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齋尾 智英*; 平松 蒼野*; 浅田 瑞枝*; 中川 洋; 清水 和美*; 久米田 博之*; 中村 敏和*; 石森 浩一郎*
Biophysical Journal, 120(15), p.2943 - 2951, 2021/08
被引用回数:1 パーセンタイル:5.75(Biophysics)電子常磁性共鳴分光法を用いてタンパク質上の2点間の距離を測定し、マルチドメインタンパク質酵素MurDの構造状態と分布を調べた。これまでの結晶学的研究やNMR研究では、MurDの3つの異なる構造状態が報告されていたが、我々のデータは、MurDがリガンドを持たない状態では、より多様な構造状態で存在することを明らかにした。MurDは感染症治療の有力なターゲットの一つであることから、本研究の成果は創薬のための重要な構造基盤を提供するものと考えられる。
川越 総一郎*; 中川 洋; 久米田 博之*; 石森 浩一郎*; 齋尾 智英*
Journal of Biological Chemistry, 293(39), p.15095 - 15106, 2018/09
被引用回数:18 パーセンタイル:55.37(Biochemistry & Molecular Biology)分子シャペロンは、しばしば、クライアントタンパク質中のジスルフィド架橋およびシス形態のペプチジル-プロリル結合などの特定の構造要素の形成を補助することに特化した機能的モジュールを有する。ペプチジル-プロリルシス/トランスイソメラーゼ(PPIase)ドメイン(PPD)を有するリボソーム関連分子シャペロントリガーファクター(TF)は、ペプチジル-プロリル異性化によって制限される折りたたみプロセスにおいて非常に効率的な触媒として作用する。本論文では、TFがシス/トランス異性化プロセス中に折り畳まれていないクライアントタンパク質中のプロリン残基を認識する機構に関する成果を報告する。クライアントタンパク質と複合体を形成するTFの溶液構造は、TFが保存された疎水性領域を介して展開されていないクライアントタンパク質の疎水性領域に位置するプロリン-芳香族モチーフを認識することを示し、これはTFがペプチジル-プロリル結合の異性化を優先的に促進し、最終的にそのタンパク質のコアの中に折り畳まれる。分子動力学シミュレーションは、TFが転移状態でプロリン残基に先行するアミノ酸残基のカルボニル酸素との分子間水素結合を形成するためにI195の骨格アミド基と相互作用することを示した。これはおそらく転移状態を安定化し、したがって異性化を加速する。触媒中のこのような分子間水素結合形成の重要性は、活性アッセイおよびNMR緩和分析によってさらに裏付けられた。
山崎 篤志*; 藤原 秀紀*; 橘 祥一*; 岩崎 大昌*; 東野 勇志*; 吉見 千秋*; 中川 広野*; 中谷 泰博*; 山神 光平*; 荒谷 秀和*; et al.
Physical Review B, 94(11), p.115103_1 - 115103_10, 2016/11
被引用回数:17 パーセンタイル:58.81(Materials Science, Multidisciplinary)軟X線角度分解光電子分光を用いて、Ruddlesden-Popper型イリジウム酸化物SrIr
O
の3次元バンド構造を調べた。その結果、IrO
面構造の次元性の増加と共に発現する金属-絶縁体転移に関する直接的な証拠を得た。この転移は、スピンー軌道結合により生じた
= 1/2バンドがフェルミエネルギーを横切ることにより生じる。入射光エネルギーを350eV以上走査することにより、SrIrO
の3次元フェルミ面形状及び、Sr
Ir
O
の
依存した光電子強度の振動を明らかにした。本手法は、電子状態の全体像の理解において非常に有効である。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Armendariz, R.*; et al.
Physical Review C, 83(6), p.064903_1 - 064903_29, 2011/06
被引用回数:191 パーセンタイル:99.42(Physics, Nuclear)200GeVと62.4GeVでの陽子陽子の中心衝突からのの横運動量分布及び収量をRHICのPHENIX実験によって測定した。それぞれエネルギーでの逆スロープパラメーター、平均横運動量及び単位rapidityあたりの収量を求め、異なるエネルギーでの他の測定結果と比較する。また
や
スケーリングのようなスケーリングについて示して陽子陽子衝突における粒子生成メカニズムについて議論する。さらに測定したスペクトルを二次の摂動QCDの計算と比較する。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Aramaki, Y.*; et al.
