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阿部 拓海; 大泉 昭人; 西原 健司; 中瀬 正彦*; 朝野 英一*; 竹下 健二*
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 7, p.299 - 304, 2025/05
現在、脱炭素化および持続可能な社会の実現にむけて、二酸化炭素を排出しない安定したエネルギー源の研究が続けられている。原子力エネルギーもそのひとつであり、様々な新型炉や再処理技術の開発が進んでいる。これらを活用した核燃料サイクルを社会実装するうえでは、核燃料物質の物流や廃棄物発生量の規模といった諸量を、多様な視点から定量的に評価できる核燃料サイクルシミュレータが必要となる。そこで、東京工業大学と原子力機構の共同研究により、NMB4.0が開発された。これはフロントエンドからバックエンドまでにおけるアクチノイドおよびFPを含めた179核種の物質収支を計算し、核燃料サイクルを統合的にシミュレーションするコードである。他の核燃料サイクルシミュレータと異なり、様々な原子力シナリオにおける放射性廃棄物の数や最終処分場規模といったバックエンド解析を精密に行えるほか、Microsoft Excel上で動作するオープンソースのコードであることが特徴である。そのため、様々なステークホルダーを交えた原子力利用戦略の定量的な検討が可能である。本発表ではNMB4.0内にて用いられる方法論の紹介を行う。
西原 健司
エネルギー・資源, 45(6), p.359 - 363, 2024/11
次世代の処理・処分技術として分離変換技術の研究開発が行われている。この技術は、現在の再処理施設から発生する高レベル放射性廃棄物を更に処理して、処分の安全性を高め、廃棄体量を減らし、処分場規模を小さくするとともに、有用資源を取り出し、放射線を利用することを目指している。廃棄物の中でも半減期が長く、体内に取り込まれた場合の影響が大きいMAを核変換するために、加速器駆動核変換システム(ADS)が開発されている。本稿ではADSの4つの構成要素(加速器、ターゲット、炉心、プラント)に対して概念設計を示し、現在の技術段階および実用化に至るために必要な開発について述べる。
西原 健司
原子力年鑑2025, p.75 - 80, 2024/10
分離変換技術に加え、資源化技術の目指すところと全体像を述べ、分離・変換・資源化のそれぞれに対して、最近の研究開発状況を交えて概説した。原子力機構ではNXR開発センターが新たに設立され、資源化の技術開発として、蓄電池、スピン熱電素子開発、貴重元素の分離などの開発が行われている。
Bachmann, A. M.*; Richards, S.*; Feng, B.*; 西原 健司; 阿部 拓海
Proceedings of International Conference on Nuclear Fuel Cycle (GLOBAL2024) (Internet), 4 Pages, 2024/10
この研究は、燃料サイクルシミュレーションを活用するための初期段階として、コード検証を行ったものである。CyclusとNMBは、核燃料サイクルオプションの解析を提供するオープンソースの燃料サイクルシミュレータであり、アルゴンヌ国立研究所と日本原子力研究開発機構(JAEA)によって、燃料サイクルベンチマークに関する複数年の共同研究のためにそれぞれ選ばれた。両者とも比較的新しく、厳密なコード間比較を行った後に改良することが可能である。これらのシミュレータの初期検証は、ワンススルー及びマルチリサイクル燃料サイクルの一連の仮想シナリオを用いて実施した。その結果、2つのシミュレータのシナリオ定義とモデル化手法の違いが、物質インベントリ、マスフロー、及び燃料サイクル評価における他の重要な測定基準における結果の違いにどのようにつながるかが明らかになった。
竹下 健二*; 岡村 知拓*; 中瀬 正彦*; 西原 健司; 阿部 拓海
Proceedings of International Conference on Nuclear Fuel Cycle (GLOBAL2024) (Internet), 2 Pages, 2024/10
動的核燃料サイクルシミュレータNMB4.0を用いて、今世紀後半の金属燃料高速炉導入を想定した核燃料サイクルの物質収支を解析し、高速炉サイクルの導入が最終処分を含むバックエンドに与える影響について議論した。
西原 健司; 菅原 隆徳; 福島 昌宏; 岩元 大樹; 方野 量太; 阿部 拓海
