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勝身 俊之; 吉田 康人*; 中川 燎*; 矢澤 慎也*; 熊田 正志*; 佐藤 大輔*; Thwe Thwe, A.; Chaumeix, N.*; 門脇 敏
Journal of Thermal Science and Technology (Internet), 16(2), p.21-00044_1 - 21-00044_13, 2021/00
被引用回数:8 パーセンタイル:41.94(Thermodynamics)水素/空気予混合火炎の動的挙動の特性に及ぼす二酸化炭素と水蒸気の添加の影響を実験的に解明した。シュリーレン画像により、火炎面の凹凸が低い当量比で明瞭に観察された。火炎半径が大きくなると共に伝播速度は単調に増加し、火炎面の凹凸の形成に起因する火炎加速が生じた。不活性ガスの添加量を増やすと、特にCO添加の場合、伝播速度が低下した。さらに、マークスタインの長さと凹凸係数が減少した。これは、COまたはHOの添加が水素火炎の不安定な動きを促進したことを示してあり、拡散熱効果の強化が原因であると考えられる。水素火炎の動的挙動の特性に基づいて、火炎加速を含む伝播速度の数学モデルで使用されるパラメータが得られ、その後、さまざまな条件下での火炎伝播速度が予測された。
青山 裕*; 片岡 隆浩*; 中川 慎也*; 迫田 晃弘*; 石森 有; 光延 文裕*; 山岡 聖典*
Iranian Journal of Radiation Research, 9(4), p.221 - 229, 2012/03
本研究の目的は、ヒトの老化関連疾患へのトロン温熱浴の効果を検討することである。全被験者は2週間、高濃度(およそ4900Bq/m)でトロンを吸入した。最初の入浴から1, 2及び3週間後に、血圧測定と採血を行った。関節リウマチ群の-心房性ナトリウム利尿ペプチドは増加し、血圧は有意に低下した。関節リウマチ群のスーパーオキシドジスムターゼ活性は入浴によって有意に上昇した。さらに、トロン温熱浴によって、コンカナバリンA誘導ミトーゲン反応は有意に強まり、また、CD4-陽性細胞レベルが増加した。すなわち、CD8-陽性細胞レベルは低下した。これらの結果から、トロン温熱浴によって、抗酸化機能が亢進することがわかった。さらに、トロン温熱浴によって、糖尿病性ケトアシドーシスを防止し、老化関連疾患の予防に効果がある可能性がある。トロン温熱浴は、糖尿病及び関節リウマチを軽減する機構の一端を担うかもしれない。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; Akiba, Y.*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; Aoki, K.*; Aphecetche, L.*; Armendariz, R.*; et al.
Physical Review D, 84(1), p.012006_1 - 012006_18, 2011/07
被引用回数:32 パーセンタイル:74.28(Astronomy & Astrophysics)重心エネルギー200GeVでの縦偏極陽子陽子衝突からのジェット生成のイベント構造と二重非対称()について報告する。光子と荷電粒子がPHENIX実験で測定され、イベント構造がPHYTIAイベント生成コードの結果と比較された。再構成されたジェットの生成率は2次までの摂動QCDの計算で十分再現される。測定されたは、一番低い横運動量で-0.00140.0037、一番高い横運動量で-0.01810.0282であった。このの結果を幾つかのの分布を仮定した理論予想と比較する。
片岡 隆浩*; 迫田 晃弘*; 吉本 雅章*; 中川 慎也*; 豊田 晃章*; 西山 祐一*; 大和 恵子*; 石森 有; 川辺 睦*; 花元 克巳*; et al.
Radiation Protection Dosimetry, 146(1-3), p.360 - 363, 2011/07
被引用回数:6 パーセンタイル:43.05(Environmental Sciences)これまでの研究では、抗酸化機能の活性化が、生活習慣病に関連するさまざまな酸化障害を軽減する可能性が示された。低線量のX線照射は、スーパーオキシドジスムターゼを活性化させ、虚血-再灌流障害による浮腫を抑制することを確認した。移植による虚血-再灌流障害を軽減するために、臓器摘出直後に低線量X線照射をした移植肝の抗酸化機能の変化を調べた。移植肝が、照射の結果として抗酸化機能を活性化することを確認した。また、ラドン吸入は幾つかの臓器で抗酸化機能を向上させ、そして、マウスの肝臓の、アルコール性酸化障害を軽減する。さらに、最も効果的なラドン吸入条件を決定するために、マウスに四塩化炭素(CCl)を投与する前又は後にラドンを吸入させた。ラドン吸入が四塩化炭素による肝障害を軽減し、特に事前の吸入でその効果が大きいことを確認した。低線量照射による抗酸化機能の適度な活性化が、生活習慣病に関連する酸化障害の防止、あるいは軽減に貢献する可能性が高い。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Armendariz, R.*; et al.
