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Lind, T.*; Pellegrini, M.*; Herranz, L. E.*; Sonnenkalb, M.*; 西 義久*; 玉置 等史; Cousin, F.*; Fernandez Moguel, L.*; Andrews, N.*; Sevon, T.*
Nuclear Engineering and Design, 376, p.111138_1 - 111138_12, 2021/05
被引用回数:18 パーセンタイル:93.32(Nuclear Science & Technology)OECD/NEAプロジェクト"福島第一原子力発電所事故に関するベンチマーク研究"のフェーズ2において、5か国8組織が異なるシビアアクシデント解析コードを用いて3号機の事故解析を行った。本報告では、参加機関の3号機の解析結果やプラントデータとの比較から得られた知見、事故進展の評価及び最終的な原子炉内の状態について述べる。特に原子炉圧力容器の状態、溶融炉心の放出及びFP挙動及び放出について焦点を当てる。また、大きく炉心損傷の進展があったであろう時期に繰り返し行われた格納容器ベント操作や冷却水注水の試みという3号機の特徴に焦点を当て、不確かさや必要となるデータも含めコンセンサスを得た点についてまとめる。さらにFP移行挙動解析と格納容器内で測定された線量の比較、またI-131及びCs137の環境への放出量とWPSPEEDIコードによる解析結果との比較を行った。
Pellegrini, M.*; Herranz, L.*; Sonnenkalb, M.*; Lind, T.*; 丸山 結; Gauntt, R.*; Bixler, N.*; Morreale, A.*; Dolganov, K.*; Sevon, T.*; et al.
Nuclear Technology, 206(9), p.1449 - 1463, 2020/09
被引用回数:41 パーセンタイル:98.41(Nuclear Science & Technology)The OECD/NEA Benchmark Study at the Accident of Fukushima Daiichi Nuclear Power Station (BSAF) project, which started in 2012 and continued until 2018, was one of the earliest responses to the accident at Fukushima Daiichi. The project, divided into two phases addressed the investigation of the accident at Unit 1, 2 and 3 by Severe Accident (SA) codes until 500 h focusing on thermal-hydraulics, core relocation, Molten Corium Concrete Interaction (MCCI) and fission products release and transport. The objectives of BSAF were to make up plausible scenarios based primarily on SA forensic analysis, support the decommissioning and inform SA codes modeling. The analysis and comparison among the institutes have brought up vital insights regarding the accident progression identifying periods of core meltdown and relocation, Reactor Pressure Vessel (RPV) and Primary Containment Vessel (PCV) leakage/failure through the comparison of pressure, water level and CAMS signatures. The combination of code results and inspections (muon radiography, PCV inspection) has provided a picture of the current status of the debris distribution and plant status. All units present a large relocation of core materials and all of them present ex-vessel debris with Unit 1 and Unit 3 showing evidences of undergoing MCCI. Uncertainties have been identified in particular on the time and magnitude of events such as corium relocation in RPV and into cavity floor, RPV and PCV rupture events. Main uncertainties resulting from the project are the large and continuous MCCI progression predicted by basically all the SA codes and the leak pathways from RPV to PCV and PCV to reactor building and environment. The BSAF project represents a pioneering exercise which has set the basis and provided lessons learned not only for code improvement but also for the development of new related projects to investigate in detail further aspects of the Fukushima Daiichi accident.
Pellegrini, M.*; Herranz, L.*; Sonnenkalb, M.*; Lind, T.*; 丸山 結; Gauntt, R.*; Bixler, N.*; Morreale, A.*; Dolganov, K.*; Sevon, T.*; et al.
