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論文

Scenario analysis of future nuclear energy use in Japan, 1; Methodology of nuclear fuel cycle simulator: NMB4.0

阿部 拓海; 大泉 昭人; 西原 健司; 中瀬 正彦*; 朝野 英一*; 竹下 健二*

Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 7, p.299 - 304, 2025/05

現在、脱炭素化および持続可能な社会の実現にむけて、二酸化炭素を排出しない安定したエネルギー源の研究が続けられている。原子力エネルギーもそのひとつであり、様々な新型炉や再処理技術の開発が進んでいる。これらを活用した核燃料サイクルを社会実装するうえでは、核燃料物質の物流や廃棄物発生量の規模といった諸量を、多様な視点から定量的に評価できる核燃料サイクルシミュレータが必要となる。そこで、東京工業大学と原子力機構の共同研究により、NMB4.0が開発された。これはフロントエンドからバックエンドまでにおけるアクチノイドおよびFPを含めた179核種の物質収支を計算し、核燃料サイクルを統合的にシミュレーションするコードである。他の核燃料サイクルシミュレータと異なり、様々な原子力シナリオにおける放射性廃棄物の数や最終処分場規模といったバックエンド解析を精密に行えるほか、Microsoft Excel上で動作するオープンソースのコードであることが特徴である。そのため、様々なステークホルダーを交えた原子力利用戦略の定量的な検討が可能である。本発表ではNMB4.0内にて用いられる方法論の紹介を行う。

論文

Uncertainty quantification of $$^{237}$$Np, $$^{241}$$Am, and $$^{243}$$Am reaction rates in highly enriched uranium fuel cores at Kyoto University Critical Assembly

Pyeon, C. H.*; 大泉 昭人; 方野 量太; 福島 昌宏

Nuclear Science and Engineering, 199(3), p.429 - 444, 2025/03

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)

京都大学KUCAの高濃縮ウラン燃料による複数の炉心で取得した$$^{237}$$Np、$$^{241}$$Am、$$^{243}$$Amの核分裂率と$$^{237}$$Np捕獲反応率に関する積分実験データに対して、ENDF/B-VIII.0及びJENDL-5とSerpent2コードを用いた実験解析を実施した。$$^{237}$$Np/$$^{235}$$U、$$^{241}$$Am/$$^{235}$$U、$$^{243}$$Am/$$^{235}$$Uの核分裂率比の実験値と解析値の比較では、ENDF/B-VIII.0及びJENDL-5のいずれにおいて、それぞれ約5、15、および10%の精度が示された。$$^{237}$$Np/$$^{197}$$Auの捕獲反応率比については、熱中性子スペクトルの炉心において高い精度が得られることを明らかにした。また、$$^{237}$$Np/$$^{235}$$U、$$^{241}$$Am/$$^{235}$$U、$$^{243}$$Am/$$^{235}$$Uの核データに起因した不確かさは、概ね4%以内であることを示した。

論文

燃焼感度解析による使用済MOX燃料中のPu量推定における核データ起因不確かさ評価

大泉 昭人

第45回日本核物質管理学会年次大会会議論文集(インターネット), 4 Pages, 2024/11

国内の再処理工場が稼働した際、軽水炉使用済MOX燃料を払い出した電力事業者と受け入れた再処理工場との間でPu量の評価値に差異が生じ、保障措置上の信頼性に影響を与える可能性がある。本研究では、燃焼感度解析によりPu生成量の推定値に含まれる核データ起因不確かさを定量的に求めた。また、定量化した核データ起因不確かさを用いて、申告漏れとなりうるPu量を推定し、推奨される検証頻度について議論した。その結果、解析に伴うPu量の推定値に含まれる核データ起因不確かさは1.58%と評価され、これに基づく推奨検証頻度は2週間に1回以上と評価された。より効果的な検証頻度を推定するためには、測定誤差を含めたさらなる議論が必要である。

論文

ZEUS: Fast-spectrum critical assembly with a mixed core of highly enriched and natural uranium containing lead surrounded by a copper reflector

大泉 昭人; 福島 昌宏; 郡司 智; McKenzie, G.*; Amundson, K.*

International Criticality Safety Benchmark Evaluation Project (ICSBEP) Handbook (2022/23 edition) (Internet) , 313 Pages, 2024/11