Physical Review C, 83(6), p.064903_1 - 064903_29, 2011/06
被引用回数:189 パーセンタイル:99.42(Physics, Nuclear)200GeVと62.4GeVでの陽子陽子の中心衝突からのの横運動量分布及び収量をRHICのPHENIX実験によって測定した。それぞれエネルギーでの逆スロープパラメーター、平均横運動量及び単位rapidityあたりの収量を求め、異なるエネルギーでの他の測定結果と比較する。またやスケーリングのようなスケーリングについて示して陽子陽子衝突における粒子生成メカニズムについて議論する。さらに測定したスペクトルを二次の摂動QCDの計算と比較する。
中川 繭*; 高橋 真哉*; 鳴海 一成; 坂本 綾子
Plant Signaling & Behavior (Internet), 6(5), p.728 - 731, 2011/05
Ionizing radiations have been applied to plants as useful mutagens, but its molecular mechanism(s) for mutagenesis is less understood. The AtPol, AtRev1 and AtPol are Arabidopsis translesion synthesis (TLS)-type polymerases involved in the UV-induced mutagenesis. To investigate a role(s) of TLS-type DNA polymerases in radiation-induced mutagenesis, we analyzed the mutation frequency in AtPol-, AtRev1- or AtPol-knockout plants, , and , respectively. The mutation frequency in was little changed, whereas the frequency in greatly decreased and in slightly increased compared to that of wild type. Abasic (apurinic/apyrimidinic; AP) site, induced by radiations or generated during DNA repair process, leads to incorporation of any kinds of nucleotides at the opposite strand. The 7,8-dihydro-8-oxo-2'-deoxyguanosine (8-oxo-dG), induced by radiation through the formation of reactive oxygen species, makes pairs with cytosine and adenines. Therefore, AtRev1 possibly inserts dC opposite AP-site or 8-oxo-dG, which results in G to T transversions.
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Aramaki, Y.*; et al.
Physical Review C, 83(4), p.044912_1 - 044912_16, 2011/04
被引用回数:10 パーセンタイル:52.22(Physics, Nuclear)重いフレーバーのメソンの崩壊からの電子の測定は、このメソンの収量が金金衝突では陽子陽子に比べて抑制されていることを示している。われわれはこの研究をさらに進めて二つの粒子の相関、つまり重いフレーバーメソンの崩壊からの電子と、もう一つの重いフレーバーメソンあるいはジェットの破片からの荷電ハドロン、の相関を調べた。この測定は重いクォークとクォークグルオン物質の相互作用についてのより詳しい情報を与えるものである。われわれは特に金金衝突では陽子陽子に比べて反対側のジェットの形と収量が変化していることを見いだした。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; Akiba, Y.*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; Aoki, K.*; Aphecetche, L.*; Armendariz, R.*; et al.
Physical Review D, 83(5), p.052004_1 - 052004_26, 2011/03
被引用回数:181 パーセンタイル:98.43(Astronomy & Astrophysics)RHIC-PHENIX実験で重心エネルギー200GeVの陽子陽子衝突からの, , と中間子生成の微分断面積を測定した。これらハドロンの横運動量分布のスペクトルの形はたった二つのパラメーター、、のTsallis分布関数でよく記述できる。これらのパラメーターはそれぞれ高い横運動量と低い横運動量の領域のスペクトルを決めている。これらの分布をフィットして得られた積分された不変断面積はこれまで測定されたデータ及び統計モデルの予言と一致している。
中川 繭*; 高橋 真哉*; 田中 淳; 鳴海 一成; 坂本 綾子
Plant Physiology, 155(1), p.414 - 420, 2011/01
