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報告書

地質環境の長期安定性に関する研究 年度報告書(令和4年度)

丹羽 正和; 島田 耕史; 末岡 茂; 石原 隆仙; 小川 大輝; 箱岩 寛晶; 渡部 豪; 西山 成哲; 横山 立憲; 小形 学; et al.

JAEA-Research 2023-005, 78 Pages, 2023/10

JAEA-Research-2023-005.pdf:6.51MB

本報告書では、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第4期中長期目標期間(令和4年度$$sim$$令和10年度)における令和4年度に実施した研究開発に係る成果を取りまとめたものである。第4期中長期目標期間における研究の実施にあたっては、地層処分事業における概要・精密調査や国の安全規制に対し研究成果を適時反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで研究開発を進めている。本報告書では、それぞれの研究分野に係る科学的・技術的背景を解説するとともに、主な研究成果等について取りまとめた。

論文

等高線を用いた地形解析による第四紀火山の山体下の岩脈分布および火道安定性評価

西山 成哲; 川村 淳; 梅田 浩司*; 丹羽 正和

応用地質, 64(3), p.98 - 111, 2023/08

火山防災におけるリスク評価や高レベル放射性廃棄物の地層処分に係るサイト選定および安全評価を行う上で、マグマの移動経路であった山体下の岩脈の分布に関する研究事例を蓄積していくことは重要である。火山地形は、火山活動に伴うマグマの貫入位置やその履歴を表していると考えられている。本研究では、GISを用いた地形解析により火山を構成する等高線の分布、重心、面積から、放射状岩脈の卓越方位の把握および火道の安定性評価を試みた。地形解析の結果、火道安定型の火山に対して岩脈の卓越方位を示すことができた。一方で、火道不安定型の火山は、本解析による岩脈の卓越方位の把握には適さず、その適用範囲が火道の安定性に依存すると考えられた。火道の安定性は、等高線ポリゴンの面積データを用いた解析を行うことで評価が可能であり、岩脈の卓越方位の把握手法への適用範囲を示すことができる。このことから、火山の活動履歴が詳らかになっていない火山についても、火道の安定性について評価が可能であり、地形解析はそのツールとして有用である。今後、本研究による地形解析が、火山の活動履歴を明らかにするための新たな手法となることが期待される。

報告書

GISを用いた火山体の地形解析によるマグマ供給系の推定方法(受託研究)

西山 成哲; 後藤 翠*; 塚原 柚子; 川村 淳; 梅田 浩司*; 丹羽 正和

JAEA-Testing 2022-003, 51 Pages, 2022/09

JAEA-Testing-2022-003.pdf:5.24MB
JAEA-Testing-2022-003-appendix(CD-ROM).zip:1.12MB

高レベル放射性廃棄物の地層処分における地質環境の長期安定性に係る評価のうち、火山・火成活動に関する技術的課題の一つとして、マグマ活動範囲の評価技術の高度化は必要不可欠である。そのための有効な手法として、火山体の地形解析による岩脈の分布範囲の把握が期待される。近年では、手作業では作業量が膨大で困難であった作業が、コンピュータによる地形解析技術の発達により、多くの作業量を簡易的に行えるようになった。本報告では、GISソフトウェアを用いた火山体を形作る等高線の形状解析手法について記述する。

論文

Fracture toughness evaluation of reactor pressure vessel steels by master curve method using miniature compact tension specimens

飛田 徹; 西山 裕孝; 大津 拓与; 宇田川 誠; 勝山 仁哉; 鬼沢 邦雄

Journal of Pressure Vessel Technology, 137(5), p.051405_1 - 051405_8, 2015/10

 被引用回数:14 パーセンタイル:54.45(Engineering, Mechanical)

ミニチュアコンパクトテンション(0.16T-CT)試験片のマスターカーブ法による破壊靭性評価への適用性を明らかにするため、0.16インチから1インチまでの板厚・形状の異なる数種類の試験片(0.16T-CT, PCCv, 0.4T-CT, 1T-CT)を用いて破壊靱性試験を行った。不純物含有量、靱性レベルが異なる5種類の原子炉圧力容器鋼に対して、0.16T-CTを用いて評価した破壊靱性参照温度($$T_{o}$$)は、1T-CTその他板厚の試験片と良い一致を示した。また、1インチ相当に補正した0.16T-CT試験片の破壊靭性値のばらつきの大きさ及び負荷速度依存性も同等であった。さらに、0.16T-CT試験片を用いて$$T_{o}$$を評価する場合の最適な試験温度に関し、シャルピー遷移温度を元にした設定法について提案を行った。

