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鈴木 智也*; 大坪 右京*; 尾形 剛志*; 塩飽 秀啓; 小林 徹; 矢板 毅; 松岡 光昭*; 村山 憲弘*; 成田 弘一*
Dalton Transactions (Internet), 50(33), p.11390 - 11397, 2021/09
被引用回数:1 パーセンタイル:18.63(Chemistry, Inorganic & Nuclear)本研都市鉱山から白金(Pt)を回収するには、Pt(IV)の溶液化学を理解することが重要である。我々は、濃硝酸溶液中のPt(IV)錯体の化学種と分離を、X線吸収微細構造(XAFS)分光法によって調べた。NaPt(OH)
の濃縮硝酸溶液にはPt多核錯体が支配的に存在し、Pt濃度とNa
Pt(OH)
の溶解温度に依存することが明らかになった。0.90g-Pt/Lの加熱硝酸塩溶液と3.2g-Pt/Lの非加熱硝酸塩溶液には主に二核白金錯体が存在する。一方3.0g-Pt/Lの加熱溶液には、四核および六核錯体のような大きな多核錯体が主に存在していた。またイミノ二酢酸で機能化したキレート樹脂と硝酸トリメチルアンモニウムを有する強塩基性アニオン交換樹脂でPt(IV)イオンを吸着させると、大きなPt(IV)錯体の存在を確認した。高濃度のPt(IV)を含む加熱溶液からのPt(IV)錯体は、高い吸着効率を示すことがわかった。さらに、強塩基性陰イオン交換樹脂を使用すれば、Pd(II), Ag(I), Cu(II), Ni(II), Fe(III)が含まれる10M硝酸溶液から選択的にPt(IV)を吸着させることに成功した。
鈴木 智也*; 尾形 剛志*; 田中 幹也*; 小林 徹; 塩飽 秀啓; 矢板 毅; 成田 弘一*
Metals, 8(7), p.558_1 - 558_10, 2018/07
被引用回数:9 パーセンタイル:49.94(Materials Science, Multidisciplinary)白金族元素の精製は主に溶媒抽出法によって行われるが、Ruは蒸留によってRuOとして回収される。この蒸留による方法を抽出法に置き換えることができれば、精製プロセスの簡素化が期待される。本研究では、Ruの効率的な抽出法を開発することを目的に、Ruの塩酸中での化学種についてUV-vis分光およびEXAFS法で分析し、N-2-ethylhexyl-bis(N-di-2-ethylhexyl-ethylamide) amine (EHBAA)によって抽出されたRuの特性を調査した。その結果、塩酸濃度が0.5から10MにおけるRuの主たる化学種は、塩酸濃度の上昇に伴って[RuCl
(H
O)
]
から[RuCl
]
へと変化することが明らかとなった。また、EHBAAによるRuの抽出率は塩酸濃度の上昇に伴って増加し、塩酸濃度が5Mで最大に達し、さらに塩酸濃度が上昇すると抽出率は下降に転ずる。抽出錯体のEXAFS分析の結果からは、Ru
の内圏には5つのCl
と1つのH
Oが存在することが示された。さらに塩酸濃度が増加したときのEHBAAによるRuの抽出率の変化と[RuCl
(H
O)]
の分布曲線がよく似ていることから、EHBAAは[RuCl
(H
O)]
を抽出すると考えられる。
小山 真一; 須藤 光雄; 大林 弘; 竹下 健二*; 尾形 剛志*; 緒明 博*; 稲葉 優介*
Separation Science and Technology, 47(14-15), p.2024 - 2028, 2012/11
被引用回数:3 パーセンタイル:15.37(Chemistry, Multidisciplinary)照射済燃料からMAの回収を実証するため、東京工業大学がTPEN(分離錯体)を化学的に高分子ゲルに固定することに成功した。このTPENゲルで作成したカラムにより照射済燃料を用いた抽出クロマト分離試験を行った結果、0.01M NaNOH(pH4)溶液によりMAをカラムに吸着させた状態で希土類を溶離し、溶離液を0.01M NaNOH
(pH2)に変えることでMAを回収できる可能性があることを明らかにした。
西尾 和久; 松岡 稔幸; 見掛 信一郎; 鶴田 忠彦; 天野 健治; 大山 卓也; 竹内 竜史; 三枝 博光; 濱 克宏; 吉田 治生*; et al.
