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論文

加速管更新後の加速電圧の推移と現状

松田 誠; 長 明彦; 石崎 暢洋; 田山 豪一; 仲野谷 孝充; 株本 裕史; 中村 暢彦; 沓掛 健一; 乙川 義憲; 遊津 拓洋

JAEA-Conf 2018-003, p.126 - 131, 2019/02

原子力機構東海タンデム加速器では2003年に21gapのコンプレスドジオメトリ型加速管への更新を行った。更新直後に16MVの電圧発生を確認し2年後には18MVに到達した。2007年、2008年には真空トラブルによりダメージを受け、加速電圧が下がってしまったが加速管を交換することで性能を回復し、2015年までは18MVを維持した運転を継続してきた。これまでの最高加速電圧は18.5MVである。しかしながら近年は高電圧発生時の放電の頻発や、2016年12月に発生した大規模な真空破壊事故により加速電圧が12MVにまで低下してしまった。主たる原因は真空事故による加速管内部への塵やストリッパーフォイル片の混入と考えられ、現在全加速管を取り外し内部の洗浄作業を実施している。この洗浄作業に際し、加速管のアパーチャー電極の放射化測定や管内のセラミクスの汚れの状況を確認した。一部の加速管には内部セラミクスが剥離したものがあった。現在、性能回復のために加速管の洗浄作業および性能向上のために加速器のアライメントを実施している。

論文

Activation in injection area of J-PARC 3-GeV rapid cycling synchrotron and its countermeasures

山本 風海; 山川 恵美*; 高柳 智弘; 三木 信晴*; 神谷 潤一郎; Saha, P. K.; 吉本 政弘; 柳橋 亨*; 堀野 光喜*; 仲野谷 孝充; et al.

ANS RPSD 2018; 20th Topical Meeting of the Radiation Protection and Shielding Division of ANS (CD-ROM), 9 Pages, 2018/08

J-PARC 3GeVシンクロトロンは1MWのビーム出力を中性子ターゲットおよび主リングシンクロトロンに供給するためにビーム調整を進めている。現在は最大500kWの出力で運転を行っているが、現状最も放射化し線量が高い箇所はリニアックからのビーム軌道をシンクロトロンに合流させる入射部である。この放射化はビーム入射に使用する荷電変換フォイルとビームの相互作用によるものであるが、フォイルを使う限り必ず発生するため、周辺作業者への被ばくを低減するための遮蔽体を設置できる新しい入射システムの検討を行った。フォイル周辺は入射用電磁石からの漏れ磁場で金属内に渦電流が流れ、発熱することがこれまでの経験から判っているため、その対策として金属の遮蔽体を層状に分け、その間に絶縁体を挟む構造を考案した。遮蔽計算の結果から、9mmのステンレスの間に1mmの絶縁体を挟んでも遮蔽性能は5%程度しか低下しないことがわかった。

論文

原子力機構-東海タンデム加速器の現状

松田 誠; 株本 裕史; 田山 豪一; 仲野谷 孝充; 中村 暢彦; 沓掛 健一; 乙川 義憲; 遊津 拓洋; 松井 泰; 石崎 暢洋; et al.

Proceedings of 15th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1271 - 1275, 2018/08

原子力機構-東海タンデム加速器は最高加速電圧が約18MVの大型静電加速器であり、核物理,核化学,原子物理,材料照射などの分野に利用されている。2016年12月に発生した真空事故以降加速電圧が12MVまで低下した。加速管内に混入した塵や荷電変換用の炭素薄膜を除去すべく80本の全加速管を取り外し再洗浄を実施した。洗浄に4か月、再組立てに2か月を要した。このため2017年2月から約10か月が加速器の整備期間となった。加速管の再構築に伴い加速管と圧力タンク外の機器との再アライメントを実施した。運転再開は2017年12月となり、利用運転期間中に定期的なコンディショニングを行うことで16.5MVの運転電圧まで回復させることができた。2017年度の加速器の運転・整備状況およびビーム利用開発等について報告する。

論文

原子力機構-東海タンデム加速器の現状

株本 裕史; 長 明彦; 石崎 暢洋; 田山 豪一; 松田 誠; 仲野谷 孝充; 中村 暢彦; 沓掛 健一; 乙川 義憲; 遊津 拓洋

Proceedings of 14th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1404 - 1408, 2017/12

