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奥田 幸彦; 西田 明美; Kang, Z.; 坪田 張二; Li, Y.
Journal of Nuclear Engineering and Radiation Science, 9(2), p.021801_1 - 021801_12, 2023/04
飛翔体衝突を受ける鉄筋コンクリート(RC)板構造の局部損傷については、板構造に対して垂直に衝突する研究が主であり、斜め衝突に関する研究はほとんど行われていないのが現状である。本研究では、現実的な衝突条件(柔飛翔体,斜め衝突)を含む飛翔体衝突試験を実施し、解析手法の妥当性を確認することを目的とする。本論文では、柔飛翔体及び剛飛翔体の垂直及び斜め衝突を受けるRC板構造の局部損傷試験について、試験条件,試験装置,試験結果及び得られた知見を示す。
Kang, Z.; 奥田 幸彦; 西田 明美; 坪田 張二; Li, Y.
Proceedings of 29th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 29) (Internet), 9 Pages, 2022/08
飛翔体の衝突に伴う原子炉建屋外壁等の鉄筋コンクリート(RC)板構造の局部損傷については、その破損様式に応じて多くの評価式が提案されている。しかしながら、これらの評価式は衝突によって変形しない剛飛翔体を対象とする垂直衝突の試験から導かれた実験式がほとんどである。本研究では、現実的な飛翔体衝突で考慮すべき飛翔体の柔性及び斜め衝突を考慮した局部損傷評価手法を整備することを目的とする。具体的には、RC板構造の局部損傷のうち貫入破壊に着目し、飛翔体の柔性及び斜め衝突の影響因子が局部損傷へ与える影響を検討した。本論文では、試験結果と解析結果の比較により、飛翔体の柔性や衝突角度を考慮した場合の局部損傷評価手法における解析パラメータの設定方法に係る検討及び妥当性確認を実施し、得られた知見について報告する。
崔 炳賢; 西田 明美; 塩見 忠彦; 川田 学; Li, Y.
Proceedings of 29th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 29) (Internet), 6 Pages, 2022/08
原子力施設における建物の耐震評価において、地震時の転倒モーメントによって建物の基礎底面が地盤から部分的に浮上る現象は、建物自体の耐力や構造安全性に関わる問題だけではなく、建物内に設置される機器類の応答に影響を及ぼすため、非常に重要な問題である。一方、建物の基礎浮上りによる基礎底面と地盤との間の接地率が小さくなる場合の建物の地震時挙動については、実験や解析的検討が十分とはいいがたい。そこで、本研究では、建物の基礎浮上りに係る既往実験を対象とし、3次元詳細解析モデルを用いたシミュレーション解析を行い、解析手法の妥当性について確認した。解析コードによる結果の違いを確認するために、3つの解析コード(E-FrontISTR, FINAS/STAR, TDAPIII)を用いて同じ条件で解析を実施し、得られた結果を比較した。解析結果については、低接地率状態となる試験体底面の付着力の違いによる建物の応答への影響、解析手法の精度等について考察した。また、建物の応答に係る解析結果への影響が大きいと判断された解析パラメータについては、感度解析により解析結果への影響を具体的に確認した。本論文では、これらの検討を通して得られた知見について述べる。
山口 義仁; 西田 明美; Li, Y.
Proceedings of ASME 2022 Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2022) (Internet), 7 Pages, 2022/07
原子力発電所おける配管減肉は重要な経年劣化事象の一つである。また近年、日本のいくつかの原子力発電所は大きな地震を経験している。そのため、長期間運転した原子力発電所を対象とした地震を起因とした確率論的リスク評価において、減肉と地震による応答応力の両方を考慮した配管系の地震フラジリティ評価が、重要となっている。本研究では、原子力機構が開発した減肉配管を対象とした破損確率解析コードPASCAL-ECに、減肉配管の地震応答応力の算出モデルや減肉配管の破壊評価法など、減肉配管の地震フラジリティを評価可能とする機能を導入した。また、整備した解析コードを用いて、地震フラジリティの評価事例を整備した。
奥田 幸彦; Kang, Z.; 西田 明美; 坪田 張二; Li, Y.
