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論文

Charge generated in 6H-SiC n$$^{+}$$p diodes by MeV range heavy ions

大島 武; 岩本 直也; 小野田 忍; Wagner, G.*; 伊藤 久義; 河野 勝泰*

Surface & Coatings Technology, 206(5), p.864 - 868, 2011/11

 被引用回数:4 パーセンタイル:19.03(Materials Science, Coatings & Films)

炭化ケイ素(SiC)を用いた粒子検出器の開発を目的に、酸素(O),シリコン(Si),ニッケル(Ni),金(Au)イオンが六方晶(6H)SiC n$$^{+}$$pダイオードに入射したときに発生する電荷をイオンビーム誘起過渡電流(TIBIC)により評価した。ダイオードへの印加電圧と収集電荷量の関係を調べたところ、すべてのイオンで印加電圧の増加とともに電荷収集効率(CCE)が増加し、ある印加電圧以上ではCCE値は飽和することが見いだされたが、これは、印加電圧とダイオード中の空乏層(電界層)の関係で説明できる。一方、イオン種依存性を調べると、Ni, Auと原子番号の大きなイオンになるほど、CCEの値が小さくなることが観察された。KKモデルを用いてSiC中に発生する電荷を調べたところ、原子番号が大きくなるに従い、高濃度の電荷(電子-正孔対)が発生することが見積もられた。高濃度電荷プラズマ中ではオージェ再結合といった電子-正孔対の消滅が発生することから、NiやAuで観察されたCCEの低下は、高濃度電荷プラズマ中での再結合によると帰結できた。

論文

Transient response of charge collection by single ion strike in 4H-SiC MESFETs

小野田 忍; 岩本 直也; 小野 修一*; 片上 崇治*; 新井 学*; 河野 勝泰*; 大島 武

IEEE Transactions on Nuclear Science, 56(6), p.3218 - 3222, 2009/12

 被引用回数:18 パーセンタイル:74.76(Engineering, Electrical & Electronic)

4H-SiC Metal Semiconductor Field Effect Transistor(MESFET)に15MeVの酸素イオン1個が入射した際に発生する過渡電流の計測を行った。MESFETのゲート電極にイオンが1個入射したときに、ゲート電極からだけでなく、ドレイン電極及びソース電極からも過渡電流が観測された。ドレイン電極からの過渡電流は、ソース電極からの過渡電流と極性が逆で、大きさが同じであったが、これは電荷中性条件により解釈できる。ところが、過渡電流を積分して求めた収集電荷量は、イオンの直接電離により誘起された電荷量よりも数桁も大きいことがわかった。素子構造を考慮すると、寄生トランジスタのバイポーラ増幅効果により、電荷量が増大した可能性が示唆された。

論文

Comparative study of transient current induced in SiC p$$^{+}$$n and n$$^{+}$$p diodes by heavy ion micro beams

大島 武; 岩本 直也; 小野田 忍; 神谷 富裕; 河野 勝泰*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 267(12-13), p.2189 - 2192, 2009/06

 被引用回数:9 パーセンタイル:53.48(Instruments & Instrumentation)

炭化ケイ素(SiC)半導体を用いた荷電粒子検出器開発の一環として、六方晶(6H)SiC基板上にp$$^{+}$$n又はn$$^{+}$$pダイオードを作製し、重イオン入射によるイオン誘起過渡電流評価を行った。9MeV酸素マイクロビームを用いた過渡電流評価の結果、両者とも電荷収集効率が85%であり、同程度の能力を示すことが判明した。このCCEを算出する際、金属電極、p$$^{+}$$又はn$$^{+}$$層や測定系での電荷損失を考慮していないので、これらを考慮するとほぼすべての電荷が収集されたこととなり、SiCは粒子検出器として優れた特性を示すと帰結できる。また、金やニッケルといった重イオンでは、オージェ再結合による電荷収集効率の低下が観測され、SiC検出器を重イオン用として応用する際にはオージェ再結合によるCCEの低下を考慮する必要があることが判明した。

論文

Reduction of effective carrier density and charge collection efficiency in SiC devices due to radiations