被引用回数:15 パーセンタイル:41.95(Plant Sciences)損傷乗り越え複製(TLS)は、特殊なDNAポリメラーゼによって損傷DNAをバイパスすることによって複製障害を回避する機構である。われわれは高等植物における損傷乗り越え複製機構の役割を調べるため、TLS型DNAポリメラーゼを欠失させたシロイヌナズナの変異株における紫外線誘発突然変異頻度を解析した。AtPol及びAtRev1を欠失させた植物では突然変異頻度は低下したことから、これらのポリメラーゼは突然変異を起こしやすいことがわかった。これに対し、AtPolを欠失した植物では突然変異頻度が上昇したことから、AtPolは突然変異を起こしにくいことがわかった。AtPolとAtRev1の2重変異ではAtRev1の単独変異とほぼ同等の変異頻度であったのに対し、AtPolとAtPolの2重変異では、AtPolで見られた高い変異頻度がほぼ失われた。このことから、AtPol and AtRev1は同一の経路で働くのに対し、AtPolはこれらとは別の経路で働くことが示唆された。
高橋 真哉*; 中川 繭; 田中 淳; 鳴海 一成; 清水 喜久雄*; 坂本 綾子
JAEA-Review 2008-055, JAEA Takasaki Annual Report 2007, P. 58, 2008/11
植物の紫外線耐性機構の研究過程で、YファミリーDNAポリメラーゼをコードしている新規遺伝子を同定した。YファミリーDNAポリメラーゼは複製忠実度が低く、さまざまなDNA損傷をバイパスすると考えられている。遺伝子欠損植物は、紫外線やDNA架橋剤に感受性を示す。遺伝子産物であるAtREV1タンパク質の生化学的な機能を解析するために、組換え大腸菌を用いてAtREV1タンパク質を発現・精製し、精製したタンパク質を用いてデオキシヌクレオチド転移活性を調べた。その結果、AtREV1タンパク質は複製忠実度が低く、鋳型の塩基にかかわらず、dCMPを好んで挿入することがわかった。また、APサイトの相補鎖には塩基を挿入できるが、紫外線損傷塩基の相補鎖には塩基を挿入できなかった。AtREV1タンパク質の低い複製忠実度が突然変異を引き起こすかどうかを調べるために、野生株と遺伝子欠損株の突然変異頻度を測定した。その結果、AtREV1タンパク質が紫外線あるいは線で生じるDNA損傷の誤複製を起こすことで、突然変異誘発を促進していることがわかった。
中川 慎也*; 片岡 隆浩*; 迫田 晃弘*; 石森 有; 花元 克巳*; 山岡 聖典*
Radioisotopes, 57(4), p.241 - 251, 2008/04
ラドン療法の適応症には活性酸素に由来する生活習慣病が多く、その機構のさらなる解明が期待されている。開発したラドン吸入試作装置を用いてマウス諸臓器中の抗酸化機能の変化特性を検討した。400Bq/mあるいは4000Bq/mのラドンを吸入させた。その結果、脳,肺,肝臓,腎臓において、抗酸化系酵素であるSODとカタラーゼの両活性が増加し、過酸化脂質が減少した。この抗酸化機能の亢進によって、活性酸素障害の抑制、つまり生活習慣病の予防や症状緩和に効果がある可能性が示唆された。
中川 貴博; 高田 千恵; 高安 哲也*; 樫村 慎也*; 田子 格
no journal, ,
核燃料サイクル工学研究所では昭和41年のプルトニウム取扱い開始当初は線のみを対象とした手部被ばく管理を行っていたが、昭和52年の再処理施設の運転開始に伴い、対象線種として線を追加する必要があったことから両線種を測定できる線量計(素子にUD-100M8を使用)を開発した。しかし、UD-100M8は低エネルギーの光子に対しては、評価精度が悪くなるという欠点があったことから、Amが主な被ばく源となるプルトニウム転換工程等の作業者向けには、線専用のUD-110Sを昭和54年に導入した。これら2種類のTLD指リング線量計での管理経験を踏まえ、現在は線及び線両方の被ばく線量の合計を評価するUD-807P一種類での管理を行っている。UD-807Pの導入にあたっては性能試験を行い、末端部用のTLDに関する国際規格ISO12794 (2000)で求められる性能を満足することを確認した。核燃料サイクル工学研究所では作業環境を考慮したTLD指リング線量計を使用し、手部被ばく線量の管理を行うとともに、測定結果は以後の放射線作業計画に反映してきた。その結果、これまで皮膚の等価線量限度を超えるような被ばくはなかった。
中川 貴博; 高田 千恵; 辻村 憲雄; 山崎 巧; 樫村 慎也*
no journal, ,
MOX施設のグローブボックス作業に従事する作業者は、Am-241からの線に対する防護のため鉛エプロンを着用する。このため、体幹部は不均等に被ばくするとともに、手部も体幹部に比して有意に高い被ばくを受ける。このような被ばく形態における、作業者の各部位の線量当量の関係等を作業工程ごとに分析した結果を報告する。
中川 繭; 坂本 綾子; 高橋 真哉*; 田中 淳; 鳴海 一成
no journal, ,
植物は紫外線(UV)や化学物質などの変異原に曝されると、遺伝情報を担うDNA上に損傷を受け、それによって生長が阻害される。このDNA損傷による悪影響を回避するため、植物はDNA修復機構などのさまざまな防御機構を発達させてきている。一方、酵母や動物細胞では損傷の未修復にもかかわらずDNAを複製し、成長を可能にするための機構として損傷乗り越え複製(TLS)が存在することが知られている。TLSはしばしば誤った塩基を取り込む傾向があり、これによってDNA損傷が突然変異として固定される。われわれは酵母のTLSに関与するDNAポリメラーゼζ(REV3, REV7)及びREV1の相同遺伝子AtREV3, AtREV7, AtREV1をシロイヌナズナから単離した。rev変異体はUV-Bのほか、線やDNA架橋剤MMCなどの変異原に対しても感受性を示した。AtREV3がシロイヌナズナでも誤りがちなTLSに働いているかどうかを探るために、塩基置換型復帰変異を検出する遺伝子マーカーとして、ナンセンスコドンとなる点変異を導入したuidA遺伝子を野生型及びrev3変異体に導入し、紫外線誘発突然変異率に差異があるかどうか調べた。その結果、rev3変異体は野生型に比べ突然変異率の減少が見られたことから、AtREV3が誤りがちなTLSに関与している可能性が示唆された。さらに、dCMPトランスフェラーゼ活性を示すAtREV1欠損変異体における突然変異誘発率についても解析を進めている。
