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阿部 健康; 栗林 貴弘*; 中村 美千彦*
European Journal of Mineralogy, 29(6), p.949 - 957, 2017/12
被引用回数:2 パーセンタイル:6.21(Mineralogy)合成単結晶および放射損傷した天然試料の偏光赤外線スペクトルを取得し、モナザイト中のOH基について調べた。純粋な合成モナザイトのIRスペクトルは、3163および3335cmに2つのOH伸縮バンドを示し、対照的な半値幅(約40および90cm)をもっていた。2つのOHバンドは強い異方性を示し、Y方向に赤外線吸収が支配的である。天然モナザイトのIRスペクトルは、約3400cmを中心とする異方性の弱いOHバンドを示し、200cmを超える半値幅を有する。段階加熱実験の間、この広いOHバンドはいくつかのバンドに分割され、これらのバンドは合成サンプルのスペクトルで観察されるバンドとは異なる。天然および合成試料の両方のスペクトルにおけるOH伸縮シグナルは、1000Cでの加熱後に消失した。赤外線吸光度から推測されるHO濃度は、合成モナザイトで22(2)ppm、天然試料で130520ppmであった。これらの結果に基づいて、天然のモナザイトにおけるOH欠陥は、天然のジルコンおよびゼノタイムの場合のように、放射損傷によって促進される二次的な水和のために生じる。
棚井 憲治; 菊池 広人; 中村 邦彦*; 田中 幸久*; 廣永 道彦*
JAEA-Research 2010-025, 186 Pages, 2010/08
低レベル放射性廃棄物処分, TRU廃棄物並びに高レベル放射性廃棄物の地層処分では、施設の構成要素の一つとしてベントナイト系材料が用いられる。ベントナイト系材料に求められている特性としては、低透水性,膨潤性などがあり、ほとんどの場合、室内試験結果により評価されている。ところが、乾燥密度などの指標が同一でも、ベントナイトの室内試験結果には幅があるため、施工時の特性評価には不確実性が存在する。さらに施工時の不確実性は、長期的な特性評価の不確実性を増大させる可能性がある。一方、ベントナイトの室内試験法の中には規格化又は標準化されていないものがあり、そのことが、室内試験によるベントナイトの特性評価の不確実性の原因の一つである可能性がある。そのため、標準的なベントナイトの室内試験法の設定が望まれている。そこで、本研究では、ベントナイト系材料の試験で得られる物性値の不確実性の要因分析を実施し、試験における問題点や留意事項を取りまとめた。
阿部 健康; 栗林 貴弘*; 中村 美千彦*
no journal, ,
モナズ石CePOは、変成岩や火成岩に広く産し、U-Pb年代測定に利用される重要な鉱物として知られる。モナズ石の結晶構造中には空隙が存在する。3価のCe席や5価のP席が電荷の異なるカチオンによって置換される場合、その空隙が格子間席として使われ、電荷バランスを保つための不純物が固溶する可能性がある。本研究では、Ce席に2価のカチオンをドープしたCePO単結晶をフラックス法により合成し、単結晶X線回折実験を行い構造を精密化した。格子間席への不純物固溶を検証するため、ドープなし及び2価カチオンドープ試料について差フーリエ図を作成して比較した。ホットプレス装置に内蔵のシリコニット炉を使用し、pure及びCaO-doped CePO、の二種類を用意した。回折強度データを取得し、CaO-doped CePOについて構造精密化を行った結果、CeO-PO鎖間の位置に、pure CePOの解析結果には見られない2種類の残差ピークが観察された。Ce席, P席の占有率パラメータは、それぞれ0.97, 0.95と1より小さい値を示し、Ce席やP席に空孔が生じている可能性が示唆された。