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論文

高速増殖炉サイクルの実用化戦略調査研究の成果

根岸 仁; 小竹 庄司; 丹羽 元

日本原子力学会誌ATOMO$$Sigma$$, 50(3), p.174 - 180, 2008/03

原子力機構では高速増殖原型炉「もんじゅ」などの研究開発成果を踏まえて、高速増殖炉実用化に向けた「高速増殖炉サイクルの実用化戦略調査研究」を電気事業者,電力中央研究所,メーカ各社の参画を得て実施した。その目的は高速増殖炉サイクルの適切な実用化像とそこに至るまでの研究開発計画を2015年頃に提示することである。今後、重点的に研究開発を行う有望な高速増殖炉サイクル概念として、開発目標への適合可能性に最も優れ、これまでの開発実績及び今後の国際協力の可能性から技術的実現性の高い概念であるナトリウム冷却炉(MOX燃料)・先進湿式法再処理・簡素化ペレット燃料製造法を選定した。

論文

Development of a three-dimensional CDA analysis code; SIMMER-IV and its first application to reactor case

山野 秀将; 藤田 哲史; 飛田 吉春; 佐藤 一憲; 丹羽 元

Nuclear Engineering and Design, 238(1), p.66 - 73, 2008/01

 被引用回数:32 パーセンタイル:86.96(Nuclear Science & Technology)

炉心崩壊事故の遷移過程解析のため、2次元SIMMER-IIIコードをもとに3次元炉心安全解析コードSIMMER-IVの開発が行われた。また、世界で初めてSIMMER-IVを小型ナトリウム冷却高速炉に適用し、遷移過程の初期段階における事象推移を明らかにすることを試みた。このSIMMER-IVによる解析は、制御棒案内管の存在を無視したSIMMER-IIIによる2次元解析の場合と比較された。従来シナリオは比較的早期に高い流動性を持つ燃料プールが形成されていたが、3次元的な物質配位を考慮した本解析により、それは非現実的であり、遷移過程の初期段階では崩壊炉心は低流動性を保つ傾向があることが示された。

論文

Current status and perspective of advanced loop type fast reactor in fast reactor cycle technology development project

丹羽 元; 青砥 紀身; 森下 正樹

Proceedings of International Conference on Advanced Nuclear Fuel Cycles and Systems (Global 2007) (CD-ROM), p.62 - 70, 2007/09

After selecting the combination of the sodium-cooled fast reactor (SFR) with oxide fuel, the advanced aqueous reprocessing and the simplified pelletizing fuel fabrication as the most promising concept of FR cycle system, Feasibility Study on Commercialized Fast Reactor Cycle Systems was finalized in 2006. Instead, a new project, Fast Reactor Cycle Technology Development Project (FaCT Project) was launched in Japan focusing on development of the selected concepts. This paper describes the current status and perspective of the advanced loop type SFR system in the FaCT Project, especially on the design requirements, current design as well as the related innovative technologies together with the development roadmap. Some considerations on advantages of the advanced loop type design are also described.

論文

Roadmap toward the commercialization of FR cycle system in Japan

丹羽 元

Proceedings of 5th Korea-Japan Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-5), p.29 - 31, 2006/11

日本のFRサイクル実用化戦略調査研究の進捗を報告するとともに、第2期研究で主概念として選定されたナトリウム冷却MOX燃料高速炉の革新技術について紹介し、実用化までの道筋について述べる。また、国際協力の重要性を強調する。

