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方野 量太; 大泉 昭人; 福島 昌宏; Pyeon, C. H.*; 山本 章夫*; 遠藤 知弘*
Nuclear Science and Engineering, 198(6), p.1215 - 1234, 2024/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)京都大学臨界集合体A架台で測定された鉛ビスマスサンプル反応度を用いたデータ同化によって加速器駆動システムの冷却材ボイド反応度の鉛ビスマス非弾性散乱断面積に起因した不確かさを低減できることを実証した。サンプル反応度について、データ同化の式中に現れる実験不確かさと相関を再評価し、結果を明示した。不確かさ評価に用いる感度係数はMCNP6.2で評価し、データ同化はMARBLEを用いて実行した。鉛ビスマスに対してサンプル反応度は感度係数が大きいため、加速器駆動システムの冷却材ボイド反応度の断面積起因不確かさを6.3%から4.8%まで減少させ、本研究で設定した暫定的な目標精度5%を達成できることを示した。さらに、ADJ2017に使用された積分実験データを用いることで、マイナーアクチニドや鉄など他の支配的な核種に起因する不確かさを効果的に低減できることを示した。
多田 健一; 長家 康展; 谷中 裕; 横山 賢治; 沖田 将一朗; 大泉 昭人; 福島 昌宏; 中山 梓介
Journal of Nuclear Science and Technology, 61(1), p.2 - 22, 2024/01
被引用回数:7 パーセンタイル:94.84(Nuclear Science & Technology)日本の新しい評価済み核データライブラリJENDL-5が2021年12月に公開された。本論文は、核分裂炉に対するベンチマーク計算によりJENDL-5の妥当性を実証するものである。ベンチマーク計算は連続エネルギーモンテカルロコードMVP、MCNP及び決定論コードMARBLEを用いて実施された。ベンチマーク計算結果より、核分裂炉に対するJENDL-5の計算精度が、以前のJENDL-4.0に比べて改善されていることが分かった。
大泉 昭人; 秋江 拓志
JAEA-Technology 2023-017, 93 Pages, 2023/12
日本原子力研究開発機構ではJMTR (Japan Materials Testing Reactor)の廃止決定後、JMTRの後継となる新たな照射試験炉(JMTR後継炉)の建設可能性の検討が行われ、最終検討結果報告書が文部科学省に2021年3月30日に提出された。この検討は、(1)炉型の選定、(2)炉心案の検討、(3)核的検討、(4)熱的検討の4段階で進め、最後に(5)検討及び評価を行った。本JAEA Technology報告書はこのうち、(3)核的検討の手順と内容をまとめるものである。核的検討の対象となった炉心である標準炉心とコンパクト炉心について、試料照射位置の中性子束が計算され、要求される照射性能を満足した。標準炉心とコンパクト炉心の予備検討炉心について燃料交換1サイクルの連続運転日数が評価され、現行JMTR炉心と同等の日数を確保できた。さらに、これらの炉心について炉心内出力分布、制御棒反応度価値、反応度係数、燃料要素ごとの燃焼度分布、動特性パラメータなどの核特性を評価した。これらの核特性評価結果はJMTR後継炉最終検討報告書において、現行JMTR炉心における核的制限値と比較することによる核的成立性の確認と、熱的に成立させるために必要な炉心の冷却能力評価に使用された。
大泉 昭人; 相楽 洋*
第44回日本核物質管理学会年次大会会議論文集(インターネット), 4 Pages, 2023/11
使用済燃料に含まれる高レベル放射性廃棄物処分の負担軽減のために、商業サイクルから分離したマイナーアクチノイドを加速器駆動システム(ADS)により核変換させるTRU燃料サイクル(ADSサイクル)の研究開発が進められている。ADSでは加速器を用いて発生させた中性子を利用し、不正にPuを生成できる可能性がある。本研究では、ADSの設計許容範囲内で不正に生成できるPuを定量的に評価し、ADSサイクル内の施設の不正使用を防止・検知するための封じ込め・監視と非破壊測定技術を組み合わせたDualC/Sの導入および設計情報検認の効果について議論した。評価の結果、10-60kg程度のPuを秘密裏に生成でき、IAEAが定めるPuの1有意量8kgを超える量であることを明らかにした。また、DualC/Sの導入に加え、加速器と原子炉の運転履歴を常時監視する設計情報検認を導入することで、ADSシステムの不正使用を防止・検知できることを明らかにした。
Pyeon, C. H.*; 方野 量太; 大泉 昭人; 福島 昌宏
Nuclear Science and Engineering, 197(11), p.2902 - 2919, 2023/11
被引用回数:2 パーセンタイル:65.72(Nuclear Science & Technology)京都大学臨界集合体(KUCA)の固体減速・反射炉心においてアルミ、鉛、ビスマスサンプルとボイドを模擬するアルミスペーサを用いてサンプルおよびボイド反応度実験が行われた。実験値と比較して、JENDL-4.0とMCNP6.2を用いた固有値計算によるサンプル反応度は良い精度で得られた。また、ボイド反応度についてはJENDL-4.0の結果とENDF/B-VII.1の計算結果はともに実験値と比べて良い一致を示した。MCNP6.2/ksenによって得られた感度係数とENDF/B-VII.1に基づくSCALE6.2の共分散データを用いてサンプルおよびボイド反応度の不確かさを定量化し、アルミ、鉛、ビスマスの断面積に起因する不確かさの影響を明らかにした。ボイドを模擬するアルミスペーサを用いた一連の反応度実験解析により、KUCAの固体減速・反射炉心中のボイドを解析する手法を実証した。
岡村 知拓*; 方野 量太; 大泉 昭人; 西原 健司; 中瀬 正彦*; 朝野 英一*; 竹下 健二*
Journal of Nuclear Science and Technology, 60(6), p.632 - 641, 2023/06
被引用回数:3 パーセンタイル:52.93(Nuclear Science & Technology)動的な核燃料サイクルシミュレーションの燃焼計算への適用を目的に、行列指数法を修正してOkamura explicit method (OEM)を開発した。OEMは、長いタイムステップであっても、短半減期核種の計算の発散を抑制することが可能である。OEMの計算コストはオイラー法と同等で小さく、燃料サイクルシミュレーションに十分な精度を保つことができる。
岩本 修; 岩本 信之; 国枝 賢; 湊 太志; 中山 梓介; 木村 敦; 中村 詔司; 遠藤 駿典; 長家 康展; 多田 健一; et al.