坂本 綾子; 中川 繭; 高橋 真哉*; 田中 淳
no journal, ,
Translesion synthesis (TLS) is one of the cellular processes to overcome the lethal effect of unrepaired DNA damage. During screening for genes accounting for the UV-resistance in Arabidopsis, we first identified AtREV3 that encodes a catalytic subunit of DNA polymerase zeta (Pol z). Pol z is thought to bypass damaged DNA in an error-prone manner. We subsequently identified AtREV7, a regulatory subunit of Pol z, and AtREV1 that is thought to cooperate with Pol z in bypassing of apurine/apyrimidine (AP) sites. Disruption of any of AtREV3, AtREV7, or AtREV1 made the plants more sensitive to UVB than the wild type, suggesting that these REV proteins are required for plants to tolerate to the UV-induced damage. We further analyzed the UV-induced mutation frequency in rev3 and rev1. We found that the disruption of AtREV3 or AtREV1 reduced the mutation frequency to 1/4 of the level of the wild type. These results are consistent with an idea of that the Pol z and AtREV1 are involved in the UV-induced mutation in Arabidopsis. However, by using the bacterially expressed protein, although we detected AtREV1 inserted a dCMP at the opposite of the AP site in vitro, AtREV1 failed to bypass UV-induced damage as reported in other organisms. Thus, the mechanism by which the REV1 functions remains to be clarified.
中川 繭; 坂本 綾子; 高橋 真哉*; 田中 淳; 鳴海 一成
no journal, ,
Plants are exposed to the various environmental stress including UV-B and chemical agents, which damage DNA. To tolerate to the DNA damage, plants have developed many mechanisms to repair or to avoid them. Yeast and mammals have a mechanism named translesion synthesis (TLS), in which DNA damage is bypassed by the action of specific DNA polymerases, thereby allowing DNA replication to be completed. However, TLS often generates mutations as a result of incorrect replication (error-prone TLS). We identified and genes, which are the homologs of components of error-prone TLS in Arabidopsis. To determine whether and function as the component of the error-prone TLS, We further analyzed the UV-induced mutation frequency in and mutants. We found that the disruption of or reduced the mutation frequency to 1/4 of the level of the wild type, indicating that and act in the error-prone TLS in Arabidopsis.
