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報告書

地質環境の長期安定性に関する研究 年度報告書(令和5年度)

丹羽 正和; 島田 耕史; 末岡 茂; 石原 隆仙; 箱岩 寛晶; 浅森 浩一; 村上 理; 福田 将眞; 小北 康弘; 鏡味 沙耶; et al.

JAEA-Research 2024-013, 65 Pages, 2024/11

JAEA-Research-2024-013.pdf:4.22MB

本報告書では、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第4期中長期目標期間(令和4年度$$sim$$令和10年度)における令和5年度に実施した研究開発に係る成果を取りまとめたものである。第4期中長期目標期間における研究の実施にあたっては、地層処分事業における概要・精密調査や国の安全規制に対し研究成果を適時反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで研究開発を進めている。本報告書では、それぞれの研究分野に係る科学的・技術的背景を解説するとともに、主な研究成果等について取りまとめた。

報告書

地質環境の長期安定性に関する研究 年度計画書(令和6年度)

丹羽 正和; 島田 顕臣; 浅森 浩一; 末岡 茂; 小松 哲也; 中嶋 徹; 小形 学; 内田 真緒; 西山 成哲; 田中 桐葉; et al.

JAEA-Review 2024-035, 29 Pages, 2024/09

JAEA-Review-2024-035.pdf:1.24MB

本計画書では、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第4期中長期目標期間(令和4年度$$sim$$令和10年度)における令和6年度の研究開発計画を取りまとめた。本計画の策定にあたっては、これまでの研究開発成果や大学等で行われている最新の研究成果に加え、地層処分事業実施主体や規制機関等の動向を考慮した。研究の実施にあたっては、地層処分事業における概要・精密調査や国の安全規制に対し研究成果を適時反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで研究開発を推進する。

論文

OSL dating of marine isotope stage 5e marine terrace deposits on southeastern Kii Peninsula, southwestern Japan

小形 学; 小松 哲也; 中西 利典*

Earth, Planets and Space (Internet), 76, p.123_1 - 123_11, 2024/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Geosciences, Multidisciplinary)

紀伊半島南部は後期更新世の海成段丘がよく発達する地域であるが、地形の年代を決める直接的な資料に乏しく、広域テフラも発見されていないため、段丘とその堆積物の地形層序学的な年代の推定に留まっている。本研究では、本地域の段丘編年の信頼性の向上を目的に、地形層序学的にMIS5eに対比される海成段丘の長石OSL年代測定を行った。

報告書

地質環境の長期安定性に関する研究 年度計画書(令和5年度)

丹羽 正和; 島田 耕史; 末岡 茂; 藤田 奈津子; 横山 立憲; 小北 康弘; 福田 将眞; 中嶋 徹; 鏡味 沙耶; 小形 学; et al.

JAEA-Review 2023-017, 27 Pages, 2023/10

JAEA-Review-2023-017.pdf:0.94MB

本計画書では、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第4期中長期目標期間(令和4年度$$sim$$令和10年度)における令和5年度の研究開発計画を取りまとめた。本計画の策定にあたっては、これまでの研究開発成果や大学等で行われている最新の研究成果に加え、地層処分事業実施主体や規制機関等の動向を考慮した。研究の実施にあたっては、地層処分事業における概要・精密調査や国の安全規制に対し研究成果を適時反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで研究開発を推進する。

報告書

地質環境の長期安定性に関する研究 年度報告書(令和4年度)

丹羽 正和; 島田 耕史; 末岡 茂; 石原 隆仙; 小川 大輝; 箱岩 寛晶; 渡部 豪; 西山 成哲; 横山 立憲; 小形 学; et al.

JAEA-Research 2023-005, 78 Pages, 2023/10

JAEA-Research-2023-005.pdf:6.51MB

本報告書では、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第4期中長期目標期間(令和4年度$$sim$$令和10年度)における令和4年度に実施した研究開発に係る成果を取りまとめたものである。第4期中長期目標期間における研究の実施にあたっては、地層処分事業における概要・精密調査や国の安全規制に対し研究成果を適時反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで研究開発を進めている。本報告書では、それぞれの研究分野に係る科学的・技術的背景を解説するとともに、主な研究成果等について取りまとめた。

論文

Reconstructing the thermal structure of shallow crust in the Tono region using multi-OSL-thermometry of K-feldspar from deep borehole core