Physical Review C, 83(4), p.044912_1 - 044912_16, 2011/04
被引用回数:10 パーセンタイル:55.04(Physics, Nuclear)重いフレーバーのメソンの崩壊からの電子の測定は、このメソンの収量が金金衝突では陽子陽子に比べて抑制されていることを示している。われわれはこの研究をさらに進めて二つの粒子の相関、つまり重いフレーバーメソンの崩壊からの電子と、もう一つの重いフレーバーメソンあるいはジェットの破片からの荷電ハドロン、の相関を調べた。この測定は重いクォークとクォークグルオン物質の相互作用についてのより詳しい情報を与えるものである。われわれは特に金金衝突では陽子陽子に比べて反対側のジェットの形と収量が変化していることを見いだした。
中川 清子*; 田口 光正; 広田 耕一; 村上 健*
Radiation Physics and Chemistry, 79(8), p.890 - 893, 2010/08
被引用回数:3 パーセンタイル:23.39(Chemistry, Physical)重イオンの線質・線量率効果を解明することを目的に、窒素飽和により脱酸素したヒドロキシマレイミドの2-プロパノール溶液試料に、2から400eV/nmのLET値を有するHe, C及びNeイオン照射を行った。ヒドロキシマレイミドの分解G値(収率)は、LET値が8eV/nmより小さい場合には線で得られている値(0.78)ものよりもやや低い値(0.65)を示すものの、LETが増加するに伴い0.02程度にまで減少した。さらに、同じLET値で比較した場合ではイオン種が重くなるほど小さくなった。また、5.0
10
ions/cm
/s程度のフルエンス率でイオン照射した場合と比べ、フルエンス率を一桁下げると分解G値は約1.5倍大きくなり、線量率依存性が観測された。以上、重イオン照射によって生成する活性種の空間及び時間分布が反応収率に大きく関与することを明らかにした。
木村 明博; 飯村 光一; 細川 甚作; 出雲 寛互; 堀 直彦; 中川 哲也; 菅野 勝; 石原 正博; 河村 弘
JAEA-Review 2009-072, 18 Pages, 2010/03
JMTRはTcの親核種である
Moの製造計画を立てている。放射線や放射性同位元素は疾病の診断や治療に使われている。その中でも
Tcは放射性医薬品としての需要が年々増加しており、今後もさらなる増加が考えられる。しかし、日本では
Tcの唯一の親核種である
Moをすべて海外から輸入している。そのため、国内での安定供給が望まれる。
Moは2つの方法で製造される。1つは核分裂を利用した(n,f)法でもう一つは
Moを使用した(n,
)法である。JMTRでは、シンプルな(n,
)法による
Moの製造について検討を行った。その結果、新しい水力ラビット照射装置を使用することにより一定量の
Moを安定的に供給できることがわかった。
秋本 肇; 大島 宏之; 上出 英樹; 中川 繁昭; 江里 幸一郎; 高瀬 和之; 中村 秀夫
Proceedings of 13th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-13) (CD-ROM), 7 Pages, 2009/09
原子力機構においては、核融合炉・高速炉・高温ガス炉及び軽水炉に関する多くの熱水力研究を進めている。これらの研究では、実験と解析の両面から検討している。実験研究は、小型装置による基礎実験から大規模な総合試験まで多岐に展開している。解析研究もいわゆる1次元モデルによるシステム解析コードから詳細な3次元CFDコードまで広範な解析手法を対象としている。これらの研究では、原子炉の通常運転時の熱水力挙動から過酷事故を含む原子炉事故時の熱水力挙動までを取り扱っている。水・超臨界圧水・ヘリウム・ナトリウムなどの単相流,水蒸気/水・ナトリウム/アルゴンなどの二相流,過酷事故に現れる多相流を対象として研究を進めている。本報告は、これらの原子力機構で進められている熱水力研究の現状と今後の動向についてまとめたものである。
林 君夫; 中川 哲也; 小野瀬 庄二; 石田 卓也; 中道 勝; 勝山 幸三; 岩松 重美; 長谷川 貞司; 小高 英男; 高津 英幸; et al.
