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中島 隼人*; 今井 良行; 久保 真治
JAEA-Technology 2009-082, 35 Pages, 2010/08
熱化学水素製造法ISプロセスにおいて、プラント運転時の操作条件決定に重要であるとともにプロセス熱効率に強く相関するヨウ化水素,硫酸,ヨウ素及び水の4成分系による2液相分離特性を、3次元可視化手法により解析した。大気圧環境下で293K及び363Kの温度条件における4成分系溶液の組成を実験的に取得し、それらの分布と形状を正四面体を利用した3次元空間内に可視化することにより、2次元表示では得られなかった2液相分離を生じる組成領域の境界面を明らかにするとともに、各相の酸濃度(ヨウ素を除いた3成分系におけるヨウ化水素モル分率と硫酸モル分率の和)が等しいことを見いだした。これにより、2液相分離を生じる組成領域,酸濃度といった、運転操作や熱効率推算に有用な組成情報を得ることができた。
今井 良行; 中島 隼人; 久保 真治; 小貫 薫
化学工学論文集, 36(1), p.70 - 73, 2010/01
被引用回数:5 パーセンタイル:22.51(Engineering, Chemical)熱化学水素製造法ISプロセスの要素反応であるブンゼン反応について、ヨウ素飽和条件において二酸化硫黄分圧及び反応温度が生成するポリヨウ化水素酸相の組成に与える影響を調べた。理想的脱硫を仮定したポリヨウ化水素酸相のヨウ化水素酸濃度(HI/(HI/HO))は、二酸化硫黄分圧及び反応温度に応じて単調増加の傾向を示した。試験結果をもとに二酸化硫黄分圧及び反応温度の関数としてヨウ化水素酸濃度の実験式を得た。
久保 真治; 中島 隼人; 今井 良行; 笠原 清司; 田中 伸幸; 奥田 泰之; 宮下 礼子*; 小貫 薫
Proceedings of 17th World Hydrogen Energy Conference (WHEC 2008) (CD-ROM), 4 Pages, 2008/06
ブンゼン反応溶液の組成制御は、ISプロセスの運転を安定化するためのキー技術である。今回、二相分離状態にある4成分系において溶液組成を推算する新しい方法を開発した。これは、両相の2つの密度を計測するだけで、両相のすべてのモル分率を推算できるものである。本方法を実現するため、模擬溶液の密度測定実験を実施、これを多項式近似し、密度と組成の関係式を導出した。また、二相分離状態溶液の各成分のモル分率間の相関式を、文献データを回帰することにより導出した。これら非線形連立方程式の求解プログラムを作成し、両密度を与えることにより組成が計算できるようにした。模擬二相分離溶液を調整し、密度測定及び滴定分析を実施、密度から求めた推算組成と滴定による組成測定値を比較したところ、両者の一致は良好であった。本法はシンプルで簡便に実施できるため、プロセス運転時の組成計測への適用が期待できる。
久保 真治; 中島 隼人; 今井 良行; 笠原 清司; 小貫 薫
Proceedings of 2007 AIChE Annual Meeting (CD-ROM), 5 Pages, 2007/11
ブンゼン反応溶液の組成コントロールは、熱化学法ISプロセスによる安定水素製造のためキー技術である。本研究は、ブンゼン反応器物質収支の基礎考察,ギブスの自由度を減少させることによる簡便なコントロール方法を示すとともに、超音波固体ヨウ素検出法による同コントロール法の実現手段について述べたものである。
中島 隼人; 今井 良行; 笠原 清司; 久保 真治; 小貫 薫
化学工学論文集, 33(3), p.257 - 260, 2007/05
被引用回数:5 パーセンタイル:24.29(Engineering, Chemical)熱化学水素製造法ISプロセスの要素反応であるヨウ素と水の混合系への二酸化硫黄ガス吸収反応について、323K,ヨウ素飽和条件で、二酸化硫黄分圧の影響を調べた。定圧二酸化硫黄ガス存在下、2相分離(硫酸相とポリヨウ化水素酸相),擬似平衡状態への到達が観察され、同状態におけるポリヨウ化水素酸に対してブンゼン反応の逆反応による理想的脱硫操作を行って得られる溶液の酸濃度(HI/(HI+HO))は、高二酸化硫黄分圧のもとで高く、最大15.7
0.3mol%に達した。
久保 真治; 中島 隼人; 笠原 清司; 東 俊一*; 真崎 智郎*; 阿部 博佳*; 小貫 薫