論文

Effect of neutron irradiation on the mechanical properties of weld overlay cladding for reactor pressure vessel

飛田 徹; 宇田川 誠; 知見 康弘; 西山 裕孝; 鬼沢 邦雄

Journal of Nuclear Materials, 452(1-3), p.61 - 68, 2014/09

 被引用回数:10 パーセンタイル:60.98(Materials Science, Multidisciplinary)

原子炉圧力容器の内面には、母材の耐食性を確保するため厚さが約5mmのステンレス鋼で肉盛溶接(ステンレスオーバーレイクラッド、以下、クラッドと呼ぶ。)が施工されている。加圧熱衝撃事象時の健全性評価においては、原子炉圧力容器内面の母材または溶接金属に表面き裂を想定し、脆性破壊の発生を判定する。健全性評価の精緻化のためにクラッド部を含めた評価を検討するには、中性子照射後のクラッドの機械的特性を把握する必要がある。本研究では、クラッド材を用いて高照射量領域まで中性子照射試験を行い、破壊靱性値等の機械的性質の変化について評価を行った。クラッド材の降伏応力と引張強さは中性子照射により増加し、シャルピー遷移温度は上昇した。中性子照射による弾塑性破壊靱性値の低下は少ないことを明らかにした。

論文

Improvement of probabilistic fracture mechanics analysis code for reactor piping considering large earthquakes

山口 義仁; 勝山 仁哉; 宇田川 誠; 鬼沢 邦雄; 西山 裕孝; Li, Y.*

Proceedings of 22nd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-22) (DVD-ROM), 8 Pages, 2014/07

The probabilistic fracture mechanics analysis code PASCAL-SP is improved by introducing crack-growth evaluation methods based on J-integrals, including calculation functions of J-integral values for semi-elliptical surfaces and through-wall cracks in pipes. Using the improved PASCAL-SP, sensitivity analyses that varied parameters such as earthquake magnitude were carried out on the basis of probabilistic evaluation. Results obtained from sensitivity analyses are also presented, e.g., the effect of earthquake magnitude on failure probability. The improved PASCAL-SP makes evaluation of the failure probability of piping under large seismic loading possible.

論文

Fracture toughness evaluation of reactor pressure vessel steels by master curve method using Mini-CT specimens

飛田 徹; 西山 裕孝; 大津 拓与; 宇田川 誠; 勝山 仁哉; 鬼沢 邦雄

Proceedings of 2013 ASME Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2013) (DVD-ROM), 8 Pages, 2013/07

不純物含有量,靱性レベルが異なる5種類のA533B class1鋼について、0.16インチから1インチまでの板厚・形状の異なる数種類の試験片(0.16T-CT, PCCv, 0.4T-CT, 1T-CT)を用いて、マスターカーブ法による破壊靱性試験を行った。0.16T-CTは監視試験片の破断片から8個まで採取することができる超小型の試験片である。すべての材料について、0.16TCTを用いても1TCTその他板厚の試験片と同等の破壊靱性参照温度Toを評価することができた。また負荷速度が速いとToが高くなる傾向が見られたが、規格の負荷速度上限及び下限におけるToの差は10度程度であった。

論文

Discovery of proteinaceous N-modification in lysine biosynthesis of ${it Thermus thermophilus}$

堀江 暁*; 富田 武郎*; 斉木 朝子*; 河野 秀俊; 高 ひかり*; 峯木 礼子*; 藤村 務*; 西山 千春*; 葛山 智久*; 西山 真*

Nature Chemical Biology, 5(9), p.673 - 679, 2009/09

 被引用回数:43 パーセンタイル:67.5(Biochemistry & Molecular Biology)

Although the latter part of the lysine biosynthesis, conversion of $$alpha$$-aminoadipate (AAA) to lysine, of ${it Thermus thermophilus}$ is similar to that of the arginine biosynthesis, enzymes homologous to ArgA and ArgJ are absent in the Thermus pathway. Since ArgA and ArgJ are known to modify the amino group of glutamate to avoid intramolecular cyclization of intermediates, their absence suggests an alternative N-modification system in the pathway. We reconstituted the conversion of AAA to lysine, and revealed that the amino group of AAA is modified with the $$gamma$$-carboxyl group of C-terminal Glu54 of a small protein, LysW, and the side-chain of AAA is converted to the lysyl side-chain in LysW-attached forms. Lysine is subsequently liberated from LysW/lysine-fusion. Recognition of the acidic globular domain of LysW by biosynthetic enzymes indicates that LysW acts as a carrier protein or protein scaffold of the biosynthetic enzymes in this system. This study reveals the previously unknown function of a small protein in the primary metabolism.