Transactions of 26th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT-26) (Internet), 10 Pages, 2022/07
原子力施設の建屋に飛翔体が衝突した場合、衝突時に発生する応力波は衝突を受けた壁から建屋内へと伝播する。この応力波は建屋内において高振動数成分を含む振動を励起する可能性があり、安全上重要な機器への影響を評価することが課題となっている。そこで本研究では、建屋内包機器への影響評価に資するため、建屋における応力波伝播や建屋内包機器の衝撃応答に係るデータの取得及び建屋と機器の連成を考慮した衝撃応答解析手法の整備を目的とする。本論文では、建屋を模擬した鉄筋コンクリート(RC)箱型構造の内壁に機器を模擬した梁状構造物(機器模擬体)を設置し、航空機を模擬した飛翔体をRC箱型構造に垂直に衝突させる飛翔体衝突試験を実施し、RC箱型構造の損傷状態並びに試験体各部の加速度やひずみ等を分析・評価することで衝撃応答特性を調査する。
崔 炳賢; 西田 明美; 塩見 忠彦; 川田 学; Li, Y.
Transactions of 26th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT-26) (Internet), 10 Pages, 2022/07
地震を起因とした確率論的リスク評価(地震PRA)手法の高度化を図るために、耐震安全上重要な建屋や機器等を対象に、現実的応答、現実的耐力及びフラジリティ評価等に関する手法整備に取り組んでいる。本研究では、入力地震動レベルに対する建屋の損傷状態の推移を把握するため、3次元詳細解析モデルを用いた複数コードによる建屋の荷重漸増解析を実施し、フラジリティ評価に資する局所損傷モードの同定に必要なデータを取得した。本論文では、荷重漸増解析を通して得られた建屋の詳細な損傷状態及び建屋終局耐力の検討結果について地震応答解析結果と比較して報告する。
西田 明美; 川田 学; 崔 炳賢; 飯垣 和彦; Li, Y.
Transactions of 26th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT-26) (Internet), 10 Pages, 2022/07
著者らは、地震を起因とした確率論的リスク評価(地震PRA)に資する3次元耐震評価解析手法の高精度化を目的とし、研究開発を進めている。2019年からは、原子力規制庁との共同研究の一環として、原子力機構の施設である高温工学試験研究炉(HTTR)を対象とし、地盤や建屋の床だけでなく壁にも加速度計を設置し、自然地震と人工波による多点同時観測が可能な大規模観測システムを構築し、観測データを活用した原子力施設の3次元耐震評価解析手法の精度向上及び妥当性確認に取り組んでいる。本論文では、大規模観測システムの概要及び本システムにより観測されたデータの分析結果から得られた知見について報告する。
西田 明美; 村上 高宏*; 里田 啓*; 浅野 祐也*; Guo, Z. H.*; 大嶋 昌巳*; 松川 圭輔*; 中島 憲宏
Transactions of 26th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT-26) (Internet), 10 Pages, 2022/07
巨大地震に対する原子力プラント等の耐震安全評価に資するため、プラント構造の地震時挙動を把握し現実的応答解析を可能とすることは重要な課題となっている。プラント構造の地震時挙動に大きな影響を与える部位のひとつに接合部が挙げられる。特に部材接合部のモデル化は従来経験的手法に依存しており、ピンまたは剛とみなして保守的な評価がなされてきた。そこで本研究では、接合部の3次元詳細モデルを活用し、より現実的な挙動を再現するための接合部モデル化手法を開発することを最終目的とする。その1では、これまでに開発した3次元詳細解析技術を活用し、鉄骨部材からなるプラント構造の接合部を対象として、弾性領域における接合部の現実的な半剛接の剛性評価を実施し、得られた結果について報告した。本論文では、弾塑性載荷実験の結果と比較することで弾塑性領域における3次元詳細解析手法の妥当性を確認するとともに、その1と同じ接合部モデルを用いて数値実験を実施し、得られた知見を述べる。具体的には、プラント構造の設計に利用されるフレームモデルの回転ばね要素の非線形関数を定義するための重要なパラメータを、回転剛性,降伏点,塑性回転量などの観点で整理し、接合部の塑性変形を含む現実的な剛性評価のための見通しを得た。得られた成果を原子力施設の鉄骨構造接合部のモデル化に適用することで、プラント耐震安全性の合理的評価が期待される。
市原 義孝*; 中村 尚弘*; 鍋島 国彦*; 崔 炳賢; 西田 明美
Transactions of 26th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT-26) (Internet), 10 Pages, 2022/07
本報の目的は、振動数に依存しない複素減衰を用いた計算負荷の小さい鉄筋コンクリートを対象とした等価線形解析手法の原子力発電所の原子炉建屋の耐震設計への適用性を検討することである。これを実現するため、柏崎刈羽原子力発電所7号機原子炉建屋を対象としたある理想的な地盤条件下での非線形及び等価線形地震時挙動に着目した地盤-建物連成系の三次元有限要素法解析を実施した。その結果、等価線形解析手法は、非線形解析手法に対し全体的に概ね良好な対応関係が得られ、その手法の有効性を確認した。
市原 義孝*; 中村 尚弘*; 飯島 国彦*; 崔 炳賢; 西田 明美
構造工学論文集,B, 68B, p.271 - 283, 2022/04
本論文は、振動数に依存しない複素減衰を用いた鉄筋コンクリートの等価線形解析法の原子炉建屋の耐震設計への適用性を評価することを目的とする。そのため、理想的な地盤条件での原子炉建屋の非線形及び等価線形地震応答に着目して、地盤-建屋連成系の三次元FEM解析を実施した。その結果、等価線形解析結果は非線形解析結果と概ねよく整合し、その有効性を明らかにした。さらに、今回の等価線形解析法は、非線形解析モデルと比較して、構造の剛性を低めに評価する傾向があった。このため、最大せん断ひずみの評価では、非線形解析の結果よりもひずみの値が大きくなる可能性が高いことに留意する必要がある。
崔 炳賢; 西田 明美; 川田 学; 塩見 忠彦; Li, Y.