Proceedings of 18th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-18) (USB Flash Drive), p.1147 - 1162, 2019/08
The OECD/NEA Benchmark Study at the Accident of the Fukushima Daiichi NPS project (BSAF) has started in 2012 until 2018 as one of the earliest responses to the accident at Fukushima Daiichi NPS. The project addressed the investigation of the accident at Units 1, 2 and 3 by severe accident (SA) codes focusing on thermal-hydraulics, core relocation, molten core/concrete interaction (MCCI) and fission products release and transport. The objectives of BSAF were to make up plausible scenarios based primarily on SA forensic analysis, support the decommissioning and inform SA codes modeling. The analysis and comparison among the institutes have brought up vital insights regarding the accident progression identifying periods of core meltdown and relocation, reactor vessel (RV) and primary containment vessel (PCV) leakage/failure through the comparison of pressure, water level and CAMS measurement. The combination of code results and inspections has provided a picture of the current state of the debris distribution and plant state. All units present a large relocation of core materials and all of them present ex-vessel debris with units 1 and 3 showing evidences of undergoing MCCI. Uncertainties have been identified in particular on the time and magnitude of events such as corium relocation in RV and into cavity floor, RV and PCV rupture events. Main uncertainties resulting from the project are the large and continuous MCCI progression predicted by basically all the SA codes and the leak pathways from RV to PCV and PCV to reactor building and environment. The BSAF project represents a pioneering exercise which has set the basis and provided lessons learned not only for code improvement but also for the development of new related projects to investigate in details further aspects of the Fukushima Daiichi NPS accident.
西村 聡*; 佐竹 正哲*; 西 義久*; 根本 義之; 加治 芳行
Proceedings of 27th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-27) (Internet), 8 Pages, 2019/05
