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松本 富美子; 前田 佳代*; 似内 靖*; 小田 俊郎*; 前田 雄一郎*; 藤原 悟
no journal, ,
遺伝性心筋症(HMC)は心臓の収縮機能やカルシウム調節に異常をきたす疾患で、筋収縮調節を担う蛋白質であるトロポニン(Tn;TnT, TnI, TnCからなる複合体)の変異により生じることが報告されている。われわれはTnの変異により生じるHMCの発症原因を探るため、Tn結晶構造中でIT-armと呼ばれるコイルドコイル中に存在する2つの変異(TnT(E244D), TnT(K247R))に注目して研究を行った。これまで、TnT(E244D)変異は心筋のカルシウム感受性を変えることなく最大張力を増大させるという報告があるが、TnT(K247R)についての報告はまだない。われわれは、これらの部位に種々の変異を導入し(E244; D, M, A, K and K247; R, E, A)、それにより生じる筋原繊維の機能異常を系統的に調べた。その結果、われわれは、IT-arm中に存在する2つの心筋症型変異が、同様の機能異常を引き起こすことを明らかにした。さらにこれらの部位が、IT-armの柔軟性を決定付けさせるような非常に特徴的なアミノ酸ネットワークを形成していることを見いだした。発表では変異により生じると考えられるIT-armの柔軟性変化と機能異常との関連について述べ、HMCの原因について考察する。
栗原 和男; 角南 智子; 山田 貢; 似内 靖*; 岡崎 伸生; 安達 基泰; 玉田 太郎; 島村 達郎*; 宮野 雅司*; 石井 良和*; et al.
no journal, ,
-ラクタマーゼの活性を議論するため、-ラクタマーゼToho-1・R274N/R276N変異体(Toho-1/NN)結晶(サイズ: 2.62.51.3mm)に対してリガンドが結合していない状態の中性子/X線結晶構造解析を高分解能(中性子: 1.5, X線: 1.4)で行うことに成功した。プログラムPHENIXを用い構造精密化を行った結果(R-factor: 19.7%)、Glu166はLys73のアミノ基(-NH3)の正電荷に隣接した位置にもかかわらずpH7においてもプロトン化していることが示された。また、プロトン化したGlu166とSer70・Ser237の主鎖の窒素原子によって形成されるオキシアニオンホールとの間を繋ぐ水和水ネットワークの存在を見いだした。さらに、Glu166とSer70間を繋ぐ触媒水と推定されている水分子の詳細な配置が明らかになった。これらの観察結果は、-ラクタマーゼToho-1の触媒反応機構の理解のために重要である。