小野田 忍; 岩本 直也; 平尾 敏雄; 河野 勝泰*; 児島 一聡*; 大島 武

AIP Conference Proceedings 1099, p.1010 - 1013, 2009/03

耐放射線性の粒子検出器としての利用が期待される6H-SiCの接合型半導体ダイオードに、$$gamma$$線,1MeV電子線,65MeV陽子線を照射することで損傷を導入し、粒子検出器の性能を示す指標である電荷収集効率(CCE: Charge Collection Efficiency)の低下を評価した。また、CCEと密接な関係にある実効キャリア濃度に関しての評価を行った。その結果、照射量が増加するに従い、CCE及び実効キャリア濃度が減少していくことがわかった。さらに、今まで報告例のあまりないSiCの損傷係数を、CCE及び実効キャリア濃度の双方に対して算出した。その結果、これらの損傷係数は非イオン化エネルギー損失(NIEL: Non-Ionizing Energy Loss)を指標としたスケーリングによって表現できることを見いだした。

論文

重イオンマイクロビームを用いた半導体の拡散長評価

小野田 忍; 岩本 直也; 平尾 敏雄; 大島 武; 河野 勝泰*

JAEA-Conf 2008-012, p.146 - 149, 2009/03

半導体素子は放射線によって損傷を受けるため、放射線照射による半導体の物性値劣化を調べることは重要である。本研究では原子力研究開発機構TIARA施設のタンデム加速器及び重イオンマイクロビームシステムを利用し、半導体素子の特性劣化を考える際に最も重要な物性値の一つであるキャリアの拡散長を評価した。放射線損傷を導入する目的で、炭化珪素(SiC)ダイオードに1MeVの電子線照射を行い、照射前後の拡散長をイオンビーム誘起過渡電流(TIBIC; Transient Ion Beam Induced Current)により評価した。電子線照射前の拡散長は2.5$$mu$$mであったが、1$$times$$10$$^{15}$$cm$$^{-2}$$の電子線照射後の拡散長は0.6$$mu$$mまで低下した。また、5$$times$$10$$^{15}$$cm$$^{-2}$$の電子線照射後では、拡散長は評価することができないほど小さくなった。このような拡散長の低下は、電子線照射により再結合中心となる欠陥の密度が増大したためと考えられる。

論文

Transient response to high energy heavy ions in 6H-SiC n$$^+$$p diodes

小野田 忍; 大島 武; 平尾 敏雄; 菱木 繁臣; 岩本 直也; 児島 一聡*; 河野 勝泰*

Materials Science Forum, 600-603, p.1039 - 1042, 2009/00

炭化ケイ素(SiC)半導体のイオン照射効果を明らかにするため、15MeV-O及び260MeV-Neマイクロビームを使用して六方晶(6H)SiC n$$^+$$pダイオード中で発生する過渡電流の電圧依存性を調べた。双方のイオンについて、印加電圧の増加とともに、ピーク値が増加し、立上り及び立下り時間が減少する結果を得た。ピーク値の増加と立上り及び立下り時間の減少が補償することから、電荷収集効率(CCE:Charge Collection Efficiency)の電圧依存性はないことがわかった。15MeV-Oと比較して260MeV-NeによるCCEは非常に小さいことがわかった。この違いは線エネルギー付与(LET:Linear Energy Transfar)及び飛程の違いに由来するものと考えられる。15MeV-OのLETが7.29MeVcm$$^2$$/mgであるのに対し、260MeV-NeのLETが2.95MeVcm$$^2$$/mgと低いため、CCEが小さくなったと考えられる。さらに、15MeV-Oの飛程が空乏層よりも短いのに対し、260MeV-Neの飛程は空乏層よりも長い。そのため、260MeV-Neでは、入射エネルギーの一部しかダイオード中に付与されず、CCEが小さくなる。このように、過渡電流及びCCEのエネルギー依存性をマイクロビーム照射実験から明らかにした。

論文

Degradation of charge collection efficiency for 6H-SiC diodes by electron irradiation