小形 学; King, G. E.*; Herman, F.*; 末岡 茂

Earth and Planetary Science Letters, 591, p.117607_1 - 117607_14, 2022/08

 被引用回数:4 パーセンタイル:37.91(Geochemistry & Geophysics)

光ルミネッセンス(OSL)熱年代法(またはOSL温度計測法)は、侵食速度が遅い地域に対して、ボーリングコアを利用し深度ごとに長石の赤外光ルミネッセンス(IRSL)を測定することで古地温構造を復元することができる。しかし、この手法の先行研究は現在までに1例のみであり、また、ナトリウム長石を対象としたものである。本研究では、東濃地域で掘削されたボーリングコア(MIZ-1)から抽出したカリ長石にmulti-OSL熱年代法(またはmulti-OSL温度計測法)を適用し、カリ長石に対する本手法の適用性を検討した。深度約1km(約40$$^{circ}$$C)の試料のIRSL 50$$^{circ}$$Cから復元した古地温は、現在の地温と一致した。この結果より、ボーリングコアを利用したカリ長石のOSL熱年代法は古地温構造の復元に利用できることが示された。

論文

熊野川中流部における環流旧河谷の堆積過程の検討

中西 利典*; 小松 哲也; 小形 学; 川村 淳; 安江 健一*

月刊地球「基礎データから考える第四紀学の新展開-I」号外No.71, p.148 - 155, 2022/02

熊野川中流部の穿入蛇行跡において採取したボーリングコア試料を観察・解析して同段丘地形の形成過程を検討した。古い段丘地形ほど現在の河床面よりも高い位置に分布すると想定したが、環流旧河谷の地下には支流成の土石流堆積物が厚く分布する場合があるため、同地表面を隆起・侵食の指標とする際には注意が必要である。

論文

17th International Conference on Thermochronologyの参加報告

中嶋 徹; 福田 将眞; 小形 学; 末岡 茂

フィッション・トラックニュースレター, (34), p.25 - 26, 2021/12

17th International Conference on Thermochronology (以下、Thermo2021)が2021年9月12-17日にアメリカ、ニューメキシコ州Santa Fe市街地のEldorado Resortにて開催された。2020年開催予定の本大会であったが、新型コロナウイルスの蔓延と社会情勢を理由に延期となっていた。本大会に先立ってVirtual Thermo2020/1と銘打ったオンラインセッションが開催されたこともあり、本大会は原則現地開催となったが、社会情勢の悪化により渡航を断念したグループも多く、発表はZoomを通して全世界と共有された。本稿では、参加までの経緯、本大会にて行われた発表の内容や傾向、2023年、2025年大会に向けての課題を報告する。

論文

長石光ルミネッセンス(OSL)年代測定法を用いた穿入蛇行河川堆積物の年代推定; 紀伊山地十津川の事例

小形 学; 小松 哲也; 中西 利典

第四紀研究, 60(2), p.27 - 41, 2021/06

紀伊山地十津川において125ka以前に離水したと考えられている環流旧河谷の流路堆積物に長石の光ルミネッセンス(OSL)年代測定を適用し、堆積年代の推定を試みた。線量応答曲線の定量限界値を飽和線量($${propto}$$飽和年代)とみなし、等価線量($${propto}$$OSL年代)の飽和率を求めたところ、測定試料の大半がOSL年代の飽和を示した。加えて、不完全ブリーチに起因するOSL年代の過大評価が疑われたため、堆積年代の決定はできなかった。一方で、OSL年代が飽和に達していない測定試料の飽和年代から、堆積年代は少なくとも280kaより若いと考えられた。流路堆積物の堆積年代を280-125kaとして算出した下刻速度は0.39-0.87mm/yrとなり、紀伊山地の削剥速度からみて矛盾のない値であった。このことは、不完全ブリーチの影響によって堆積年代の決定が困難な場合であっても、OSL年代測定により堆積年代の最大値を制約できる可能性があることを示す。