原子力機構-東海タンデム加速器施設は最高運転電圧が約18MVの大型静電加速器で、核物理,核化学,原子物理,材料照射などの各分野に利用されている。当施設では2015年度中に起きた運転中の放電等により一部の加速管に不調が生じたため、しばらく加速電圧を低く抑えて運転を継続していたが、2016年度に加速管8本の交換作業を実施し、加速電圧は約17MVまで回復した。しかし、12月に起きた真空トラブルのため、再び加速管に不調が発生し、加速電圧を低く抑えての運転を余儀なくされた。現在、加速管を全て分解し、クリーニング等による電圧性能の回復を図っている。本発表では加速器の運転・整備状況およびビーム利用開発等について報告する。

論文

原子力機構-東海タンデム加速器の現状

松田 誠; 長 明彦; 石崎 暢洋; 田山 豪一; 仲野谷 孝充; 株本 裕史; 中村 暢彦; 沓掛 健一; 乙川 義憲; 遊津 拓洋

Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1413 - 1417, 2016/11

原子力機構-東海タンデム加速器施設における2015年度の加速器の運転日数は141日であった。最高運転電圧は18MVで、10日間の利用があった。11月に加速器の放電により一部の加速管に不調が生じ、運転電圧を低く抑えて運転を継続せざるを得なくなり、年度末には最高運転電圧は13MVまで下がった。利用されたイオン種は15元素(18核種、22のイオン種)である。利用分野は核物理36%、核化学26%、原子物理・材料照射33%となっている。主な整備事項として、加速管の高エネルギー側にあるビームアパーチャーおよびファラデーカップ位置の再アライメントを行った。また、年度途中から不調となった加速管8本の交換作業を実施した。2015年度の加速器の運転・開発状況およびビーム利用開発について報告する。

論文

原子力機構-東海タンデム加速器の現状

松田 誠; 長 明彦; 阿部 信市; 石崎 暢洋; 田山 豪一; 仲野谷 孝充; 株本 裕史; 中村 暢彦; 沓掛 健一; 乙川 義憲; et al.

Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.357 - 360, 2015/09

原子力機構-東海タンデム加速器施設における2014年度の加速器の運転・開発状況およびビーム利用開発について報告する。2014年度の加速器の運転日数は156日であり、最高運転電圧は18MVで8日間の利用があった。利用されたイオン種は15元素(19核種)である。高電圧端子内イオン源からのビーム利用は30%であり、原子あたり3.5MeVのエネルギーでC$$_{3}$$分子イオンの利用があった。近年、需要の増えた非密封RIや核燃料を標的とした実験に対応するため、これらの標的を扱える照射室(第2照射室)を新たに整備した。2014年11月にビーム試験を実施し、2015年2月より実験利用が開始された。現在RI標的の利用が可能であり、今後、核燃料標的に拡大する予定である。東海タンデム加速器では高電圧端子内機器への電力供給のために地上電位にある40HPおよび30HPのモーター出力を動力伝達用アクリルシャフトを介して端子内の10kVAおよび15kVAの発電機を駆動している。このシャフトの軸受マウント部を改良しベアリング寿命を大幅に伸ばすことに成功した。大型静電加速器としての特徴を活かすべくビーム開発を実施しているところである。

論文

東海タンデム加速器の故障事例

松田 誠; 阿部 信市; 石崎 暢洋; 田山 豪一; 仲野谷 孝充; 株本 裕史; 中村 暢彦; 沓掛 健一; 乙川 義憲; 遊津 拓洋; et al.

第27回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.142 - 145, 2015/03

原子力機構-東海タンデム加速器において、過去10年ほどの間に発生した様々な機器の故障事例を紹介する。当施設は運転開始から約30年を経過し、機器の高経年化による故障が多々見られるようになった。その代表として、冷却水配管の継ぎ手、ホローコンダクタなどからの水漏れや、圧力タンク内部機器の接触不良などがある。圧力タンク内は六フッ化硫黄(SF$$_6$$)ガスが充填されているが、コロナプローブのコロナ放電や時折発生する放電により腐食性のあるSF$$_6$$の分解生成物のガスも発生している。この腐食性のガスにより徐々に電気機器の接点やアルミガスケット、真空機器の溶接部が腐食し、接触不良および真空リークを発生する事例がみられる。このほかベローズの伸縮の繰り返しによってビームラインバルブやファラデーカップのベローズ部からの真空リークも近年多く発生するようになってきた。また高圧下および放電サージに晒される特殊環境下である加速器圧力タンク内の機器の故障について報告し、それらの原因および対処法などについて述べる。

論文

原子力機構-東海タンデム加速器の現状

松田 誠; 長 明彦; 阿部 信市; 石崎 暢洋; 田山 豪一; 仲野谷 孝充; 株本 裕史; 中村 暢彦; 沓掛 健一; 乙川 義憲; et al.