Proceedings of International Conference on Nuclear Fuel Cycle (GLOBAL2024) (Internet), 4 Pages, 2024/10
マイナーアクチニド核変換用の熱出力800MWの鉛ビスマス冷却ADSのスケールダウン版として、加速器駆動システムのパイロットプラントを提案する。本発表では、パイロットプラントの設計方針について述べる。
阿部 拓海; 西原 健司
Proceedings of International Conference on Nuclear Fuel Cycle (GLOBAL2024) (Internet), 4 Pages, 2024/10
核燃料サイクル施設設備利用率の予測と、予測データを入力値とした諸量評価により、核燃料サイクル全体のロバスト性を評価できる。本研究ではこの手法を用いて再処理工場の設備利用率が高速炉の運転率に与える影響について定量評価した。
阿部 拓海; 西原 健司
Journal of Nuclear Science and Technology, 61(8), p.1048 - 1060, 2024/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)熱伝導解析に基づき、軽水炉で使用された混合酸化物(MOX)燃料の直接処分概念の検討を行った。MOX使用済み燃料の直接処分において、廃棄体を包む緩衝材の温度が最も厳しい制限となる。そこで、ウラン使用済み燃料の直接処分概念を参考に、廃棄体の専有面積や冷却期間をはじめとしたパラメータを変更することによるMOX燃料直接処分時の緩衝材最高温度への影響を調査した。その結果、専有面積の変更に加え、冷却期間や処分深度の変更も組み合わせることが必要であると判明した。また、緩衝材最高温度の制限を満たすにはウラン使用済み燃料の直接処分概念と比較して廃棄体あたり3から5倍の専有面積が必要であると分かった。
山岸 功; 波戸 真治*; 西原 健司; 津幡 靖宏; 佐川 祐介*
JAEA-Data/Code 2024-002, 63 Pages, 2024/07
福島第一原子力発電所事故で発生した放射性セシウムを含む汚染水処理にゼオライトを充填した吸着塔が使用されている。汚染水処理が進むにつれて吸着塔内の放射性セシウムは高濃度となり、吸着塔は高い放射線源となる。吸着塔内の崩壊熱や水素発生量を評価するには、吸着塔内の放射性セシウム濃度が必要となるが、測定では評価することが容易ではないためシミュレーションによって推定される。本研究では、ゼオライトを充填した吸着塔(カラム)に放射性セシウムなどの放射性物質を注入したときの吸着塔内の濃度を算出できるゼオライトカラム吸着挙動解析(ZAC)コードを開発した。本コードの妥当性は、既存コードによる計算結果との比較および小カラム試験の実験結果との比較により確認した。本稿は開発したコードに関するモデルの詳細、コードの取扱い方および結果の妥当性を提示するものである。
西原 健司
原子力年鑑2024, p.78 - 83, 2023/10
分離変換技術の目指すところと全体像を述べ、分離と核変換のそれぞれに対して、最近の原子力機構の研究開発状況を交えて概説する。
渡辺 奈央; 山下 晋; 上澤 伸一郎; 西原 健司; 吉田 啓之
Proceedings of 20th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-20) (Internet), p.3522 - 3534, 2023/08
JAEAでは、鉛ビスマス共晶合金(LBE)を冷却材とする加速器駆動型核変換システム(ADS)を設計している。LBE流路壁の腐食速度の推定は、安全性や構造物全体の寿命を検討する上で重要な課題である。腐食速度は材料表面に形成される酸化層の状態に依存する。そこで、本研究では数値解析により酸化層の成長および溶解(OLGD)速度を推定することで、ADSにおける腐食速度を評価し設計に反映できる手法の構築を目的とする。OLGD速度は材料とLBE間の酸素と鉄の質量移動速度およびLBE中におけるこれらの移流拡散速度と相互に依存している。したがって、OLGD速度を推定するには、3つの数値解析モデルを連成させて解を得る必要がある。このうち、移流拡散の計算には、ADS中の複雑な流れへの適用性からCFDコードの使用が合理的である。一方、移流拡散に比べてはるかにスケールの小さい現象である材料とLBE間の質量移動およびOLGDについては、何らかの相関式を用いることが合理的である。本報告では、JAEAが開発しているCFDコードJUPITERを用いたOLGD速度の解析手法の構築について述べる。なお、材料とLBE間の質量移動速度およびOLGD速度の相関式については、実験式から導出され先行研究で用いられた既存のモデルを修正して用いた。