岩本 直也; 小野田 忍; 菱木 繁臣; 大島 武; 村上 允*; 中野 逸夫*; 河野 勝泰*

Materials Science Forum, 600-603(Part 2), p.1043 - 1046, 2009/00

炭化ケイ素(SiC)半導体を用いた耐放射線性の粒子検出器の開発の一環として、SiCエピ膜上に作製したn$$^{+}$$pダイオードの電荷収集効率(CCE)の電子線照射による低下を調べた。室温にてエネルギー1MeVの電子線を最大6$$times$$10$$^{16}$$/cm$$^{2}$$照射した。CCEの評価は酸素15MeVマイクロビームを用いたイオン誘起過渡電流(TIBIC)評価により行った。評価の結果、電子線未照射試料では93%という非常に高いCCEを観測し、1$$times$$10$$^{15}$$/cm$$^{2}$$の電子線照射後もCCEの低下は観測されなかった。しかし、それ以上の線量ではCCEの低下が観測され、5$$times$$10$$^{15}$$/cm$$^{2}$$の電子線照射によりCCEは約65%となった。ダイオードへ印加する逆方向電圧とCCEの関係を解析することでダイオード中の少数キャリア(電子)の拡散長を見積もったところ、未照射では2.5$$mu$$mであった拡散長が電子線照射により徐々に低下し、その結果としてCCEが低下することが判明した。

論文

Charge collection properties of 6H-SiC diodes by wide variety of charged particles up to several hundreds MeV

小野田 忍; 岩本 直也; 村上 允; 大島 武; 平尾 敏雄; 児島 一聡*; 河野 勝泰*; 中野 逸夫*

Materials Science Forum, 615-617, p.861 - 864, 2009/00

耐放射線性の粒子検出器としての利用が期待できる炭化珪素(SiC)ダイオードの性能を示すため、さまざまな荷電粒子を照射し、電荷収集効率(CCE; Charge Collection Efficiency)を評価した。荷電粒子として、RIから放出される$$alpha$$粒子,$$beta$$線及び、加速器からの重荷電粒子を利用した。低エネルギー(数MeV)の軽粒子及び高エネルギー(数百MeV)の重粒子の飛程が数十$$mu$$mあることから、感受層であるエピタキシャル層の厚さが77$$mu$$m及び96$$mu$$mのダイオードを作製し、電荷収集量を評価した。実験の結果、従来報告例のある5.5MeVの$$alpha$$粒子だけでなく、56MeVのN(窒素),75MeVのNe(ネオン),150MeVのAr(アルゴン),322MeVのKr(クリプトン)イオンのエネルギースペクトルを測定することができた。

論文

Transient currents induced in 6H-SiC MOS capacitors by oxygen ion incidence

岩本 直也; 小野田 忍; 大島 武; 児島 一聡*; 河野 勝泰*

Materials Science Forum, 615-617, p.517 - 520, 2009/00

炭化ケイ素(SiC)デバイスのイオン照射効果の研究の一環として、15MeV酸素イオン入射によりSiC金属-酸化膜-半導体(MOS)キャパシタのゲート酸化膜を通して誘起される過渡電流を評価した。p型エピタキシャル六方晶(6H)SiC上に1180$$^{circ}$$Cの熱酸化により35nm厚の酸化膜を形成し、アルミニウムを熱蒸着することでMOSキャパシタを作製した。15MeV酸素イオンマイクロビームを用いたシングルイオンヒット、イオンビーム誘起過渡電流(TIBIC)計測により過渡電流(SET)シグナルを取得した。その結果、SETシグナルのピーク値が印加する逆方向電圧の増加とともに増加することが明らかとなった。得られた結果をシリコンMOSキャパシタでの研究結果と比較することで、SiC MOSキャパシタのゲート酸化膜を通して誘起される過渡電流も変位電流であると帰結できた。また、SETシグナルに及ぼす$$gamma$$線照射の影響を調べるため130kGyの線量までの照射を行った。容量-電圧特性に関しては5V以上のシフトが見られたが、この照射範囲ではSETシグナルには変化は見られなかった。

論文

NIEL analysis of charge collection efficiency in silicon carbide diodes damaged by gamma-rays, electrons and protons

大島 武; 小野田 忍; 岩本 直也; 児島 一聡*; 河野 勝泰*

Proceedings of the 8th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Applications (RASEDA-8), p.175 - 178, 2008/12

炭化ケイ素(SiC)半導体を用いた粒子検出器開発の一環として、六方晶(6H)SiCエピタキシャル基板上に作製したpnダイオードの電荷収集効率(CCE)をイオンビーム誘起過渡電流(TIBIC)を用いて評価した。特に、本研究では、作製したSiC pnダイオードに$$gamma$$線,電子線(1MeV)又は陽子線(65MeV)を照射することで結晶損傷を導入し、CCEに与える影響を調べた。その結果、いずれの放射線の照射においても照射量の増加とともにCCEが低下することが判明し、容量-電圧測定の結果から、その低下の一要因がエピタキシャル基板のキャリア濃度の減少によることが明らかとなった。また、キャリア濃度及びCCEの低下とそれぞれの放射線の線量率の関係から、キャリア濃度枯渇係数(R$$_{C}$$)及び損傷係数(K)を見積もり、非イオン化エネルギー損失(NIEL)との関係を調べた。これまで報告されているSiやGaAsといった他の半導体との結果も含めて比較したところ、R$$_{C}$$及びKともに、NIELを用いることで線質によらない一つの関係が見いだされ、NIELがCCEの低下を記述する良い指標であると帰結できた。

