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論文

Protein hydration and its freezing phenomena; Toward the application for cell freezing and frozen food storage

山本 直樹*; 中西 真大*; Rajan, R.*; 中川 洋

Biophysics and Physicobiology (Internet), 18, p.284 - 288, 2021/12

水は生物にとって必要不可欠な溶媒である。われわれの体の6割は水で構成されており、水が不足すると多くの致命的な問題が発生する。また、タンパク質の機能は、その表面に水分子を伴って初めて発揮されることが知られている。したがって、水と生体成分がどのように相互作用しているかを、構造とダイナミクスの観点から理解することが不可欠である。凍結は水の基本的かつ単純な現象であるため、そのためのプローブとして利用することができる。さらに、細胞やタンパク質を低温下で保存することは、多くのアプリケーションにとって非常に重要であり、その結果、凍結によって無数の望ましくない結果が引き起こされることになる。

論文

Dynamics of proteins with different molecular structures under solution condition

井上 倫太郎*; 小田 隆*; 中川 洋; 富永 大輝*; 齋尾 智英*; 川北 至信; 清水 将裕*; 奥田 綾*; 守島 健*; 佐藤 信浩*; et al.

Scientific Reports (Internet), 10, p.21678_1 - 21678_10, 2020/12

 被引用回数:3 パーセンタイル:13.93(Multidisciplinary Sciences)

非干渉性中性子準弾性散乱(iQENS)は、タンパク質の内部ダイナミクスを調べるための魅力的な手法である。しかし、中性子ビームのフラックスが低いことや、iQENSプロファイルから内部ダイナミクスを抽出するための解析手法がないことが、生理的条件下(溶液中)での研究の障害となっていた。近年の中性子分光器の開発により、iQENSプロファイルから内部ダイナミクス,並進拡散,回転拡散を切り離すことが可能となった。本研究では、球状性蛋白質(GDP)と天然変性蛋白質(IDP)の溶液中での内部ダイナミクスを調べた。その結果、IDPの平均緩和時間はGDPよりも大きいことが分かった。IDPの内部ダイナミクスを詳細に解析した結果、IDPのmobileなH原子の割合はGDPよりもはるかに高いことが明らかになった。興味深いことに、mobileな水素原子の割合は、溶媒に曝された表面の水素原子の割合と密接に関連していることがわかった。iQENS研究では、タンパク質の分子構造に応じて、溶媒にさらされたアミノ酸残基が内部ダイナミクスを支配していることが示された。

論文

核物質防護実習フィールドのバーチャルツアー開発と利用の展望

中川 陽介; 助川 秀敏; 直井 洋介; 井上 尚子; 野呂 尚子; 奥田 将洋

第41回日本核物質管理学会年次大会会議論文集(インターネット), 4 Pages, 2020/11

JAEA/ISCNの核物質防護実習フィールド(PPフィールド)は核セキュリティトレーニングにおいて有効なツールである。新型コロナウイルス感染症の拡大を受けてオンライントレーニングの開発に取り組んでいるが、その中でPPフィールドを用いた実習に代わる効果的なツールとして、そのバーチャルツアーの開発も進めている。本論文では、この開発状況とバーチャルツアーの特徴を生かした効果的な利用の展望について報告する。

論文

放射性気体廃棄物中のトリチウム捕集に用いる疎水性パラジウム触媒の酸化性能評価

古谷 美紗; 米谷 達成; 中川 雅博; 上野 有美; 佐藤 淳也; 岩井 保則*

保健物理(インターネット), 55(2), p.97 - 101, 2020/06

日本原子力研究開発機構原子力科学研究所では、放射性気体廃棄物中に存在するトリチウムガス(HT)をトリチウム水蒸気(HTO)に酸化するため、酸化触媒を600$$^{circ}$$Cに加熱して使用している。本研究では、酸化触媒の加熱温度を低下させ、より安全な$$^{3}$$Hモニタリング手法を確立することを目的として、疎水性Pd/SiO$$_{2}$$触媒, CuO触媒、及びPt/Al$$_{2}$$O$$_{3}$$触媒の異なる温度条件下における水素ガスに対する酸化効率を検証した。その結果、疎水性Pd/SiO$$_{2}$$触媒及びPt/Al$$_{2}$$O$$_{3}$$触媒の水素に対する酸化性能はCuO触媒と比較して優れており、25$$^{circ}$$Cの室内温度条件下においても水素を十分に酸化する能力があることが明らかとなり、$$^{3}$$Hモニタリングにおける安全性の向上が期待できる。