本稿は、加速器駆動システム(ADS)の設計精度向上を目的として2015-2019年にかけて実施された米国ロスアラモス研究所との共同実験シリーズの内の低濃縮ウラン(LEU)体系炉心について、国際臨界安全実験データ評価プロジェクト(ICSBEP)への登録用にまとめられた、ベンチマーク評価結果である。体系は、高濃縮ウラン(HEU)及び天然ウラン(NU)を交互に装荷することで、LEUを模擬している。また、加速器駆動システム(ADS)の冷却材の一部である鉛の核データを検証するために、HEU, NUと共に鉛を交互に装荷した高速中性子スペクトル場を有する炉心となっている。本評価において、実効増倍率に対する実験誤差はおおよそ100pcmであることが明らかとなり、連続エネルギーモンテカルロコードMCNPと核データENDF/B-VIII.0及びJENDL-4.0を用いた解析結果との比較では、C/E-1値はそれぞれおおよそ-70pcm及び-145pcmとなった。

論文

Impact of uncertainty reduction on lead-bismuth coolant in accelerator-driven system using sample reactivity experiments

方野 量太; 大泉 昭人; 福島 昌宏; Pyeon, C. H.*; 山本 章夫*; 遠藤 知弘*

Nuclear Science and Engineering, 198(6), p.1215 - 1234, 2024/06

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)

京都大学臨界集合体A架台で測定された鉛ビスマスサンプル反応度を用いたデータ同化によって加速器駆動システムの冷却材ボイド反応度の鉛ビスマス非弾性散乱断面積に起因した不確かさを低減できることを実証した。サンプル反応度について、データ同化の式中に現れる実験不確かさと相関を再評価し、結果を明示した。不確かさ評価に用いる感度係数はMCNP6.2で評価し、データ同化はMARBLEを用いて実行した。鉛ビスマスに対してサンプル反応度は感度係数が大きいため、加速器駆動システムの冷却材ボイド反応度の断面積起因不確かさを6.3%から4.8%まで減少させ、本研究で設定した暫定的な目標精度5%を達成できることを示した。さらに、ADJ2017に使用された積分実験データを用いることで、マイナーアクチニドや鉄など他の支配的な核種に起因する不確かさを効果的に低減できることを示した。

論文

JENDL-5 benchmarking for fission reactor applications

多田 健一; 長家 康展; 谷中 裕; 横山 賢治; 沖田 将一朗; 大泉 昭人; 福島 昌宏; 中山 梓介

Journal of Nuclear Science and Technology, 61(1), p.2 - 22, 2024/01

 被引用回数:12 パーセンタイル:96.41(Nuclear Science & Technology)

日本の新しい評価済み核データライブラリJENDL-5が2021年12月に公開された。本論文は、核分裂炉に対するベンチマーク計算によりJENDL-5の妥当性を実証するものである。ベンチマーク計算は連続エネルギーモンテカルロコードMVP、MCNP及び決定論コードMARBLEを用いて実施された。ベンチマーク計算結果より、核分裂炉に対するJENDL-5の計算精度が、以前のJENDL-4.0に比べて改善されていることが分かった。

報告書

JMTR後継炉概念検討における照射試料中性子束評価と炉心核特性計算

大泉 昭人; 秋江 拓志

JAEA-Technology 2023-017, 93 Pages, 2023/12

JAEA-Technology-2023-017.pdf:8.45MB

日本原子力研究開発機構ではJMTR (Japan Materials Testing Reactor)の廃止決定後、JMTRの後継となる新たな照射試験炉(JMTR後継炉)の建設可能性の検討が行われ、最終検討結果報告書が文部科学省に2021年3月30日に提出された。この検討は、(1)炉型の選定、(2)炉心案の検討、(3)核的検討、(4)熱的検討の4段階で進め、最後に(5)検討及び評価を行った。本JAEA Technology報告書はこのうち、(3)核的検討の手順と内容をまとめるものである。核的検討の対象となった炉心である標準炉心とコンパクト炉心について、試料照射位置の中性子束が計算され、要求される照射性能を満足した。標準炉心とコンパクト炉心の予備検討炉心について燃料交換1サイクルの連続運転日数が評価され、現行JMTR炉心と同等の日数を確保できた。さらに、これらの炉心について炉心内出力分布、制御棒反応度価値、反応度係数、燃料要素ごとの燃焼度分布、動特性パラメータなどの核特性を評価した。これらの核特性評価結果はJMTR後継炉最終検討報告書において、現行JMTR炉心における核的制限値と比較することによる核的成立性の確認と、熱的に成立させるために必要な炉心の冷却能力評価に使用された。