報告書

金属燃料リサイクルシステムの臨界安全設計検討,2

中林 弘樹; 栗坂 健一; 佐藤 浩司; 丹羽 元; 青木 和夫*

JAEA-Technology 2006-027, 119 Pages, 2006/03

JAEA-Technology-2006-027.pdf:9.02MB

本報告書は、電力中央研究所及び旧核燃料サイクル開発機構の共同研究である「金属燃料リサイクルシステムの設計評価」の内容に基づき、大型電解精製槽の臨界安全設計について検討したものであり、2003年に報告した「金属燃料リサイクルシステムの臨界安全設計検討, 1」の続編となるものである。検討では、「金属燃料リサイクルシステムの臨界安全設計検討, 1」で提案した「化学形態管理併用質量管理」概念に基づいて、より具体的な臨界安全管理設計及び核的制限値の素案を提示し、その設定の考え方を示した。次に、実際のプロセスにおいて臨界安全性に影響を及ぼす可能性のある異常事象の要因を抽出し、それらに基づいた解析モデルを構築し臨界安全性の解析を行った。その結果、ここで提示した臨界安全設計の下では、抽出された大部分の異常事象に対して十分な安全裕度を確保できることが示された。さらに、これまで明確化されてこなかったが本システムにおける臨界安全を確保するために重要な工程間物質移送についても検討を行い、その管理方法及び手順を示した。複雑な物質管理及び移送管理が必要な金属電解法システムにおいて誤装荷や誤移送などのヒューマンエラーを排除するために、完全に電子化・自動化されたプラント制御・運転システムである「オペレーション・バイ・ワイヤ」の概念を提示した。

論文

Development of a three-dimensional CDA analysis code; SIMMER-IV, and its first application to reactor case

山野 秀将; 藤田 哲史; 飛田 吉春; 佐藤 一憲; 丹羽 元

Proceedings of Technical Meeting on Severe Accident and Accident Management (CD-ROM), 12 Pages, 2006/03

炉心崩壊事故の遷移過程解析のため、2次元SIMMER-IIIコードをもとに3次元炉心安全解析コードSIMMER-IVの開発が行われた。また、世界で初めてSIMMER-IVを小型ナトリウム冷却高速炉に適用し、遷移過程の初期段階における事象推移を明らかにすることを試みた。このSIMMER-IVによる解析は、制御棒案内管の存在を無視したSIMMER-IIIによる2次元解析の場合と比較された。従来シナリオは比較的早期に高い流動性を持つ燃料プールが形成されていたが、3次元的な物質配位を考慮した本解析により、それは非現実的であり、遷移過程の初期段階では崩壊炉心は低流動性を保つ傾向があることが示された。

論文

Status of the design and safety project for the sodium-cooled fast reactor as a generation IV nuclear energy system

丹羽 元; Fiorini, G.-L.*; Sim, Y.-S.*; Lennox, T.*; Cahalan, J. E.*

Proceedings of International Conference on Nuclear Energy System for Future Generation and Global Sustainability (GLOBAL 2005) (CD-ROM), 6 Pages, 2005/10

設計・安全性プロジェクト管理委員会(Design & Safety Project Management Board, DSPMB)がGenIVのナトリウム冷却炉運営委員会の下に設置され、候補となる炉の炉心設計、システム設計、安全評価や諸R&D活動の統合化を進める役割を負うこととなった。このためDSPMBは必要なR&D活動を集約し、今後数年間の活動計画をまとめた。ループ型MOX燃料炉とタンク型金属燃料炉が候補として挙げられており、活動内容にはこれらを対象とした上記設計や評価の他、革新的システムの検討評価、安全評価を支える評価手法の開発等も含まれている。これらを適宜実施していくことによりDSPMBはNa冷却炉運営委員会がGen-IVの目標に対する解を示すための強力な支援を果たす。

論文

Results of studies on safety of the BN-600 reactor with hybrid core for the purpose of weapons Pu disposition

Kuznetsov, I.*; Shvetsov, Y. E.*; Ashurko, Yu. M.*; Volkov, A. V.*; Kashcheev, M. V.*; Tsykunov, A. G.*; Kamanin, Y. L.*; Bakhmetyev, A. M.*; Zamyatin, V. A.*; 丹羽 元; et al.