論文

Crystal structures of the regulatory subunit of Thr-sensitive aspartate kinase from ${it Thermus thermophilus}$

吉田 彩子*; 富田 武郎*; 河野 秀俊; 伏信 進矢*; 葛山 智久*; 西山 真*

FEBS Journal, 276(11), p.3124 - 3136, 2009/06

 被引用回数:15 パーセンタイル:29.54(Biochemistry & Molecular Biology)

Crystal structures of the regulatory subunit (TtAK$$beta$$) of Thr-sensitive aspartate kinase (AK; EC 2.7.2.4) from Thermus thermophilus were determined at 2.15 ${AA}$; in the Thr-bound form(TtAK$$beta$$-Thr) and at 2.98 ${AA}$ ; in the Thr-free form (TtAK$$beta$$-free). Although both forms are crystallized as dimers, the contact surface area of the dimer interface in TtAK$$beta$$-free (3,200 ${AA}$ $$^{2}$$) is smaller than that of TtAK$$beta$$-Thr (3,890 ${AA}$ $$^{2}$$). Sedimentation equilibrium analyzed by ultracentrifuge revealed that TtAK$$beta$$ is present in equilibrium between a monomer and dimmer and Thr binding shifts the equilibrium to dimer formation. In the absence of Thr, outward shift of b strands near the Thr-binding site (site 1) and concomitant loss of the electron density of the loop region between $$beta$$3 and $$beta$$4 near the Thr-binding site are observed. Based on the crystal structures, the regulatory mechanism by Thr is discussed. TtAK$$beta$$ has higher thermostability than the regulatory subunit of ${it Corynebacterium glutamicum}$ AK (CgAK$$beta$$) with a difference in denaturation temperature ($$T$$$$_{rm m}$$) of 40$$^{circ}$$C. Comparison of the crystal structures of TtAK$$beta$$ and CgAK$$beta$$ showed that the well-packed hydrophobic core and highproline content in loops contribute to the high thermostability of TtAK$$beta$$.

口頭

Quantitative tracing of water-rock interactions by IR spectoroscopy; An Example of alkaline alteration of granitic rocks

中嶋 悟*; 桐野 祐介*; 西山 直毅*; 塔ノ上 亮太*; 横山 正*; 永澤 眞*; 春井 里香*; Walker, C.; 笹本 広

no journal, , 

高レベル放射性廃棄物の地層処分において、坑道内への湧水量を低減させるため、セメント系のグラウト材料が用いられることが想定される。セメント系グラウト材料から生じる高pH溶液は、岩盤と反応し、長期的には岩盤を変質させることが懸念される。核種移行評価において、核種移行の場となる岩盤がどのように変質したかを把握することは、核種の移行挙動(拡散・収着等)に影響を与える可能性があるため重要である。本報では、高pH溶液と岩石(花崗岩質岩石)が反応したときに生じた微量の二次鉱物(変質生成物)を(顕微)赤外分光測定により推定するとともに、その生成反応を速度論的に評価した結果について報告する。

口頭

マスターカーブ法による原子炉圧力容器鋼の破壊靱性評価,破壊靭性に及ぼす試験片寸法の影響

飛田 徹; 西山 裕孝; 大津 拓与; 宇田川 誠; 鬼沢 邦雄

no journal, , 

不純物含有量が異なる5種類の原子炉圧力容器鋼について、0.16インチ厚さCT試験片(0.16TCT)と、0.4TCT及び1TCT型試験片を用いて、マスターカーブ法により破壊靭性試験を行った。すべての材料について、最小寸法の0.16TCT試験片でも有効なマスターカーブが得られ、より大きな0.4TCT及び1TCTとおおむね等しい破壊靱性参照温度(To)を評価することができた。傾向としては、試験片寸法が小さくなるほど低いToを示したが、その差は材料によって異なっていた。0.16TCTから求めたマスターカーブと4TCTを用いて求めた平面ひずみ破壊靱性を比較すると、0.16TCTのデータ点の下限はおおむね1%信頼限界曲線で包絡することができたが、平面ひずみ破壊靱性の下限は0.1%信頼限界曲線付近に位置していた。