Proceedings of 11th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.410 - 413, 2014/10

原子力機構-東海タンデム加速器施設における2013年度の加速器の運転・開発状況およびビーム利用開発について報告する。2013年度の加速器の運転は、7/16$$sim$$10/6および1/16$$sim$$3/2の2度の定期整備期間を除いて実施され、運転日数は154日であった。最高運転電圧は17.5MVで14日間の利用があった。近年は分子イオン加速のために低い電圧での利用も増え、3.5MVでの加速も実施された。利用されたイオン種は15元素(19核種)である。高電圧端子内イオン源からのビーム利用は33%であった。加速器運転の省力化・効率化のために、光学計算による光学パラメータの自動設定やスケーリング則による設定の技術開発を行っている。その過程で既存の光学要素が計算に全く合わない部分があることが判明した。原因は磁気ステアラーや、磁気四重極レンズの極性やその並びがビームラインごとに異なっていたり、中にはでたらめに配線されているものがあった。これらを修正したところ計算値との整合性を改善することができた。今後、精度を高めるべく開発を継続していく。主な整備事項として、端子電圧を制御するSLITコントロールの不調や、大型偏向電磁石の磁場制御のためのNMRの経年劣化による動作不良、高電圧端子内発電機の増速ギアボックスのオイル漏れが発生した。加速器建家においては老朽化した、高圧受変電設備の更新やエレベータ制御機器の更新が実施された。大型静電加速器としての特徴を活かすべくビーム開発を実施しているところである。

論文

原子力機構-東海タンデム加速器の現状

松田 誠; 長 明彦; 阿部 信市; 石崎 暢洋; 田山 豪一; 仲野谷 孝充; 株本 裕史; 中村 暢彦; 沓掛 健一; 乙川 義憲; et al.

Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.307 - 309, 2014/06

2012年度の加速器の運転は2度のマシンタイム期間で行われ、運転日数は113日であった。最高運転電圧は18MVで9日間の利用があった。利用されたイオン種は16元素(19核種)であり、C分子イオンも加速された。また、$$^{132}$$Xeと$$^{12}$$Cを同時に試料に照射するデュアルビーム加速を実現した。高電圧端子内に設置されたECRイオン源からのビーム利用が多く全体の48%を占めた。超伝導ブースターは4日間運転され、現在は予算削減のため休止状態となっている。主な整備事項では、2012年度交換を完了しなかったひびの入った残りの加速器の絶縁カラムを支えるセラミクスポストの交換を実施した。最終的には、240本中38本にひびが生じていた。また先の大地震で被害を受けた建屋の補修工事を2012年の11月から約3か月に渡り実施し、建屋の壁や柱のひび割れの補修を行った。現在は、大型静電加速器としての特徴を活かすべくビーム開発を実施しているところである。

論文

原子力機構-東海タンデム加速器の現状

松田 誠; 阿部 信市; 石崎 暢洋; 田山 豪一; 仲野谷 孝充; 株本 裕史; 中村 暢彦; 沓掛 健一; 乙川 義憲; 遊津 拓洋; et al.

Proceedings of 9th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.362 - 366, 2013/08

原子力機構-東海タンデム加速器施設には、20MVタンデム加速器とその後段加速器として1/4波長型超伝導空洞40台から構成される超伝導ブースター加速器が設置されている。2011年発生した東北太平洋沖地震では、東海タンデム加速器は震度6弱の揺れに襲われ、地震計のインターロックにより自動停止した。加速器の圧力タンクからのSF$$_6$$ガスの漏れも発生せず、超伝導ブースターのHe冷凍機は停止中であったのでHeガスの放出もなかった。加速器の主な被害は、高電圧発生部の絶縁カラムを支持するセラミクス支柱の35本(総数240本)の破損、加速管へのSF$$_6$$ガスのリーク、ビームライン機器の移動(特に大型偏向電磁石)等であった。加速器本体の被害が小さかったのは、絶縁カラム全体が免震機構によって支えられていたおかげである。約半年に及ぶ復旧作業の結果、2011年9月には運転を再開することができ、最高電圧は18MVを保持している。本報告では、被災状況とその復旧作業及び施設の運転状況と最近のビーム開発について報告する。