論文

Charge collection from SiC MOS capacitors irradiated with oxygen ion

岩本 直也; 小野田 忍; 大島 武; 児島 一聡*; 河野 勝泰*

Proceedings of the 8th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Applications (RASEDA-8), p.191 - 194, 2008/12

炭化ケイ素(Silicon Carbide: SiC)を基板材料として作製した金属-酸化膜-半導体(Metal-Oxide-Semiconductor: MOS)キャパシタにおけるシングルイベント効果(Single Event Effect: SEE)について研究を行った。SiC MOSキャパシタにMeV級の酸素イオンを入射し、発生する過渡電流を測定した。さらに過渡電流から電荷収集量を評価した。電荷収集量は、入射イオンが15MeVのとき最大値を示した。これは、ドリフト-拡散モデルと呼ばれるダイオードにおける電荷収集モデルとも一致する結果であった。SiC上のMOSキャパシタにおいても、同モデルを適用することで電荷収集量の評価が可能であることが明らかになった。

論文

Decrease of charge collection due to displacement damage by $$gamma$$ rays in a 6H-SiC diode

小野田 忍; 大島 武; 平尾 敏雄; 三島 健太; 菱木 繁臣; 岩本 直也; 児島 一聡*; 河野 勝泰*

IEEE Transactions on Nuclear Science, 54(6), p.1953 - 1960, 2007/12

 被引用回数:19 パーセンタイル:76.84(Engineering, Electrical & Electronic)

In order to investigate the influence of displacement damage or change collection in Sic diode, the charge generated in 6H-SiC n$$^{+}$$p diodes by 15 MeV O ions was measured using the TIBIC (Transient Ion Beam Induced Current) system before and after $$gamma$$-ray irradiations. The measured CCE (Collected Charge Efficiency) and the diffusion length reduce with increasing the equivalent displacement damage dose which is estimated using Non Ionizing Energy Loss (NIEL). It was found that the degradation of the diffusion length for p-type 6H-SiC is proportional to the square of the displacement damage dose, and this relationship is the same as that reported for n-type SiC and p-type GaAs.

論文

Impact of Auger recombination on charge collection of a 6H-SiC diode by heavy ions

小野田 忍; 大島 武; 平尾 敏雄; 三島 健太; 菱木 繁臣; 岩本 直也; 河野 勝泰*

IEEE Transactions on Nuclear Science, 54(6), p.2706 - 2713, 2007/12

 被引用回数:16 パーセンタイル:72.04(Engineering, Electrical & Electronic)

高エネルギー物理学における粒子検出器開発の観点から軽イオン等が半導体素子に入射した時の電荷収集効率(CCE:Charge Collection Efficiency)に関する研究が盛んに行われている中、われわれは、材料開発で使用する加速器用の粒子検出器、さらには宇宙でのシングルイベント効果の理解にも重要となる重イオンが半導体素子に入射した時のCCEに関する研究を進めた。その結果、既存の理論モデル(Gunnモデル)によって重イオンが半導体素子に誘起するCCEの電圧依存性を説明できないことがわかった。本研究では、重イオンにより誘起された電子及び正孔がオージェ過程を経て再結合する可能性を半導体デバイスシミュレータ(TCAD:Technology Computer Aided Design)により検討した。その結果、オージェ再結合によりCCEが低下することを明らかにし、その係数がおよそ6$$times$$10$$^{-30}$$cm$$^6$$/sであることを示した。

論文

Decrease in ion beam induced charge of 6H-SiC diodes

小野田 忍; 岩本 直也; 大島 武; 平尾 敏雄; 河野 勝泰*

Proceedings of the 26th Symposium on Materials Science and Engineering, Research Center of Ion Beam Technology Hosei University, p.35 - 40, 2007/12