Nuclear Engineering and Design, 233(1-3), p.347 - 354, 2004/10
被引用回数:190 パーセンタイル:99.53(Nuclear Science & Technology)日本原子力研究所では、高温ガス炉の熱を利用するための熱化学水素製造法ISプロセスの研究開発を行っている。研究開発の内容は、装置材料の腐食評価,熱効率の向上,実用システムの検討,閉サイクル連続水素製造の方法である。ガラス製試験装置を用いた閉サイクル連続水素製造の方法の検討では、まず、ブンゼン反応によって生じる溶液組成について調べ、試験はこれに基づいた。32リットル毎時の水素を20時間にわたって製造することに成功し、これにより運転方法の安定性はほぼ実証できた。
笠原 清司; Hwang, G.*; 中島 隼人; Choi, H.*; 小貫 薫; 野村 幹弘
Journal of Chemical Engineering of Japan, 36(7), p.887 - 899, 2003/07
被引用回数:70 パーセンタイル:88.11(Engineering, Chemical)熱化学的水素製造プロセスであるISプロセスについて熱効率に対する操作条件の影響を評価した。HI濃縮に電気透析(EED)セル,HIの分解反応にメンブレンリアクターを適用した。4つの操作条件(HI分解反応器の転化率,HI蒸留塔の還流比,HI蒸留塔の圧力,及びEEDセル直後のHI濃度)の感度解析を行った。EEDセル直後HI濃度が熱効率に最も大きい影響があり、熱効率が13.3%変動した。他の操作条件の熱効率への影響は2%以下であった。プロセスの非理想性(EEDセルの電気エネルギーロス,熱交換器のロス,及び排熱からの電力回収におけるロス)の影響が評価された。EEDセルのロスによる熱効率の損失は11.4%だった。熱交換器のロスによって熱効率は5.7%減少した。電力回収のロスは6.3%効率を低下させた。装置が改良された後には、最大の熱効率を得るためにEEDセル直後HI濃度のような操作条件を最適化すべきである。EEDセル,熱交換器及び排熱回収を理想的に行った条件の下では、操作条件を最適化したプロセスの熱効率は56.8%であった。
小貫 薫; 秋野 詔夫; 清水 三郎; 中島 隼人; 東 俊一; 久保 真治
JAERI-Tech 2001-032, 63 Pages, 2001/03
熱化学水素製造法ISプロセスでは、硫酸,ヨウ素,ヨウ化水素酸等の有害な薬品を使用するため、試験研究の実施に際しては安全性に対する配慮が重要である。そこで、ISプロセスの閉サイクル運転制御方法に関する研究を行うことを目的とする水素発生量毎時50NL規模の連続水素製造試験装置の製作にあたり、その設計製作仕様から装置を用いた試験内容に関して、安全性確保の観点から検討を行った。特に、連続水素製造試験装置は主要材料にガラスを用いているため装置破損防止対策及び地震等の異常時の評価と安全対策に重点をおいた。本報告書はそれらの検討結果を取りまとめたものである。
東 俊一; 中島 隼人; 久保 真治; 小貫 薫; 稲垣 嘉之; 清水 三郎; 秋野 詔夫
Proceedings of the Seminar on HTGR Application and Development, p.164 - 175, 2001/03
日本原子力研究所では高温ガス炉(HTGR)から得られる核熱の利用に関し、化学プロセスと組み合わせて水素を製造するシステムを研究開発中である。HTGRと組み合わせる化学プロセスとして、スチームリフォーミング(SR)プロセスと熱化学法ISプロセスとが選ばれて研究が進められており、その現状を紹介する。SRプロセスは商業化された技術であり、HTGRへの組み込みの早期実現に向けて炉外試験を行う段階まで到達している。ISプロセスはプロセスが特異なため、商業化への問題点の克服中である。ISプロセスは実現への困難さは伴うが、原料に水しか使用せず、副生成物も酸素のみであるため、将来的に期待大である。ISプロセスの内容・現在までの研究成果・将来計画を述べる。
久保 真治; 中島 隼人; 小貫 薫; 清水 三郎
第7回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集 (00-11), p.293 - 298, 2000/11