Proceedings of International Conference on Nuclear Energy System for Future Generation and Global Sustainability (GLOBAL 2005) (CD-ROM), 6 Pages, 2005/10

BN-600高速炉の利用が米露間余剰解体核Pu処分計画のロシア側計画で考慮されている。このためには炉心の一部をMOX燃料に変更して許認可を得る必要があるため、同炉心の安全解析を実施した。評価に際して入力データを整備するとともに、運転時の異常な過渡変化,設計基準外事象の評価,及びレベル1 PSA を実施した。解析結果は同炉の安全系が変更炉心に対しても十分余裕をもって有効であることを示すと共に、設計基準外事象の評価においても規制上の要求を満たすことが明らかにされた。また、安全解析ではバイパックMOX燃料においても特段の問題は見いだされなかった。

報告書

FBRサイクルの安全性総合評価; 平成16年度報告

久保 重信; 栗坂 健一; 山野 秀将; 丹羽 元

JNC TN9400 2005-025, 156 Pages, 2005/04

JNC-TN9400-2005-025.pdf:3.71MB

実用化戦略調査研究において検討対象としている炉およびサイクルシステム概念について、合理的な安全設計概念構築に資するための検討を実施し、以下の成果を得た。・ナトリウム炉について、安全設計・評価方針の基本的な考え方を整理すると共に、軽水炉と同等の安全性の示し方、非難不要概念の考え方、格納容器の性能要求について検討し、格納容器設計に関する課題の明確化を図った。また、金属燃料ナトリウム冷却小型炉のCDA評価に関する現状知見と再臨界回避検討の方向性、炉心設計の要求事項についてまとめた。・合理的な再臨界回避方策として提案している溶融燃料排出ダスト付き概念の有効性見通しを予備解析結果によって示した。また、損傷炉挙動の3次元効果について分析し、制御棒案内間官の溶融燃料の冷却効果などの事象進展緩和効果を抽出し、評価に反映した。・ナトリウム炉の炉心損傷頻度の合理的な低減のため、除熱源喪失型の炉心喪失損傷事象に支配的なシーケンスの抽出を行い、蒸気発生器への蒸気補給、空気冷却器ダンパの多様化などの対策を考案した。また、これらの対策により除熱源喪失型の炉心損傷頻度に対して1桁以上の逓減が見込まれることを簡易評価により確認した。・鉛ビスマス冷却炉について、蒸気発生器電熱管破損による1次系への蒸気の大規模流入可能性について検討した結果、その可能性が否定できないことから蒸気発生器下端部での蒸気泡流出防止対策をとることを検討し、設計に採り入れた。・中間評価までに実施済みの先進湿式施設および乾式金属電解法施設に加えてH16年度は、高圧の流体を内蔵する超臨界直接流出法の施設および湿式リファレンス施設における抽出クロマトグラフ法のMA回収工程を対象に代表事象に焦点を絞ったリスク評価を実施し、リスクが十分に低いことを確認した。以上によりいずれの概念も安全性の目標を達成可能なことを確認した。

報告書

ナトリウム冷却炉の再臨界回避方策に関する検討; 平成15年度報告

久保 重信; 飛田 吉春; 川田 賢一; 小野田 雄一; 佐藤 一憲; 神山 健司; 植田 伸幸*; 藤田 哲史; 丹羽 元

JNC TN9400 2004-041, 135 Pages, 2004/07

JNC-TN9400-2004-041.pdf:17.3MB

実用化戦略調査研究フェーズ2において、平成15年度に実施したナトリウム冷却炉の再臨界回避方策に関する検討結果を示す。ナトリウム冷却大型炉及び中型炉について、炉心燃料設計及びプラント設計との整合性に配慮しつつ、再臨界回避方策として有望な概念を構築することを目的とし、これらの炉心を対象とした炉心流量減少時炉停止失敗事象の炉内終息性に関する諸検討を実施して以下の結果を得た。遷移過程での燃料流出促進策として提案されているABLE概念の有効性について解析評価を実施した結果、ラッパ管溶融に先行した燃料流出が実現できない見通しであることが分かった。一方、FAIDUS概念については、燃料流出見通しはあるものの、炉心性能等への影響が大きいことから、改良概念を提示し予備的な評価によりその性能見通しを示した。原子炉容器底部で多量の燃料の保持冷却を確保するための課題を軽減する観点から、炉心部での事故後の損傷炉心物質の保持・冷却が重要であり、ナトリウムのもつ高い冷却能力を考慮した評価を今後定量化していくことによって炉内終息が達成できる可能性があることを示した。 FAIDUS及びABLEを対象とした現時点までの解析評価による情報等に基づいて、今後検討が必要となる可能性のある試験課題とその実施方法を例示した。金属燃料炉心については、出口温度を550$$^{circ}C$$、ボイド反応度を8ドル以下とした中型炉を対象とした起因過程解析を実施し、即発臨界には至らずマイルドに推移する結果を得た。起因過程末期から遷移過程にかけての挙動については不確かさが大きいが再臨界が回避される可能性が示されると共に、仮に遷移過程で燃料プールが形成される状況を想定しても、MOX燃料と比較して緩慢な推移を示すことが示された。

