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前田 裕司*; 松本 徳真*; 春名 勝次*; 早乙女 隆雄*; 小野 文久*; 須貝 宏行; 大塚 英男; 大橋 一利*
Physica B; Condensed Matter, 376-377, p.283 - 287, 2006/04
被引用回数:3 パーセンタイル:17.99(Physics, Condensed Matter)天然及び人工ダイヤモンド単結晶において、主な不純物である窒素の含有量が異なる4種類の試料、Ia型(窒素を約1000ppm含む天然の単結晶),Ib型(窒素を約100ppm含む人工単結晶),IIa型(窒素の量が10ppm以下の高純度人工単結晶),IIb型(含有窒素量は10ppm以下だが、ボロンを100ppm程度含む人工単結晶)について、X線回折によりキャラクタリゼーションを行った。X線ボンド法により求めた格子定数(298K)は、IIb型が最大(0.35670nm)で、Ia型が最小(0.35666nm)となり、その順番は IIbIbIIaIaであった。さらに、格子定数測定とX線散漫散乱の結果を総合すると、IIb型ではボロンは置換型の欠陥として(100)面に存在し、Ia型では窒素は置換型の欠陥集合体として(100)面に存在すると推測される。
須藤 智子*; 大橋 一利*; 佐藤 俊麿*; 太田 英二*; 岡安 悟; 須貝 宏行
Physical Review B, 71(4), p.045211_1 - 045211_7, 2005/01
被引用回数:1 パーセンタイル:7.2(Materials Science, Multidisciplinary)高濃度ボロンドープしたダイヤモンド半導体単結晶にタンデム加速器からの150MeVリンイオンを照射することにより、ダイヤモンド半導体単結晶の電気抵抗率が30K以下でのみ増加することを見いだした。さらに、この高濃度ボロンドープした人工ダイヤモンド結晶の電気抵抗率と1/fノイズスペクトルを20Kから300Kまで測定し、30Kから60Kまでは10meVのエネルギー幅を持つハードギャップが存在し、30K以下では6meVのエネルギー幅を持つWignerギャップが存在することを明らかにした。リンイオン照射による30K以下での抵抗率増加は、結晶の乱れに起因するWignerギャップの消失によると考えられる。以上の結果から、70年前にWignerが予想した、3次元個体中で伝導電子が規則配列した状態であるWigner格子が、30K以下の高濃度ボロンドープした人工ダイヤモンド単結晶中で実現していることを示した。