高エネルギー物理学における粒子検出器開発の観点から、軽イオン等が半導体素子に入射した時の電荷収集効率(Charge Collection Efficiency; CCE)に関する研究が盛んに行われている。これに対してわれわれは、材料開発で使用する加速器用の粒子検出器、さらには宇宙でのシングルイベント効果の理解にも重要となる重イオンが半導体素子に入射したときのCCEに関する研究を進めてきた。その結果、入射するイオンビームの原子番号が大きくなるに従い、6H-SiCダイオードに誘起される電荷量、すなわちCCEが低下する現象が観測された。本研究では、重イオンにより誘起された電子及び正孔がオージェ過程を経て再結合する可能性を半導体デバイスシミュレータ(Technology Computer Aided Design; TCAD)により検討した。その結果、オージェ係数が3$$times$$10$$^{-29}$$cm$$^{6}$$/sのとき、実験値と計算値がよく一致した。以上のことから、SiCにおいてCCEが低下する原因の一つに、従来のSiでは考慮する必要のなかった高密度キャリアによるオージェ再結合が挙げられることが明らかとなった。

論文

Charge collection efficiency of 6H-SiC diodes damaged by electron irradiation

岩本 直也; 大島 武; 小野田 忍; 菱木 繁臣*; 村上 允; 中野 逸夫*; 河野 勝泰*

Proceedings of the 26th Symposium on Materials Science and Engineering, Research Center of Ion Beam Technology Hosei University, p.27 - 30, 2007/12

SiCダイオードは、高い耐放射線性を有する粒子検出器として有望視されている。検出器の実用化には、粒子検出特性の放射線による影響を明らかにすることが重要であることから、本研究では、電子線照射により6H-SiC n$$^+$$pダイオードに放射線損傷を導入し、重粒子の入射に対する電荷収集効率(CCE; Charge Collection Efficiency)を評価した。電子線照射前のCCEの飽和値は93$$%$$であり、電子線のフルエンスが1$$times$$10$$^{15}$$cm$$^{-2}$$以下では、変化は見られなかった。一方、フルエンスが1$$times$$10$$^{15}$$cm$$^{-2}$$以上ではCCEの低下が観測された。特に6$$times$$10$$^{15}$$cm$$^{-2}$$ではCCEは高バイアス領域において飽和しなかった。これらピーク値及びCCEの低下は、電子線照射によりダイオード中に再結合中心となる欠陥の密度が増大し、生成された電荷の寿命が収集時間よりも短くなったためと考えられる。電子線照射によってSiCダイオードの電荷収集効率に放射線劣化が見られるものの、依然として入射粒子の検出が可能であることが判明した。

論文

Heavy-ion induced current through an oxide layer

高橋 芳浩*; 大木 隆弘*; 長澤 賢治*; 中嶋 康人*; 川鍋 龍*; 大西 一功*; 平尾 敏雄; 小野田 忍; 三島 健太; 河野 勝康*; et al.

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 260(1), p.309 - 313, 2007/07

 被引用回数:4 パーセンタイル:35.71(Instruments & Instrumentation)

Si基板上にAlゲートp-MOSFETを作製し、TIARAの重イオンマイクロビームシステムを使用して重イオン照射を行い、照射誘起過渡電流の測定を行った。その結果、ゲート端子における過渡電流は、照射中負のゲート電圧を印加した状態でのみ観測されることがわかった。また、ソース・ドレイン電極を接地(基板と同電位)してゲート領域に重イオンを照射した場合、ピーク値の異なる正・負の電流が観測され、その積分値は照射後100ns程度でほぼ0となることがわかった。本誘起電流が伝導電流によるものであれば、正方向の電流のみが観測されることが予想される。よって本測定結果より、酸化膜を介した照射誘起電流は、変位電流に由来すると帰結できる。また測定結果は、酸化膜を完全絶縁体と仮定した計算により再現できることが確認できた。

論文

横手盆地東縁断層帯・千屋断層の形成過程と千屋丘陵の活構造

楮原 京子*; 今泉 俊文*; 宮内 崇裕*; 佐藤 比呂志*; 内田 拓馬*; 越後 智雄*; 石山 達也*; 松多 信尚*; 岡田 真介*; 池田 安隆*; et al.