EPJ Web of Conferences, 284, p.14001_1 - 14001_7, 2023/05
被引用回数:1 パーセンタイル:77.10(Nuclear Science & Technology)Japanese Evaluated Nuclear Data Library version 5 (JENDL-5) was released in 2021. JENDL-5 is intended to extend its generality from JENDL-4.0 by covering a wide variety of nuclear data for applications not only to nuclear design and decommissioning, but also to radiation-related fields. Overview of JENDL-5 and a future plan for the next of JENDL-5 are presented. JENDL-5 includes up-to-date neutron reaction cross sections incorporating other various types of data such as newly evaluated nuclear decay, fission yield, and thermal neutron scattering law. The neutron induced reaction cross sections especially on minor actinides in the resonance regions are improved by the experimental data measured at ANNRI. The extensive benchmark analyses on neutron nuclear data were made and the performance of JENDL-5 was confirmed by benchmark tests of ICSBEP and IRPhEP as well as fast reactors, radiation shielding calculations, and so on. So far, several JENDL special-purpose files have been developed for various applications. The data cover neutron, charged particles, and photon induced reactions. As the neutron induced reaction files, two special purpose files of JENDL/AD-2017 and JENDL/ImPACT-2018 were released to meet needs of nuclear backend applications including activation evaluation for nuclear facilities and nuclear transmutations of high-level radioactive wastes of long-lived fission products, respectively. Furthermore, the photon, proton and deuteron data were released as JENDL/PD-2016.1, JENDL-4.0/HE and JENDL/DEU-2020, respectively, for accelerator applications. With updating the data, they were incorporated in JENDL-5 as sub-libraries for facilitation of usability of JENDL. As the next step of JENDL-5, provision of the proper and sufficient covariance will be a major challenge, where cross correlations across different reactions or data-types may play a significant role in connection with data assimilation for various applications.
岩元 大樹; 中野 敬太; 明午 伸一郎; 佐藤 大樹; 岩元 洋介; 杉原 健太*; 西尾 勝久; 石 禎浩*; 上杉 智教*; 栗山 靖敏*; et al.
EPJ Web of Conferences, 284, p.01023_1 - 01023_4, 2023/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)加速器駆動システム(ADS)の核特性予測精度の向上と京都大学臨界集合体実験装置(KUCA)におけるADS炉物理実験で用いる中性子源情報の取得を目的として、京都大学の固定磁場強集束(FFAG)加速器を用いた核データ測定実験プログラムを開始した。このプログラムの一環として、鉄,鉛及びビスマスに対する陽子入射二重微分中性子収量(TTNY)及び断面積(DDX)を測定した。測定では、真空チェンバ内に設置された標的試料に107MeVの陽子ビームを照射し、核反応によって標的から発生した粒子の信号を、小型の中性子検出器を用いて検出した。検出信号とFFAGキッカー電磁石の信号の時間差から飛行時間(TOF)を求め、ガンマ線の事象を波形弁別法によって除去して中性子事象をカウントすることで中性子のTOFスペクトルを求めた。得られた中性子のTOFスペクトルから、相対論的運動学によりTTNY及びDDXを求めた。実験で得られたTTNY及びDDXを、モンテカルロ輸送計算コードPHITSによる計算と比較し、PHITSに組み込まれた核反応モデル及び評価済み核データライブラリJENDL-4.0/HEの妥当性を検証するとともに、PHITSによる計算の予測精度を評価した。
岩元 大樹; 中野 敬太; 明午 伸一郎; 佐藤 大樹; 岩元 洋介; 杉原 健太; 西尾 勝久; 石 禎浩*; 上杉 智教*; 栗山 靖敏*; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 60(4), p.435 - 449, 2023/04
