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報告書

東濃地域に設置された電磁ACROSSの研究開発の概要

中島 崇裕; 國友 孝洋; 熊澤 峰夫*; 長尾 大道*

JAEA-Research 2010-014, 66 Pages, 2010/07

JAEA-Research-2010-014.pdf:3.11MB

結晶質岩工学技術開発グループで行っている工学技術に関する研究として、「研究坑道の施工対策技術の開発」においては、研究坑道周辺の地質環境の時間的変化を把握することや、「安全性を確保する技術」においてはコンクリートライニングの健全性を評価できる技術が必要であると考えられる。これらとは独立に、地震研究をその目的とした陸域地下構造フロンティア研究プロジェクトの一環として研究開発されたACROSS(Accurately Controlled Routinely Operated Signal Systemの頭文字をとったもの)は、そこで培われた技術(信号の送受信技術並びにデータの解析技術)は非常に汎用性に富むものである。そこで超深地層研究所計画における工学技術の一環として、坑道掘削による坑道周辺の地質環境の時間的変化や研究坑道の健全性の監視技術として利用可能かどうかについて2007年度から3年間を目途に検討を進めている。これまでに瑞浪超深地層研究所周辺の新規観測点の設置と、データ収集・解析が継続中である。本報告書は、常時観測システムであるACROSSのうち、電磁波を用いた研究開発において得られた成果のうち、主として技術的な要件をまとめたものである。

論文

EM-ACROSS system and corresponding tensor transfer functions in diffusion field region

中島 崇裕; 國友 孝洋; 長尾 大道*; 熊澤 峰夫; 茂田 直孝

Handbook of Geophysical Exploration; Seismic Exploration, Vol.40, p.177 - 191, 2010/03

地下の電磁気的状態をモニタリングするための人工ソースを用いた探査手法を開発し、電磁アクロスと名づけた。この手法では使用する周波数帯に関係なく応用ができる。東濃地域に2方向の接地ダイポールにより送信するシステムを設置し、500Hz以下の拡散場領域での探査が行えるようになった。試験観測として、950m離れた受信点で観測をし、精密なテンソル伝達関数を取得することができた。この試験観測を1か月以上続け、降雨に対応した変動も見られた。

論文

Stacking strategy for acquisition of an ACROSS transfer function

長尾 大道*; 中島 崇裕; 熊澤 峰夫; 國友 孝洋

Handbook of Geophysical Exploration; Seismic Exploration, Vol.40, p.213 - 227, 2010/03

Development of a powerful staking technique is important in the active monitoring in order to enhance effectively the signal-to-noise ratio(SNR) by utilizing not only quiet nighttime data but also noisy daytime data. Here we propose a staking technique for data obtained by the Accurately Controlled Routinely Operated Signal System(ACROSS) with a reasonable method for noise level evaluation. An essential point is that the SNR would enhance by a data stacking in reciprocal proportion to the square root of the time period of observation. We show an application of this stacking method to real seismic and electromagnetic data and obtained at our observation test site of ACROSS.

報告書

Development of ACROSS (Accurately Controlled, Routinely Operated, Signal System) to realize constant monitoring the invisible Earth's interiors by means of stationary coherent elastic and electromagnetic waves

熊澤 峰夫; 國友 孝洋; 中島 崇裕; 鶴我 佳代子*; 羽佐田 葉子*; 長尾 大道*; 松本 裕史*; 笠原 順三*; 藤井 直之; 茂田 直孝

JAEA-Research 2007-033, 155 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-033.pdf:11.04MB