論文

光ルミネッセンス(OSL)を用いた超低温領域の熱年代学

小形 学; 末岡 茂

Radioisotopes, 70(3), p.159 - 172, 2021/03

光ルミネッセンス(OSL)熱年代法は、閉鎖温度にして数十度以下の超低温領域の熱史を推定できる手法である。一般的な地温構造を仮定すると、削剥深度にして数百メートルに相当するため、地殻浅部のより詳細な削剥史復元への利用が期待できる。本稿では、OSL熱年代法の原理や閉鎖温度、現在における最新の熱史解析法、応用研究例について紹介する。

口頭

大深度ボーリングコアを用いたカリ長石のmulti-OSL熱年代法による東濃地域の地殻浅部の古地温構造復元

小形 学; King, G. E.*; Herman, F.*; 末岡 茂

no journal, , 

過去数十万年の侵食速度は、地質環境の長期安定性を評価する上で重要な情報である。光ルミネッセンス(OSL)熱年代法は、過去数十万年の数十度以下の熱史推定を可能とするため、従来の熱年代法では困難だった数十万年スケールの深度約1km以浅の侵食速度評価ができる。しかし、OSL信号は数十万年で飽和するため、OSL熱年代法による侵食速度の定量化は侵食速度の速い地域(数mm/yr以上)に限られる。侵食速度が遅い地域に対しては、ボーリングコアを利用し、長石の赤外光ルミネッセンス(IRSL)から古地温構造を復元することで、熱安定性(すなわち、侵食速度の遅さ)を評価できる。しかし、この手法の研究例は一例しかなく、また、ナトリウム長石を対象としている。本研究では、岐阜県東濃地域で掘削されたボーリングコアにmulti-OSL熱年代法を適用し、侵食速度が遅い地域に対するカリ長石のOSL熱年代法による古地温構造復元の適用性を検証した。深度約1km(約40$$^{circ}$$C)の試料のIRSL50$$^{circ}$$Cから復元した古地温は、現在の地温と一致した。これは、過去から現在まで熱的に安定であったことを示し、東濃地域の侵食速度と整合的な結果となった。この結果より、侵食速度が遅い地域に対するカリ長石のOSL熱年代法による古地温構造復元の適用性を確認できた。

口頭

Will ESR thermochronometry reveal the timing of Rh$^o$ne valley incision?

King, G. E.*; Wen, X.*; Bartz, M.*; Anderson, L.*; Bossin, L.*; 塚本 すみ子*; Li, Y.*; Herman, F.*; 小形 学; 末岡 茂

no journal, , 

To determine a rock cooling history using ESR thermochronometry, signal accumulation and signal thermal loss must be robustly determined within the laboratory. We have collected a series of geological samples including rocks from boreholes that have known isothermal histories to investigate the potential of this technique. Our objective is to use the latter rocks to confirm the validity of our laboratory measurements and data-fitting/numerical models. Specifically, we have investigated known-thermal history samples from the MIZ1 borehole (Japan) and the KTB borehole (Germany) as well as samples from Sion in the Western European Alps. Preliminary data reveal that the ESR dose response and thermal decay of different quartz samples is highly variable. Whereas the Al-centre of some samples exhibits linear dose response to laboratory irradiation up to 15 kGy, the Al-centre of other samples exhibits exponential, or double exponential growth and saturates at doses of 3-4 kGy. The Ti-centre of most samples is well described by a single saturating exponential function, however samples from the MIZ1 borehole exhibit pronounced sub-linearity in the low-dose response region. Furthermore, whereas for some samples the Al-centre is less thermally stable than the Ti-centre, for other samples the inverse is observed. These observations suggest that a uniform measurement protocol and data-fitting approach may not be appropriate for quartz ESR data. Inversion of two KTB samples yielded temperatures within uncertainty of borehole temperature, however results for the MIZ1 borehole are more variable and can only recover temperature at best within c.a. 10%. Investigations into the cause of the poor results for the MIZ1 borehole are ongoing (i.e. measurement protocol, data-fitting/numerical model) and will be discussed. Preliminary data from Sion are promising and reveal consistent cooling rates.

