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難波 愼一*; 長谷川 登; 岸本 牧; 錦野 将元; 石野 雅彦; 河内 哲哉
AIP Advances (Internet), 5(11), p.117101_1 - 117101_10, 2015/11
被引用回数:3 パーセンタイル:13.97(Nanoscience & Nanotechnology)ポンプ・プローブ手法を用いた高強度短パルスX線の時間幅の計測を行うため、磁気ボトル型電子分光器を製作した。開発した装置の性能を実験的に調べるために軟X線レーザーをXe原子に照射する実験を行った。Xe内殻電子の光電離及びオージェ電子に起因するスペクトルの時間変化からX線レーザーのパルス幅を決定した。ポンプ・プローブ実験によって得られた5.7psという時間幅は、X線ストリークカメラで得られている計測結果とよく一致した。
難波 愼一*; 長谷川 登; 錦野 将元; 河内 哲哉; 岸本 牧; 助川 鋼太; 田中 桃子; 越智 義浩; 多幾山 憲*; 永島 圭介
Physical Review Letters, 99(4), p.043004_1 - 043004_4, 2007/07
被引用回数:32 パーセンタイル:78.04(Physics, Multidisciplinary)波長域が赤外から紫外線までのフェムト秒高強度レーザーを希ガスクラスターに照射すると効率よくレーザーエネルギーの吸収が起こることが知られており、高エネルギー粒子発生や高輝度X線源への応用が期待されている。本研究では、さらに波長の短いX線レーザーとクラスターとの相互作用の原子力機構の解明を目的としている。波長13.9nm,強度210W/cmのX線レーザーをXeクラスターに照射し、イオン質量分析計を用いて、発生したイオンの時間分解計測を行った。今までに行われている放射光を用いたXe原子を標的とした実験(Xeイオンの発生確率が高い)とは異なり、ダブルオージェ崩壊過程と呼ばれるXe 4d内殻電離状態からXeイオンが発生する遷移確率が高くなることを明らかにした。
河内 哲哉; 加道 雅孝; 田中 桃子; 長谷川 登; 永島 圭介; 助川 鋼太*; Lu, P.; 高橋 謙二郎; 難波 愼一; 小池 雅人; et al.
Applied Optics, 42(12), p.2198 - 2205, 2003/04
被引用回数:27 パーセンタイル:72.31(Optics)X線レーザー研究専用の、2つのチャープパルス増幅ビームからなるNd:ガラスレーザーを開発した。このレーザーは、各々のビームにおいて最大20J, 1.3ピコ秒の出力を持ち、プリパルスのパルス幅を調整するための特徴的な可変機能を持っている。このレーザーシステムと収差を持たない線集光システムを用いることにより、ニッケル様銀X線レーザーの高効率な増幅に成功した。
河内 哲哉; 加道 雅孝; 田中 桃子; 佐々木 明; 長谷川 登; Kilpio, A.*; 難波 慎一; 永島 圭介; Lu, P.; 高橋 謙次郎; et al.
Physical Review A, 66(3), p.033815_1 - 033815_7, 2002/09
被引用回数:85 パーセンタイル:93.06(Optics)銀及び錫のスラブターゲットに線集光したCPAガラスレーザー光(時間幅4ピコ秒のプリパルスと加熱パルス。パルス間隔1.2ナノ秒)を照射した。本実験ではレーザーの集光光学系に階段ミラーを導入することにより励起光を疑似進行波とし、それにより波長13.9nmと12.0nmの過渡励起電子衝突レーザーにおいて飽和増幅を達成した。利得係数は銀レーザーで35 [1/cm],錫レーザーで30[1/cm]であった。入力エネルギーは各々12J及び14Jであり、小型励起光源を用いた過渡励起電子衝突レーザーとしては最短波長での飽和増幅である。実験的に評価した飽和強度と理論計算による予測との比較から、X線レーザーの線幅としてイオン温度に起因する不均一拡がりと、レーザー準位の衝突励起脱励起に起因する衝突拡がりの両方が、ニッケル様イオンレーザーの場合には重要であることを見い出した。流体コードと衝突輻射モデルを組み合わせた計算に、この線幅の効果を取り入れることにより、実験的に観測されたレーザー線利得の発生位置及びその利得係数の大きさをほぼ再現することができた。
永島 圭介; 河内 哲哉; 加道 雅孝; 田中 桃子; 長谷川 登; 助川 鋼太*; 難波 慎一; Tang, H.; 大道 博行; 加藤 義章
プラズマ・核融合学会誌, 78(3), p.248 - 255, 2002/03
超短パルスレーザーシステムを励起光源に用いて過渡的衝突励起方式による小型のX線レーザー開発を行っている。励起レーザー光はチタン,銀,スズといった金属ターゲット上に直線状に集光している。これにより、32.6nm(チタン),13.9nm(銀),11.9nm(スズ)の波長でX線レーザーの発振に成功している。さらに、こうしたX線レーザーの空間コヒーレンスを向上させるために高コヒーレントシード光の増幅実験を計画している。
Lu, P.; 河内 哲哉; 鈴木 将之*; 助川 鋼太*; 難波 慎一; 田中 桃子; 長谷川 登; 永島 圭介; 大道 博行; 有澤 孝; et al.