報告書

原子力施設等の緊急時における被ばく評価事例集

川崎 将亜; 中嶌 純也; 吉田 圭佑; 加藤 小織; 西野 翔; 野崎 天生; 中川 雅博; 角田 潤一; 菅谷 雄基; 長谷川 里絵; et al.

JAEA-Data/Code 2017-004, 57 Pages, 2017/03

JAEA-Data-Code-2017-004.pdf:2.34MB

原子力施設の事故発生時においては、事故による影響及びその範囲を迅速に把握するために、放出された放射性物質による一般公衆への影響や事故による作業者の個人被ばく線量を早期に評価し報告することが求められる。そのため、原子力科学研究所放射線管理部においては、事故発生時の迅速な対応に資するために、一般公衆及び作業者の被ばく線量評価について、評価方法及び必要となる各種パラメータ等を想定される事故事例ごとにまとめ、事例集を整備した。本事例集では、原子力科学研究所で想定される各種事故に加え、過去の原子力事故で放出された放射性物質による被ばく評価について扱っており、これらは緊急時における被ばく評価についての知見・技術の継承にも用いることができる。

論文

放射性気体廃棄物中の$$^{14}$$C捕集に用いる疎水性パラジウム触媒の酸化性能評価

上野 有美; 中川 雅博; 佐藤 淳也; 岩井 保則

保健物理, 51(1), p.7 - 11, 2016/03

日本原子力研究開発機構原子力科学研究所では、放射性気体廃棄物中の炭素14($$^{14}$$C)を$$^{14}$$CO$$_{2}$$へ酸化し捕集するため、酸化銅(CuO)触媒を600$$^{circ}$$Cに加熱して使用している。我々は、酸化触媒の加熱温度を低下させ、より安全な$$^{14}$$Cモニタリング手法を確立することを目的として、二酸化ケイ素(SiO$$_{2}$$)の表面に疎水化処理を施した疎水性パラジウム二酸化ケイ素(Pd/SiO$$_{2}$$)触媒を新たに開発した。その酸化性能についてCuO触媒,白金アルミナ(Pt/Al$$_{2}$$O$$_{3}$$)触媒,パラジウム二酸化ジルコニウム(Pd/ZrO$$_{2}$$)触媒および親水性Pd/SiO$$_{2}$$触媒と比較を行った。その結果、疎水性Pd/SiO$$_{2}$$触媒の酸化性能が最も優れていることが確認できた。現在使用しているCuO触媒を疎水性Pd/SiO$$_{2}$$触媒に変更することで、管理区域内で使用する加熱炉の温度を600$$^{circ}$$Cから300$$^{circ}$$Cへ低下させることができ、モニタリングの安全性を向上させることが可能となる。

報告書

東京電力(株)福島第一原子力発電所事故に関する放射線管理の基準の根拠及び課題について

山田 克典; 藤井 克年; 神田 浩志; 東 大輔; 小林 稔明; 中川 雅博; 深見 智代; 吉田 圭佑; 上野 有美; 中嶌 純也; et al.

JAEA-Review 2013-033, 51 Pages, 2013/12

JAEA-Review-2013-033.pdf:2.73MB

平成23年3月に発生した東京電力福島第一原子力発電所事故以降、放射線防護・放射線管理にかかわるさまざまな基準が策定された。インターネット等を通じて、これらの基準を調査した結果、下記13項目があげられた。(1)ヨウ素剤の服用基準値、(2)避難住民等に対するスクリーニングレベル、(3)避難区域、屋内退避等、(4)食品規制値(暫定規制値、基準値)、(5)放射線業務従事者の緊急時被ばく限度、(6)水浴場開設の判断基準、(7)学校・校庭の利用の判断基準、(8)作付基準、(9)飼料の暫定許容値、(10)堆肥の暫定許容値、(11)船舶、コンテナ等の除染基準、(12)廃棄物の取扱、処分等、(13)除染作業にかかわる基準。これらの基準の根拠を調査・整理し、今後の放射線防護、放射線管理の課題を検討した。