使用済燃料プール(SFP)で冷却機能喪失事故あるいは冷却材喪失事故が発生した場合、使用済燃料の冷却性確保の観点から、SFPに注水してプール水位を維持する必要がある。本講演では、別途提案した空気中Zr酸化反応モデルを新たに組み込んだMAAPコード5.05ベータを使用してSFPを対象とした事故進展解析を実施し、SFPスプレイおよび代替注水実施時の燃料冷却効果を評価した結果について報告する。SFPスプレイの評価においては、崩壊熱、スプレイ水の燃料集合体にかかる割合、スプレイ水滴の直径、スプレイ開始時間を解析パラメータとして用いた。使用後4ヶ月冷却した燃料を格納したSFPに、12.5kg/s (200GPM)のスプレイをSFP冷却水喪失後4時間後から使用し、その際のスプレイ水の30%が燃料集合体にかかると想定した場合、燃料被覆管の最高温度は1000K以下に抑えることができ、被覆管の破損が防げることが示された。
西村 聡*; 佐竹 正哲*; 西 義久*; 加治 芳行; 根本 義之
Proceedings of 11th Korea-Japan Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-11) (Internet), 3 Pages, 2018/11
福島第一原子力発電所の事故を受けて、日本の電力事業者は原子力規制庁より使用済み燃料プール(SFP)の安全性向上のための対策を自主的に行うことを求められている。SFP安全対策において最も重要なのはプールの水位を保つことにより冷却性を担保し、燃料破損及び再臨界を防止することである。そのために事業者らが導入しているものとしては、例えばスプレイ冷却システムや、代替注水システム、また燃料配置において出力の高い燃料と低い燃料を1対4、1対8などの比率でチェッカーボード状に配置する手法、などが挙げられる。本研究ではこのうち特に燃料配置手法の有効性について、MAAP5.04を用いた解析により評価することとした。
糸井 達哉*; 岩城 智香子*; 大貫 晃*; 木藤 和明*; 中村 秀夫; 西田 明美; 西 義久*
日本原子力学会誌ATOMO, 60(4), p.221 - 225, 2018/04
日本原子力学会熱流動部会は福島第一原子力発電所(1F)事故の教訓を基にした分野のロードマップの改訂(ローリング)を進め、2018年3月に「熱水力安全評価基盤技術高度化戦略マップ2017(熱水力ロードマップ2017)」を策定した。世界最高水準の安全性の実現とその継続的改善を図るため、安全裕度向上策及び人材育成に必要なニーズとシーズのマッチングを考慮して選定・詳述された2015年版の技術課題を見直すと共に、主要な技術課題の実施状況の記載、「軽水炉安全技術・人材ロードマップ」との対応状況の明示、計算科学技術部会の協力による1F事故の原因ともなった外的事象対応の記述の改訂など、記載が大幅に充実された。その概要をまとめる。
新井 健司*; 梅澤 成光*; 及川 弘秀*; 大貫 晃*; 中村 秀夫; 西 義久*; 藤井 正*
日本原子力学会誌ATOMO, 58(3), p.161 - 166, 2016/03
日本原子力学会熱流動部会は、福島第一原子力発電所(1F)事故の教訓を基に熱水力安全評価基盤技術高度化戦略マップ2015(改訂版)を他分野に先駆けて平成27年3月に策定した。世界最高水準の安全性を実現しその継続的向上を図るため、深層防護を柱にシビアアクシデントや外的事象の対策を整理し、安全裕度向上策および人材育成に必要なニーズとシーズのマッチングを考慮した上で技術課題を選定し、1F廃炉など主要なマイルストーンに基づく時間軸上にロードマップを展開した。本解説は、その要旨について、事故時の炉心損傷防止など4件の個別技術課題の例を交え、まとめたものである。
竹之下 佳久*; 遠嶋 太志*; 西 裕之*; 白尾 吏*; 長谷 健*; 大江 正和*; 長谷 純宏; 鳴海 一成
JAEA-Review 2008-055, JAEA Takasaki Annual Report 2007, P. 66, 2008/11
沖縄県久米島地域及び鹿児島県奄美地域を普及対象として育成されたサトウキビ品種「Ni17」は株出し適性が高く、耐風性も強い。しかし、葉鞘部に着生する毛群が粗剛であるため、収穫や栽苗等の作業に障害をきたしている。そこで、イオンビーム照射による突然変異誘発により毛群の少ない優良系統の育成を試みた。幼苗検定により初期選抜した188個体について、ほ場での毛群及び生育調査を行い、毛群が少なく生育の良好な有望個体30個体を選抜し、南西諸島の徳之島現地圃場の系統選抜試験に供試した。2年間の特性調査の結果、有望な系統「KB04-25」を選抜した。「KB04-25」は春植栽培において、毛群の発生が「Ni17」に比べて少なくなっており、収量面においては、茎径が細くなり1茎重は18%減少したものの、茎長が15cm長くなり、茎数が52%増加したために収量は19%増加した。茎の細茎化については風折抵抗性が低下することが想定されるため、今後検討が必要である。