現在、日本原子力研究所では、熱のみを用いて水を分解し水素を製造できるISプロセスの研究開発を進めている。本プロセスは将来において高温ガス炉の熱利用系としての応用が期待できる。本報告では、このISプロセスを構成する化学反応の概要、これまでに達成した48時間連続水素製造試験の概略、課題として取り組んでいる、高温耐食性材料の開発、膜分離を応用したプロセス高効率化の研究、閉サイクル運転方法の開発の現状について述べる。
井岡 郁夫; 小貫 薫; 二川 正敏; 栗木 良郎*; 名越 正泰*; 中島 隼人; 清水 三郎
硫酸と工業, 52(4), p.1 - 6, 1999/04
95wt%硫酸及び50wt%硫酸の沸騰環境におけるFe-Si合金の腐食挙動を調べた。合金の耐食性は、硫酸組成に応じて特定のSi含有量にて急変した。合金を不動態化するために必要な臨界組成は、95wt%硫酸では9-10%Si,50wt%硫酸では12-15%Siの範囲に存在する。耐食性合金表面に形成される酸化皮膜をオージェ分光及びX線回折により調べた結果、皮膜は非晶質のSiOから成り、酸化性の95wt%硫酸中で生成する場合はSを含み、還元性の50wt%硫酸中で生成する場合はSを含まないことが判明した。皮膜成長速度は、母材のSi含有量と硫酸濃度に大きく依存した。
桜井 誠*; 中島 隼人; 小貫 薫; 池野谷 和彦*; 清水 三郎
International Journal of Hydrogen Energy, 24(7), p.603 - 612, 1999/00
被引用回数:41 パーセンタイル:81.35(Chemistry, Physical)熱化学水素製造ISプロセスにおいて、プロセスの閉サイクル化を実現するための予備的検討を行った。ブンゼン反応生成物の硫酸相とポリヨウ化水素酸相(HI相)の2液相分離特性を0
Cにおいて測定した。その測定データを用いて、系内のHI
蒸留塔における出口溶液であるHI溶液とI
溶液がプロセス内に及ぼす影響を検討した。HI
蒸留塔出口溶液の変動は、2液相分離器内の組成に影響を及ぼすことがわかり、その影響について評価を行った。また、その検討、評価結果に基づいて、閉サイクル運転のための計測、制御法などについての考察も加えた。
中島 隼人; 池野谷 和彦*; 小貫 薫; 清水 三郎
化学工学論文集, 24(2), p.352 - 355, 1998/00
被引用回数:52 パーセンタイル:87.34(Engineering, Chemical)実験室規模の装置を用いて、熱化学水素製造法ISプロセスの閉サイクル連続水素製造試験を行った。酸生成反応、二液相分離、酸分解反応等に関する実験結果を考慮して全系物質収支を定めた。水素製造速度1.2dm(S,T,P)/hのもとで24時間の連続運転試験を行った結果、量論比の水素と酸素を安定に発生させることができた。運転の前後における循環溶液組成はほとんど変化しなかった。
井岡 郁夫; 小貫 薫; 二川 正敏; 栗木 良郎*; 名越 正泰*; 中島 隼人; 清水 三郎
材料, 46(9), p.1041 - 1045, 1997/09
95wt%硫酸及び50wt%硫酸の沸騰環境におけるFe-Si合金の腐食挙動を調べた。合金の耐食性は、硫酸組成に応じて特定のSi含有量にて急変した。合金を不働態化するために必要な臨界組成は、95wt%硫酸では9~10%Si,50wt%硫酸では12~15%Siの範囲に存在する。耐食性合金表面に形成される酸化皮膜をオージェ分光及びX線回折により調べた結果、皮膜は非晶質のSiOから成り、酸化性の95wt%硫酸中で生成する場合はSを含み、還元性の50wt%硫酸中で生成する場合はSを含まないことが判明した。皮膜成長速度は、母材のSi含有量と硫酸濃度に大きく依存した。
小貫 薫; 名越 正泰*; 中島 隼人; 清水 三郎
J. Chem. Eng. Jpn., 30(2), p.359 - 362, 1997/00
被引用回数:3 パーセンタイル:35.04(Engineering, Chemical)多孔質陽極酸化アルミナ膜の表面をテトラエチルオルソシリケートの熱分解を利用した化学蒸着法により修飾した。反応は酸素共存下、380Cにて行った。得られた膜は、He及びH
に対して高い選択的透過性を示した。透過速度は高温ほど増大し、He及びH
の100~315
Cにおける見かけの活性化エネルギーは各々12及び13kJ・mol
であった。315
CにおけるHe及びH
の透過速度は各々2
10
及び7
10
mol・m
・s
・Pa
であり、N
の透過速度は1
10
mol・m
・s
・Pa