論文

加速器駆動システムの不正使用シナリオ解析とDual C/Sの導入および設計情報検認の効果

大泉 昭人; 相楽 洋*

第44回日本核物質管理学会年次大会会議論文集(インターネット), 4 Pages, 2023/11

使用済燃料に含まれる高レベル放射性廃棄物処分の負担軽減のために、商業サイクルから分離したマイナーアクチノイドを加速器駆動システム(ADS)により核変換させるTRU燃料サイクル(ADSサイクル)の研究開発が進められている。ADSでは加速器を用いて発生させた中性子を利用し、不正にPuを生成できる可能性がある。本研究では、ADSの設計許容範囲内で不正に生成できるPuを定量的に評価し、ADSサイクル内の施設の不正使用を防止・検知するための封じ込め・監視と非破壊測定技術を組み合わせたDualC/Sの導入および設計情報検認の効果について議論した。評価の結果、10-60kg程度のPuを秘密裏に生成でき、IAEAが定めるPuの1有意量8kgを超える量であることを明らかにした。また、DualC/Sの導入に加え、加速器と原子炉の運転履歴を常時監視する設計情報検認を導入することで、ADSシステムの不正使用を防止・検知できることを明らかにした。

論文

Void reactivity in lead and bismuth sample reactivity experiments at Kyoto University Critical Assembly

Pyeon, C. H.*; 方野 量太; 大泉 昭人; 福島 昌宏

Nuclear Science and Engineering, 197(11), p.2902 - 2919, 2023/11

 被引用回数:2 パーセンタイル:46.61(Nuclear Science & Technology)

京都大学臨界集合体(KUCA)の固体減速・反射炉心においてアルミ、鉛、ビスマスサンプルとボイドを模擬するアルミスペーサを用いてサンプルおよびボイド反応度実験が行われた。実験値と比較して、JENDL-4.0とMCNP6.2を用いた固有値計算によるサンプル反応度は良い精度で得られた。また、ボイド反応度についてはJENDL-4.0の結果とENDF/B-VII.1の計算結果はともに実験値と比べて良い一致を示した。MCNP6.2/ksenによって得られた感度係数とENDF/B-VII.1に基づくSCALE6.2の共分散データを用いてサンプルおよびボイド反応度の不確かさを定量化し、アルミ、鉛、ビスマスの断面積に起因する不確かさの影響を明らかにした。ボイドを模擬するアルミスペーサを用いた一連の反応度実験解析により、KUCAの固体減速・反射炉心中のボイドを解析する手法を実証した。

論文

Comparison of calculated bare critical masses between two versions of the Japanese Evaluated Nuclear Data Library, JENDL-5 and JENDL-4.0

大泉 昭人

Proceedings of 12th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC2023) (Internet), 10 Pages, 2023/10

環境負荷低減の観点で、商業サイクルから分離したマイナーアクチノイド(MA)を高効率で核変換させることを目的とした、加速器駆動システム(ADS)を用いた核燃料サイクル設計が進められている。ADS燃料は効率的に核変換させたいMAを大量に含んでいる。MAの多くは臨界質量の実測値や実験値が無いため、臨界安全の観点でのADSサイクル内の施設設計は、解析値に頼らざるを得ない。評価済み核データの更新が臨界質量にどの程度の影響を与えるか把握しておくことが重要となる。本研究では、2021年12月に公開された最新のJENDL-5と一世代前のJENDL-4.0を用いて算出した、臨界質量の評価の基本となる裸の金属球の臨界質量について、アクチノイドの同位体ごとに比較し、議論した。その結果、ICSBEPに登録された金属球の積分実験データを有している核種、$$^{233}$$U, $$^{235}$$U, $$^{237}$$Np, $$^{239}$$Puは、両核データのBCMの差が1%未満であった。一方で、ICSBEPやIRPhEPに登録されている積分実験データが比較的少ないか、無い核種、$$^{241}$$Am, $$^{243}$$Am, $$^{244}$$Cm, $$^{246}$$Cmは、両核データのBCMの差がおよそ7-40%の差があった。さらにBCMの差に影響を与えた核データについても分析した結果、例えば$$^{244}$$Cmの場合、核分裂反応断面積とprompt $$nu$$の更新が大きな寄与を有していることを明らかにした。