槇原 亜紀子*; 浅井 弘彰*; 土屋 義久*; 天野 幸男*; 緑川 正彦*; 新藤 浩之*; 久保山 智司*; 小野田 忍; 平尾 敏雄; 中嶋 康人*; et al.
Proceedings of 7th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application (RASEDA-7), p.95 - 98, 2006/10
RHBD(Radiation Hardness by Design)技術を用いてSEU(Single Event Upset)/SET(Single Event Transient)対策ロジックセルを、沖電気の完全空乏型0.15m CMOS/SOI民生プロセスを用いて設計し、製造したサンプルデバイスの放射線評価を実施した。SETフリーインバータと呼ばれるSET対策付きインバータ構造を有するロジックセルは、非常に優れたSET耐性を示すが、面積・動作スピード・消費電力のペナルティも大きいため、本研究では、最低限の耐性を維持しつつペナルティを低減するための設計の最適化をMixedモードのTCAD(Technology Computer Aided Design)シミュレータを用いて行った。その結果、LET(Linear Energy Transfar)が64MeV/(mg/cm)までは、本研究により最適化されたロジックセルが宇宙用として有用であることを示した。
西 義久*; 植田 伸幸*; 木下 泉*; 宮川 明; 加藤 満也*
Proceedings of 14th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-14) (CD-ROM), 10 Pages, 2006/07
CERESは、電中研で開発されたプラント動特性解析コードである。CERESは、1次元ネットワークコードとしての機能に加え、プレナムの多次元流動を解くことができる。1995年12月に実施された高速増殖原型炉「もんじゅ」のトリップ試験を用いて、CERESの検証を実施した。本研究はJAEAと電中研の共同研究として実施した。(1)1次,2次及び補助冷却系にわたる解析(R/V内プレナムはR-Z2次元でモデル化),(2)R/V内プレナムの熱流動挙動に着目した解析(R/V内プレナムは3次元でモデル化),(3)IHX内プレナムの熱流動挙動に着目した解析(IHX内プレナムは3次元でモデル化)。解析の結果、CERESの結果は試験結果との良い一致を示し、CERESの基本的能力を確認することができた。また、「もんじゅ」のプレナム内の特徴的な流動特性を明らかにすることができた。
古川 智弘; 西 義久*; 青砥 紀身; 木下 泉*
JAEA-Research 2006-037, 36 Pages, 2006/06
平成14年に、財団法人電力中央研究所と独立行政法人日本原子力研究開発機構(当時、核燃料サイクル開発機構)は、鉛ビスマス共晶合金利用技術に関する共同研究を締結し、この中で鉛ビスマス中における高速炉材料の耐食性評価研究を実施してきた。この研究は2つの段階に区分され、第一期研究では、650Cの酸素濃度制御停留鉛ビスマス中において高速炉構造材料候補材の一つである12クロム鋼の腐食試験を実施した。そして、耐食性に影響する鋼中クロムのふるまいについて検討した。本第二期研究では、LBE中での耐食性向上に効果が期待されるアルミニウム及びクロムの添加量を変化させた酸化物分散強化(ODS)鋼を対象に、650Cの酸素濃度制御停留鉛ビスマス中において、4,000時間までの腐食試験を実施した。その結果、同鋼では、Cr添加による耐食性の向上は認められなかったが、Alを添加したことで材料表面にAl酸化物が形成され、それによる良好な腐食特性が得られた。
西 義久*; 植田 伸幸*; 木下 泉*; 宮川 明; 加藤 満也*
JNC TY2400 2005-001, 66 Pages, 2005/06
高速増殖炉(FBR)において、原子炉容器(R/V)内冷却材の多次元熱流動は、プラント過渡時の温度変化に影響を与える。電力中央研究所は、FBRの機器や構造の健全性評価に影響するプラント過渡時温度変化を精度よく評価するために、従来から用いられている1次元システム動特性コードに多次元熱流動解析機能を付け加えたFBR用プラント動特性解析コードCERESを開発している。CERESコードが、プラント動特性解析コードとして実プラントの評価に使えることを示すために、平成7年12月に実施された高速増殖原型炉「もんじゅ」の40%出力からの原子炉トリップ試験を対象に、CERESコードの検証解析を実施した。また、本作業は核燃料サイクル開発機構所有のSuper-COPDの解析結果と比較しながら実施した。主な成果は以下である。R/V内プレナムを2次元でモデル化し、冷却系全体を対象に解析を行った結果、1次・2次冷却システム出入口温度および補助冷却システム出入口温度の測定値と良い一致が確認できた。R/V内流動に着目した3次元解析を行った結果、プレナム内鉛直方向温度分布の測定値とのよい一致が確認できた。また、過渡における温度変化挙動についても、試験結果と良く一致した。中間熱交換器(IHX)1次プレナムに関して3次元解析を行った結果、熱流動上の特徴を明らかにすることができた。これらにより、CERESコードのFBRプラント動特性解析コードとしての基本的な能力を確認することができた。