JAEA-Technology 2009-007, 168 Pages, 2009/03
原子力機構では、国際熱核融合実験炉(ITER)に装荷するテストブランケット・モジュール(TBM)を用いて、増殖ブランケットの炉内機能試験を実施することを計画している。そして、その準備のため、日本において設計中の原型炉ブランケットにおける固体増殖材料の第1候補材料であるチタン酸リチウム(LiTiO
)について、原子炉照射試験を実施してきた。本報告書は、(1)材料試験炉(JMTR)による照射試験に用いた照射キャプセル解体装置の詳細設計及び試作試験、並びに、(2)照射後試験のためのグローブボックス施設の予備的検討の結果、について述べるものである。解体装置の詳細設計では、本件に先立って実施した概念検討及び基本設計の結果に基づき、詳細仕様及び設置場所の検討,安全評価等を行った。試作試験では、解体装置の中心となる切断部を試作するとともにJMTRキャプセル模擬試験体を製作して切断試験を行い、その結果を評価して切断速度の最適化を図ることにより、十分な切断性能を達成した。さらに、キャプセル解体後の照射後試験用施設を確保するため、グローブボックス施設の予備的検討を行い、技術的成立性の見通しを得た。
飯村 光一; 細川 甚作; 出雲 寛互; 堀 直彦; 中川 哲也; 菅野 勝; 河村 弘
JAEA-Conf 2008-010, p.251 - 258, 2008/12
日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターでは、2011年度に材料試験炉(JMTR)を再稼働させる予定で改修計画が進められている。再稼働後におけるJMTRの有効利用の一環として、放射性医薬品として核医学の分野で最も多く用いられているテクネチウム-99m(Tc)の親核種であるモリブデン-99(
Mo)の製造が計画されている。
Moは、その供給をすべて輸入に依存している状況にあることから、産業界と共同で
Moの一部国産化を目指すものである。本報告書では、
Moの製造に必要な照射装置の選定,構成及び照射後工程において製品化のために必要な装置等の技術的な検討並びに製造にかかわるコスト面の検討結果について述べる。
武田 哲明*; 一宮 浩一*; 西尾 仁志*; 中川 繁昭; 高松 邦吉
Proceedings of 7th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics, Operation and Safety (NUTHOS-7) (CD-ROM), 11 Pages, 2008/10
超高温ガス炉(VHTR)の安全審査に対して、炉心の固有の安全性及び解析手法の妥当性を示すために、高温工学試験研究炉(HTTR)で実施された安全性実証試験のデータを用いて、炉内温度分布解析を行った。比較対象としては、原子炉スクラムを生じない冷却材流量部分喪失試験の実測値を用いた。また、すべてのガス循環機をストップさせる冷却材喪失試験及び、前者の試験と同時に炉容器冷却機能を喪失させる炉容器冷却設備停止試験の事前解析も行った。これらの試験中の炉内温度分布を汎用解析コードSTAR-CDを用いて高精度で解析できれば、本研究で用いた手法をVHTRの設計に活用することができる。本研究では原子炉圧力容器,炉容器冷却設備及びコンクリートを含めた炉内温度分布解析の結果を示し、冷却材流量喪失時における輻射伝熱の重要性について明らかにした。
中川 清子*; 田口 光正; 太田 信昭*; 広田 耕一
Radiation Physics and Chemistry, 77(10-12), p.1230 - 1232, 2008/10
被引用回数:4 パーセンタイル:28.81(Chemistry, Physical)ヒドロキシマレイミド(HMI)を2-プロパノールに溶かした後、大気圧条件で50MeV又は、100MeV Heイオン,220MeV Cイオン及び350MeV Neイオンを照射した。試料への入射エネルギーはセルの上部に1501000
mのアルミ箔を置くことで任意に減衰させた。照射後の試料はHPLCにより定性・定量分析を行った。HMIの分解率から見かけ上の分解収率を求めた。重イオン照射下場合の分解収率は
線照射したときに得られる分解収率よりも小さかった。分解収率は重イオンの入射エネルギーが増加するに従い増加した。この分解収率から分解の微分G値を求めたところ、微分G値はいずれのイオン種においてもLETの増加に伴い減少した。また、Heイオンで見られる微分G値のLET依存性カーブとCやNeイオンのカーブは重ならなかった。これは照射イオンの核種による効果が観測されたものである。
飯村 光一; 細川 甚作; 菅野 勝; 北島 敏雄; 中川 哲也; 坂本 太一; 堀 直彦; 河村 弘