論文

Cost-reduced depletion calculation including short half-life nuclides for nuclear fuel cycle simulation

岡村 知拓*; 方野 量太; 大泉 昭人; 西原 健司; 中瀬 正彦*; 朝野 英一*; 竹下 健二*

Journal of Nuclear Science and Technology, 60(6), p.632 - 641, 2023/06

 被引用回数:3 パーセンタイル:42.88(Nuclear Science & Technology)

動的な核燃料サイクルシミュレーションの燃焼計算への適用を目的に、行列指数法を修正してOkamura explicit method (OEM)を開発した。OEMは、長いタイムステップであっても、短半減期核種の計算の発散を抑制することが可能である。OEMの計算コストはオイラー法と同等で小さく、燃料サイクルシミュレーションに十分な精度を保つことができる。

論文

Measurement of double-differential neutron yields for iron, lead, and bismuth induced by 107-MeV protons for research and development of accelerator-driven systems

岩元 大樹; 中野 敬太; 明午 伸一郎; 佐藤 大樹; 岩元 洋介; 杉原 健太*; 西尾 勝久; 石 禎浩*; 上杉 智教*; 栗山 靖敏*; et al.

EPJ Web of Conferences, 284, p.01023_1 - 01023_4, 2023/05

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)

加速器駆動システム(ADS)の核特性予測精度の向上と京都大学臨界集合体実験装置(KUCA)におけるADS炉物理実験で用いる中性子源情報の取得を目的として、京都大学の固定磁場強集束(FFAG)加速器を用いた核データ測定実験プログラムを開始した。このプログラムの一環として、鉄,鉛及びビスマスに対する陽子入射二重微分中性子収量(TTNY)及び断面積(DDX)を測定した。測定では、真空チェンバ内に設置された標的試料に107MeVの陽子ビームを照射し、核反応によって標的から発生した粒子の信号を、小型の中性子検出器を用いて検出した。検出信号とFFAGキッカー電磁石の信号の時間差から飛行時間(TOF)を求め、ガンマ線の事象を波形弁別法によって除去して中性子事象をカウントすることで中性子のTOFスペクトルを求めた。得られた中性子のTOFスペクトルから、相対論的運動学によりTTNY及びDDXを求めた。実験で得られたTTNY及びDDXを、モンテカルロ輸送計算コードPHITSによる計算と比較し、PHITSに組み込まれた核反応モデル及び評価済み核データライブラリJENDL-4.0/HEの妥当性を検証するとともに、PHITSによる計算の予測精度を評価した。

論文

General-purpose nuclear data library JENDL-5 and to the next

岩本 修; 岩本 信之; 国枝 賢; 湊 太志; 中山 梓介; 木村 敦; 中村 詔司; 遠藤 駿典; 長家 康展; 多田 健一; et al.

EPJ Web of Conferences, 284, p.14001_1 - 14001_7, 2023/05

 被引用回数:2 パーセンタイル:86.54(Nuclear Science & Technology)