論文

Development of intense high-energy noble gas ion beams from the in-terminal ion injector of tandem accelerator using an ECR ion source

松田 誠; 仲野谷 孝充; 花島 進; 竹内 末広

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 654(1), p.45 - 51, 2011/10

 被引用回数:3 パーセンタイル:66.23(Instruments & Instrumentation)

原子力機構-東海タンデム加速器において、高強度の希ガスイオンビームを加速するためタンデム加速器の高電圧端子内に小型のECRイオン源を用いた重イオン入射器を開発した。高圧のSF$$_{6}$$ガス雰囲気中の20URペレトロンタンデム加速器の高電圧端子でイオン源を運転するために行った多くの開発について記述した。窒素,酸素,ネオン,アルゴン,クリプトン及びキセノンの高多価イオンの加速に成功した。数年に渡るビーム加速の結果についてまとめている。

論文

原子力機構-東海タンデム加速器の被災状況

松田 誠; 長 明彦; 阿部 信市; 石崎 暢洋; 田山 豪一; 仲野谷 孝充; 株本 裕史; 中村 暢彦; 沓掛 健一; 乙川 義憲; et al.

第24回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.51 - 54, 2011/07

2011年3月11日に発生した東北太平洋沖地震によって東海タンデム加速器施設は震度6弱の揺れに襲われた。加速器は16.1MVで運転中であったが、インターロックにより自動停止した。幸い、SF$$_{6}$$ガス及びHeガスの放出も発生せず、施設の大規模な損傷はなかった。タンク内の機器に甚大な被害は見られず一安心であったが、絶縁カラムを支持するカラムポストにひびや割れが確認された。地震の揺れの割に被害が小さかったのは、カラム全体が免震機構によって保護されていたおかげである。ビームラインでは、大型電磁石が数cm移動したり、真空ベローズが破壊されたりした箇所があった。被害の全容は調査段階であり完全には掴めていないが、確認された被災状況と現時点での復旧状況について報告する。

論文

原子力機構-東海タンデム加速器の現状

石崎 暢洋; 石井 哲朗; 阿部 信市; 花島 進; 長 明彦; 田山 豪一; 松田 誠; 仲野谷 孝充; 株本 裕史; 中村 暢彦; et al.

第23回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.13 - 16, 2010/11

2009年度のタンデム加速器の運転,整備及び利用状況について報告する。加速器の運転時間は約3600時間で例年より少ないが、これは年2回の定期整備以外にタンク開放を要する不具合が4回発生したためである。利用されたイオン種は20元素(25核種)で、多い順にH, O, C, Xe, Ni, N, Li, Arなどであり、ターミナルイオン源からCO$$_{2}$$の加速試験も実施した。利用分野は、核物理,核化学,材料・物性,加速器開発などであった。カラムのショーティングロッドのナイロン製接続ネジが破断し、タンク外へ取り出せなくなる不具合が発生した。圧空ジャッキによるロッドの抜き差しの際に過大な力が加わり破断に至ったものと推定された。ロッドの接続部で放電や引っかかりが起こらない改良型ロッドを製作中である。電磁石のトラブルとして、12月にコイルの内部に微少な水漏れが発生し磁場が不安定になる現象が起きた。現在片側のコイルのみで運転中であり、新しいコイルを製作中である。また、別の電磁石電源で使用している水冷シャントの銅管にピンホールによる水漏れが発生した。これは冷却不要のDCCTに置き換えた。