西 義久*; 木下 泉*; 古川 智弘; 青砥 紀身
JNC TY9400 2003-027, 19 Pages, 2004/01
溶存酸素濃度を制御した650鉛ビスマス中で12Cr鋼の腐食試験を実施し、その腐食特性を調べた。
堺 公明; 江沼 康弘; 惣万 芳人; 西 義久*; 木下 泉*
JNC TY9400 2003-012, 51 Pages, 2003/09
鉛-ビスマス冷却自然循環炉の蒸気発生器伝熱管破損事故時の熱流動特性について、動特性解析を実施するとともに、鉛-ビスマス冷却材中の気泡挙動に関する試験を実施し、気泡により連行される鉛ビスマス流量およびボイド率の評価式を検証した。その結果、伝熱管破損時にも十分な冷却性が確保されることが明らかになった。
青砥 紀身; 西 義久*; 古川 智弘
Proceedings of International Conference on Advanced Nuclear Energy and Fuel Cycle Systems (GLOBAL 2003), p.2113 - 2118, 2003/00
LBE冷却高速炉の成立に向けた重要な課題の1つに構造及び炉心材料を、特に、600 C以上の高温でLBE腐食から適切に保護する技術開発が挙げられる。ここでは、主要候補構造材料として検討されている高クロム鋼(ASME P122)に関する650 C、連続酸素濃度制御下停留LBE中試験結果を報告する。4000hまで浸漬した試料について光学及び化学分析を行い、表面に形成される酸化層の組織構造及び鋼中の主要構成元素挙動を評価した。マグネタイトが安定に形成される温度域を越える高温では、酸化物最外層はLBE中へ溶解する。酸化物の下に形成する拡散層もしばらくすると同様にLBEに溶解してしまう。しかしながら、今回分析結果に基づけば、酸化物と母相との境界に形成されるクロム濃化層が安定に維持されれば、LBEの鋼への侵入を防ぐことが可能であることが分かった。
大島 宏之; 堺 公明; 山口 彰; 植田 伸幸*; 西 義久*; 木下 泉*
JNC TY9400 2001-020, 161 Pages, 2001/07
実用化戦略調査研究PhaseIの一環として、電力中央研究所と共同で各種炉型における崩壊熱除去性能評価を実施した。ここでは、Phase-Iで概念設計が進められている原子炉システムを対象とし、最適な崩壊熱除去システム構築に必要な崩壊熱除去特性や各種設計・運転パラメータの影響感度を把握することを目的として、解析手法の整備およびプラント動特性解析を行った。本報告書は平成12年度の成果をまとめたものである。 ナトリウム冷却炉や重金属冷却炉に関しては、液体金属という観点からこれまでに蓄積されてきた知見をベースに、概念設計が進められている炉型の解析評価が可能となるよう、プラント動特性解析コードの改良・整備を実施した。また、これらを用いて予備解析を行い、コードの妥当性を確認するとともに定性的なプラント過渡挙動を把握した。 崩壊熱除去系システムの1つである炉壁冷却システム(RVACS)についても、S-PRISMの設計を例としてスクラム過渡解析及び設計パラメータ感度解析を実施した。これより、RVACS単独で除熱成功基準を十分に満たせること、除熱性能向上には、放熱面積の拡大、炉容器-ガードベッセル間伝熱の促進、空気側熱熱伝達の向上が重要であることなどが判明した。また、合理的な範囲と考えられる原子炉容器形状で、RVACS単独でホットプレナム最高温度を650度C以下に保持できる出力上限は、電気出力55万KWe前後と推定された。 ガス冷却炉については、動特性解析手法を整備するとともに、EGBR設計案を対象に自然循環崩壊熱除去能力は十分であるが、減圧事故時等の熱過渡特性を解析により把握した。原子炉トリップ時の自然循環崩壊熱除去能力は十分であるが、減圧事故の重ね合わせでは炉容器内圧力を数気圧以上に確保しない限り除熱困難であること、減圧事故時過渡変化においては1次ピーク被覆管温度を抑えることがポイントであることなどが判明した。また、パラメータ感度解析により、流量半減時間、伝熱中心差、崩壊熱除去系起動時間などの感度は、本解析の想定範囲内ではあまり高くないことが示された。
大島 宏之; 堺 公明; 永田 武光; 山口 彰; 西 義久*; 植田 伸幸*; 木下 泉*