口頭

軽水炉原子炉圧力容器の健全性評価高度化に関する研究

飛田 徹; 宇田川 誠; 勝山 仁哉; 鬼沢 邦雄; 西山 裕孝

no journal, , 

安全上重要な原子炉圧力容器等については、照射脆化や応力腐食割れ等の経年劣化を評価・予測し、将来に渡って健全性を維持できることを確認することとなっている。そのため、経年劣化予測及び評価手法の精度向上は重要な課題である。われわれは、これらの課題に対応するため、原子炉圧力容器を対象として、その破壊靭性評価手法や確率論的破壊力学(PFM)解析手法に基づく破損確率評価手法の高度化に関する研究を実施している。破壊靱性評価手法の高度化に関しては、さまざまな靱性レベルの鋼材について、監視試験片から採取可能な微小試験片を用いて、十分な精度で破壊靱性の温度依存性を評価できることを明らかにした。また、原子炉圧力容器上蓋貫通部のPWSCCを対象に、Ni基合金異材溶接部に対するPFM解析コードPASCAL-NPを開発した。本解析コードにより実機損傷事例を対象として行った破損確率解析の結果は、検査結果とおおむね一致した。本ポスターでは、これらの研究成果の概要を紹介する。

口頭

中性子照射された原子炉圧力容器ステンレスオーバーレイクラッドの破壊靭性評価

飛田 徹; 宇田川 誠; 西山 裕孝; 鬼沢 邦雄

no journal, , 

軽水炉圧力容器の内面には、母材の耐食性を確保するため厚さが約5mmのステンレス鋼で肉盛溶接(ステンレスオーバーレイクラッド、以下、クラッドと呼ぶ。)が施工されている。国内の加圧熱衝撃事象の健全性評価においては、母材あるいは溶接金属に深さ10mmの欠陥を想定するが、クラッドの破壊は考慮されていない。しかし、仏国ではクラッドの破壊を考慮した評価が行われようとしており、クラッドの破壊靭性値に及ぼす中性子照射の影響を把握する必要がある。本報では、サブマージアーク溶接によって製作したクラッド材について、中性子照射による弾塑性破壊靱性値の変化について報告する。クラッド材から採取した0.4インチ厚コンパクトテンション型の試験片を用いて、290$$^{circ}$$Cにて約1.1$$times$$10$$^{20}$$n/cm$$^{2}$$までの中性子照射を行った。ASTM規格に従い-50$$^{circ}$$Cから+270$$^{circ}$$Cの範囲において破壊靱性試験を行った。高照射量の中性子照射による破壊靱性値(J$$_{IC}$$)の低下は少ないという結果が得られた。

口頭

構造健全性評価研究グループの研究概要

勝山 仁哉; 西山 裕孝; 宇田川 誠; 山口 義仁; 勝又 源七郎

no journal, , 

安全研究センター構造健全性評価研究グループの研究の概要を発表する。具体的には、巨大地震による配管のき裂進展を考慮した確率論的評価手法の研究及び原子炉圧力容器の健全性評価方法の高度化に関する研究を紹介する。

口頭

GISソフトウェアを用いた地形解析による第四紀火山の火道および放射状岩脈のモデル化の検討

西山 成哲*; 川村 淳; 梅田 浩司*; 後藤 翠; 丹羽 正和

no journal, , 

高レベル放射性廃棄物の地層処分のサイト選定において、火山・火成活動の活動影響領域を把握しておくことは重要である。火山体の内部には、ほぼ垂直に伸びて山頂火口に繋がる火道とそこから派生する放射状岩脈が存在する。しかし、現存する火山体下に伏在している火道や放射状岩脈の分布を把握することは困難である。著者らは、山体の裾野の広がりが実際の岩脈の分布範囲を反映していると想定し、GISソフトウェアを用いた山体の地形解析により火道および放射状岩脈の三次元的な分布範囲をモデル化する手法の開発を行っている。本検討では、活動履歴が詳らかになっていない火山等も含めた地形解析の手法を提案し、各火山での地形解析を実施し、岩脈の分布範囲のモデル化を図った。その結果、本検討で用いた解析手法により、火山の活動で形成された地形の特徴を、エキスパートジャッジを含めずに捉えることが可能となった。このことは、本検討による解析結果と地質との比較検討を可能にするものであり、有益な情報となると考えられる。また、本検討により得られた重心の分布傾向は、噴火当時の広域応力場と整合的な結果を示しており、解析結果の妥当性を示すものである。