報告書

タンデム加速器高圧ガス製造施設の運転管理; 点検整備と経年劣化の評価及び六フッ化硫黄排出抑制対策

田山 豪一; 仲野谷 孝充; 乙川 義憲; 月橋 芳廣; 関 信夫*; 小野寺 輝夫*; 仁杉 光*

JAEA-Technology 2010-023, 42 Pages, 2010/09

JAEA-Technology-2010-023.pdf:4.81MB

原子力科学研究所のタンデム加速器高圧ガス製造施設は、六フッ化硫黄(以下、「SF$$_{6}$$」という)ガスを回収,充填するための施設である。SF$$_{6}$$ガスは、加速器タンク内に設置される加速器の高い電気絶縁の確保のために使用される。SF$$_{6}$$を取り扱う研究機関では、国内最大級の高圧ガス製造施設である。当施設は現在まで31年間運転してきており、施設の点検整備を実施するとともに経年劣化への対策も進めてきている。SF$$_{6}$$ガスは、地球温暖化対策の推進に関する法律で温室効果ガスとして指定され、排出量の削減を厳しく求められている。原子力科学研究所では環境配慮促進の一環としてSF$$_{6}$$排出抑制対策を重要な課題としている。われわれにおいては、当施設のSF$$_{6}$$ガス排出抑制対策を継続して実施してきた。本報告書は、長年に渡る運転管理における点検整備の経緯,経年劣化の評価,SF$$_{6}$$排出抑制対策について取りまとめたものである。

報告書

オーブン法によるECRイオン源からの金属イオンビーム生成

仲野谷 孝充; 松田 誠

JAEA-Technology 2010-022, 35 Pages, 2010/07

JAEA-Technology-2010-022.pdf:4.52MB

原子力機構-東海タンデム加速器では気体元素の多価イオンを生成・加速する目的でECRイオン源が高電圧端子内に設置されている。ECRイオン源はその特性上、気体元素の大電流の多価イオンビームを容易に生成できるが、金属元素のイオンの生成は容易ではない。そのため、金属イオンは負イオン源で生成して通常のタンデム加速方式で加速している。しかし、ECRイオン源から金属イオンを生成・加速できれば、負イオン源に比べてビーム強度,ビームエネルギーが飛躍的に増加する可能性があり、加速器施設の利便性を大きく向上させることができる。そのためECRイオン源からの金属イオン生成と加速を目指して、オーブン法による金属ビームの開発を行った。開発したオーブンを用いて実験室内に設置したテスト用ECRイオン源にて各種金属元素のイオン生成試験を実施した。その結果、16種類の金属元素のイオン化に成功し、運転パラメータ,質量スペクトルデータを得ることができた。本報告では開発したオーブンの構造及び性能,金属イオンビームを生成する際の元素ごとの特徴や質量スペクトルデータ等についてまとめた。

論文

大型静電加速器へのECRイオン源の利用

松田 誠; 遊津 拓洋; 沓掛 健一; 仲野谷 孝充; 花島 進; 竹内 末広

Proceedings of 6th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (CD-ROM), p.827 - 829, 2010/03

ECRイオン源は高多価・高強度の重イオンビームを生成することが可能であり、その電荷数はタンデム加速器の高電圧端子でのカーボンフォイルによる荷電変換よりも高くなっている。したがってECRイオン源をタンデム加速器の高電圧端子に搭載することにより、ビーム強度・ビームエネルギーを増強することが可能である。また加速不可能であった希ガスイオンの利用も可能となる。われわれは永久磁石型ECRイオン源を原子力機構-東海タンデム加速器の高電圧端子に搭載した。高電圧端子は絶縁高圧ガス中でかつ高電圧放電による電気的サージに晒される特殊な環境であるが、機器の開発・改良を重ねた結果、安定加速を実現し、期待通りの性能を発揮している。Xeイオンでは5+から30+までの多価イオンの加速に成功し、広範なエネルギーに渡るビームを得られ、最高エネルギーは480MeVとなった。学会では入射装置の開発と加速試験の詳細について発表する。

論文

原子力機構-東海タンデム加速器の現状

松田 誠; 石井 哲朗; 月橋 芳廣; 花島 進; 阿部 信市; 長 明彦; 石崎 暢洋; 田山 豪一; 仲野谷 孝充; 株本 裕史; et al.

第22回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.10 - 14, 2010/01

2008年度の東海タンデム加速器の運転,整備及び利用状況について報告する。2007年度に実施した長期整備(高経年化対策)の結果、加速器は安定に動作し、利用運転日数は211日(約5000時間)に回復した。一部の加速管に不具合があり、最高電圧は17MVであった。ビーム強度も長期整備時の再アライメントにより大幅に改善し従来の約2$$sim$$3倍となった。利用されたイオン種は21元素(25核種)であった。高電圧端子内イオン源もRF系の復旧により所定の性能が発揮できるようになり、Ne$$^{8+}$$, Ar$$^{12+}$$, Kr$$^{17+}$$, Xe$$^{22+}$$の多価イオンビームが100pnA以上の強度で得られ、最高エネルギーはXe$$^{30+}$$の480MeVに達した。前期の定期整備では不調であったHE側加速管4本を交換した。後期の定期整備ではストリッパーフォイルの交換,高電圧端子内の静電Qレンズへのアパーチャー設置,SF$$_{6}$$絶縁ガスのリーク調査,制御系CAMACのDACの高分解能化を実施した。タンク開放を伴うトラブルとして、10月に高電圧端子内の冷却水ポンプモーターの故障、3月に発電用回転シャフトの軸受け部のベアリングの損傷が発生した。