JNC TN9400 2000-077, 223 Pages, 1999/05
実用化戦略調査研究PhaseIの一環として、各種炉型における崩壊熱除去性能評価、炉心・燃料体熱流動評価、および伝熱流動相関式の調査を実施している。本報告書はこれらについて平成11年度の成果をまとめたものである。崩壊熱除去性能評価については電力中央研究所との共同研究として実施し、プラント動特性解析によりナトリウム冷却炉炉壁冷却系(RVACS)の除熱性能に対する各種設計パラメータの影響を把握するとともに、除熱限界の予備評価によりその適用上限を電気出力50万60万kW程度と推定した。また、ガス冷却炉および重金属冷却炉(鉛、鉛-ビスマス)用の動特性解析手法の整備を行うとともに、仮想プラントを対象として予備解析を実施し、定性的な過渡特性を把握した。さらに各プラントの自然循環力比較のための無次元数を導出した。炉心・燃料体熱流動評価においては、重金属冷却炉やガス冷却炉のピン型燃料集合体、ヘリウムガス冷却炉の被覆粒子燃料体、ダクトレス炉心に対応する熱流動解析手法の整備を行った。また、予備解析として、鉛冷却炉とナトリウム冷却炉の燃料集合体内熱流力特性の比較、炭酸ガス・ヘリウムガス冷却炉の燃料体内熱流力特性の把握、およびナトリウム冷却炉における内部ダクト付燃料集合体内熱流力特性の把握を行った。伝熱流動相関式の調査では、ガス冷却炉、重金属冷却炉に対して、主に炉心・燃料体の熱流動評価の際に必要となる圧力損失相関式や熱伝達相関式を、文献をベースに調査、比較検討を実施し、信頼性と利用しやすさの観点から層流領域から乱流領域までをカバーできる相関式群を推奨した。また、同時に詳細設計への適用には信頼性が不十分と思われるものを、今後データを充足すべき課題として摘出した。
西 義久*; 木下 泉*; 古谷 正裕*; 竹中 信幸*; 松林 政仁; 鶴野 晃
Fifth World Conf. on Neutron Radiography, 0, p.548 - 555, 1996/00
高速炉用の蒸気発生器として1次ナトリウムで加熱した液体金属と水との直接接触伝熱を利用したものが提案されている。この蒸気発生器は、従来型の伝熱管を介して水とナトリウムが熱交換する蒸気発生器と比較して、ナトリウム-水反応対策設備の大幅な合理化が可能でコンパクトであり、高速増殖炉の建設コストの低減が期待できる。これまで、溶融金属中に水を注入する伝熱実験が行われてきたが、溶融金属中の水の蒸発のメカニズムについては既存研究も見あたらず、それに関する知見もなかった。したがって従来は、不活性ガスの挙動に関する研究や温水中のフロンの蒸発に関する研究からの類推で検討を行うことが多かった。今回JRR-3M中性子ラジオグラフィ装置を用いて溶融金属中の水の蒸発現象を可視化し、従来の実験とは異なった知見が得られた。
西 義久*; 新井 健司*; 及川 弘秀*; 藤井 正*; 梅澤 成光*; 山田 英朋*; 中村 秀夫
no journal, ,
2015年3月に策定された日本原子力学会の熱水力安全評価基盤技術高度化戦略マップ2015(改訂版)に掲載される安全向上策に関わる技術課題のうち、シビアアクシデントなど従来の設計基準を超える事故が発生した場合に、炉心損傷の防止を図る上で重要と考えられる技術的課題を整理、報告するものである。技術課題としては、沸騰挙動と二相水位の変化、露出部燃料の冷却特性、代替注水を目的とした減圧時の挙動や注水のサブクールの影響、代替注水として利用された海水などの成分の影響、燃料被覆管の酸化挙動、2次冷却系を用いた除熱の有効性実証、使用済み燃料プール(SFP)内燃料の冷却などが挙げられるが、ここでは、過渡的な沸騰挙動と二相水位の変化、代替注水された海水などの成分の影響、SFP燃料の冷却の研究計画の概略を説明する。
大貫 晃*; 梅澤 成光*; 山田 英朋*; 西 義久*; 新井 健司*; 及川 弘秀*; 藤井 正*; 中村 秀夫
no journal, ,
2015年3月に策定された日本原子力学会の熱水力安全評価基盤技術高度化戦略マップ2015(改訂版)に掲載される安全向上策に関わる技術課題のうち、PWRに事故が発生した場合に炉心損傷の防止を図る上で重要と考えられるアクシデントマネジメント(AM)策として、蒸気発生器2次側減圧による除熱の有効性について、その研究計画を中心に報告するものである。これまでも、原子力機構のROSA/LSTFを用いた事故を模擬するシステム試験をはじめ、SGを用いた除熱の有効性が示されているが、1次系保有水が少ない場合やSBO時等、種々のシナリオをカバーできるだけのデータは必ずしも十分でなく、評価上の不確かさも存在する。このため、AM策の有効性実証、評価手法検証のデータベース拡充のためにシステム試験による実証が必要である。このため、これらに関するこれまでの取組及び、さらに知見の蓄積が求められる検討課題について概要をまとめる。