JAEA-Research 2021-017, 174 Pages, 2022/03
原子力発電施設における建物・構築物の地震応答解析においては、我が国では、従来より質点系モデルが用いられてきたが、近年の解析技術の発展により、立体的な建物を3次元的にモデル化し、建物の3次元挙動、建物材料の非線形性、建物及び地盤間の非線形性等を考慮した有限要素法による地震応答解析が実施されるようになってきた。3次元モデルによる有限要素解析(3次元FEM解析)は、複雑で高度な技術が用いられる一方、汎用性があるために広く利用され、原子力分野以外では構造物のモデル化、材料物性の非線形特性の信頼性を確保するためのガイドラインの策定や技術認定などがなされるようになってきた。原子力分野においては、IAEAにより平成19年(2007年)新潟県中越沖地震における質点系モデル、3次元FEMモデルによる観測記録の再現解析がKARISMAベンチマークプロジェクトとして実施され、複数の解析者の解析結果が報告された。その報告によると、解析者により解析結果にばらつきが大きいということが判明し、解析手法の標準化による解析結果の信頼性の確保が急務となっている。また、原子力発電施設の強非線形領域の現実的な挙動の評価が必要となる建物・構築物・機器のフラジリティ評価においても詳細な3次元挙動把握の必要性が指摘されている。こうした背景を踏まえ、原子炉建屋を対象とした地震応答解析に用いられる3次元FEMモデルの作成及び解析にあたって必要となる一般的・基本的な手法や考え方を取りまとめて標準的解析要領を整備した。これにより原子炉建屋の3次元FEMモデルによる地震応答解析手法の信頼性向上につながることが期待される。本標準的解析要領は、本文、解説、及び解析事例で構成されており、原子炉建屋の3次元FEMモデルを用いた地震応答解析の実施手順、推奨事項、留意事項、技術的根拠等が含まれている。また、本標準的解析要領は、最新知見を反映し、適宜改訂する。
奥田 幸彦; Kang, Z.; 西田 明美; 坪田 張二; Li, Y.
土木学会第13回構造物の衝撃問題に関するシンポジウム論文集(インターネット), 8 Pages, 2022/01
原子力施設建屋に飛翔体が衝突した場合、衝突時に発生する応力波は衝突を受けた壁から建屋内へと伝播する。この応力波は建屋内において高振動数を含む振動を励起する可能性があり、安全上重要な機器への影響評価が課題となっている。このような課題に対し、OECD/NEAでは、2010年に飛翔体衝突による原子力施設への影響評価を目的としたベンチマーク解析プロジェクト(IRISプロジェクト)を立ち上げ、2016年からはそのフェーズ3(以下、IRIS3プロジェクト)として建屋内包機器への影響評価に取り組んでいる。われわれは、このIRIS3のベンチマーク解析に参加し、原子力施設建屋及び建屋内包機器を模擬した構造物への飛翔体衝突試験を対象に再現解析を実施した。本論文では、飛翔体衝突による建屋及び建屋内包機器の応答への影響について、上記再現解析結果と試験結果の比較により得られた知見を報告する。
Kang, Z.; 奥田 幸彦; 西田 明美; 坪田 張二; Li, Y.