論文

Highly charged ion injector in the terminal of tandem accelerator

松田 誠; 遊津 拓洋; 仲野谷 孝充; 沓掛 健一; 花島 進; 竹内 末広

Journal of Physics; Conference Series, 163, p.012112_1 - 012112_4, 2009/06

 被引用回数:3 パーセンタイル:20.22

Electron cyclotron resonance ion sources (ECRIS) are able to produce intense beams of highly charged positive ions. It is possible to increase beam intensity, beam energy and beam species by utilizing an ECRIS in the tandem accelerator. A 14.5 GHz all permanent magnet ECRIS has been installed in the high voltage terminal of the tandem accelerator at Japan Atomic Energy Agency at Tokai. The high voltage terminal is in a severe environment, i.e. it is filled with the pressurized insulation gas of 5.5 atm and itself is held at a voltage of 20 MV at maximum. The components of the injector have been confirmed to be pressure-resistant. A control system and circuits were designed to prevent damages from electrical discharges, and these electrical devices were heavily shielded. For the reason that ion pumps do not work for inert rare gases, a turbo molecular pump and a rotary pump were newly developed for the use in the high pressure gas. As a result of their developments, highly charged ions of Ne, Ar, Kr and Xe have been accelerated from the new injector. The rare gas ions have been available, and the intensities have been ten times higher than those before. Xe ion can be accelerated up to 400 MeV.

論文

原子力機構-東海タンデム加速器の現状

松田 誠; 左高 正雄; 月橋 芳廣; 花島 進; 阿部 信市; 長 明彦; 石崎 暢洋; 仲野谷 孝充; 株本 裕史; 中村 暢彦; et al.

JAEA-Conf 2008-012, p.39 - 43, 2009/03

2007年度のタンデム加速器の利用運転日数は86日(約2000時間)で、加速されたイオン種は17元素(23核種)である。加速器の高経年化対策として約5か月の長期整備期間を設け、ターミナルの180$$^{circ}$$偏向電磁石のコイルを更新し、断熱や電磁シールドの強化を図った。同時にターミナルビームラインの再アライメント、10GHzから14.5GHzへのターミナルECRイオン源の更新も行った。再アライメントの結果、ターミナル部のビーム通過率が非常によくなり、得られるビーム強度はこれまでの2$$sim$$3倍となった。また懸案であった3$$mu$$Aの水素ビーム加速も可能となった。更新したターミナルイオン源は安定に動作し、キセノンイオンにおいて当施設の最高エネルギーである375MeVに達した。RF系を増強することで、10倍程度にビーム強度が増強される見通しを得た。短寿命核加速実験装置ではウランの核分裂片である$$^{123}$$In(T$$_{1/2}$$=6s), $$^{143}$$Ba(T$$_{1/2}$$=14s)が10$$^{4}$$ppsの強度で得られ、物理実験に利用された。研究会では2007年度の加速器の運転・利用状況及び整備開発状況について報告する。

論文

On-line diffusion tracing in Li ionic conductors by the short-lived radioactive beam of $$^{8}$$Li

Jeong, S.-C.*; 片山 一郎*; 川上 宏金*; 渡辺 裕*; 石山 博恒*; 今井 伸明*; 平山 賀一*; 宮武 宇也; 左高 正雄; 須貝 宏行; et al.

Japanese Journal of Applied Physics, 47(8), p.6413 - 6415, 2008/08

 被引用回数:5 パーセンタイル:72.85(Physics, Applied)

非破壊的方法によるリチウムイオン伝導体中でのオンライン拡散計測法を確立した。トレーサーとして、短寿命核$$^{8}$$Liのパルスビームを用い、LiGa中に注入した。インプラントされた$$^{8}$$Liからの$$alpha$$粒子放出強度の時間依存性を調べることで精度の高いリチウムイオンの拡散測定が行える。今回の測定によりLiGaのリチウム欠乏$$beta$$相中でのリチウム空孔の秩序化を、拡散係数の変化から初めて見いだすことができた。

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