Japanese Journal of Applied Physics, Part 2, 41(2A), p.L133 - L135, 2002/02
被引用回数:9 パーセンタイル:38.09(Physics, Applied)私たちは、ガスパフターゲットを用いて高利得Ne様アルゴンイオンのX線レーザー発振を実証した。X線レーザープラズマは、進行波励起方式で、全エネルギー9Jの、線集光したピコ秒レーザーがガスパフターゲットを照射することにより生成された。強い発振線が観測され、18.7cmの高利得係数と3.7mrad以下のビームダイバージェンスが、ターゲットまで0.45cmで46.9nmのNe様アルゴンの過渡利得励起(TCE)3ps-3sp遷移で計測された。
加道 雅孝; 河内 哲哉; 田中 桃子; 長谷川 登; 高橋 謙次郎; 難波 慎一; 助川 鋼太*; 佐々木 明; Lu, P.; Tang, H.; et al.
Soft X-Ray Lasers and Applications IV (Proceedings of SPIE Vol.4505), p.54 - 61, 2001/12
1999年木津地区に移転後、X線レーザーの発振実験を行ってきた。ナノ秒の前駆パルスとピコ秒の加熱パルスを用いる過渡励起方式により波長32.4nmのネオン様チタン,波長13.9nmのニッケル様銀,波長11.9nmのニッケル様スズX線レーザーの発振に成功した。ニッケル様銀で23cmの利得係数、ニッケル様スズで14cmの利得係数が得られた。前駆パルスとしてピコ秒の超短パルスを用いることにより、従来より大きな利得係数を得ることに成功した。媒質中を伝搬するX線レーザーの空間プロファイルの計測を行った。その結果、10m程度の小さな領域において非常に高い利得が発生していることがわかった。新しい方式のX線レーザー発振の手法として、荷電交換を用いた再結合方式等の研究を行った。これらの研究の詳細について報告する。
難波 慎一; 河内 哲哉; 長谷川 登; 永島 圭介; 助川 鋼太*; 加道 雅孝; 田中 桃子; 大道 博行; 加藤 義章
International Journal of Applied Electromagnetics and Mechanics, 11(1), p.1 - 7, 2000/12
荷電交換再結合に必要とされる多価イオン生成法として、超短パルスレーザーをクラスターを含む高密度ガスに照射するという手法を採用している。本発表では、窒素クラスターに超短パルスガラスレーザーを照射し、多価イオンの生成効率を分光的に調べたので報告する予定である。また、クラスターが膨張した後の再結合プラズマに関するボルツマンプロットから水素様,ヘリウム様窒素イオンの励起準位間で反転分布が生じていることが観測されたので、これについても議論する。
田口 光正; 南波 秀樹; 青木 康*; 古川 勝敏; 大野 新一*
Radiation Physics and Chemistry, 55(5-6), p.511 - 514, 1999/00
被引用回数:4 パーセンタイル:34.88(Chemistry, Physical)TIARA施設に設置されたAVFサイクロトロンからの175MeV、Arイオンを0.1mmのアパーチャーを通して真空容器に満たした気体Arに入射した。2次電子によるイオン化収量を可動式の小型イオン化チェンバーにより求めた。ガス圧及びイオン化チェンバーの位置を変えることにより、水換算でイオンビーム軸から5nmから8m程度までの距離の線量分布を得た。分布は100nm程度までの領域では、理論的に見積もられている通り半径の2乗に反比例するが、それより外側の領域ではより急峻な半径依存性を示すことがわかった。線量分布は2次電子の最大飛程よりも外側まで広がっていることがわかった。また、コア部分を除いた領域のエネルギー付与量を求めたところ、LETの約90%であった。
大野 新一*; 古川 勝敏; 田口 光正; 南波 秀樹; 渡辺 宏
Radiation Physics and Chemistry, 55(5-6), p.503 - 506, 1999/00