報告書

高速増殖炉サイクルの実用化戦略調査研究フェーズII中間報告; 原子炉プラントシステム技術検討書

此村 守; 小川 隆; 岡野 靖; 山口 浩之; 村上 勤; 高木 直行; 西口 洋平; 杉野 和輝; 永沼 正行; 菱田 正彦; et al.

JNC TN9400 2004-035, 2071 Pages, 2004/06

JNC-TN9400-2004-035.pdf:76.42MB

ナトリウム冷却炉、鉛ビスマス冷却炉、ヘリウムガス冷却炉及び水冷却炉について、革新技術を導入し炉型の特徴を活かした炉システム概念を構築し、その概念の成立の見通しを得るための検討を行うとともに、設計要求への適合性を評価した。その結果、2015年頃に高速増殖炉技術を実用化するためには、現状の知見で課題とされた項目で画期的な技術革新がないかぎり、ナトリウムを冷却材して選択することが合理的であることが明らかとなった。

報告書

高転換型ナトリウム冷却MOX燃料中型高速炉の炉心損傷事象(ULOF)起因過程の特徴; 太径燃料ピン採用による低比出力密度炉心特性がULOF時の炉心挙動へ与える影響

石田 政義; 川田 賢一; 丹羽 元

JNC TN9400 2003-059, 74 Pages, 2003/07

JNC-TN9400-2003-059.pdf:1.58MB

実用化戦略調査研究(FS)のナトリウム冷却混合酸化物燃料高速炉のカテゴリーで設計検討が進められている高転換型炉心の炉心損傷事象(CDA)想定時の安全特性を、CDA起因過程解析コードSAS4Aを適用して検討した。CDAの代表事象として炉心冷却材流量減少時スクラム失敗事象(ULOF)を選定した。炉心の燃料体積割合を増加して高内部転換比を達成すべく、直径11.1mmの太径燃料を採用した上部ナトリウムプレナム付き炉心長1.2mの中型炉(平成13年度検討炉心、略称UPL120)は平均比出力密度(31 kW/kg-MOX)が従来大型炉心の約1/2である。ナトリウムボイド反応度価値は炉心部が6$、上部ナトリウムプレナムが-1$である。UPL120炉心のULOF起因過程はノミナル条件下で即発臨界を僅かに超過する出力バーストとなった。その主原因は、(a)比出力密度が従来大型炉心に比べて著しく低いため、出力上昇時の負の即応的フィードバック反応度(ドップラー及び燃料軸方向膨張反応度)による出力上昇の抑制が従来炉心に比べて弱いこと、及び、(b)炉心長が従来大型炉心の1mに比べて長尺であり、そのため炉心上端部の線出力が低くなり、その結果、比出力密度が低いことも重畳して、ボイド化燃料集合体の燃料破損後の軸方向燃料分散負反応度の挿入が1m炉心に比べて遅れることであり、そのため、未・部分沸騰燃料集合体の燃料破損に起因する速いボイド反応度挿入により即発臨界超過を起こした。この結果を踏まえて、比出力密度を約43 kW/kgまで増加し、炉心長を1m及び0.8mに短尺化した二つの高転換型中型炉心Fsm100(炉心ボイドワース5.7$)及びFsm80(炉心ボイドワース4.9$)が平成14年度に提案された。これらの炉心のULOF起因過程は、(a)いずれの炉心ケースともにノミナル条件下では出力バーストは即発臨界以下のマイルドな挙動となり、(b)ボイド反応度ワース及びドップラー係数の設計評価不確かさを保守側に考慮しても、即発臨界以下のマイルドな挙動となり、起因過程は遷移過程へ移行する。両炉心の比出力密度を基準ケースから34 kW/kgまで(約20%)下げるとULOF起因過程は即発臨界超過の出力バーストとなる。これらの結果から、炉心燃料の平均比出力密度は重要な設計パラメータであり、太径燃料の採用により炉心の比出力