中川 繭; 坂本 綾子; 高橋 真哉*; 田中 淳; 鳴海 一成
no journal, ,
われわれはシロイヌナズナのUV感受性変異体の原因遺伝子として、損傷乗り越え複製(TLS)型DNAポリメラーゼのサブユニットであるREV3の相同遺伝子AtREV3を単離した(Sakamoto et al. 2003)。さらにdCMPトランスフェラーゼ活性を示すREV1のシロイヌナズナの相同遺伝子AtREV1を単離した(Takahashi et al. 2005)。これらのREV相同遺伝子の欠損は植物体の生存には影響しないが、DNA複製に関与することが推測され、UVのほか、線やDNA架橋剤MMCなどの変異原に対して感受性を示した。本研究では、ナンセンスコドンとなる点変異を導入したuidA遺伝子をリポーターとして用いて、塩基置換型復帰変異を指標にUV誘発変異頻度の解析を行った。rev3, rev1欠損植物体のUV照射及び線照射による突然変異の頻度は、ともに野生型に比べ著しい減少を示した。この結果から、AtREV3及びAtREV1の欠損植物体では、正常なTLSが機能しないため、UV, 線感受性になっているという可能性が示唆された。
坂本 綾子; 高橋 真哉*; 中川 繭; 田中 淳; 清水 喜久雄*; 鳴海 一成
no journal, ,
太陽光を利用して固着生活を営む高等植物にとって、日光に含まれる紫外線の有害な影響は無視できない問題である。紫外線によるDNA損傷から遺伝情報を守るため、多くの高等植物は光回復機構を持ち、きわめて効率的に紫外線損傷の除去を行っていることが知られている。近年、これに加え、光非依存的な修復機構や損傷トレランス機構が存在することが明らかになってきた。今回、われわれはシロイヌナズナの損傷トレランス機構にかかわる, 遺伝子の解析について報告する。及び遺伝子は、損傷乗り越え複製を行うDNAポリメラーゼをコードしており、紫外線やさまざまな変異原によって損傷したDNAを鋳型として複製を行うことにより、DNA損傷による細胞増殖の停止を忌避する作用があることが予想されている。実際、及び遺伝子欠損株は紫外線,線、及びクロスリンク試薬に対して高い感受性を示した。また、大腸菌中で産生させたAtREV1タンパク質は脱塩基部位を持つDNAを鋳型として逆鎖のプライマー末端にdCMPを挿入する活性を示した。一方、損傷乗り越え複製活性に付随して生じる突然変異頻度を測定する目的で、体細胞における紫外線誘発突然変異を検出したところ、及びの欠損株では突然変異頻度が大きく低下した。以上の結果から、高等植物では、及び遺伝子産物が紫外線や放射線などによって損傷したDNAを複製することにより、植物の生長阻害を回避すると同時に突然変異を引き起こしていることが示唆された。
坂本 綾子; 中川 繭; 高橋 真哉*; 清水 喜久雄*; 田中 淳; 鳴海 一成
no journal, ,
To survive under the challenging circumstances, plants equip themselves with damage tolerance mechanisms, such as translesion synthesis (TLS). During our attempt to isolate novel genes accounting for the UV-resistance, we found several genes that seem to be involved in TLS. These are , , and . All these disruptants were more sensitive to UV exposure than wild-type plant although the levels of sensitivity were different each other. To obtain further information about plant TLS mechanisms, we analyzed bacterially expressed AtREV1 protein . The recombinant AtREV1 protein inserted a dCMP at the opposite of AP site, but never inserted a nucleotide opposite of CPD nor 6-4 photoproducts. We also measured the UV-induced mutation frequencies in -, - or -disrupted plants. The disruption of or reduced the reversion frequency to 1/4 of the level of wild type, while the disruption of enhanced the frequency more than twice. These results suggest that UV-induced damage is processed by two competitive pathways in Arabidopsis: a more mutagenic pathway with AtREV3 and AtREV1 and a less mutagenic pathway with AtPOLH.
中川 繭; 高橋 真哉*; 坂本 綾子; 田中 淳; 鳴海 一成
no journal, ,
われわれはこれまでにTLS型ポリメラーゼのシロイヌナズナ相同遺伝子, , の欠損植物体が、通常の栽培条件では野生型と生育に差を示さないが、UVや線などの変異原に感受性を示すことを報告してきた。本研究では、これらの変異体における突然変異頻度の変化を指標に、REV3とREV1による誤りがちなTLS、又はPOLHによる誤りの少ないTLSが植物でも機能しているかどうかの検証を試みた。UV照射によって誘発された突然変異の頻度は、とでは野生型に比べ著しく減少し、では上昇した。この結果から、TLS型ポリメラーゼ相同遺伝子が欠損した植物体では、正常なTLSが機能しないためにUVに感受性になっていることが示唆された。一方、線照射によって誘発された突然変異の頻度は、とでは野生型に比べ減少したが、線に感受性を示さないは野生型とあまり差が見られなかった。以上の結果から、植物においてもTLSがDNA損傷による生長阻害の防御機構において重要な役割を果たしていることが推測された。