JAEA-Review 2009-001, 110 Pages, 2009/03
独立行政法人日本原子力研究開発機構(原子力機構)東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階; 地表からの調査予測研究段階」、「第2段階; 研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階; 研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなる約20年の計画であり、現在は、第2段階である「研究坑道の掘削を伴う研究段階」を進めている。本報告書は、2002年2月に改訂した「超深地層研究所基本計画」に基づき、超深地層研究所計画の第2段階「研究坑道の掘削を伴う研究段階」における2006年度に実施した(1)調査研究、(2)施設建設、(3)共同研究等の成果を取りまとめたものである。
西尾 和久; 松岡 稔幸; 見掛 信一郎; 鶴田 忠彦; 天野 健治; 大山 卓也; 竹内 竜史; 三枝 博光; 濱 克宏; 吉田 治生*; et al.
JAEA-Review 2008-073, 99 Pages, 2009/03
独立行政法人日本原子力研究開発機構(原子力機構)東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、第1段階「地表からの調査予測研究段階」,第2段階「研究坑道の掘削を伴う研究段階」,第3段階「研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなる約20年の計画であり、現在は、第2段階である「研究坑道の掘削を伴う研究段階」を進めている。本報告書は、2002年2月に改訂した「超深地層研究所基本計画」に基づき、超深地層研究所計画の第2段階「研究坑道の掘削を伴う研究段階」における2005年度に実施した(1)調査研究,(2)施設建設,(3)共同研究等の成果を取りまとめたものである。
西尾 和久; 大山 卓也; 見掛 信一郎; 水野 崇; 三枝 博光; 竹内 竜史; 天野 健治; 鶴田 忠彦; 濱 克宏; 瀬野 康弘; et al.
JAEA-Review 2008-072, 28 Pages, 2009/02
独立行政法人日本原子力研究開発機構(原子力機構)東濃地科学センターでは、地層処分技術に関する研究のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階; 地表からの調査予測研究段階」,「第2段階; 研究坑道の掘削を伴う研究段階」,「第3段階; 研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなる約20年の計画であり、現在は、第2段階である「研究坑道の掘削を伴う研究段階」を進めている。本計画書は、2002年2月に改訂した「超深地層研究所基本計画」に基づき、2008年度の超深地層研究所計画の(1)調査研究計画,(2)施設建設計画,(3)共同研究計画等を示したものである。
西尾 和久; 水野 崇; 大山 卓也; 中間 茂雄; 三枝 博光; 竹内 竜史; 天野 健治; 鶴田 忠彦; 濱 克宏; 弥富 洋介; et al.
JAEA-Review 2007-038, 31 Pages, 2007/12
独立行政法人・日本原子力研究開発機構(原子力機構)東濃地科学センターでは、地層処分技術に関する研究のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階;地表からの調査予測研究段階」,「第2段階;研究坑道の掘削を伴う研究段階」,「第3段階;研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなる約20年の計画であり、現在は、第2段階である「研究坑道の掘削を伴う研究段階」を進めている。本計画書は、2002年2月に改訂した「超深地層研究所基本計画」に基づき、2007年度の超深地層研究所計画の(1)調査研究計画,(2)施設建設計画,(3)共同研究計画等を示したものである。
西尾 和久; 水野 崇; 大山 卓也; 中間 茂雄; 三枝 博光; 竹内 竜史; 天野 健治; 鶴田 忠彦; 濱 克宏; 弥富 洋介; et al.