口頭

Borehole calibration of ESR thermochronometry

King, G. E.*; Wen, X.*; Bartz, M.*; Bossin, L.*; 塚本 すみ子*; Li, Y.*; Herman, F.*; 小形 学; 末岡 茂

no journal, , 

Whereas the luminescence thermochronometry system is limited to areas experiencing very rapid rock cooling (exhumation) of 10s of mm/yr, our data indicate that ESR thermochronometry can resolve rates of $$<$$1 mm/yr over Quaternary timescales. To determine a rock cooling history using ESR thermochronometry, signal accumulation and signal thermal loss must be robustly determined within the laboratory. We have collected a series of borehole samples with known isothermal histories to investigate the potential of this technique. Our objective is to use the latter rocks to confirm the validity of our laboratory measurements and data-fitting/numerical models by using the ESR-thermochronometry method to recover their known in-situ temperatures. Specifically, we have investigated known-thermal history samples from the MIZ1 borehole (Japan) and the KTB borehole (Germany). Preliminary data reveal that the ESR dose response and thermal decay of different quartz samples is highly variable. Whereas the Al-centre of some samples exhibits linear dose response to laboratory irradiation up to 15 kGy, the Al-centre of other samples exhibits exponential, or double-exponential growth and saturates at doses of 3-4 kGy. The Ti-centre of most samples is well described by a single saturating exponential function, however samples from the MIZ1 borehole exhibit pronounced sublinearity in the low-dose response region. Furthermore, whereas for some samples the Al-centre is less thermally stable than the Ti-centre, for other samples the inverse is observed. These observations suggest that a uniform measurement protocol and data-fitting approach may not be appropriate for quartz ESR data.

口頭

大井川流域の環流旧河谷で掘削したボーリングコアの堆積物の特徴

内田 真緒; 西山 成哲; 小形 学; 小松 哲也; 塚原 柚子; 石原 隆仙; 川村 淳; 中西 利典*; 寺田 龍矢*; 細矢 卓志*

no journal, , 

日本の内陸部における数万から数十万年スケールの隆起速度推定法の一つに、穿入蛇行跡(環流旧河谷)に残る河川流路堆積物の離水年代と現河床との比高を用いる手法がある。この手法は比高を離水年代で除することで下刻速度を求め、それを隆起速度に読み替えるものである。本手法の適用事例は少ないため、我々は環流旧河谷が多く分布する大井川流域を対象に事例研究を進めている。同流域において新たに3地点を対象に環流旧河谷の離水面の標高と年代の把握を目的としたボーリング掘削を実施した。本発表では、そのコアの堆積物の岩相と堆積構造から推定した堆積環境を示し、解釈した各地点の離水面と現河床との比高について報告する。

口頭

Multi-OSL-thermochronometry of feldspar from Toki granite, Japan

小形 学; King, G.*; Herman, F.*; 末岡 茂

no journal, , 

地層処分にあたっては、数万年から数10万年スケールの侵食評価が重要な課題となる。マルチ光ルミネッセンス熱年代法は、このような時間スケールの熱史推定に有効なツールと考えられている。本講演では、マルチ光ルミネッセンス熱年代法を東濃地域の土岐花崗岩のボーリングコア試料に適用した事例について、予察的な測定結果を報告する。

口頭

環流旧河谷の旧河床堆積物を対象としたpost-IR IRSL年代測定; 紀伊山地における事例

小形 学; 小松 哲也; 中西 利典

no journal, , 

河成段丘に代わる過去の河床高度を近似する離水河成地形を認定し、それらの離水時期の制約から隆起速度を推定する手法の一つに穿入蛇行跡である環流旧河谷に着目するものがある。本発表では、この手法開発の一環として実施した、紀伊山地の環流旧河谷中の旧河床堆積物のpost-IR IRSL(pIRIR)年代測定の結果について報告する。光曝による年代の初期化(ブリーチ)が不完全な粒子が試料中に混在することが考えられるため、ルミネッセンスの励起温度によってブリーチ率が異なることを利用し、ブリーチの評価を行った。ブリーチ量を基に年代結果を選別することで、年代値のばらつきを抑えた。pIRIR年代測定に基づくと環流旧河谷中の河床堆積物は、MIS8に堆積したものであると考えられた。

口頭

環流旧河谷を用いた河川下刻速度の推定技術の高度化に向けた研究開発

中西 利典; 小松 哲也; 小形 学

no journal, , 

内陸部の河成段丘の乏しい地域において適用できる河川下刻速度の推定手法の一つに穿入蛇行の痕跡地形である環流旧河谷に着目した方法がある。この方法では、河川下刻速度を環流旧河谷に残された旧河床堆積物の現河床からの比高をその堆積年代で除することで得る。本研究開発では、この手法の適用性について紀伊山地を事例に検討した。本発表では、その検討結果について報告する。