JAEA-Technology 2008-035, 47 Pages, 2008/06
日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターでは、2011年度に材料試験炉(JMTR)を再稼働させる予定で改修計画が進められている。再稼働後におけるJMTRの有効利用の一環として、放射性医薬品として核医学の分野で最も多く用いられているテクネチウム-99m(Tc)の親核種であるモリブデン-99(
Mo)の製造が計画されている。
Moは、その供給をすべて輸入に依存している状況にあることから、産業界と共同で
Moの一部国産化を目指すものである。本報告書では、
Moの製造に必要な照射装置の選定,構成及び照射後工程において製品化のために必要な装置等の技術的な検討並びに製造にかかわるコスト面の検討結果について述べる。
中川 清子*; 太田 伸昭*; 田口 光正; 広田 耕一
JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 159, 2008/03
ヒドロキシマレイミドを2-プロパノールに溶かし脱酸素した後、TIARA施設において重イオン照射し、生成物収量を調べた。吸収線量あたりのヒドロキシマレイミドの減少割合から分解効率を求めた。得られた分解効率をイオンの入射エネルギーあたりで規格化すると、見かけのG値が得られる。初期エネルギーの増加に伴い、G値は増加した。これは、溶媒分子のラジカルなど、生成物の反応に関与する活性種の生成量のLET依存性に対応すると考えられる。アルミ箔によるエネルギー減少過程で微分G値が一定とみなし、見かけのG値から微分G値を概算した。Heイオン照射では、50MeVと100MeVで得られた微分G値はほぼ直線関係にあるが、CやNeイオン照射ではHeイオンの延長線上よりも大きな値が得られた。これは、溶媒をメタノールに代えた場合、より明確に観測された。
鈴木 裕士; 和久 芳春*; 中川 成人*; 秋田 貢一*; 盛合 敦; 森井 幸生
Journal of Neutron Research, 15(2), p.113 - 120, 2007/06
AlO
-Y
Al
O
(YAG)共晶複合材料(Al
O
/YAG MGC)のYAG相の残留応力を放射光X線により測定した。平面応力状態における残留応力は試験片の表面と側面で異なっていた。したがって、MGC材料内部には残留応力異方性が存在していると考えられる。MGC材料内部の残留応力を中性子回折法により測定した。YAG相の残留応力は試料凝固方向に圧縮であり、凝固方向から直交方向に向かうにつれて引張応力に変化した。Al
O
相の残留応力は、異方的な圧縮残留応力状態であり、すべての方向で引張応力は確認されなかった。この残留応力異方性は、Al
O
相における熱膨張係数の異方性により説明することができる。しかしながら、両相の残留応力はバランスしておらず、本研究に使用したMGC試料内部には残留応力分布が存在していると予想される。
坂場 成昭; 中川 繁昭; 古澤 孝之*; 江森 恒一; 橘 幸男
日本原子力学会和文論文誌, 3(4), p.388 - 395, 2004/12
高温ガス炉の冷却材(Hガス)中の化学的不純物を除去し、また監視することは、炉心に使用される黒鉛構造物あるいは熱交換器等に使用される高温材料の腐食防止のうえで極めて重要である。日本初の高温ガス炉HTTRでは、運転期間中に化学的不純物濃度に制限を設けるとともに、不純物挙動は常時監視される。冷却材中の不純物は、He純化設備により連続的に除去され、その濃度はHeサンプリング設備により計測される。本報では、HTTRの最初の出力上昇となる出力上昇試験期間中に実施した不純物濃度測定試験による実測値をもとに、化学的不純物挙動を評価した結果を示す。また、黒鉛構造物,高温二重管に使用される断熱材からの放出不純物量を温度別に評価した。試験を通して、異常な不純物濃度の上昇は認められず、また不純物濃度組成は炭素析出を起こさせない安定な領域にあった。本研究により、運転時におけるHe冷却材中の不純物特性を明らかにした。
松井 信*; 三原 与周*; 中川 樹生*; 森 浩一*; 小紫 公也*; 高橋 幸司; 坂本 慶司; 今井 剛
宇宙輸送シンポジウム(平成14年度)講演集, p.300 - 303, 2003/00
100GHz帯1MW級マイクロ波を用いたパルス型マイクロ波推進機の運動量結合係数Cmをロードセル測定、及びフライト試験により測定した。ロードセル測定,フライト試験ではそれぞれ最大でCm=28, 130N/MWが得られた。この違いはプラズマ着火過程,周波数の違いによるものだと考えられ、パルス幅,推進機形状を改良することでさらに高いCmが得られると考えられる。