JAEA-Review 2007-037, 29 Pages, 2007/12
独立行政法人・日本原子力研究開発機構(原子力機構)東濃地科学センターでは、地層処分技術に関する研究のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階;地表からの調査予測研究段階」,「第2段階;研究坑道の掘削を伴う研究段階」,「第3段階;研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなる約20年の計画であり、現在は、第2段階である「研究坑道の掘削を伴う研究段階」を進めている。本計画書は、2002年2月に改訂した「超深地層研究所基本計画」に基づき、2006年度の超深地層研究所計画の(1)調査研究計画,(2)施設建設計画,(3)共同研究計画等を示したものである。
戸井田 克*; 須山 泰宏*; 森 孝之*; 稲葉 武史*; 渥美 博行*; 田中 俊行*; 小林 一三*; 中嶌 誠門*; 尾方 伸久
JAEA-Research 2007-071, 159 Pages, 2007/09
東濃地科学センターにおける地層科学研究では、地質環境特性を明らかにするために必要な調査・解析技術並びにその妥当性を評価する手法の開発を進めている。この研究では、岩盤の不均一性推定に伴う不確実性を定量的に把握するための手法を明らかにし、その不確実性を低減するための合理的な地質環境調査手法の確立を一つの大きな目標としている。平成17年度は、新たに掘削されたボーリング孔などのデータを用い、本評価手法をより高度化することを目指して、知識・情報の整理を進めるとともに、概念モデルの体系的整理と地下水流動解析を行い、本手法の実用化に向けた評価・検討を行った。また、地質環境の不確実性の評価結果を効果的に施設設計に反映するための情報抽出を試行した。本研究成果を取りまとめると、以下のようになる。(1)ボーリング調査により取得された割れ目本数と透水量係数との相関を整理し、NW方向の割れ目系が最も透水量係数との相関が高いことを示した。これは広域の応力場の影響を受けているものと考えられる。(2)概念モデルの体系的整理と地下水流動解析を行うことにより、地質環境の不均一性評価方法の検討手順を取りまとめた。(3)施設設計を高度化する情報として、「不確実性に応じた複数の設計オプションを保有すること」と、「地質環境の不均質性に応じた設計を行うこと」が重要であることを示した。
戸井田 克*; 須山 泰宏*; 森 孝之*; 稲葉 武史*; 笹倉 剛*; 渥美 博行*; 升元 一彦*; 小林 一三*; 岩野 圭太*; 古市 光昭*; et al.
JAEA-Research 2007-065, 210 Pages, 2007/09
東濃地科学センターにおける地層科学研究では、地質環境特性を明らかにするために必要な調査・解析技術並びにその妥当性を評価する手法の開発を進めている。この研究では、岩盤の不均一性推定に伴う不確実性を定量的に把握するための手法を明らかにし、その不確実性を低減するための合理的な地質環境調査手法の確立を一つの大きな目標としている。本研究においては、これまでにファジー地球統計を基本とした不確実性解析手法を用い、調査の各段階で想定し得る(あるいは否定できない)モデルやパラメータの全体集合を考えることにより不確実性を定量化でき、調査結果に基づき蓋然性が低いと考えられる選択肢を絞り込むことによってその不確実性を低減できるという新たなアプローチを考案している。平成16年度は、平成17年度に行う研究成果の取りまとめに向け、これまで東濃地域で行われた調査結果に基づき、本手法の実用化に向けた評価・検討を行った。本研究成果を取りまとめると以下のようになる。(1)東濃地域の事例を対象とした統合化データフローを活用し、本手法を適用するための知識・情報を整理した。(2)これまでの課題であったパラメータの設定方法とスクリーニング方法を整備した。(3)適用事例を用いて評価・検討を行い、本手法の実用化の目処を得た。(4)本手法(確率的手法)とこれまでに適用されてきた決定論的手法との統合方法を整備した。
松門 宏治*; Esirkepov, T. Z.; 木下 健一*; 大道 博行; 内海 隆行*; Li, Z.*; 福見 敦*; 林 由紀雄; 織茂 聡; 西内 満美子; et al.
Physical Review Letters, 91(21), p.215001_1 - 215001_4, 2003/11
被引用回数:136 パーセンタイル:95.39(Physics, Multidisciplinary)東京大学原子力工学研究施設の超短パルスレーザーを用いたイオン発生実験を行った。レーザーパラメーターは、波長800nm,パルス長50fs,ピーク強度610
W/cm
でコントラストは10
程度,ターゲットは厚さ5