岡村 知拓*; 方野 量太; 大泉 昭人; 西原 健司; 中瀬 正彦*; 朝野 英一*; 竹下 健二*
Journal of Nuclear Science and Technology, 60(6), p.632 - 641, 2023/06
被引用回数:3 パーセンタイル:44.16(Nuclear Science & Technology)動的な核燃料サイクルシミュレーションの燃焼計算への適用を目的に、行列指数法を修正してOkamura explicit method (OEM)を開発した。OEMは、長いタイムステップであっても、短半減期核種の計算の発散を抑制することが可能である。OEMの計算コストはオイラー法と同等で小さく、燃料サイクルシミュレーションに十分な精度を保つことができる。
西原 健司
JAEA-Conf 2022-001, p.63 - 67, 2022/11
核燃料サイクルにおける加速器駆動システム(ADS)の役割と、ADSを実現するための核データの必要性について解説する。日本の核燃料サイクルの概要と政府の方向性を説明した後、高レベル廃棄物(HLW)の地層処分の概念について説明する。高レベル廃棄物から問題のある元素を分離し、核変換,利用,貯蔵することで、地層処分のあり方を変えることができる。ADSは、高レベル廃棄物から分離したマイナーアクチニド(MA)を、MAより放射性毒性の低い核分裂生成物(FP)に変換する役割を果たす。ADSの原理を技術的課題とともに紹介し、最後にADSの研究開発における核データの活用を紹介する。
佐藤 理花*; 西 剛史*; 太田 弘道*; 林 博和; 菅原 隆徳; 西原 健司
第43回日本熱物性シンポジウム講演論文集(CD-ROM), 3 Pages, 2022/10
溶融塩の密度および粘度は溶融塩を用いた加速器駆動核変換システム等を検討する上で必要不可欠な物性値である。本研究では、溶融塩を用いた物性値測定の手始めとして塩化鉛および硝酸カリウムを対象とし、粘度を測定するための装置の整備を行い、粘度および密度を測定した。
西原 健司
原子力年鑑2023, p.78 - 83, 2022/10
分離変換技術の目指すところと全体像を述べ、分離と核変換のそれぞれに対して現在主に開発されている技術を概説した。また、日本原子力学会が行った分離変換を含む核燃料サイクルの総合的な評価を紹介した。
Yee-Rendon, B.; 明午 伸一郎; 近藤 恭弘; 田村 潤; 中野 敬太; 前川 藤夫; 岩元 大樹; 菅原 隆徳; 西原 健司
Journal of Instrumentation (Internet), 17(10), p.P10005_1 - P10005_21, 2022/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Instruments & Instrumentation)日本原子力研究開発機構では、放射性廃棄物の有害度低減のため、超電導線形加速器(リニアック)による陽子ビーム(出力30MW)を未臨界炉中の標的に入射する加速器駆動核変換システムを開発している。本システムでは熱出力800MWとなる未臨界炉を陽子リニアックで駆動するため、炉内の核破砕中性子ターゲットにビームを供給する。ターゲットへのビーム輸送系には、ビーム窓の健全性を確保するために、高出力ビームにおける安定性と電流密度の低減化が要求される。さらに、燃料やビーム窓の保守・交換のために、原子炉の設計と互換性のある設計が必要である。非常に多くの粒子シミュレーションにより、堅牢でコンパクトなターゲットへのビーム輸送系を開発した。ビーム光学系を最適化により、必要となる0.3A/mm
以下のビーム窓における電流密度を実現し、ビーム窓の実現可能性を保証した。リニアックに入力するビームの誤差と加速器要素の誤差に起因する、炉内に入射するビームの誤差評価を行うとともに、改善策を考案した。さらに、加速器の信頼性向上のため、リニアックの故障時における高速補償を適用し、この補償による炉内入射ビームの誤差の影響も評価した。この結果、本研究によるターゲットへのビーム輸送系は、JAEA-ADSの要求を満足することが示された。
中野 敬太; 岩元 大樹; 西原 健司; 明午 伸一郎; 菅原 隆徳; 岩元 洋介; 竹下 隼人*; 前川 藤夫