本件は、アクロス(Accurately Controlled, Routinely Operated, Signal System)と呼ばれる新しい地下探査技術の開発に関する成果報告書である。アクロス研究は、1996年6月から2006年3月まで、陸域地下構造フロンティア研究プロジェクトとして、東濃地科学センターが主体となって行ってきた。アクロスは、地下の構造と物理的な状態とを探査あるいは監視するために考案された理論体系に基づいて、それを実現するためのさまざまな要素技術を一つの技術体系として統合したものである。本報告書では、東濃鉱山のテストサイトで行われたさまざまな研究を中心に紹介する。また、10年間に及ぶ開発成果を応用して、幌延深地層研究センターで地下の時間変化を捉えようとする「遠隔監視システムの開発」や静岡県における東海地震の想定震源域の常時監視研究などが進められている。アクロスの技術としての熟成は、日進月歩で進んでおり、地下の研究に加えて、建造物などのヘルスモニタリングへの適用なども開始されてきている。

論文

電磁アクロス長距離送受信実証実験

中島 崇裕; 長尾 大道*; 佐柳 敬造*; 野田 洋一*; 長尾 年恭*; 熊澤 峰夫; 羽佐田 葉子*

東海大学海洋研究所研究報告, (28), p.21 - 28, 2007/03

中部地域において、電磁アクロスの信号が数十kmの遠方でも観測できるかを確かめるために、試験観測を行った。遠方まで届くと予想される周波数帯域を選び、精密同期,常時送信をすることにより、伝播してきた信号を確認することができた。この信号レベルは、通常はノイズに埋もれている大きさしかないので、他の観測を妨害しない。今回は、送信電流ダイポール軸の方向により受信信号の振幅の違いが確認された。この原因は地下構造の異方性によると考えられるので、今回の結果だけでなく、近傍の観測と照らし合わせながら、明らかにしていく必要がある。この異方性の変動は地下応力の変動と対応することが予想される。本試験では、狭い周波数帯での信号のみを扱ったが、周波数によって電磁波伝播の影響する範囲が異なるので、その周波数依存性も地下の情報として重要である。

論文

海底ケーブルを用いた地殻電気伝導度変化検出の可能性について

中島 崇裕; 熊澤 峰夫; 長尾 大道*

Conductivity Anomaly研究会2006年論文集, p.119 - 120, 2006/03

東海地震想定断層面の縁にあたる豊橋沖の海底ケーブルを科学的に利用することが検討されている。本研究では、地震発生と関係が深いとされている地中の水の存在を調べるのに有効な、電磁波を用いた探査法の一つとして、この海底ケーブルの給電線を電磁波送信源とし、その電磁波を使った地殻電気伝導度探査の可能性について検討した。励起される電磁波強度は、地下を水平成層構造と近似したもので求め、基本となる地下構造や、電磁場ノイズレベルをこれまでに報告された数値を用いた。この見積もりによって、海底ケーブルの給電線を用いて、地下からの信号を捕らえやすい0.01から1Hzの周波数範囲の間で、10km程度までの探査に使える可能性が確認された。

論文

Source-Receiver Distance Dependence of the EM-ACROSS Signals

長尾 大道; 中島 崇裕; 國友 孝洋; 熊澤 峰夫; 長尾 年恭*; 佐柳 敬造*; 野田 洋一*; 原田 誠*

Proceedings of 2nd International Workshop Active Geophysical Monitoring of the Earth Lithosphere (AMSEG 2005), p.18 - 22, 2005/09

東濃で行なっている電磁アクロス送受信テストで、30日間程度のスタッキング処理により、東濃鉱山送信点から40km離れた地磁気観測点においてアクロス信号が検出された。また、土岐花崗岩体の平均的な比抵抗は100$$Omega$$m程度と推定することができた。

論文

第1回「地殻の能動監視に関する国際ワークショップ」開催報告

鶴我 佳代子; 小川 克郎*; 長尾 大道; 羽佐田 葉子; 藤井 直之*; 笠原 順三; 熊澤 峰夫

地学雑誌, 114(4), p.659 - 664, 2005/04

第1回「地殻の能動監視に関する国際ワークショップ」(IWAM04)を、2004年6月30日$$sim$$7月2日、瑞浪市総合文化センターにおいて開催した。IWAM04は、IASPEIに新設されたTGAM(代表:熊澤峰夫・名大名誉教授)および国内のJCEAM(代表:東原紘道・東大名誉教授)が主催し、名古屋大学および東京大学地震研究所が共催した。本研究助成報告では、地球の能動監視研究の必要性や背景および国際ワークショップ開催の経緯を述べ、ワークショップの概要や今後の研究展望について報告する。