mのタンタル箔を用いた。その結果、1MeVのプロトンと2MeVの電子の発生を確認した。この実験結果を解釈するために、ターゲットがプリパルスによって完全にプラズマ化した状態でメインパルスと相互作用をする低密度プラズマスラブを用いた新しいイオン加速機構を導入し、さらにそれに基づくシミュレーションを行った。実験結果とシミュレーション結果は良好な一致を示した。また、新しい加速機構が有する独自のレーザー強度に対するスケーリング側に基づいて、実用的なレーザープラズマイオン源の可能性が示される。
伊波 慎一; 野上 隆雄; 槇 彰; 小形 佳昭; 竹下 健二*; 丸石 正美*; 熊谷 幹郎*
動燃技報, (98), p.32 - 42, 1996/06
東海再処理工場では、より一層のよう素放出量の低減化と同時に廃棄物減容化のため、平成元年度から耐水性に優れかつ廃棄物の減容率が高い銀添疎水性吸着材(AgP)に着目して、これらに関する研究開発を進めてきた。本研究開発では、このAgPについて吸着材の担体構造、銀分散性等の物性及びよう素吸着過程について研究を行い、よう素を吸着する最適条件を明らかにすると同時に、この条件を得るための製造方法、実用化に向けての大量製造方法、安全性及び減容化についての検討、試験を行ってきた。本報告では、これらの内容について紹介する。
仙波 毅; 尾方 伸久; 長谷川 健; 岩崎 浩*; 渡辺 邦夫*
PNC TN7410 92-005, 22 Pages, 1992/03
動力炉・核燃料開発事業団では結晶質岩の1つである花崗岩中の地下水の流れの評価技術の開発を行っている。地下水の流れを把握するためには割れ目帯の空間的広がりやその規模を明確にする必要がある。そのための調査技術開発の一環として、事業団ではOECD/NEAストリパ計画で開発された試錐孔レーダーシステム(RAMAC)を導入し、日本の岩盤に対する適用試験を行っている。本報告書では、日本の本州の北部に位置する釜石鉱山の原位置試験場で行われたクロスホール調査結果について述べる。調査は地表下約260mに掘削された4本の試錐孔で行った。ここで得られたデータを用いてトモグラフィ解析を実施し、スローネス分布図を求め、その結果と湧水を伴う割れ目について比較・検討した。その結果を要約すると以下のようになる。(1)電磁波速度の遅い部分及び速い部分の空間的広がりが明らかになった。(2)ボアホールTVで確認された湧水点のほとんどが電磁波の低速度部に位置していた。(3)クロスホール調査に利用した試錐孔に沿って新たに坑道が掘削された。この坑道壁面で観察された地下水の湧水を伴う割れ目集中帯や破砕帯は、電磁波の低速度部とよく対応した。(4)このことは、地下深部においてレーダー法調査で得られた電磁波の低速度部が、地下水を伴う割れ目集中帯や破砕帯に対応している可能性が高いことを示している。
船坂 英之; 滑川 卓志; 佐藤 浩司; 難波 隆司; 尾形 孝成; 横尾 健*
no journal, ,
実用化戦略調査研究フェーズ2(2001年度2005年度)では、4つの有力な実用化候補概念(先進湿式法+ぺレット法,先進湿式法+振動充填法(スフェアパック),酸化物電解法+振動充填法(バイパック),金属電解法+鋳造法)を選定し、それらの開発計画を提示することを目標として、5つの開発目標(安全性,経済性,環境負荷低減性,資源有効利用性,核拡散抵抗性)への適合可能性を考慮しつつ、各候補概念の設計検討,それに供するデータを得るための各要素試験を進めてきた。これらの4つのサイクル概念に対して、設計要求をできるだけ満足するような実用化プラントの概念設計研究を実施した。この設計研究をもとに、燃料サイクルコスト,TRU回収率,発生廃棄物量などを評価し、これらを設計要求値と比較することで開発目標への適合可能性を評価し、次に国際協力の可能性を含めた技術的実現性を加味したうえで技術総括を行い、有望な候補概念の選定と重点化の方針を検討した。本報告では、フェーズ2で検討対象とした4つの実用化候補概念の各々に対して、設計したシステムの概要,開発目標への適合可能性,開発の現状と技術的課題を示すとともにとりまとめに向けての評価の現状を紹介する。
中村 勤也*; 尾形 孝成*; 横尾 健*; 岩井 孝; 荒井 康夫
no journal, ,
溶融塩電解槽から回収したPu合金を原料に用いて、U-20wt%Pu-10wt%Zr合金スラグの射出鋳造試験を実施した。品質検査(長さ,直径,密度,真直度,組成)の結果はいずれも、「常陽」照射試験用燃料スラグの目標仕様を満足し、製造条件が適切であることを確認した。
竹下 健二*; 尾形 剛志*; 中野 義夫*; 松村 達郎
no journal, ,