論文

A Comprehensive approach of reactor safety research aiming at elimination of recriticality in CDA for commercialization of LMFBR

丹羽 元

Progress in Nuclear Energy, 32(3-4), p.621 - 629, 1998/00

 被引用回数:17 パーセンタイル:77.77(Nuclear Science & Technology)

FBRの実用化の時代を目指すためには炉心安全性の一層の向上が期待されており、特にFBRにおける炉心損傷事象(CDA)については、その影響が格納できるとするだけでなく、CDAがFBRの安全上の特徴ではなく従って評価の対象とする必要が無いとするところまで達成できれば、明らかな安全向上とみなせる。このためには、炉心損傷事象の発生頻度を低減するとともに、炉心損傷が発生しても再臨界に至ることが無く事象が終息することが明らかとなることが必要である。後者の再臨界問題の解決のためには、炉心安全研究のアプローチとして、1)従来の 炉内試験による現象解明、2)大型シミュレーションコードの開発、3)コードによる実機の安全評価、という安全評価を目的とした構成に対して、炉心の安全設計への要求明示を目的として、4)CDAシナリオ全体の理論的把握、を加える必要があると考える。

報告書

高速増殖原型炉ULOF事象の評価研究; 最新の知見を反映した炉心損傷評価

飛田 吉春; 守田 幸路; 川田 賢一; 丹羽 元; 野中 信之

PNC TN9410 97-079, 106 Pages, 1997/09

PNC-TN9410-97-079.pdf:3.9MB

本研究は、FBRの安全研究の一環として大洗工学センターにおいて実施してきた炉心損傷事故(CDA: Core Disruptive Accident)に関する実験的及び解析的研究の成果を反映して、最新の技術知見と安全評価手法により「高速増殖原型炉」のスクラム不作動流量減少事故(ULOF: Unprotected Loss Of Flow)を対象に炉心損傷過程の安全評価を実施したものである。炉心安全の研究では、炉心損傷時のエネルギー発生過程に注目し、CABRI計画等の国際共同炉内試験からエネルギー緩和の機構と効果に関する新たな知見を集約し、国内外での炉外試験データにより個別現象の理解を深めると共に、これらの実験事実に基づきSAS、SIMMER等の安全解析コードの開発・改良・検証を行ってきた。本研究では、これらの成果知見を反映した最新の技術を実機の解析評価に適用し、エネルギー発生過程の詳細で定量的な把握を行うことを目的としている。本研究では、これまでの実機評価で重要性が高いと認識されている炉心溶融進展段階(遷移過程)の挙動における炉心物質の可動量及び運動の履歴とエネルギー発生機構との関係に重点を置き、以下の方法と考え方の下で解析評価を行った。損傷初期の炉心ボイド化にともなう過渡挙動(起因過程)の解析にSAS4Aコード、その後の溶融進展にともなう炉心物質運動(遷移過程)及びエネルギー発生時の炉心外への物質輸送から機械的エネルギーへの変換に至る過程の解析にSIMMER-IIIコードを用い、それぞれ欧州研究機関との協力の下に開発・検証した最新バージョンを適用、臨界実験評価等の最新の炉物理研究成果に基づいて、ボイド、ドップラー反応度係数に対する不確定幅を考慮(不確定性の低減)、燃料過渡挙動と物質運動に関する最新の実験的知見とモデル検証に基づき事象推移の判断と主要物理パラメーターを選定(物理的因果関係の重視)、遷移過程における核的ポテンシャル低減機構の評価への適切な反映(評価技術の進歩)、原型炉の炉心物質の詳細な空間配置模擬(事故推移の特徴確認とエネルギー発生への燃料運動の非同時効果の正確な把握)、炉心エネルギー発生時の機械的エネルギーへの変換を炉心物質の炉心外への輸送とプレナムでのナトリウムとの反応過程の詳細評価(現実的物理機構に基づく評価)以上の方針に基づく一連の解析評価と結果の分析から以下の結論を得た。

報告書

FBR安全性炉内試験計画(SERAH計画)の検討

丹羽 元; 川太 徳夫; 家田 芳明; 佐藤 一憲; 大野 修司; 宇都 成昭; 宮原 信哉; 近藤 悟; 上出 英樹; 山口 彰; et al.