Japanese Evaluated Nuclear Data Library version 5 (JENDL-5) was released in 2021. JENDL-5 is intended to extend its generality from JENDL-4.0 by covering a wide variety of nuclear data for applications not only to nuclear design and decommissioning, but also to radiation-related fields. Overview of JENDL-5 and a future plan for the next of JENDL-5 are presented. JENDL-5 includes up-to-date neutron reaction cross sections incorporating other various types of data such as newly evaluated nuclear decay, fission yield, and thermal neutron scattering law. The neutron induced reaction cross sections especially on minor actinides in the resonance regions are improved by the experimental data measured at ANNRI. The extensive benchmark analyses on neutron nuclear data were made and the performance of JENDL-5 was confirmed by benchmark tests of ICSBEP and IRPhEP as well as fast reactors, radiation shielding calculations, and so on. So far, several JENDL special-purpose files have been developed for various applications. The data cover neutron, charged particles, and photon induced reactions. As the neutron induced reaction files, two special purpose files of JENDL/AD-2017 and JENDL/ImPACT-2018 were released to meet needs of nuclear backend applications including activation evaluation for nuclear facilities and nuclear transmutations of high-level radioactive wastes of long-lived fission products, respectively. Furthermore, the photon, proton and deuteron data were released as JENDL/PD-2016.1, JENDL-4.0/HE and JENDL/DEU-2020, respectively, for accelerator applications. With updating the data, they were incorporated in JENDL-5 as sub-libraries for facilitation of usability of JENDL. As the next step of JENDL-5, provision of the proper and sufficient covariance will be a major challenge, where cross correlations across different reactions or data-types may play a significant role in connection with data assimilation for various applications.

論文

Measurement of 107-MeV proton-induced double-differential thick target neutron yields for Fe, Pb, and Bi using a fixed-field alternating gradient accelerator at Kyoto University

岩元 大樹; 中野 敬太; 明午 伸一郎; 佐藤 大樹; 岩元 洋介; 杉原 健太; 西尾 勝久; 石 禎浩*; 上杉 智教*; 栗山 靖敏*; et al.

Journal of Nuclear Science and Technology, 60(4), p.435 - 449, 2023/04

 被引用回数:4 パーセンタイル:53.26(Nuclear Science & Technology)

加速器駆動核変換システム(ADS)の研究開発及び京都大学臨界実験装置(KUCA)におけるADS未臨界炉物理の基礎研究を目的として、固定磁場強収束(FFAG)加速器を用いて107MeV陽子による鉄、鉛及びビスマス標的に対する二重微分中性子収量(TTNY)を測定した。TTNYは8個の中性子検出器(各検出器は小型のNE213液体有機シンチレータと光電子増倍管より構成される)からなる中性子検出器システムを用いて飛行時間法により得られたものである。測定で得られたTTNYを、粒子・重イオン輸送コードシステム(PHITS)に組み込まれたモンテカルロ法に基づく核破砕反応モデル(INCL4.6/GEM, Bertini/GEM, JQMD/GEM, JQMD/SMM/GEM)及び評価済み高エネルギー核データライブラリ(JENDL-4.0/HE)による計算結果と比較した。JENDL-4.0/HEを含む比較対象のモデルは、検出器角度5度における高エネルギーピークを再現しないなどの特徴的な不一致が見られた。測定で得られたTTNYとPHITSによって評価した20MeV以下のエネルギー及び角度積分中性子収率を比較した結果、INCL4.6/GEMがKUCAにおけるADS炉物理実験のモンテカルロ輸送シミュレーションに適していることが示された。

論文

Japanese Evaluated Nuclear Data Library version 5; JENDL-5

岩本 修; 岩本 信之; 国枝 賢; 湊 太志; 中山 梓介; 安部 豊*; 椿原 康介*; 奥村 森*; 石塚 知香子*; 吉田 正*; et al.

Journal of Nuclear Science and Technology, 60(1), p.1 - 60, 2023/01

 被引用回数:202 パーセンタイル:99.98(Nuclear Science & Technology)

The fifth version of Japanese Evaluated Nuclear Data Library, JENDL-5, was developed. JENDL-5 aimed to meet a variety of needs not only from nuclear reactors but also from other applications such as accelerators. Most of the JENDL special purpose files published so far were integrated into JENDL-5 with revisions. JENDL-5 consists of 11 sublibraries: (1) Neutron, (2) Thermal scattering law, (3) Fission product yield, (4) Decay data, (5) Proton, (6) Deuteron, (7) Alpha-particle, (8) Photonuclear, (9) Photo-atomic, (10) Electro-atomic, and (11) Atomic relaxation. The neutron reaction data for a large number of nuclei in JENDL-4.0 were updated ranging from light to heavy ones, including major and minor actinides which affect nuclear reactor calculations. In addition, the number of nuclei of neutron reaction data stored in JENDL-5 was largely increased; the neutron data covered not only all of naturally existing nuclei but also their neighbor ones with half-lives longer than 1 day. JENDL-5 included the originally evaluated data of thermal scattering law and fission product yield for the first time. Light charged-particle and photon induced reaction data were also included for the first time as the JENDL general purpose file.