溶媒抽出法やイオン交換法などの分離プロセスでは、目的物質の分離・回収工程において大量の化学物質を必要とすることから大量の二次廃棄物発生は避けられない。そこで、溶媒抽出法に代わる新規抽出技術として感温性高分子ゲルを用いた「温度スイングクロマト分離法」を提案している。この抽出法では、感温性高分子ゲルの温度変化によって起こる体積相転移現象を利用し、ゲルに導入した高機能性配位子(包接化合物)の構造変化によって錯体形成能を制御して、目的金属イオンを高選択抽出する。原理的に目的金属の抽出・回収に化学物質を必要とせず、2次廃棄物をほとんど発生しない。本研究では包接型配位子N,N,N',N'-tetrakis(4-propenyloxy-2-pyridylmethyl)-ethylenediamine (TPPEN)を導入したN-isopropylacrylamide(NIPA)共重合ゲルを用いて、3価アクチノイド(Am(III))とランタノイド(Eu(III))の高選択分離及び3価アクチニドの温度スイング回収について検討した。その結果、ゲルの膨潤状態においてAm(III)がゲルに選択的に抽出され、分離係数は18であった。また、そのゲルを収縮状態にすることによって抽出されたAmの90%を回収することができた。
竹下 健二*; 尾形 剛志*; 中野 義夫*; 松村 達郎; 森 敦紀*
no journal, ,
TPEN誘導体であるTPPEN(N,N,N',N'-tetrakis(4-propenyloxy-2-pyridylmethyl)ethylenediamine)をNIPA(poly-N-isopropylacrylamide)と共重合した感温性ゲルを用いた温度スイング抽出法によって、Am(III)とEu(III)の抽出分離を試みた。ゲル膨潤状態(5C)においてEu(III)からのAm(III)の分離が観察され、その分離係数はpH5.2において18であった。この抽出されたAm(III)の90%以上が、膨潤状態(5
C)から収縮状態(40
C)へのゲルの体積相転移に伴って放出された。このゲルによるAm及びEuの抽出に対する放射線の影響について、
線照射(10kGy)と
核種(
Cm)の長期吸着試験によって評価した。その結果、このTPPEN-NIPAゲルは、これらの試験において損傷は観察されなかった。これらの結果は、この温度スイング抽出法が分離変換技術の確立に不可欠なMA分離プロセスに適用可能であることを示唆している。
松村 達郎; 竹下 健二*; 尾形 剛志*; 森 敦紀*
no journal, ,
4f/5f元素相互分離(MA/Ln分離)のため新規配位子としてTPENの疎水化誘導体の検討を進めている。TPENのピリジン環をキノリン環に置き換えたTQENを合成し、その特性を確認した。その結果、良好に疎水化を達成していることを確認したが、抽出性能についてはAmとEuについて有意な抽出を認められなかった。これは、キノリン環が嵩高いため、錯体を形成する際に有効な包接構造をとることを阻害することが原因と考えられる。今後、MA/Ln分離プロセスに有効に適用可能な配位子の開発を進めるには、錯体の立体構造の詳細な検討が必要であろうと考えられる。
尾形 毅*; 竹下 健二*; 緒明 博*; 稲葉 優介*; 森 敦紀*; 松村 達郎; 中野 義夫*
no journal, ,
N,N,N',N'-tetrakis(2-pyridylmethyl)ethylenediamine(TPEN)は、包接型の六座窒素ドナー配位子として知られており、Am(III)とEu(III)のわずかなソフト性の違いを認識することが確認されている。われわれは、TPENのこの特徴を活かした新規な抽出クロマト剤の合成を試みた。配位子の分子の自由度を維持しつつ、流出を防止する保持材として、高分子ゲルの使用が期待される。TPENのピリジル基に重合可能な官能基を結合させた誘導体であるN,N,N',N'-tetrakis-(4-propenyloxy-2-pyridylmethyl)ethylenediamine(TPPEN)をN-isopropylacrylamide(NIPA)の架橋剤として使用して重合し、高分子ゲルを合成した。さらに、多孔質シリカをTPPEN-NIPAゲルの機械的強度を向上させるために使用した。この抽出クロマト剤に関するAm(III)とEu(III)の分離性能試験を実施中である。発表では、この抽出クロマト剤の特性と抽出能力について述べる。
稲葉 優介*; 喜田 達也*; 渡部 渉*; 森 敦紀*; 松村 達郎; 尾形 毅*; 竹下 健二*
no journal, ,
分離変換技術において、ランタノイドとマイナーアクチノイド(MA)の分離は重要な課題となっている。TPENは、MA分離プロセス構築のための分離試薬として有力な候補となっているが、水への溶解性と容易にプロトネーションする特性が、実用を困難なものとしている。MA分離の実用プロセスは、高い酸性溶液で構成されることになるため、疎水性が高く酸耐性のある配位子の開発が必要とされている。われわれは、アルコキシ基,フッ化アルコキシ基等のさまざまな疎水性側鎖を有するTPEN誘導体の効率的な合成と、硝酸系水溶液におけるAm(III)のEu(III)からの溶媒抽出について報告する。合成したTPEN誘導体は、側鎖を有しないTPENと比べ、高い疎水性を有することが確認され、低pH条件においてEuからのAmの分離に高い性能を発揮した。