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星野 毅; 林 君夫; 中村 和*; 根本 忠洋*; 蓼沼 克嘉*
no journal, ,
使用済みのトリチウム増殖材用リチウムセラミックス微小球から希少資源であるリチウム(Li)を回収・再利用する技術を開発することを目的に、その溶解方法と溶解液中の不純物除去方法を検討した。LiセラミックスとしてLiO, LiTiO, LiSiOを試料とし、溶解方法及び不純物除去方法を検討した結果、硝酸又は過酸化水素水(HO)を用いて試料を溶解し、放射化不純物(Co)の除去を行うことにより、Li成分を効率よく溶解回収できるだけでなく、Li回収溶液中に含まれる放射化不純物を高い除染係数にて除去するプロセスを開発した。
星野 毅; 根本 忠洋*; 中村 和*; 鈴木 晶大*; 林 君夫; 蓼沼 克嘉*; 寺井 隆幸*
no journal, ,
高温・400秒パルスのITER運転条件においても安定に使用可能なITER-TBM用先進トリチウム増殖材料の開発を目指し、LiTiOよりLi/Ti比の大きいLi添加型LiTiO(LiTiOと少量のLiTiO二相混合物)合成法の探索を行った。始発粉末としてLiOH・HOとTiOを使用した場合は、合成反応中にLi蒸発が生じ、合成後のLi/Tiの比率が小さくなり、合成後の試料にはLiTiO相が確認されなかった。一方、LiOH・HOとHTiOを始発粉末として使用した際は、合成前後のLi/Tiの比率が一致する結果となり、LiTiO相も確認できた。以上、本研究によりITER-TBM用先進トリチウム増殖材料として期待されるLi添加型LiTiOを安価で大量に合成する技術開発の見通しを得た。
舘 幸男; 蛯名 貴憲*; 高橋 宏明; 根本 一昭; 陶山 忠宏*; Martin, A.*
no journal, ,
放射性廃棄物の性能評価において、結晶質岩におけるマトリクス拡散と収着現象の理解は重要である。スイスのグリムゼル原位置試験場から採取した花崗閃緑岩試料を用いて、Cs, Na, I-とHTO(トリチウム水)の拡散・収着挙動が、室内での拡散と収着実験により調査された。得られた実効拡散係数(De)は、Cs, Na, HTO, Iの順となった。容量因子()と分配係数(Kd)も、同様の傾向を示した。グリムゼル試験場で実施された原位置長期拡散試験で得られた試験結果は、GoldSimコードと室内実験結果に基づく原位置での移行パラメータをもとに解釈された。その結果、HTOの解釈に課題があるものの、CsとNaの結果を良好な解釈結果が得られた。これらの室内と原位置での実験とモデル化の比較検討から得られた知見について議論を行った。
中野 寛子; 広田 憲亮; 武内 伴照; 柴田 裕司; 根本 忠洋*; 花本 行生*; 土谷 邦彦
no journal, ,
原子力発電所における監視システムの高度化の一環として、過酷事故時でも炉内の計測データを伝送可能な高温型MIケーブルを開発している。特に、過酷事故時の原子炉内は、窒素, 酸素, 水素, 水蒸気のほかに核分裂生成物等が含まれた混合ガス雰囲気に暴露されることから、シース材の早期破損が懸念される。本研究では、MIケーブル用シース材として選定したSUS316及びニッケル基合金NCF600について、過酷事故環境を模擬した雰囲気(O, O/HO, I, I/O/HO等)中における耐食性評価を行った。その結果、7001000CのO及びO/HO雰囲気では、SUS316及びNCF600ともほぼ均一な酸化被膜の形成が観測され、酸化現象は放物線法則が成立することが分った。一方、I雰囲気では、温度の上昇とともにSUS316表面の孔食が増加すること、Iを含んだ混合ガス雰囲気では、Iの影響と思われる孔食と酸化被膜の形成という複雑な腐食挙動を示していることが分った。
中野 寛子; 広田 憲亮; 武内 伴照; 柴田 裕司; 根本 忠洋*; 花本 行生*; 土谷 邦彦
no journal, ,
軽水炉における過酷事故環境下でも炉内の計測データを伝送可能な金属被覆無機絶縁材(MI)ケーブルを開発している。本研究では、過酷事故時の環境を模擬したMIケーブル用シース材の耐食性を調べるため、選定したSUS316及びニッケル基合金NCF600について、過酷事故時の環境を模擬した雰囲気(O, O/HO, I,I/O,I/HO,I/O/HO, I/O/HO/CO等)中における加熱試験を行い、腐食特性を調べた。その結果、O及びO/HOの雰囲気では、両材料の表面には均一な酸化皮膜が形成されていたが、SUS316の方がNCF600よりも重量増加量は大きく、腐食度が大きかった。Iガスを含んだ雰囲気では、SUS316表面には酸化皮膜の形成のみならず、孔食が見られた。この孔食は、ガス種の違いにより発生形態が異なっていた。以上から、過酷事故時の雰囲気により、シース材は複雑な腐食挙動を示すことが分かった。