口頭

Estimation of emergence age using feldspar OSL dating; Case studies in the Noto Peninsula and the Oi River

小形 学; 塚原 柚子; 川村 淳; 菅野 瑞穂; 西山 成哲*; 末岡 茂; 小松 哲也; 中西 利典*; 安江 健一*

no journal, , 

長石の光励起ルミネッセンス(OSL)年代測定法は適用範囲が数千年から数十万年であり、堆積物に普遍的に含まれる長石粒子を対象とすることから、地形学的時間スケール(数千年から数十万年)での堆積物の編年が可能な方法として期待できる。本発表では、離水地形の離水時期の制約に基づく隆起速度推定技術の高度化の一環として実施中の長石のOSL年代測定による離水時期の推定研究について能登半島(海成地形)と大井川(河成地形)を事例として報告する。

口頭

等高線の形状解析による第四紀火山の岩脈分布のモデル化および火道安定性評価の検討

西山 成哲*; 川村 淳; 梅田 浩司*; 後藤 翠; 丹羽 正和

no journal, , 

火山・火成活動の技術的課題のうちマグマの影響範囲の検討に関しては、特に岩脈の発達に関する調査事例を蓄積していくことが重要であるが、現存の火山体下に伏在している火道および岩脈の分布を把握することは現実的に困難である。一方で、火山の山体の裾野の広がりは、実際の岩脈の分布範囲を反映していると考えられている。日浦ほか(2021)は、GISソフトウェアを用いた火山体の地形解析により火山体の標高ごとの形状,面積,重心などの地形パラメータを計測することにより、火山体下の岩脈の分布範囲の推定やその火山の活動履歴を追える可能性を見出した。西山ほか(2021)では、日浦ほか(2021)の手法からエキスパートジャッジとなる要素をなくした重心の算出手法を提案し、火山の放射状岩脈のモデル化を図った。しかし、得られた重心分布が火道と放射状岩脈のどちらの影響によるものかが区別できておらず、火道の安定性を評価できない状態である。本研究では、等高線の形状に注目し、岩脈分布のモデル化および火道の安定性評価に向けた検討を行った。西山ほか(2021)の解析により得られるデータに加え、各標高の等高線分布のうち最大距離となる長軸を引き、その方位データを集計した。また、等高線で囲われた等高線ポリゴンの面積データを用いた計算を実施し、各火山の地形パラメータとして算出した。具体的には、各標高の最大面積の等高線ポリゴンに対するその他の等高線ポリゴンの面積の比、およびその等高線ポリゴンの面積の値をそれぞれ平均したものを各火山で算出し、その算出結果による火山のグループ分けを試みた。解析の結果、火山体の等高線の長軸方位は、各火山で方位がある程度集中する結果が得られた。重心同士を結んだ線の方位と整合的な火山も多く見られ、それらは火山周辺の主応力の方向とおおよそ合致する結果となった。岩脈は一般に最大圧縮軸の方向に進展する特徴があるとされていることから、地形解析結果はこれと整合的であると言える。一方で、整合的でない火山もあるが、噴出率が比較的低い火山であることが多い。等高線ポリゴンの面積を用いた各火山の地形パラメータは、高橋(1994)で分類されている火道安定型と火道不安定型の火山とに区別可能なことを示唆する結果となった。このことは活動履歴が詳らかになっていない火山においても、地形解析により火道の安定性を評価が可能となることが期待されるものである。