被引用回数:7 パーセンタイル:49.75(Chemistry, Physical)水中を走る重イオンのエネルギー損失は、半古典的な考察から半径1nm範囲内に重イオンの直接作用によるエネルギー付与が22.8%起こることがわかる。また、それより外側の領域では2次電子を経由するエネルギー付与が起こる。気体試料中の電離量分布の実測データを解析することにより、2次電子を経由するエネルギー付与の分布を系統的にまとめることができた。フリッケ線量計の溶質濃度を既定することにより、重イオンの飛跡から距離tとt+tを半径とする単位長さの2つの円筒に挟まれた部分の体積2ttに含まれる溶質Feの個数が求められる。イオン照射によりこの領域に付与されるエネルギーは計算によって求められ、線照射でのG値の線量依存性をトラックの中心部分に相当するような高線量域まで仮定することによって、生成Feの個数の動径分布が求められた。生成Feの個数をt=0-にわたって積分することによって1MeV Hから1400MeV UにいたるイオンについてFe生成のG値が求められた。
古川 勝敏; 大野 新一*; 南波 秀樹; 田口 光正; 渡辺 立子*
Radiation Physics and Chemistry, 49(6), p.641 - 644, 1997/00
被引用回数:9 パーセンタイル:59.8(Chemistry, Physical)トラック構造のモデルを確立するために、Arガス中を通過する200MeVのNiイオンからの距離を変化させた小型窓なしイオン化チェンバー中に生成するイオン電流の計測を行った。200MeVのNiのLETの値と高速の電子に対するフリッケ線量計のG値(15.4)から、200MeVのNiに対するフリッケ線量計のG値は5.0と見積もられる。
南波 秀樹; 青木 康; 古川 勝敏; 大野 新一; 古牧 睦英
第4回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.131 - 134, 1991/07
東海研究所のタンデム加速器を用いて、気体アルゴンに高エネルギー重イオンビームを照射し、生成する電荷量(W値)を測定するとともに、小型の可動式電離箱を用い、イオンビームの径方向でのイオン化の空間分布を測定した。
難波 愼一*; 長谷川 登; 錦野 将元; 河内 哲哉; 岸本 牧; 田中 桃子; 永島 圭介
no journal, ,
赤外や紫外線領域の超短パルス高強度レーザーを希ガスクラスターに照射すると高温高密度プラズマが発生し、高輝度X線源や高エネルギー粒子源として大きな期待が寄せられている。われわれはさらに波長が短いプラズマ励起軟X線レーザー(13.9nm)とXeクラスター相互作用に伴って発生するプラズマに着目している。実験は日本原子力研究開発機構の軟X線レーザー(13.9nm,パルス幅10ps,照射強度210W/cm)を用いて行った。Xeクラスター(平均サイズ10-10atoms/cluster)は高圧Xe、又はXe-He混合ガスをコニカルノズルから断熱自由膨張させて生成した。発生する多価イオン量のレーザー強度,クラスターサイズ依存性を飛行時間質量分析装置で計測した。本発表では、X線レーザー・Xeクラスター相互作用によって生成される内殻電離誘起ナノプラズマ中でどのような反応が生じているのかを詳細に報告する予定である。
難波 愼一*; 長谷川 登; 錦野 将元; 河内 哲哉; 岸本 牧; 田中 桃子; 越智 義浩; 永島 圭介; 多幾山 憲*
no journal, ,
The interaction of large xenon clusters with an X-ray laser pulse having a wavelength of 13.9 nm and intensity of up to 210 W/cm was investigated using a time-of-flight ion mass spectrometer. The photon energy is high enough to photoionize the inner-shell electron of the Xe atom. In contrast to the experiment at synchrotron radiation, the enhancement of double Auger decay probability with increasing cluster size and X-ray laser intensity was observed for the first time.