論文

呼吸追随型電動ファン付全面マスクの防護性能試験

中川 雅博; 野嶋 峻; 藤井 克年; 宍戸 宣仁; 酒井 俊也; 梅原 隆; 清水 勇

保健物理, 47(3), p.189 - 193, 2012/10

内部被ばくを防護する手段として防塵マスク等の呼吸用保護具の着用がある。呼吸用保護具の一種として、電動ファン付呼吸用保護具があるが、近年では、着用時の呼吸を補助し、バッテリーやフィルタの消耗を抑える呼吸追随型電動ファン付全面マスクが開発されている。本試験では、呼吸追随型電動ファン付全面マスクについて、マンテスト装置を用いて防護性能試験を行い、ファンのない全面マスクと比較するとともに放射線作業において使用する際の着用基準となる防護係数の算出を行った。測定終了後にはマスク着用時の作業者の負担に関するアンケート調査を行った。試験の結果、呼吸追随型電動ファン付全面マスクはファンのない全面マスクと比較して安定した防護性能を維持でき、着用基準として防護係数2000以上の設定が可能であることが確認できた。また、アンケート調査により着用時の作業者の負担軽減が確認できた。

論文

Identified charged hadron production in $$p + p$$ collisions at $$sqrt{s}$$ = 200 and 62.4 GeV

Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Armendariz, R.*; et al.

Physical Review C, 83(6), p.064903_1 - 064903_29, 2011/06

 被引用回数:176 パーセンタイル:99.41(Physics, Nuclear)

200GeVと62.4GeVでの陽子陽子の中心衝突からの$$pi, K, p$$の横運動量分布及び収量をRHICのPHENIX実験によって測定した。それぞれエネルギーでの逆スロープパラメーター、平均横運動量及び単位rapidityあたりの収量を求め、異なるエネルギーでの他の測定結果と比較する。また$$m_T$$$$x_T$$スケーリングのようなスケーリングについて示して陽子陽子衝突における粒子生成メカニズムについて議論する。さらに測定したスペクトルを二次の摂動QCDの計算と比較する。

論文

Azimuthal correlations of electrons from heavy-flavor decay with hadrons in $$p+p$$ and Au+Au collisions at $$sqrt{s_{NN}}$$ = 200 GeV

Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Aramaki, Y.*; et al.

Physical Review C, 83(4), p.044912_1 - 044912_16, 2011/04

 被引用回数:7 パーセンタイル:49.81(Physics, Nuclear)

重いフレーバーのメソンの崩壊からの電子の測定は、このメソンの収量が金金衝突では陽子陽子に比べて抑制されていることを示している。われわれはこの研究をさらに進めて二つの粒子の相関、つまり重いフレーバーメソンの崩壊からの電子と、もう一つの重いフレーバーメソンあるいはジェットの破片からの荷電ハドロン、の相関を調べた。この測定は重いクォークとクォークグルオン物質の相互作用についてのより詳しい情報を与えるものである。われわれは特に金金衝突では陽子陽子に比べて反対側のジェットの形と収量が変化していることを見いだした。

論文

Electronic properties of femtosecond laser induced modified spots on single crystal silicon carbide

富田 卓朗*; 岩見 勝弘*; 山本 稔*; 出来 真斗*; 松尾 繁樹*; 橋本 修一*; 中川 圭*; 北田 貴弘*; 井須 俊郎*; 齋藤 伸吾*; et al.