地学雑誌, 115(6), p.691 - 714, 2006/12

過去数万年$$sim$$数百万年の逆断層の活動性を明らかにするため、横手盆地東縁活断層帯が分布する千屋丘陵と地質構造の発達過程の研究を実施した。浅層反射法地震探査,詳細な地形調査,地質調査及び総括的なバランス断面法の解析により、千屋丘陵とそれを形成した断層の構造及びそれらの発達過程が明らかになった。地質調査では、継続的な断層活動の開始時期が2.7Maより後と推定され、総合的なバランス断面解析の結果は、前縁断層の形成開始時期が千屋丘陵北部より中部のほうが早いことを示唆した。また、地形調査の結果、千屋丘陵の形成時期はその中央部で最も早く(0.35Ma以降)、その後丘陵は断層活動に伴って隆起し、東に傾動しながら拡大したと推定される。

論文

Transient currents generated by heavy ions with hundreds of MeV

小野田 忍; 平尾 敏雄; Laird, J. S.*; 三島 健太; 河野 勝泰*; 伊藤 久義

IEEE Transactions on Nuclear Science, 53(6), p.3731 - 3737, 2006/12

 被引用回数:16 パーセンタイル:72.85(Engineering, Electrical & Electronic)

宇宙環境に存在する数十MeV$$sim$$数百GeVの高エネルギー重イオンが半導体素子に誘起するシングルイベント(SE)効果の発生機構を調べるためには、微細な高エネルギーイオンビームを半導体素子の任意の領域に照射する技術が必要となる。そのため、百MeV級の重イオンのビーム径を絞って任意の位置に照射し、その際発生するSE過渡電流の強度をマッピングすることができるTIBIC(Transient Ion Beam Induced Current)システムを開発し、数十から数百$$mu$$mの感受領域を持つ半導体素子に対してTIBICイメージを実測した。その結果、エネルギーが高くなるに従いSE過渡電流の波高が高くなることがわかった。重イオンが半導体中に誘起する電子・正孔分布(プラズマトラック)の計算を実施し、シノプシス製TCAD10を用いてデバイスシミュレーションした結果、エネルギーが高くなるほどプラズマ密度が低くなり、また、低密度であるほどプラズマ中のキャリア拡散が速くなるため、キャリアが高速で収集されSE過渡電流の波高が高くなることが明らかとなった。

論文

Observation of charge collection efficiency of 6H-SiC n$$^{+}$$p diodes irradiated with Au-ions

岩本 直也; 大島 武; 佐藤 隆博; 及川 将一*; 小野田 忍; 菱木 繁臣; 平尾 敏雄; 神谷 富裕; 横山 琢郎*; 坂本 愛理*; et al.

Proceedings of 7th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application (RASEDA-7), p.185 - 188, 2006/10

六方晶炭化ケイ素(6H-SiC) n$$^{+}$$pダイオードに12MeVの金イオンを照射し、ダイオードの電荷収集効率をイオンビーム励起過渡電流(TIBIC)によって評価した。酸素(O)及びシリコン(Si)イオンの照射では電荷収集効率(CCE)は100%であったが、金イオンでは約50%であった。イオン入射によって6H-SiC n$$^{+}$$pダイオードで発生した電子-正孔対の濃度をKobetich & Katz(KK)モデルを使って評価すると、電子-正孔対の濃度は入射イオンの原子番号が大きくなると増加することが明らかとなった。したがって、金イオンを入射した6H-SiC n$$^{+}$$pダイオードにおけるCCEの減少は、高濃度の電子-正孔対内での電子と正孔の再結合に起因することが示唆される。

論文

Analysis of transient current in SiC diodes irradiated with MeV ions

小野田 忍; 大島 武; 平尾 敏雄; 菱木 繁臣; 三島 健太; 岩本 直也; 神谷 富裕; 河野 勝泰*

Proceedings of 7th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application (RASEDA-7), p.115 - 118, 2006/10

耐放射線性素子への期待が大きい六方晶炭化ケイ素(6H-SiC)pn接合ダイオードに対して、MeV級のイオンを照射し、誘起されるシングルイベント過渡電流(Single Event Transient Current: SETC)を測定することによって、その電荷収集挙動を調べた。さらに、電荷収集過程を明らかにするため、デバイスシミュレータ(Technology Computer Aided Design: TCAD)を使用してシミュレーションを行った。さまざまな物理モデルを比較・検討することによって、SiC中のSETCをシミュレーションするために最適な物理モデルを検討した結果、移動度モデルが重要であり、移動度の不純物依存性、キャリア散乱、高電界効果、異方性等を考慮してシミュレーションを行うことで精度が向上することを見いだした。

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