PNC TN9410 94-154, 317 Pages, 1995/03

PNC-TN9410-94-154.pdf:13.66MB

FBR安全性炉内試験計画(SERAPH計画)の検討は昭和62年後半から開始され、既に、その必要性、及び施設概念の検討結果に関して、原子力安全委員会、FBR安全研究専門委員会などへの報告を通して、内外の専門家から多くの意見や提案を得ている。これらの意見を踏まえて、これまでに、以下のような観点で試験の必要性及び施設概念の検討を行った。(1) SERAPH計画とその他の安全研究を全体的に統合することによって、SERAPH計画がFBRの実用化に対して果たし得る貢献の明確化を図る。(2)炉心損傷防止や影響緩和に関するサクセスシナリオを実証することによって実用化を促進するような安全研究の課題のうち、SERAPH計画に取り込むべきテーマを幅広く検討する。(3)個々の試験の内容や試験施設の仕様の妥当性、十分性を検討する。(4) SERAPH施設の成立性に係わる主要な要素技術について、それぞれが整合性を持つような概念を検討する。(5)各要素技術について、それぞれの性能向上を図ることにより、試験の要求条件を技術的に成立させる上での裕度を確保する一方、それらの性能を保証するための基礎的な研究の計画を具体化する。これまでの検討から、以下の結論が得られた。FBRの実用化段階において高水準の安全性を達成するために求められる安全確保の考え方と目標の設定を行った。その達成に必要な安全研究課題を摘出し、その研究手段のひとつとしてSERAPH計画を位置づけた。受動的安全特性を活用した炉心損傷への拡大防止,炉心損傷の早期終息、再臨界の排除等に重点を置いて幅広く試験の必要性の検討を行い、従来の検討成果を含め、全体的試験計画の形にまとめた。これらの試験研究、及び関連して進められるR&Dなどから取得される知見を総合すれば、上で述べた実用炉における安全性の目標が達成できるものと期待できるが、その達成のためには、特に、本計画で提案した炉内試験計画の推進が不可欠である。施設検討においては、概念設計研究を通じて駆動炉心構成を改良することにより、各要素技術の整合性を考慮したリファレンス炉心の概念が得られた。提案された各試験テーマについて、それぞれの要求条件に対する充足度の評価を行い、施設概念の基本的成立性の見通しを得た。性能保証のための基盤技術開発の端緒として、燃料ペレットの試作を行い、その製造可能性について目途が得られた。

報告書

SERAPHに期待される役割に関する検討; 実用化先導研究テーマに関する検討,1

丹羽 元; 家田 芳明

PNC TN9410 93-297, 82 Pages, 1993/11

PNC-TN9410-93-297.pdf:3.73MB

本報告は、SERAPHに期待される役割を明確化するためにFBR安全研究専門委員会小委員会にて平成5年度上期に検討した結果を中間的に報告するものである。本小委員会では以下の方法により検討を行った。実用化時代の高速炉は従来型のNa冷却MOX大型炉から更に改良されたものとなることを踏まえて、そこで採用される可能性のある種々の安全性向上方策、設計オプションに関する研究テーマを新規の提案も含めて提示し、委員からの追加提案も加えてそれらの有効性、技術的成立性に関して小委員会委員に対してアンケート調査を実施した。アンケート結果、及び小委員会での議論を踏まえて、SERAPHを含む長期的な安全研究によって達成すべき目標としてリスク低減を指標として選択した。さらにリスク支配事象であるCDAにおける主要な現象(例えば再臨界)に対する防止、緩和方策を強化するとの観点から分析と評価を行った。それらの研究テーマに関して、新規の炉による炉内試験、実炉試験の必要性について検討を行い、以上に基づいて新規テーマをSERAPHに期待される役割として抽出した。本年度下期では、専門委員会におけるコメントを反映して検討を継続し、検討結果をまとめた上で、本年度の専門委員会において最終的に報告する予定である。