Materials Science Forum, 645-648, p.239 - 242, 2010/04

フェムト秒レーザーを用いて炭化ケイ素(SiC)の改質を試みた。フーリエ変換赤外分光法(FTIR)法を用いて改質領域を調べた結果、残留線バンドの強度が減少し、この現象が結晶性の劣化によるものと説明できた。また、残留線バンドが偏波依存性を有することがわかり、この特性を活かすことで赤外領域で動作する光学素子への応用が期待できる。電流電圧特性測定とホール係数測定の結果、改質後の電気伝導度が改質前に比べて4桁以上も大きい5.9$$times$$10$$^{-2}Omega$$mになることがわかり、フェムト秒レーザーによりSiCの電気特性を改質できることを明らかにした。

報告書

Conceptual study for new $$^{99}$$Mo-production facility in JMTR

木村 明博; 飯村 光一; 細川 甚作; 出雲 寛互; 堀 直彦; 中川 哲也; 菅野 勝; 石原 正博; 河村 弘

JAEA-Review 2009-072, 18 Pages, 2010/03

JAEA-Review-2009-072.pdf:9.29MB

JMTRは$$^{99m}$$Tcの親核種である$$^{99}$$Moの製造計画を立てている。放射線や放射性同位元素は疾病の診断や治療に使われている。その中でも$$^{99m}$$Tcは放射性医薬品としての需要が年々増加しており、今後もさらなる増加が考えられる。しかし、日本では$$^{99m}$$Tcの唯一の親核種である$$^{99}$$Moをすべて海外から輸入している。そのため、国内での安定供給が望まれる。$$^{99}$$Moは2つの方法で製造される。1つは核分裂を利用した(n,f)法でもう一つは$$^{98}$$Moを使用した(n,$$gamma$$)法である。JMTRでは、シンプルな(n,$$gamma$$)法による$$^{99}$$Moの製造について検討を行った。その結果、新しい水力ラビット照射装置を使用することにより一定量の$$^{99}$$Moを安定的に供給できることがわかった。

報告書

Current status of JMTR refurbishment project

神永 雅紀; 新見 素二; 堀 直彦; 高橋 邦裕; 菅野 勝; 中川 哲也; 長尾 美春; 石原 正博; 河村 弘

JAEA-Review 2009-056, 20 Pages, 2010/02

JAEA-Review-2009-056.pdf:8.35MB

JMTRは、軽水減速・冷却,ベリリウム反射体付きタンク型炉で、その熱出力は50MWである。最大高速中性子束及び熱中性子束は、ともに4$$times$$10$$^{18}$$m$$^{-2}$$s$$^{-1}$$である。1968年3月に初臨界を達成した後、2006年8月まで利用運転を継続して設備更新のために停止した。更新は2007年度初頭から2010年にかけて実施し、2011年度に運転再開予定である。2007年度当初に、JMTR原子炉建家,排気筒等のコンクリート構造物,1次冷却系タンク類,熱交換器,2次冷却系配管等の健全性を確認するための経年劣化調査を実施した。その結果、今後の信頼性向上の観点から更新すべき機器,修理すべき機器や構造物を決定した。2008年度は、水中カメラを用いた原子炉圧力容器の目視検査を実施し、有害な損傷のないことを確認した。現在まで、機器等の更新は、計画したスケジュールに従って順調に進んでいる。2009年度には1次冷却系ポンプ電動機,2次冷却系ポンプ,ベリリウム反射体枠の更新等が予定されている。核計装設備,プロセス計装設備等は、2010年度に更新する予定である。本稿では、JMTR更新計画の現状について示す。

論文

Temperature evaluation of core components of HTGR at depressurization accident considering annealing recovery on thermal conductivity of graphite

角田 淳弥; 柴田 大受; 中川 繁昭; 塙 悟史; 伊与久 達夫; 石原 正博

Transactions of 18th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT-18), p.4822 - 4828, 2005/08

黒鉛材料は、熱・機械的特性が優れているため、HTGR炉心の構成要素として用いられる。原子炉の運転中に、黒鉛構造物の熱伝導率は中性子照射によって低下するが、照射温度以上に加熱されるとアニーリング効果が期待されるため、熱伝導率がある程度回復すると考えられる。本研究では、HTGRの減圧事故時についてアニーリング効果を考慮した温度解析を実施し、アニーリング効果が燃料最高温度に及ぼす影響について検討した。検討の結果、アニーリング効果を考慮した燃料最高温度の解析値は約100$$^{circ}$$C低くなり、燃料最高温度をより精度よく評価できることが明らかになった。また、HTTRで実施した安全性実証試験について、アニーリング効果を考慮した評価手法を適用し解析を行った。