論文

京都大学FFAG加速器を用いた加速器駆動型核変換システム(ADS)用核データの実験的研究

岩元 大樹; 明午 伸一郎; 中野 敬太*; 佐藤 大樹; 岩元 洋介; 杉原 健太*; 石 禎浩*; 上杉 智教*; 栗山 靖敏*; 八島 浩*; et al.

Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.404 - 409, 2023/01

加速器駆動核変換システム(ADS)の研究開発に資するため、固定磁場強収束(FFAG)加速器を用い、核データを取得する実験的研究プログラムを開始した。ADSの核設計及び京都大学臨界集合体実験装置(KUCA)における未臨界実験体系の解析で重要となる、鉛及びビスマスの陽子入射中性子収量及び核分裂に関する核データを対象とした。中性子の飛行時間(TOF)測定で要求される短パルスビームの技術開発を行い、その要求値となるビーム幅10ns以下を達成するとともに、107MeV陽子入射による厚い標的中性子収量TTNY及び中性子生成二重微分断面積DDXをTOF法により測定した。TTNY及びDDXの測定には、小型シンチレータと光電子増倍管から構成される中性子検出器を用いた。測定で得られた結果をADSの核設計で用いられるPHITSによる解析値と比較した。さらに、マイクロチャンネルプレート(MCP)と多芯線比例計数管(MWPC)を組み合わせにより、107MeV陽子入射の$$^{208}$$Pb核分裂反応から生成される核分裂片の質量数分布を測定した。本プログラムの最終年度となる令和4年度は、$$^{209}$$Biに対する核分裂片の質量数分布と核分裂で生じる核分裂中性子の測定を実施するとともに、$$^{237}$$Np核分裂計数管を用いて、陽子と標的との核反応で形成される中性子場の測定を実施する予定である。

論文

加速器駆動システムを用いた分離変換サイクルにおける核不拡散性に関する研究,3; ${it Material Attractiveness}$評価を活用したTRU燃料サイクルのSafeguards by design

大泉 昭人; 相楽 洋*

第43回日本核物質管理学会年次大会会議論文集(インターネット), 4 Pages, 2022/11

使用済燃料に含まれる高レベル放射性廃棄物処分の負担軽減のために、商業サイクルから分離したマイナーアクチノイドを加速器駆動システム(ADS)により核変換させる、分離変換サイクルの研究開発が進められている。扱われる燃料の化学形態や組成が既往サイクルとは異なるため、分離変換サイクルに要求される保障措置(SG)の査察目標や核物質防護(PP)のレベルについて検討する必要がある。これまでの研究で、特殊な同位体組成を持つADS燃料中のウラン(U)に対して、国家主体の敵対者を想定した不正利用価値を評価した結果、4段階中上から2番目の2とされていた。本研究では、核不拡散を考慮した分離変換サイクル設計合理化のために、潜在的核拡散リスクの低減方法を検討した。その低減方法の一つとして、Uの裸の臨界質量(BCM)を大きくするために必要な、ADS燃料へ添加する回収ウラン(RepU)量を定量的に評価した。その結果、ADS燃料中に存在するU量の約1.3倍から約2.7倍のRepUを燃料に添加することで、不正利用価値を3及び4に下げることができることを明らかにした。これらの定量データを基に、商用サイクルにおける再処理工程でのUの除染基準を見直すことで、Safeguards by designに基づいた分離変換サイクルの設計合理化が期待できる。

論文

Measurement of 107-MeV proton-induced double-differential neutron yields for iron for research and development of accelerator-driven systems

岩元 大樹; 中野 敬太; 明午 伸一郎; 佐藤 大樹; 岩元 洋介; 石 禎浩*; 上杉 智教*; 栗山 靖敏*; 八島 浩*; 西尾 勝久; et al.