口頭

火山・火成活動の発生に係る評価技術の高度化; マグマの影響範囲を把握するための技術の高度化への取組みについて

川村 淳; 西山 成哲; 丹羽 正和; 梅田 浩司*

no journal, , 

標記の取組みとして、「数値標高モデルの地形データなどに基づいて第四紀火山体下に分布する岩脈の分布範囲を推定する手法の検討」及び「国内の岩脈に関する既往の地質図幅からの収集・整理(データベース化)」を実施し、火山体周辺の地殻応力,活動年代,マグマ噴出率などと、岩脈の分布範囲や発達過程との関連性についての検討を実施した。これらの検討のうち前者は将来の火山・火成活動に伴うマグマの水平移動(岩脈の水平方向への発達)の影響が及ぶ蓋然性の高い方向や範囲を評価する上での基礎情報としての活用が期待される。後者は岩脈の発達が火山の中心から半径15km(科学的特性マップ(経済産業省資源エネルギー庁, 2017)における第四紀火山に対する好ましくない範囲の基準とされている距離)を超える場合の国内外の過去の事例を把握する上で重要な知見となる。本発表では、それらの内容について報告する。

口頭

穿入蛇行河川の旧流路地形・堆積物に基づく下刻速度の推定; 赤石山脈南部,大井川の事例

塚原 柚子; 小形 学; 川村 淳; 菅野 瑞穂*; 西山 成哲; 末岡 茂; 中西 利典*; 小松 哲也

no journal, , 

日本列島の山地における10万年スケールの隆起速度は、主としてTerrace to Terrace法(TT法: 吉山・柳田、1995)に基づき推定されている。TT法の適用にあたっては、最終氷期の堆積段丘と一つ前の氷期の堆積段丘のペアを認定する必要がある。しかし、そのような段丘のペアが認められない山地も多い。そこで、我々は、TT法の代替手法として、環流旧河谷などの旧流路地形・堆積物の分布高度と離水年代に基づいて10万年スケールでの下刻速度を算出する方法(例えば、安江ほか、2014; 小形ほか、2021)の研究を進めている。本発表では、そのような研究の一環で大井川中流部を事例に実施した調査の結果について報告する。

口頭

温泉湧出露頭の割れ目分布の特徴; 紀伊半島上湯温泉の例

箱岩 寛晶; 島田 耕史; 川村 淳; 西山 成哲; 後藤 翠*

no journal, , 

地殻中の流体移動経路の把握と推定は、地層処分事業に関する地盤や地下水対策等の評価で重要である。そのため、地殻流体が地表の岩盤中の割れ目から湧出している温泉湧出露頭を、流体の高速移動経路の候補として捉え、割れ目分布の特徴を調査している。紀伊半島上湯温泉の上湯川沿いの温泉湧出露頭において、割れ目データをスキャンライン法により取得した。具体的には、測線と交差する割れ目の走向傾斜と測線との交点の距離を計測した。走向データは、北-東-南の180度範囲方向に伸びる単位長さのベクトルとして扱われる。グラフ表現では、直交座標(横軸は東、縦軸は北)の原点から最初のベクトルが始まる。そして、そのベクトルの終点が次のベクトルの始点となる。これを繰り返すことにより、累積走向ベクトルの折線グラフができる。横軸と縦軸の単位を合わせると、この折線ベクトルのある部分が示す方向は、その部分の割れ目の平均方向を示している。折線グラフには、いくつかのトレンドとその屈曲が見られる。各トレンドは、類似した走向を持つ割れ目群からなる割れ目領域を示している。現在の温泉湧出地点はいくつか認められるトレンド屈曲点、すなわち割れ目領域境界のうちの一つに対応している。過去に温泉が湧出していた割れ目も、別の割れ目領域境界に位置する。このグラフでは、割れ目の測線上の距離と、割れ目の傾斜の情報は現れない。ある一定の数の割れ目の間の距離は、割れ目頻度の逆数で、割れ目領域境界の検出に使うことができる。過去に温泉が湧出していた割れ目は、割れ目間距離が急激に変化する地点に位置しており、これは割れ目密集の度合の変化が異なるような、隣接割れ目領域の境界に相当する。隣接する割れ目の交線も、単位ベクトルとして扱うことができ、累積交線ベクトルのグラフを作ることができる。上記の現在および過去の温泉湧出地点は、この累積交線ベクトルグラフの屈曲点、つまり割れ目領域境界に位置している。これらの単純な手法により、上湯温泉の例では、亀裂性岩盤における割れ目領域境界と流体経路の場所を示すことができた。本手法の利点は、なんら変更を加えることなく、概要調査で実施が想定されるような、ボアホールテレビ観察を併用するボーリング調査に適用可能なことである。

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