Proceedings of 28th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 28) (Internet), 10 Pages, 2021/08
飛翔体衝突に伴う原子力施設建屋の外壁を対象とした鉄筋コンクリート(RC)板構造の局部損傷については、その損傷モードに応じて多くの評価式が提案されている。しかしながら、それらの評価式はRC板構造への垂直衝突を対象としたものが主であり、斜め衝突に関する研究はほとんど行われていないのが現状である。そこで本研究では、実験結果およびシミュ レーション結果に基づき斜め衝突に対する局部損傷評価式を提案することを最終目的とする。今般、RC板構造の局部損傷に着目し、剛および柔飛翔体の垂直及び斜め衝突を受けるRC板構造の衝突試験を実施した。本研究では、その1として剛および柔飛翔体の垂直衝突に係る試験結果と解析結果の比較を実施し、解析手法の妥当性について検討を行った。本論文では、これらの検討結果から得られた知見について報告する。
奥田 幸彦; 西田 明美; 酒井 理哉*; 塩竈 裕三*; Li, Y.
Proceedings of 28th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 28) (Internet), 6 Pages, 2021/08
原子力発電所のより現実的な地震応答解析手法を開発するためには、建物,設備,配管など、設計評価時に独立したモデルとして扱われる各機器の接合部を考慮して地震時挙動を評価する必要がある。特に、建物と配管の接合部である配管支持構造物は、配管系の耐震評価において重要である。配管支持構造物の現在の耐震評価は弾性範囲内で行われているが、地震PRAにおけるフラジリティ評価のためには配管支持構造物の現実的な弾塑性応答を考慮することが重要である。しかしながら、配管支持構造物の弾塑性応答を考慮した耐震評価手法はまだ確立されておらず、耐震評価手法の高度化が必要である。本研究では、弾塑性応答を含む配管支持構造物の地震時挙動を模擬するためのハイブリッド動的応答試験を実施した。具体的には、基本的な機械的挙動を把握するために、4種類の配管支持構造物を使用して静的繰り返し負荷試験とハイブリッド動的応答試験を実施した。本論文はこれらの試験の詳細と試験結果を示す。
西田 明美; 崔 炳賢; 塩見 忠彦; 川田 学; Li, Y.
Proceedings of 28th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 28) (Internet), 10 Pages, 2021/08
新規制基準では地震等の外部事象評価の厳格化が求められるとともに、安全性向上評価に関する運用ガイドでは評価方法として確率論的リスク評価が挙げられている。地震を起因とした確率論的リスク評価(地震PRA)においては、建屋や配管等の応答や損傷確率(フラジリティ)のより現実的な評価が重要な課題となっている。以上の背景から、われわれは、耐震安全上重要な建屋や配管等を対象に、現実的応答解析手法やフラジリティ評価手法等の整備に取り組んでいる。本研究では、設計を超える地震動を入力として、建屋3次元詳細モデルを用いた地震応答解析を実施し、建屋の3次元挙動を考慮することで耐震安全上重要な配管等の設備にかかわる注目部位のフラジリティを評価した。本論文では、地震応答解析を通して得られた建屋の局部応答や詳細な損傷過程及びフラジリティの検討結果について報告する。
山川 光稀*; 猿田 正明*; 森谷 寛*; 山崎 宏晃*; 西田 明美; 川田 学; 飯垣 和彦
Proceedings of 28th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 28) (Internet), 6 Pages, 2021/08
中越沖地震や東北地方太平洋沖地震等、近年大規模地震が多く発生し、原子力施設の耐震評価は重要課題となっている。原子力施設の耐震評価をより高い精度で行うためには、原子炉建屋の局部応答を考慮して施設内の機器への入力を精緻に評価する必要がある。このため、近年では原子炉建屋の現実的な局部応答を評価可能な、3次元有限要素モデルが耐震評価へ活用されつつある。原子炉建屋の3次元有限要素モデルについては、柏崎刈羽原子力発電所を対象として2007年新潟県中越沖地震の観測記録を用いたベンチマーク解析なども行われている。しかしながら、その結果は解析者によって異なり、3次元モデルを用いた地震応答解析手法はまだ確立されていないのが現状である。原子炉建屋の壁や床の局部応答評価など、3次元有限要素モデルの精度を向上させるためには、地震観測記録を活用したモデルの妥当性確認が重要となる。本研究では、原子炉建屋の固有振動数や固有モードなどの基本的な応答特性を分析するとともに、地震動の強さの違いによる応答特性への影響評価を行い、原子炉建屋の地震時挙動を明らかにする。これらの分析を通して、原子炉建屋の固有振動数と地震動の強さとの関係を定量的に評価する。さらに、原子炉建屋の回転変位と固有モードに対応する建屋変形に起因する変位の比を比較する。
崔 炳賢; 西田 明美; 塩見 忠彦; 川田 学; Li, Y.