論文

Reactor internals design

角田 淳弥; 石原 正博; 中川 繁昭; 菊地 孝行; 伊与久 達夫

Nuclear Engineering and Design, 233(1-3), p.81 - 88, 2004/10

 被引用回数:4 パーセンタイル:29.31(Nuclear Science & Technology)

高温ガス炉(HTGR)は、黒鉛減速ヘリウム冷却型中性子炉であり、高温のヘリウムガスの取り出しが可能であるとともに高い固有の安全性を有している。炉内構造物は、高温のヘリウムガスを得るため耐熱性に優れた黒鉛材料を用いている。HTTRの炉内構造物は、黒鉛構造物,金属製炉心支持構造物及び金属製遮へいブロックから構成される。本報では、特にHTTRの炉心支持構造物についての設計方針及び供用期間中検査(ISI)の計画について述べる。

論文

ベントナイトにおける2価鉄、マンガンイオンの関与するイオン交換の選択係数

佐伯 和利*; 中川 啓*; 和田 信一郎*; 柴田 雅博; 広城 吉成*; 神野 健二*

粘土科学, 42(1), p.1 - 5, 2002/08

還元状態を保持しながら、カルシウムを飽和させたベントナイトに対するFe$$^{2+}$$, Mn$$^{2+}$$のイオン交換選択性を求める実験を行った。Fe$$^{2+}$$とMn$$^{2+}$$ともにCa$$^{2+}$$とのイオン交換選択係数はだいたい1前後を示した。よって、ベントナイトに対するFe$$^{2+}$$とMn$$^{2+}$$の吸着特性はほぼアルカリ土類金属イオンと同様であると推察できた。

報告書

不均質多孔質媒体中の水理・物質移動に関する研究(III) -先行基礎工学分野に関する平成10年度報告書-

中川 啓*; 神野 健二*; 井尻 裕二; 亘 真吾; 畑中 耕一郎; 内田 雅大

JNC TY8400 99-005, 121 Pages, 1999/06

JNC-TY8400-99-005.pdf:6.62MB

高レベル放射性廃棄物地層処分システムの核種移行に対して、数値シミュレーションによる検討が行われるが、分散係数はその重要なパラメーターである。処分の行われる地層自体は、透水係数などの水理パラメーターに関して不均一性を有しており、これにより分散係数も変動する。以上のような点をふまえ、本研究では不均一浸透場における物質の移流分散挙動を明らかにするための基礎的な知見を得るため、浸透場の不均一性に起因する巨視的な分散に関する検討を行った。本研究は平成8年度から平成10年度にかけて九州大学とサイクル機構(旧動燃)と共同で実施した。平成8年度は、トレーサー輸送に対する数値計算モデルの妥当性について室内試験結果と比較することにより検討した。また、不均一浸透場におけるトレーサーの移流分散挙動と巨視的分散のメカニズムについて詳細に検討した。平成9年度は、帯水層の構成材料に基づく微視的な分散とこれらの不均一な分布に起因する巨視的分散や選択的流れなどとの相互作用について数値実験により検討するとともに積分特性距離と巨視的分散が収束するまでに必要な流下距離や流下時間との関係をまとめた。また、室内での単孔式トレーサ試験を実施し、トレーサの移行距離と分散長の関係について検討した。平成10年度は、巨視的分散係数は、トレーサーの流下距離に応じて初期に直線的に増加し、遷移領域を経て一定値に収束する。この場合、観測井戸におけるトレーサーの分散がどのような段階にあるのかを知る必要性があるため、トレーサー試験の結果と解析解の濃度時系列に関して適合度検定を適用して判別する方法を検討した。また、注入井戸と観測井戸の透水係数の鉛直分布、及び観測井戸におけるトレーサーの破過曲線を用いた浸透場の特性評価についても検討した。また、ドイツのHorkheimer Inselで行われたトレーサー試験に対して、この浸透場の特性評価方法を適用した。その結果、観測井戸内の数値計算によるトレーサーの時系列と観測結果は、概ね同じ傾向を示し、不均一浸透場発生モデルのパラメーター調整する本手法の妥当性を示した。本報告書では上記した3年間(平成8年度$$sim$$平成10年度)の九州大学とサイクル機構の共同研究成果を取りまとめた。

