Cイオンを基板(SiN)側から照射することで前方(下流)に放出される分子イオン収量の向上及び分子イオンの断片化(フラグメンテーション)抑制に関わる有効性を調べている。これまでに二次イオン出射面での一次イオンからのエネルギー付与密度がCイオンによるものよりも、Cが解離して炭素原子間距離が広がることによりエネルギー付与密度が適度に小さくなった方が無傷の分子イオン収量が向上し、かつ断片化がより抑制されることを明らかにした。今回は、試料の上流に設置した別のSiN薄膜でCイオンを分解させて得た、60個の炭素原子(イオン)を同時に試料に照射したときの二次イオンの質量分析を行った。すなわち、炭素原子間距離が極端に大きい場合を検討した。その結果、フェニルアラニンの分子イオン収量は0であり、また、フェニルアラニン分子に特徴的な高分子量フラグメントイオンは収量が相対的に小さくなった。この結果は、高い分子イオン収量と断片化の抑制を両立させるためには、クラスター照射によってもたらされる適度なエネルギー付与密度が重要であることを示唆している。
永野 賢悟*; 中嶋 薫*; 鈴木 基史*; 木村 健二*; 鳴海 一雅; 齋藤 勇一
no journal, ,
高分子や生体試料を高感度に分析できるという理由から、クラスターイオンやMeV重イオンを用いた2次イオン質量分析法(SIMS)が医学や生命科学の分野で近年注目されている。高分子・生体試料の質量分析に応用するには、試料を構成する高分子がイオン化する際のフラグメンテーションを極力抑えることが非常に重要である。なぜならフラグメテーションのために、質量スペクトルの解析が非常に複雑になるからである。そこで本研究では、2次イオンのフラグメンテーションの抑制を目的として、SiN薄膜上にフェニルアラニンを蒸着し、試料の背面から6MeVのCuと5MeVのCイオンを照射することによって前方に放出される2次イオンの質量分析を行い、フラグメンテーション抑制効果及び分子イオン収率向上に関する有効性を調べた。その結果、Cuイオンと比べ、Cイオンの場合はフラグメンテーションを抑えることに有効であり、さらにフェニルアラニン分子イオンの収率が約8倍に増えることがわかった。
永野 賢悟*; 中嶋 薫*; 鈴木 基史*; 木村 健二*; 鳴海 一雅; 齋藤 勇一
no journal, ,
近年、医学や生命科学の分野での利用が進んでいる二次イオン質量分析法(SIMS)による生体分子の分析において、多種類のフラグメントイオンが大量に発生すること(フラグメンテーション)が、分子の同定を困難にしている。これまでの研究から、クラスターイオンを一次イオンに用いればフラグメンテーションが避けられ、無傷の分子イオン収量の向上に有効であることが分かっている。その一方で、炭素薄膜上に生体分子を塗布し、炭素薄膜側から一次イオンを照射した時に前方に放出される二次イオンと、生体分子側から一次イオンを照射した時に後方に放出される二次イオンとでは、前者で収量が高いことが報告されている。そこで本研究では、これらの手法を組み合わせ、無傷の分子イオン収量のさらなる向上を目的とした。窒化ケイ素薄膜上に生体分子のフェニルアラニンを蒸着した試料に、薄膜側及び生体分子側から5MeVのCを照射し、前方及び後方に放出された二次イオンの質量分析を行った。得られた質量スペクトルを比較した結果、薄膜側から照射して前方に放出された二次イオンの方がフラグメンテーションが少なく、無傷の分子イオン収量の向上に有効であることが確かめられた。
永野 賢悟*; 中嶋 薫*; 鈴木 基史*; 木村 健二*; 鳴海 一雅; 齋藤 勇一
no journal, ,
近年、医学や生命科学の分野での利用が進んでいる二次イオン質量分析法(SIMS)による生体分子の分析において、多種類のフラグメントイオンが大量に発生すること(フラグメンテーション)が、分子の同定を困難にしている。これまでの研究から、クラスターイオンを一次イオンに用いればフラグメンテーションが避けられ、無傷の分子イオンの収量向上に有効であることがわかっている。本研究では、SIMSにおける無傷の分子イオンのさらなる収量向上を目的として、生体試料の基板に薄膜を使用して、フラグメンテーションが少ないことが期待できるクラスターイオンを背面から照射することで前方の分子イオン収量の向上に関わる有効性を調べた。窒化ケイ素薄膜に生体分子(フェニルアラニン)を蒸着した試料に、薄膜側あるいは生体分子側から5MeVのCイオンを照射し、それぞれ前方あるいは後方に放出された二次イオンの質量分析を行った。得られた質量スペクトルを比較した結果、薄膜側から照射して前方に放出された二次イオンはフラグメンテーションが少なく、この手法が無傷の分子イオンの収量向上に有効であることが確かめられた。
中嶋 薫*; 永野 賢悟*; 鈴木 基史*; 鳴海 一雅; 齋藤 勇一; 平田 浩一*; 木村 健二*
no journal, ,
Secondary-ion mass spectrometry has been much improved in sensitivity to large molecular ions with large clusters as primary ions, such as C ions, Ar cluster ions, water cluster ions and so on in the last two decades. In this study, further enhancement of sensitivity to the intact organic molecular ions is demonstrated with measuring secondary ions emitted in the forward direction by transmission of swift cluster ions through a film target. Thin phenylalanine films (20-100 nm thick) deposited on self-supporting SiN membranes (20 or 50 nm thick) were bombarded with 5-MeV C ions. Mass distributions of positive secondary ions emitted in the forward direction were measured using a time-of-flight technique under the bombardment of the SiN side, as well as those in the backward direction under the bombardment of the phenylalanine side. Measurements with primary 6-MeV Cu ions were also carried out for comparison. The yield of intact phenylalanine molecular ions emitted in the forward direction is significantly enhanced compared to that in the backward direction, while yields of small fragment ions are suppressed. The behaviors of the enhancement and suppression both for 5-MeV C ions and for 6-MeV Cu ions will be discussed in terms of density distribution of energy deposited to the surface of the phenylalanine side.
中嶋 薫*; 永野 賢悟*; 鈴木 基史*; 鳴海 一雅; 齋藤 勇一; 平田 浩一*; 木村 健二*
no journal, ,
高分子/生体分子の二次イオン質量分析(SIMS)において高感度の測定を行うためには、目的の分子を壊さずに効率よくイオン化して放出させることが重要である。そこで分子イオンの収量が多い透過SIMSに、分子の断片化抑制効果が高いクラスターイオンを一次イオンとして用いる方式の有効性について調べた。非晶質SiN自立薄膜にアミノ酸(フェニルアラニン)薄膜を真空蒸着した試料に、SiN側から5MeV Cイオンを照射し、透過したイオンによって試料より前方に放出される二次イオンを質量分析し、フェニルアラニン側から照射して後方に二次イオンが放出される場合と比べた。その結果、分子イオンの収量向上及び分子イオンの断片化抑制の効果が高いことが認められた。これは、フェニルアラニン薄膜表面において60個の炭素イオン/原子が十分に近接している状態(後方放出の場合)か適度に離れている状態(前方放出の場合)かで、入射イオンによるエネルギー付与密度が異なっていることを考慮すると定性的に説明できる。これによりMeV領域の高速Cイオンを用いて二次イオンを前方に放出させる透過SIMSが高分子/生体分子の分析に対して有望な手法であることを示した。