Proceedings of 28th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 28) (Internet), 7 Pages, 2021/08
原子力施設における建物・構築物の耐震安全評価においては、従来より質点系モデルが用いられてきた。しかしながら、従来法では原子力施設内の設備の設置位置における局所的な応答等の精緻な評価を行うことは困難である。この観点から、原子力施設の耐震安全評価における3次元詳細モデルの活用が期待されている。しかしながら、3次元詳細モデルを用いて得られる解析結果は、解析者によりばらつきが大きいことが報告されており、解析手法の標準化による解析結果の品質の確保が急務となっている。そこで、原子力機構では、原子炉建屋の3次元詳細モデルを用いた地震応答解析手法に関わる標準的解析要領案(標準案)の作成に取り組んでいる。標準案は、本文,解説、およびいくつかの附属書で構成されており、建屋3次元詳細モデルを用いた地震応答解析の実施手順,推奨事項,留意事項,技術的根拠等が含まれている。本稿では、標準案の概要と、標準案に基づく適用事例を紹介する。
古屋 治*; 藤田 聡*; 牟田 仁*; 大鳥 靖樹*; 糸井 達哉*; 岡村 茂樹*; 皆川 佳祐*; 中村 いずみ*; 藤本 滋*; 大谷 章仁*; et al.
Proceedings of ASME 2021 Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2021) (Internet), 6 Pages, 2021/07
新規制基準では、深層防護を基本とし、共通要因による安全機能の一斉喪失を防止する観点から、自然現象の想定の程度と対策を大幅に引き上げ、機能維持と安全裕度の確保のための対策の多重化と分散化及び多様性と独立性が強化されている。このような中、設計基準を超える地震を含む外部ハザードに対して、設計基準事故及びシビアアクシデントの対策のための設備の機能喪失と同時に、重大事故等に対処する機能を喪失しないことを目的として、特定重大事故等対処施設の設置が定められた。当該施設の設備では、設計基準を一定程度超える地震に対して機能確保できる頑健性を有する設備が求められている。一方、安全性向上評価においては、確率論的リスク評価や安全裕度評価により設計上の想定を超える範囲も含めた評価が行われるため、耐震重要設備の耐力に係る知見を拡充させることが重要である。本報では、耐震重要設備の機能維持に対する考え方や地震を対象に考慮すべき損傷指標等に係る知見の調査と検討結果をまとめる。
市原 義孝*; 中村 尚弘*; 森谷 寛*; 崔 炳賢; 西田 明美
Frontiers in Built Environment (Internet), 7, p.676408_1 - 676408_14, 2021/06
本論文は、原子炉建屋/機器・設備の現実的応答評価の精度向上を目的に、建屋-地盤境界部の剥離・滑りを考慮した3次元FEMモデルにより2007年新潟県中越沖地震時の柏崎刈羽原子力発電所7号機原子炉建屋のシミュレーション解析を実施し、得られた知見をまとめたものである。3次元FEMモデルによる建屋-地盤連成系のシミュレーション解析から、基礎版端部で基礎浮き上がりが生じ、その影響が建屋側面及び底面の土圧性状、埋め込み部表層の最大応答加速度に局部的な応答の差異となって現れることを明らかにした。今回の検討においては、基礎浮き上がりと剥離・滑りが埋め込み部表層の最大応答加速度、建屋側面及び底面の土圧性状に与える影響は比較的小さかったものの、今後、さらに大きな地震動を想定する場合には、これらの影響が増大する可能性が考えられるため、地震応答解析においてはこれら影響の適切な評価が必要になると考えられる。
Kang, Z.; 奥田 幸彦; 西田 明美; 坪田 張二; Li, Y.
Mechanical Engineering Journal (Internet), 8(1), p.20-00331_1 - 20-00331_16, 2021/02
飛翔体衝突に伴う原子力施設建屋の外壁を対象とした鉄筋コンクリート(RC)板の局部損傷については、その損傷モードに応じて多くの評価式が提案されている。しかしながら、それらの評価式は板構造への垂直衝突を対象としたものが主であり、斜め衝突に関する研究はほとんど行われていないのが現状である。これまでに、既往実験結果との比較により解析手法の妥当性を確認するとともに、妥当性が確認された解析手法を用いて、先端形状が平坦型の飛翔体の衝突を受けるRC板の局部損傷評価について衝突角度に着目して検討してきた。本研究では、飛翔体の先端形状の違いがRC板の貫通損傷に与える影響を評価することを目的とし、同解析手法を用いて先端形状が半球型の飛翔体によるRC板を対象とした斜め衝突解析を実施した。本論文では、飛翔体の先端形状の違いによるRC板の貫通損傷への影響評価について得られた知見を述べる。