論文

Development of EM-ACROSS and observed transfer function using this system

中島 崇裕; 國友 孝洋; 長尾 大道; 熊澤 峰夫; 茂田 直孝

2004 Fall Meeting Program and Abstract, S33B-1096, 0 Pages, 2004/00

電磁波によって地下を見る方法としての電磁アクロスを東濃地科学センターにて開発してきた。この装置を用い、数百Hz以下の周波数帯における送受信試験を1年間以上に亘り連続試験観測を行った。平均値からは、地下構造に関する情報を含む伝達関数がよい精度で求められ、地下物性の見積もりにおいてもすでに報告されている数値と相補的な値が得られた。また1ヶ月間の観測結果からは、降雨に相関した変動が見られた。

論文

電磁アクロス概論

中島 崇裕; 熊澤 峰夫; 茂田 直孝; 國友 孝洋; 長尾 大道; 松本 裕史*

月刊地球号外 総特集; 地球内部のアクティブ・モニタリング : 4D地球内部診断を目指して, (47), 174 Pages, 2004/00

電磁波によって地下を見る方法としての電磁アクロスを紹介する。電磁波には弾性波の場合と異なった固有の特徴がある。電磁アクロスでの探査の流れと東濃地科学センターで行っている開発との関係を示し,最後に地殻内部の探査可能性について言及する。

論文

拡散を考えるような電磁場の場合の電磁アクロスの試験観測

中島 崇裕; 國友 孝洋; 長尾 大道; 熊澤 峰夫; 茂田 直孝

月刊地球号外 総特集; 地球内部のアクティブ・モニタリング : 4D地球内部診断を目指して, (47), p.179 - 184, 2004/00

数百Hz以下の周波数帯における電磁アクロスの観測体制の紹介と、その試験観測結果を報告する。試験観測では、地下構造に関する情報を含む伝達関数がよい精度で求められた。また1ヶ月間の観測結果からは,降雨に相関した変動が見られた。

論文

Long-Term Operation of EM-ACROSS and Derived Transfer Function in the Diffusion Field Region

中島 崇裕; 國友 孝洋; 長尾 大道; 熊澤 峰夫; 茂田 直孝

International Workshop on Active Monitoring 2004, p.148 - 151, 2004/00

数百Hz以下の周波数帯における電磁アクロスを1年間以上に亘り連続試験観測を行ったのでその試験観測結果を報告する。試験観測では、地下構造に関する情報を含む伝達関数がよい精度で求められた。また1ヶ月間の観測結果からは、降雨に相関した変動が見られた。

論文

Overview of EM-ACROSS and its development

中島 崇裕; 熊澤 峰夫; 茂田 直孝; 國友 孝洋; 長尾 大道; 松本 裕史*

International Workshop on Active Monitoring 2004, p.100 - 103, 2004/00

電磁波によって地下を見る方法としての電磁アクロスを紹介する。弾性波の場合と異なり、電磁波には周波数によって拡散的に振る舞ったり波動的に振る舞うという特徴がある。電磁アクロスでの探査の流れと現在東濃地科学センターで行っている開発との関係を示し、最後に地殻内部の探査可能性について言及する。

論文

Sorption behavior of plutonium(IV) onto soils in the presence of humic acid

田中 忠夫; 長尾 誠也; 坂本 義昭; 小川 弘道

Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.524 - 527, 2002/11

Puの吸着に及ぼすフミン酸の影響について、フミン酸を吸着しない海岸砂及びフミン酸を良く吸着するクロボク土を用いてフミン酸の分子サイズとの関連から検討した。Puの海岸砂への吸着能はフミン酸濃度が高くなるにしたがって低下した。一方、クロボク土への吸着能は極低濃度のフミン酸を共存する場合に最も高くなり、フミン酸濃度の増加とともに減少した。また、吸着前後における液相中のPuとフミン酸の分子サイズを限外濾過法によって調べた結果、フミン酸のPuとの錯形成能と土壌への吸着能は分子サイズによって異なり、これらに支配的な分子サイズはフミン酸濃度が高くなるにしたがって小さなサイズ領域にシフトすることを明らかにした。