報告書

FBR安全解析コードSAS4Aの核物質移動モデルの改良; 固体片を含む溶融燃料の流動・閉塞モデルの改良

丹羽 元

PNC TN9410 93-231, 104 Pages, 1993/11

PNC-TN9410-93-231.pdf:4.03MB

FBR安全解析コードSAS4Aの燃料破損後物質移動挙動モデルLEVITATEは三流体モデルであり、その第三の速度場に固体片(チャンク)燃料が割り当てられている。SAS4Aが解析対象とするFBRにおけるATWS事象の初期過程では、燃料ピンの崩壊型破損時にその中に含まれているこの固体片が溶融燃料の流動、固化、閉塞の生成に重要な役割を果たしており、特に後続の遷移過程へ移行する際の物質配位に関する境界条件を支配する。従ってここではまずこのチャンクモデルの改良を実施した。改良されたモデルは、流動関係では、チャンクと構造材壁との摩擦モデル、流動様式を考慮したチャンクと気相成分とのドラッグモデル、閉塞関係では、チャンク体積率の増大による閉塞生成モデル、流路サイズ減少箇所におけるチャンク径に依存した単純閉塞モデル及びアーチ形成による閉塞生成モデル、そして圧力差による閉塞破壊モデルである。以上のモデル改良の後、CABRIE13試験解析による検証を実施した。さらに実機への適用解析を行い、同モデルの妥当性を確認した。本モデルの開発は、不確かさの比較的大きい後続の遷移過程への接続条件を明確化できるとの点でSAS4Aの実機適応性を格段に向上させるものである。また、将来炉として想定できる低ボイド反応度炉心における炉心崩壊事故時の低過出力での事象推移の解析へ向けても、本研究は道を開いている。なお、本研究での開発されたモデルは、SAS4Aの日独仏統一版SAS4A.REF94に採用されることに決定している。

口頭

FBRサイクル実用化戦略調査研究フェーズIIの最終とりまとめについて,1; 実用化戦略調査研究フェーズIIの目標と検討の概要

向 和夫; 丹羽 元; 佐賀山 豊; 大野 勝巳*

no journal, , 

日本原子力研究開発機構(JAEA)は、電気事業者,電中研,メーカ各社の参画を得てオールジャパン体制のもと、「FBRサイクル実用化戦略調査研究」を1999年7月から実施している。2001年度から5年計画で開始したフェーズII研究においては、フェーズIで抽出したFBR,再処理及び燃料製造の各候補概念について、成立性にかかわる要素技術開発を進めるとともに、それらの成果を取り入れた設計研究を実施した。研究の実施にあたっては、安全性,経済性,環境負荷低減性,資源有効利用性,核拡散抵抗性の5つの開発目標を設定した。フェーズIIの最終とりまとめでは、FBRシステム及び燃料サイクルシステムの各候補概念について開発目標への適合可能性と現状での技術的実現性の二つの観点から技術評価を行い、有望な候補概念を選定した。これらの有望な各概念を組合せてFBRサイクルシステムとしての有望な概念を構築し総合的な技術評価を行うとともに、多面的評価として分析的アプローチにより開発目標への目標適合度を定量的に評価した。上記の技術総括の結果から、主概念及び補完概念を選択した。さらに、FBRサイクルの実用化に向けた今後の研究開発計画を提案した。

口頭

高速炉の炉心損傷評価技術(レベル2PSA)の開発,1; 概要とスコープ

丹羽 元; 栗坂 健一; 佐藤 一憲; 飛田 吉春; 神山 健司; 山野 秀将; 宮原 信哉; 大野 修司; 清野 裕; 石川 浩康; et al.

no journal, , 

ナトリウム冷却高速炉の炉心損傷評価技術(レベル2PSA)を開発するため、炉心物質再配置過程の解析手法及び格納容器内事象の解析手法を新たに開発するとともに、レベル2PSAに必要な技術的根拠を整備する。本発表は4件のシリーズ発表の一部として概要とスコープを紹介するものである。

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