JAEA-Research 2021-018, 41 Pages, 2022/03
加速器駆動核変換システム(ADS: Accelerator-Driven System)の構成要素の一つであるビーム窓の核特性を粒子・重イオン輸送計算コードPHITS及び誘導放射能解析コードDCHAIN-PHITSを用いて評価した。本研究では日本原子力研究開発機構が提案するADSの運転時にビーム窓内部に生成される水素やヘリウム等の量、高エネルギー粒子により引き起こされるビーム窓材の原子弾き出し数、ビーム窓内部の発熱量及び分布を導出した。また、中性子源標的及び冷却材として用いられる鉛ビスマス共晶合金(LBE)中の生成核種、発熱密度及び放射能分布を求めた。ビーム窓解析の結果、300日間のADSの運転によりビーム窓中に最大で約12500appmのH及び1800appmのHeの生成と62.1DPAの損傷が発生することが判明した。一方で、ビーム窓内の最大発熱量は374W/cmであった。LBEの解析では、
Biや
Poが崩壊熱及び放射能の支配的な核種であることが判明した。さらに、陽子ビームによるLBE中の発熱はビーム窓下流5cm付近が最大であり、945W/cm
であることがわかった。
方野 量太; 西原 健司; 近藤 恭弘; 明午 伸一郎
JAEA-Research 2021-016, 16 Pages, 2022/03
マイナーアクチノイドの核変換を目的とする加速器駆動システム(ADS)はいかなる状態においても未臨界であることが測定によって確かめられる必要がある。これまでの検討で、運転前段階において所定の未臨界度へ安全かつ効率的に近接する手順を考案した。本手順では、未臨界度の絶対値測定が可能な面積比法によって初期状態の未臨界度校正点を与える。しかし、面積比法はパルス中性子源を用いるが、現実的に測定を行うための具体的な加速器のパラメータについては未検討であった。本検討では、未臨界度の測定不確かさに検出器の不感時間に起因する不確かさと計数率の統計的不確かさを考慮し、加速器パラメータを決定した。加えて、検出器に核分裂計数管の使用を仮定した場合のサンプル核種の塗布量の概算を行った。
岡村 知拓*; 西原 健司; 方野 量太; 大泉 昭人; 中瀬 正彦*; 朝野 英一*; 竹下 健二*
JAEA-Data/Code 2021-016, 43 Pages, 2022/03
今後の核燃料サイクルの確立・高度化には、将来の原子力発電シナリオに応じて発生する多様なマスバランスを定量的に予測・分析することが求められる。しかし、核燃料サイクルはフロントエンドからバックエンドまでの多様な工程によって構成されており、モデル化の複雑さ、想定されるシナリオの多様さなどからシナリオの分析は容易ではない。そこで日本原子力研究開発機構と東京工業大学は、天然ウランの採掘から地層処分の核種移行工程までのマスバランスを統合的に解析するためのツールとしてNMBコードを開発した。NMBコードは、汎用性のある各工程の記述、広範なデータベース、高速な核種変換計算などを備え、ユーザーが指定する発電量や再処理容量などの条件に基づいて、各工程におけるマスバランスを定量化することができる。またNMBコードは多様なステークホルダーが利用できるように実行プラットフォームをMicrosoft Excel(R)としている。本ユーザーマニュアルでは、NMB4.0版のデータベースならびにシナリオ入力を作成する方法を述べる。
菅原 隆徳; 渡辺 奈央; 小野 綾子; 西原 健司; 市原 京子*; 半澤 光平*
Proceedings of 19th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-19) (Internet), 10 Pages, 2022/03
JAEAでは、LBE冷却型加速器駆動システム(ADS)の研究開発を行っている。ADSは既存の臨界炉に比べて安全性が高いと考えられているが、除熱源喪失事象が生じた場合、炉心の破損の可能性が考えられる。これを回避するためDRACS(直接炉心補助冷却システム)を備えているが、その機器信頼性と流量確保が重要となる。本研究では、CFD解析によりADS炉容器内の自然循環時の流れを解析し、DRACS熱交換器位置において十分な流量が確保されるかを検討した。解析の結果、定格運転時の約4.3%の流量が確保され、崩壊熱が適切に除去されることを確認した。また、炉容器内のLBE流れを整えるために設けられている内筒の有無が、自然循環時にどのような影響を与えるかについても検討を行った。