論文

Attenuated Total Reflection Fourier Transform Infrared (ATR-FTIR) spectroscopy of functional groups of humic acid dissolving in aqueous solution

田中 忠夫; 長尾 誠也; 小川 弘道

Analytical Sciences (CD-ROM), 17(Suppl.), p.1081 - 1084, 2002/03

溶存状態にあるフミン酸官能基のFTIRスペクトル分析を試みた。脂肪族構造を主に有するもの及び芳香族構造を主に有するものとの2種類のフミン酸について、pH2から10の水溶液に溶存させた状態でATRスペクトルを測定した。また、これらフミン酸を凍結乾燥させ粉体状に精製し、一般的に用いられている透過法及び拡散反射法でFTIRスペクトル測定した。3通りの方法で測定したFTIRスペクトルを比較した結果、主要な官能基に起因する吸収波数はお互いに一致し、ATR法を用いることにより、フミン酸の官能基を溶存状態で分析できることを示した。

論文

Fluorescence quenching studies of Eu-humic complexes by three-dimensional excitation emission matrix spectroscopy

長尾 誠也; 青山 正和*; 渡辺 彰*; 中口 譲*; 小川 弘道

Analytical Sciences (CD-ROM), 17(Suppl.), p.1585 - 1588, 2002/03

天然水中に存在する腐植物質は、微量元素の配位子として作用するため、天然環境における元素の移行性を支配する要因の1つと考えられている。腐植物質は対象とする環境により異なる構造特性等を示すことから、腐植物質の特性を考慮した上で、微量元素との錯体特性を把握する必要があり、微量元素が錯形成する腐植物質の部位を特定することが重要となる。本研究では、フミン酸を分子サイズがより大きく、蛍光性が低い成分(フミン酸画分)と分子サイズがより小さく、蛍光性が高い(蛍光画分)2つの画分に分画し、3次元励起-蛍光マトリックス分光法によりEuが錯形成するフミン酸の部位を比較検討した。その結果、イオン強度0.01M、pH5の溶液条件で、Euとフミン酸の蛍光画分が錯形成することにより、検出される3つのピークの蛍光強度は60~75%減少し、蛍光波長が低波長側に15~20nmシフトすることが分かった。分画前のフミン酸の蛍光消光の特徴と一致しており、Euはフミン酸の中でも蛍光画分と選択的に錯形成を起こしている可能性を示唆している。

報告書

地層中における地下水の移行性と放射性核種の移行挙動; カナダ原子力公社との協力研究の成果

小川 弘道; 長尾 誠也; 山口 徹治; 向井 雅之; 宗像 雅広; 坂本 義昭; 中山 真一; 武田 聖司; 木村 英雄; 熊田 政弘; et al.

JAERI-Research 2000-052, 101 Pages, 2001/01

JAERI-Research-2000-052.pdf:8.27MB

カナダ原子力公社はURLと名付けられた地下研究施設を運営する世界でも有数の原子力研究機関である。日本原子力研究所は、我が国の高レベル放射性廃棄物地層処分の安全評価手法確立に寄与するために平成6年3月から平成10年9月までの期間にわたり、上記の施設での研究を中心にカナダ原子力公社と協力研究を実施した。本協力研究協定では、(1)URLにおける原位置条件下での亀裂媒体における核種移行実験、(2)URL及び浅地中の地下水を対象にした地下水中の溶存有機物の影響評価研究、(3)環境同位体による広域な地下水流動の研究、(4)地下水の流れ及び核種移行のモデル化に関する研究も平行して進めた。本報告書は、4年半にわたる協力研究協定の成果概要をとりまとめたものである。