片岡 伸一*; 河原 憲一*; 松永 健一*; 石原 義尚*; 根山 敦史*; 中川 浩一*; 岩田 浩*; 森 康二*
JNC TJ8400 2001-037, 33 Pages, 2001/03
本研究は、地層処分システムのニアフィールドにおける連成解析を実現させるため、海外における最新情報を調査し、連成解析コードの概念を示した。本研究の要旨を以下に示す。(1)米国ユッカマウンテンにおける連成解析では、サイトと人工バリアの仕様が特定されているため、M(力学)とC(化学)の結合は弱いものとして位置付けられている。(2)米国ユッカマウンテンにおいて採用されている連成解析コードNUFT-Cに関する情報収集を目的として、開発元の米国ローレンスリバモアと情報交換を行い、解析コードの開発目的、機能、事例解析、課題などの情報を収集することができた。(3)連成解析コードの概念構築、開発課題の摘出を目的として、公開情報に基づき、地球化学プロセスを含む連成解析の最新情報ならびに2相系に係わる解析コードの調査を行った。調査の結果、取扱っている現象、連成解析手法の動向に加え、今後の開発方針や注意事項について把握することができた。(4)連成解析コードの位置付けならびに要求事項(機能、品質)について明確にし、開発に際して留意すべき要件を明確にした。(5)サイトが特定されていない状況、短期間の開発に対して前記の要件を満足するための開発方法について検討した。その結果、計算時間の高速化や可視化にも柔軟に対応できるツール(Diffpack)が有効であり、本ツールの事例、機能についてまとめた。
片岡 伸一*; 河原 憲一*; 松永 健一*; 石原 義尚*; 根山 敦史*; 中川 浩一*; 岩田 浩*; 森 康二*
JNC TJ8400 2001-036, 202 Pages, 2001/03
本研究は、地層処分システムのニアフィールドにおける連成解析を実現させるため、海外における最新情報を調査し、連成解析コードの概念を示した。本研究の要旨を以下に示す。(1)米国ユッカマウンテンにおける連成解析では、サイトと人工バリアの仕様が特定されているため、M(力学)とC(化学)の結合は弱いものとして位置付けられている。(2)米国ユッカマウンテンにおいて採用されている連成解析コードNUFT-Cに関する情報収集を目的として、開発元の米国ローレンスリバモアと情報交換を行い、解析コードの開発目的、機能、事例解析、課題などの情報を収集することができた。(3)連成解析コードの概念構築、開発課題の摘出を目的として、公開情報に基づき、地球化学プロセスを含む連成解析の最新情報ならびに2相系に係わる解析コードの調査を行った。調査の結果、取扱っている現象、連成解析手法の動向に加え、今後の開発方針や注意事項について把握することができた。(4)連成解析コードの位置付けならびに要求事項(機能、品質)について明確にし、開発に際して留意すべき要件を明確にした。(5)サイトが特定されていない状況、短期間の開発に対して前記の要件を満足するための開発方法について検討した。その結果、計算時間の高速化や可視化にも柔軟に対応できるツール(Diffpack)が有効であり、本ツールの事例、機能についてまとめた。
森 康二*; 根山 敦史*; 中川 浩一*
JNC TJ8400 2000-064, 175 Pages, 2000/03
本研究は、高レベル放射性廃棄物の地層処分システムに於けるニアフィールドの耐震安定性の評価を目的として、以下の検討を実施したものである。(1)解析コードの妥当性の検証 本研究で開発してきた三次元有効応力解析コードは、とくに間隙水圧を考慮しない1相系解析機能に対しては、振動実験等による実測データとの比較を通じて検証を行ってきた。本年度は、サイクル機構で別途実施した緩衝材の液状化試験データを用い、間隙水圧の挙動に着目した有効応力解析機能の検証を行った。(2)2000年レポートに対する補足解析 2000年レポートでは代表的な処分場デザインのオプションを念頭に置いたニアフィールド地震応答解析および評価を行い、人工バリアシステムの耐震安定性を確保できる見通しを得ることができた。その一方で、オーバーパック-緩衝材間や緩衝材-岩盤間等の材料不連続面の応答を規定するモデルパラメータが、評価上重要な因子であるとの知見が得られた。今年度は、上記の2000年レポートに示した検討結果を支援するため補足解析を行い、耐震安定性に関する総合的評価を行った。(3)防災研との共同研究取りまとめに対する補足検討 平成4年度から進められてきた人工バリアシステムの耐震安定性評価に関する共同研究は、今年度を目処に成果を取りまとめることとなっている。本研究では、実測されたデータとの比較を通じて、解析コードの検証作業を段階的に進めてきた。本検討では、最新版の解析コードを用いた一連の実験データ解析を改めて行い、上記共同研究の取りまとめに資するデータ整備を行った。