口頭

Multi-OSL-thermochronometry using deep borehole core for thermal history over 0.1 Myr in Rokko Mountains

小形 学; King, G. E.*; Herman, F.*; 山田 隆二*; 小村 健太朗*; 末岡 茂

no journal, , 

光ルミネッセンス(optically stimulated luminescence: OSL)熱年代法は、閉鎖温度にして数十度以下の超低温領域の熱史を推定可能とするOSL年代測定法の応用手法であり、深度にして数百mオーダーの削剥史復元への利用が期待できる。OSL熱年代法の適用は、ルミネッセンス信号が数十万年で飽和するため、露頭試料においては削剥の速い地域に制限される。しかし、大深度ボーリングコアを用い、ルミネッセンス信号が飽和していない深部の試料を利用することで、削剥速度の遅い地域にも適用できる可能性がある。本研究では、防災科学技術研究所が六甲山地で掘削した「甲山」コア試料にOSL熱年代法を適用した。六甲山地は、先行研究より0.1-1mm/yr程度の削剥速度が予想される。甲山コアの全長は1,313mであり、408, 642, 818, 1048m地点の試料の測定を行った。全試料のOSL熱年代測定の結果は、約10万年前から現在まで大きな温度変化がないことを示した。この結果は六甲山地の削剥速度と整合的であるため、大深度ボーリングコアを用いることで削剥速度が遅い地域に対してもOSL熱年代法を適用できる可能性が示された。今後は、OSL熱年代測定結果から削剥速度を推定する手法を開発する予定である。

口頭

穿入蛇行河川の旧流路地形・堆積物に基づく下刻速度の推定; 赤石山脈南部,大井川の事例

塚原 柚子; 小形 学; 川村 淳; 菅野 瑞穂*; 西山 成哲; 末岡 茂; 中西 利典*; 小松 哲也

no journal, , 

日本列島の山地における10万年スケールの隆起速度は、主としてTerrace to Terrace法(TT法: 吉山・柳田、1995)に基づき推定されている。TT法の適用にあたっては、最終氷期の堆積段丘と一つ前の氷期の堆積段丘のペアを認定する必要がある。しかし、そのような段丘のペアが認められない山地も多い。そこで、我々は、TT法の代替手法として、環流旧河谷などの旧流路地形・堆積物の分布高度と離水年代に基づいて10万年スケールでの下刻速度を算出する方法(例えば、安江ほか、2014; 小形ほか、2021)の研究を進めている。本発表では、そのような研究の一環で大井川中流部を事例に実施した調査の結果について報告する。

口頭

Reconstructing the thermal structure of shallow crust using OSL-thermometry of K-feldspar from deep borehole core; Case studies in the Japanese Islands

小形 学; King, G. E.*; Herman, F.*; 山田 隆二*; 小村 健太朗*; 末岡 茂

no journal, , 

光ルミネッセンス(OSL)熱年代法は、過去数十万年の超低温領域(数十度以下)の熱史推定を可能とするため、地殻浅部の侵食速度評価ができる。OSL信号は数十万年で飽和するため、OSL熱年代法による侵食速度の定量化は侵食速度の速い地域(数mm/yr以上)に限られる。侵食速度が遅い地域に対しては、ボーリングコアを利用し、長石の赤外光ルミネッセンス(IRSL)から古地温構造を復元することで、熱安定性(すなわち、侵食速度の遅さ)を評価できる。しかし、この手法の研究例は一例しかなく、また、ナトリウム長石を対象としている。本研究では、岐阜県東濃地域と兵庫県六甲山地で掘削されたボーリングコアを用いて、侵食速度が遅い地域に対するカリ長石のOSL熱年代法の適用性を検証した。東濃地域の事例では、深度約1km(約40$$^{circ}$$C)の試料のIRSL50$$^{circ}$$Cから復元した古地温は現在の地温と一致した。これは、過去から現在まで熱的に安定であったことを示し、東濃地域の侵食速度と整合的な結果となった。この結果より、侵食速度が遅い地域に対するカリ長石のOSL熱年代法による古地温構造復元の適用性を確認した。本発表では、六甲山地の事例についても紹介する。

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