以下であった。SEM観察、EDX及びXPS分析の結果、蒸着は細孔内部にて進行しており、蒸着物はケイ素酸化物と炭素から成ることが認められた。蒸着量は細孔表面にて最も多く、細孔内部にて緩やかに減少した。表面から約50
mの深さまで蒸着物の存在が認められたが、ガス透過選択性の発現に寄与する比較的ち密な蒸着層の厚さは数
m程度と考えられた。
小貫 薫; 中島 隼人; 清水 三郎
化学工学論文集, 23(2), p.289 - 291, 1997/00
被引用回数:8 パーセンタイル:50.32(Engineering, Chemical)ヨウ素を溶解したヨウ化水素酸(HI溶液)の濃縮への応用の観点から、市販のイオン交換膜、NEOSEPTA CMH及びTOSFLEX IE-DF34を用いて、HI
溶液の電気透析挙動を検討し、陽イオン交換膜の選択性と電気抵抗及び陰イオン交換膜における浸透及び電気浸透による水の透過性が濃縮効率の支配因子であることを明らかにした。透析速度及び浸透速度から、濃縮に必要な電流密度の下限値を推定した。
小貫 薫; 井岡 郁夫; 二川 正敏; 中島 隼人; 清水 三郎; 田山 一郎*
材料と環境, 46(2), p.113 - 117, 1997/00
熱化学水素製造法ISプロセス用装置材料の候補材選定を目的とした腐食試験を実施した。試験は微量のヨウ化水素酸を含む50wt%硫酸の95C及び120
Cの環境、及び200~400
CのHI/I
/H
Oの混合気体環境にて行った。前者の環境では、タンタル、ジルコニウム、透明石英ガラス及び鉛が優れた耐食性を示した。テフロンPFAは、素材自体は耐食性を示したがヨウ素の浸透が認められた。後者の環境では、チタン及びハステロイC-276が優れた耐食性を示した。インコネル600及び1Cr-1/2Moもこれらに次ぐ小さな腐食速度であったが、インコネル600には粒界浸食が認められた。
二川 正敏; 小貫 薫; 井岡 郁夫; 中島 隼人; 清水 三郎; 栗木 良郎*; 名越 正泰*
材料と環境, 46(10), p.669 - 674, 1997/00
熱化学水素製造法IS(Iodine-Sulfur)プロセスは、腐食性の強い硫酸及びヨウ素化合物を扱う過酷なプロセス環境を構成する。鉄硅素合金は硫酸中でシリカ皮膜の造成により耐食性を発現できることが知られている。耐食性は合金中の硅素濃度に依存し、硅素濃度が増すに従って耐食性は向上するが、脆化する。硅素濃度が基材で3wt%,表面で14wt%である表層傾斜組成珪素鉄合金をCVD表面改質処理によって試作した。改質材について95wt%硫酸沸騰中で最大300時間腐食後、腐食減量、SEM観察、EPMA元素分析等により耐食性評価を行った。改質材は、腐食減量では12wt%以上の珪素を含む珪素鉄合金と同等の耐食性を発現したが、表面観察結果では300時間後にシリカ皮膜のブレークアウェイが粒界に沿って見られた。粒界には改質処理過程で生じた微小き裂が存在した。
小貫 薫; 中島 隼人; 井岡 郁夫; 二川 正敏; 清水 三郎
JAERI-Review 94-006, 53 Pages, 1994/11
熱化学水素製造法ISプロセスに関して、原研及び各国の研究機関で進められてきた研究開発の成果をとりまとめた。これまでに、要素反応及び生成物分離方法の研究から、いくつかの実行可能なプロセス条件が見い出されている。それらの知見にもとづいたプロセスフローシートの検討から、効果的な排熱回収を組み込んだ最適プロセス条件の下で40%を越える熱効率の期待できることが示された。装置材料に関して、1000時間程度の耐食試験により、腐食性の強いプロセス環境に対する市販材料の耐食性を明らかにした。現在、プロセスの全基本工程を組み込んだ実験室規模プラントの運転試験により、閉サイクル運転条件の検討を進めている。HTTR接続試験に進むために必要な研究開発について議論した。
小貫 薫; 清水 三郎; 中島 隼人; 池添 康正; 佐藤 章一
International Journal of Hydrogen Energy, 15(2), p.93 - 97, 1990/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Physical)ヨウ化水素酸の作用により、メタノールからヨウ化メチルを合成する反応に対して、ヨウ素が加速効果を持つことを見い出した。また、メタノールに対するヨウ化水素の仕込み比が小さい場合、生成するヨウ化メチルとメタノールからジメチルエーテルを生成する副反応が生起し、この副反応もヨウ素の存在により促進されることを見い出した。