JAEA-Conf 2022-001, p.129 - 133, 2022/11

加速器駆動システム(ADS)の核特性予測精度の向上と京都大学臨界集合体実験装置(KUCA)におけるADS炉物理実験で用いる中性子源情報の取得を目的として、京都大学の固定磁場強集束(FFAG)加速器を用いた核データ測定実験プログラムを開始した。このプログラムの一環として、鉄に対する陽子入射二重微分中性子収量(TTNY)及び断面積(DDX)を測定した。測定では、真空チェンバ内に設置された鉄標的に107MeVの陽子ビームを照射し、核反応によって標的から発生した粒子の信号を、小型の中性子検出器を用いて検出した。検出信号とFFAGキッカー電磁石の信号の時間差から飛行時間(TOF)を求め、ガンマ線の事象を波形弁別法によって除去して中性子事象をカウントすることで中性子のTOFスペクトルを求めた。得られた中性子のTOFスペクトルから、相対論的運動学により鉄標的に対するTTNY及びDDXを求めた。

論文

Material attractiveness evaluation of fuel assembly of accelerator-driven system for nuclear security and non-proliferation

大泉 昭人; 菅原 隆徳; 相楽 洋*

Annals of Nuclear Energy, 169, p.108951_1 - 108951_9, 2022/05

 被引用回数:2 パーセンタイル:29.47(Nuclear Science & Technology)

使用済燃料に含まれる高レベル放射性廃棄物処分の負担軽減のために、商業サイクルから分離したマイナーアクチノイドを加速器駆動システム(ADS)により核変換させる、分離変換サイクルの研究開発が進められている。扱われる燃料の化学形態や組成が既往サイクルとは異なるため、分離変換サイクルに要求される保障措置(SG)の検認精度や核物質防護(PP)のレベルについて検討する必要がある。本研究では、核セキュリティーや核不拡散の観点でADS施設の貯蔵プールに保管されている燃料集合体の盗取や不正利用を想定し、SGの査察目標やPPの設計レベルの検討に資する物質不正利用価値が評価された。その結果、ADS施設に必要なSGの査察目標やPPの設計レベルを決める上で重要な要素の一つとして、基本的な燃料物性に基づいた定量的なコンポーネントを作成した。また、一般的な沸騰型軽水炉(BWR)のMOX燃料集合体の同評価結果と比較された。核セキュリティーの観点では、ADSの燃料集合体は、BWRのMOX燃料集合体よりも不正利用価値が低いという結果となった。核不拡散の観点では、ADSの燃料集合体中のプルトニウム(Pu)は、BWRのMOX燃料集合体中のPuよりも不正利用価値が低いという結果となったが、ADSの燃料集合体中のウラン(U)は、自発核分裂中性子発生数の差により、BWRのMOX燃料集合体中のPuと不正利用価値が同等かわずかに高いという結果となった。さらに、今回の評価を通し、多くの超ウラン元素やレアアースを含んでおり、かつU-234が同位体組成比の多くを占めるUを含んでいるADSの照射前の燃料集合体を、現行の規制基準における新燃料と位置付けるか使用済み燃料と位置付けるか判断が困難であるという新たな課題が抽出された。

報告書

NMB4.0ユーザーマニュアル

岡村 知拓*; 西原 健司; 方野 量太; 大泉 昭人; 中瀬 正彦*; 朝野 英一*; 竹下 健二*

JAEA-Data/Code 2021-016, 43 Pages, 2022/03

JAEA-Data-Code-2021-016.pdf:3.06MB

今後の核燃料サイクルの確立・高度化には、将来の原子力発電シナリオに応じて発生する多様なマスバランスを定量的に予測・分析することが求められる。しかし、核燃料サイクルはフロントエンドからバックエンドまでの多様な工程によって構成されており、モデル化の複雑さ、想定されるシナリオの多様さなどからシナリオの分析は容易ではない。そこで日本原子力研究開発機構と東京工業大学は、天然ウランの採掘から地層処分の核種移行工程までのマスバランスを統合的に解析するためのツールとしてNMBコードを開発した。NMBコードは、汎用性のある各工程の記述、広範なデータベース、高速な核種変換計算などを備え、ユーザーが指定する発電量や再処理容量などの条件に基づいて、各工程におけるマスバランスを定量化することができる。またNMBコードは多様なステークホルダーが利用できるように実行プラットフォームをMicrosoft Excel(R)としている。本ユーザーマニュアルでは、NMB4.0版のデータベースならびにシナリオ入力を作成する方法を述べる。

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