河内 哲哉; 岸本 牧; 加道 雅孝; 田中 桃子; 長谷川 登; 越智 義浩; 錦野 将元; 石野 雅彦; 今園 孝志; 國枝 雄一; et al.
no journal, ,
原子力機構では、波長13.9nmのニッケル様銀レーザーを用いて、物質科学,高密度プラズマ診断,X線によるアブレーション物理,シングルショットホログラフィー、そして原子分子物理等への応用研究の展開を図っている。また、0.1Hzで動作する高繰返しドライバーレーザーの導入により、多数のショットを必要とする応用研究への展開も可能となっており、その利用を目的としたX線干渉計用ビームラインを建設している。X線レーザーの短波長化に関しては、最近、レーザー加速により加速された電子と種光を衝突させることで短波長コヒーレント光が発生することの原理実証に成功した。また、インコヒーレントX線励起による水の窓領域のX線レーザーの発生方法についても理論シミュレーションによる研究を行っている。本招待講演ではこれらの最新の研究成果について報告する。
錦野 将元; 越智 義浩; 長谷川 登; 河内 哲哉; 石野 雅彦; 今園 孝志; 田中 桃子; 佐藤 克俊; 山本 稔; 大場 俊幸; et al.
no journal, ,
レーザープラズマX線レーザーとその応用研究に関して講演を行う。X線レーザー開発においては、出力10J0.1Hz繰り返しのガラスレーザーを用いて、波長13.9nmの空間フルコヒーレント軟X線レーザーの開発を行った。この高輝度,空間コヒーレント・ピコ秒パルス幅を持つX線レーザーを用いることにより、X線スペックル計測,X線干渉計測,X線回折イメージング,ナノサイズ構造の生成等のさまざまな応用研究を展開している。現在、これらの応用研究のために新しいX線レーザーの応用研究用ビームラインの開発を行っている。X線レーザーによる固体表面のアブレーション研究やチタン酸バリウムの表面のX線スペックル計測、ロイズミラーを用いたX線レーザー干渉計の開発等の応用研究結果について述べる。
錦野 将元; 長谷川 登; 越智 義浩; 河内 哲哉; 石野 雅彦; 今園 孝志; 田中 桃子; 佐々木 明; 佐藤 克俊; 山本 稔; et al.
no journal, ,
原子力機構において開発した出力10J・繰り返し0.1Hzのガラスレーザーを励起レーザーに用いた波長13.9nmの空間フルコヒーレントX線レーザー開発及び、この高輝度・高空間コヒーレント・ピコ秒パルス幅を持つX線レーザーを用いて実施したX線スペックル計測,X線干渉計測,レーザーアブレーション構造生成等の応用研究に関して講演を行う。現在、さまざまな応用研究を展開していくために新しいX線レーザー応用研究用ビームラインの開発を行っている。X線レーザーによる固体表面のアブレーション研究,ロイズミラーを用いたX線レーザー干渉計の開発やレーザープラズマX線を用いた放射線生物影響研究等の応用研究結果について述べる。
河内 哲哉; 佐々木 明; 錦野 将元; 石野 雅彦; 長谷川 登; 今園 孝志; 越智 義浩; 田中 桃子; Faenov, A. Ya.*; Pikuz, T.; et al.
no journal, ,
本講演では、原子力機構におけるコヒーレントX線源の開発とその応用について最新の成果を報告する。コヒーレントX線源開発では、韓国光州科学院とドイツマックスボルン研究所と共同で行ったX線レーザーの偏光状態計測の結果と、高強度レーザー照射で初めて実現できる相対論的プラズマからの短波長領域の高次高調波の発生について報告する。また、X線共鳴励起による水の窓領域の新しいX線レーザーの可能性及び、レーザー照射時の輻射減衰効果に起因する高輝度線発生にかかわる理論計算の結果の報告も行う。コヒーレントX線の応用研究に関しては、レーザー照射された金属表面のナノスケール形状変化をX線レーザー干渉計により観測した結果に基づき、アブレーション機構の詳細な議論を行うとともに、X線レーザーパルスを金属に照射した際にナノスケールの円錐状構造が生成することの報告と、その生成機構について分子動力学に基づくシミュレーションとの比較を通じて議論を行う。
飯島 和毅; 土肥 輝美; 新里 忠史; 藤原 健壮; 駒 義和; 鈴木 伸一; 小田 好博; 大村 嘉人*; 佐々木 隆之*; 難波 謙二*
no journal, ,
福島第一原子力発電所の廃炉作業を進める際に環境中から発生する多種多様な廃棄物(土壌, 樹木等)中のインベントリ評価のため、サイト外に沈着した核種の組成・濃度、飛散物の化学形態等の距離・方位および時間依存性に基づくサイト内各地点の核種インベントリ推定手法確立に向けた研究を進めている。