論文

Exisitence forms of Am(III) in the presence of humic substances in saline groundwater at pH 7-10

長尾 誠也; 中口 譲*; 鈴木 康弘*; 平木 敬三*; 藤嶽 暢英*; 小川 弘道

Proceedings of International Conference on the Biogeochemistry of Trace Elements (ICOBTE2001), P. 666, 2001/00

地下水中に溶存する高分子電解質の腐植物質は、放射性核種と錯体を形成するために地下環境における放射性核種の移行性に影響を及ぼす可能性が指摘されている。本研究では、沿岸付近での処分場を想定した場合に必要となる塩水地下水におけるAmと腐植物質との錯体特性を把握するために、塩水地下水から分離精製した腐植物質を用いて錯体実験を行い、分子サイズを基に腐植物質が共存した場合のAmの存在形態を調べた。その結果、pH7$$sim$$10の人工海水において、腐植物質が存在しない場合には85$$sim$$100%のAmは孔径450nmのフィルターに捕集される粒子態として存在したが、腐植物質が存在する場合には、Amは腐植物質と錯体を形成するために粒子態Amの割合は30~60%と減少することが明らかとなった。また、溶存成分のAmは、主に、分子サイズ3万~1万と5千以下に存在し、フミン酸とフルボ酸により違いは認められなかった。これは、フミン酸とフルボ酸の構造特性が比較的似ているためと考えられる。

論文

The Migration behavior of Np(V) in sandy soil and granite media in the pressence of humic substances

坂本 義昭; 長尾 誠也; 小川 弘道; Rao, R. R.*

Radiochimica Acta, 88(9-11), p.651 - 656, 2000/09

 被引用回数:11 パーセンタイル:59.85(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

放射性廃棄物の処分に際しては、アクチニドの地中での移行挙動を把握することが重要となる。この移行挙動は地下水に溶存している腐植物質の影響を受けることが知られている。本研究では、アクチニドの中で重要なネプツニウムを取り上げ、砂質土壌及び粉砕した花崗岩を詰めたカラム中での移行挙動に及ぼす腐植物質の影響について調べたものである。その結果、砂質土壌及び花崗岩の両者において、分子量の小さい腐植物質(フルボ酸)を添加した場合には移行が促進されたが、分子量の大きな腐植物質(フミン酸)を添加した場合には移行が遅くなる現象が観察された。これらの結果は、腐植物質自身の土壌等への吸着性能の違いなどを反映しているものと思われ、腐植物質のネプツニウムの移行挙動への影響は、その種類により異なることを明らかにした。

論文

Characteristics of humic substances in a saline groundwater in Boso peninsula, Japan

長尾 誠也; 中口 譲*; 藤嶽 暢英*; 小川 弘道

Proceedings of 10th International Meeting of the International Humic Substances Society (IHSS10), p.1143 - 1146, 2000/07

地下水に存在する高分子電解質の有機酸である腐植物質は、溶存有機物の大部分を占め、放射性核種との錯形成能が高いため、地中における放射性核種の行移行に影響を及ぼすと考えられている。有機物の影響を定量的に行うには、地下水から腐植物質(フミン酸、フルボ酸)を分離精製し、影響評価実験を行うとともにその特性を調べる必要がある。本研究では、比較的有機物濃度の高い海水地下水から腐植物質を分離精製し、各種の分析法により腐植物質の特性を調べた。海水系地下水のフミン酸は地表水のフミン酸に比べて芳香族炭素の割合が低く、より低分子の有機物で構成されていた。フルボ酸では、構成有機物の組成はフミン酸ほどの変動は認められなかったが、窒素含量が2.5%と地表水(0.7-1.8%)に比べて高かった。これらの結果より、海水系地下水の腐植物質が地表水の腐植物質とは異なる特性を有することが明らかとなった。

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