報告書

不均質多孔質媒体中の水理・物質移動に関する研究 -先行基礎工学分野に関する平成8年度報告書-

神野 健二*; 中川 啓*; 細川 土佐男*; 畑中 耕一郎; 井尻 裕二*; 亘 真吾; Webb, E. K.*; 金澤 康夫*; 内田 雅大

PNC TY1606 97-001, 44 Pages, 1997/03

PNC-TY1606-97-001.pdf:2.76MB

高レベル放射性廃棄物地層処分システムの核種移行評価上の重要パラメータとして分散係数がある。分散係数は平均的な流速からの変動成分により運ばれるフラックスが濃度勾配に比例すると仮定した場合の比例係数であるので、流速の関数として表される。また、媒体の幾何学的特徴に応じて、分散の効果が異なってくるので幾何学的特徴を代表とする特徴的な長さ(分散率)の関数でもある。分散率は地層の不均質な構造による影響を受けてスケール依存性を示す。したがって、分散係数が定義できる代表的な体積要素およびそのスケールに応じた適切な分散率を設定することは核種移行評価における重要な課題となっている。このため動燃では、多孔質媒体水理試験設備(MACRO)を製作し、試験を行い、不均質場での分散現象の解明に取り組んでいる。MACRO試験では、粒形の異なる数種類のガラスビーズを用いた不均質な透水係数場を人工的に作成し、通水試験とトレーサ試験を行うことができる。本研究では、MACRO試験で得られるデータを用いて、動燃保有の解析モデル/手法と九州大学保有のモデル/手法を相互比較することによってこれらのモデルの特性や適用性を検討した。動燃では、物質移動について粒子追跡法およびオイラリアンーラグランジアン法を用いた。九州大学では、特性曲線法を用いた。本共同研究により、動燃保有の粒子追跡法を適用した物質移動モデルはメッシュ分割、粒子数に解の精度が依存するため使用にあたっては注意が必要であることが分かった。特性曲線法を適用したモデルについては比較的精度良く物質移動現象を評価可能であることを確認した。また、不均質透水係数場において水理計算を行う場合、有限差分法と有限要素法では結果に差が生じる可能性があることが示された。

口頭

呼吸連動型全面マスクの防護性能試験

中川 雅博; 野嶋 峻; 藤井 克年; 宍戸 宣仁; 酒井 俊也; 梅原 隆; 清水 勇

no journal, , 

内部被ばく防護の手段として呼吸用保護具の着用がある。近年では安全性の高い電動ファン付全面マスクが開発されている。今回、電動ファン付全面マスクのうち呼吸連動型について、マンテスト装置を用いて防護性能試験を行い、ファンのない全面マスクと比較するとともに現場で使用するための防護係数を求めた。試験は通常の装着状態の他に、防護性能を低下させる状況を想定し、フィルタに詰まりが発生した状態、マスクと皮膚の間に隙間が生じた状態での漏れ率測定を行った。その結果、呼吸連動型全面マスクは安定した防護性能を維持することが確認できた。また、ファンを停止させた状態での漏れ率がファンのない全面マスクと同等以上であることを確認した。

口頭

原子力施設における使用を目的としたマスクフィッティングテスターの性能試験

中川 雅博; 加藤 拓也; 野嶋 峻; 酒井 俊也; 宍戸 宣仁; 梅原 隆

no journal, , 

マスクフィッティングテスターMT-03は、医療機関や産業機関における労働衛生教育用の装置として普及している。しかし、原子力施設において汚染区域での作業前に呼吸用保護具の防護性能を確認する目的で導入されている例は少ない。そこで、MT-03の性能試験を実施し、原子力施設において、汚染区域での作業前に行う呼吸用保護具の漏れ率確認に使用できるかを検証した。本試験では、MT-03を用いて漏れ率の測定試験を実施し、現在原子力科学研究所燃料試験施設において使用しているマスクマンテスト装置MT-100Nとの比較を行った。その結果、MT-100Nよりも測定結果の変動が大きく、高めの値となる傾向があるものの、呼吸用保護具の防護性能を適切に確認でき、汚染区域での作業前に行う呼吸用保護具の漏れ率確認に使用できることがわかった。

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