被引用回数:3 パーセンタイル:52.93(Nuclear Science & Technology)加速器駆動核変換システム(ADS)の研究開発及び京都大学臨界実験装置(KUCA)におけるADS未臨界炉物理の基礎研究を目的として、固定磁場強収束(FFAG)加速器を用いて107MeV陽子による鉄、鉛及びビスマス標的に対する二重微分中性子収量(TTNY)を測定した。TTNYは8個の中性子検出器(各検出器は小型のNE213液体有機シンチレータと光電子増倍管より構成される)からなる中性子検出器システムを用いて飛行時間法により得られたものである。測定で得られたTTNYを、粒子・重イオン輸送コードシステム(PHITS)に組み込まれたモンテカルロ法に基づく核破砕反応モデル(INCL4.6/GEM, Bertini/GEM, JQMD/GEM, JQMD/SMM/GEM)及び評価済み高エネルギー核データライブラリ(JENDL-4.0/HE)による計算結果と比較した。JENDL-4.0/HEを含む比較対象のモデルは、検出器角度5度における高エネルギーピークを再現しないなどの特徴的な不一致が見られた。測定で得られたTTNYとPHITSによって評価した20MeV以下のエネルギー及び角度積分中性子収率を比較した結果、INCL4.6/GEMがKUCAにおけるADS炉物理実験のモンテカルロ輸送シミュレーションに適していることが示された。
岩本 修; 岩本 信之; 国枝 賢; 湊 太志; 中山 梓介; 安部 豊*; 椿原 康介*; 奥村 森*; 石塚 知香子*; 吉田 正*; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 60(1), p.1 - 60, 2023/01
被引用回数:122 パーセンタイル:99.98(Nuclear Science & Technology)The fifth version of Japanese Evaluated Nuclear Data Library, JENDL-5, was developed. JENDL-5 aimed to meet a variety of needs not only from nuclear reactors but also from other applications such as accelerators. Most of the JENDL special purpose files published so far were integrated into JENDL-5 with revisions. JENDL-5 consists of 11 sublibraries: (1) Neutron, (2) Thermal scattering law, (3) Fission product yield, (4) Decay data, (5) Proton, (6) Deuteron, (7) Alpha-particle, (8) Photonuclear, (9) Photo-atomic, (10) Electro-atomic, and (11) Atomic relaxation. The neutron reaction data for a large number of nuclei in JENDL-4.0 were updated ranging from light to heavy ones, including major and minor actinides which affect nuclear reactor calculations. In addition, the number of nuclei of neutron reaction data stored in JENDL-5 was largely increased; the neutron data covered not only all of naturally existing nuclei but also their neighbor ones with half-lives longer than 1 day. JENDL-5 included the originally evaluated data of thermal scattering law and fission product yield for the first time. Light charged-particle and photon induced reaction data were also included for the first time as the JENDL general purpose file.
大泉 昭人; 相楽 洋*
第43回日本核物質管理学会年次大会会議論文集(インターネット), 4 Pages, 2022/11
使用済燃料に含まれる高レベル放射性廃棄物処分の負担軽減のために、商業サイクルから分離したマイナーアクチノイドを加速器駆動システム(ADS)により核変換させる、分離変換サイクルの研究開発が進められている。扱われる燃料の化学形態や組成が既往サイクルとは異なるため、分離変換サイクルに要求される保障措置(SG)の査察目標や核物質防護(PP)のレベルについて検討する必要がある。これまでの研究で、特殊な同位体組成を持つADS燃料中のウラン(U)に対して、国家主体の敵対者を想定した不正利用価値を評価した結果、4段階中上から2番目の2とされていた。本研究では、核不拡散を考慮した分離変換サイクル設計合理化のために、潜在的核拡散リスクの低減方法を検討した。その低減方法の一つとして、Uの裸の臨界質量(BCM)を大きくするために必要な、ADS燃料へ添加する回収ウラン(RepU)量を定量的に評価した。その結果、ADS燃料中に存在するU量の約1.3倍から約2.7倍のRepUを燃料に添加することで、不正利用価値を3及び4に下げることができることを明らかにした。これらの定量データを基に、商用サイクルにおける再処理工程でのUの除染基準を見直すことで、Safeguards by designに基づいた分離変換サイクルの設計合理化が期待できる。
岩元 大樹; 中野 敬太; 明午 伸一郎; 佐藤 大樹; 岩元 洋介; 石 禎浩*; 上杉 智教*; 栗山 靖敏*; 八島 浩*; 西尾 勝久; et al.
JAEA-Conf 2022-001, p.129 - 133, 2022/11
加速器駆動システム(ADS)の核特性予測精度の向上と京都大学臨界集合体実験装置(KUCA)におけるADS炉物理実験で用いる中性子源情報の取得を目的として、京都大学の固定磁場強集束(FFAG)加速器を用いた核データ測定実験プログラムを開始した。このプログラムの一環として、鉄に対する陽子入射二重微分中性子収量(TTNY)及び断面積(DDX)を測定した。測定では、真空チェンバ内に設置された鉄標的に107MeVの陽子ビームを照射し、核反応によって標的から発生した粒子の信号を、小型の中性子検出器を用いて検出した。検出信号とFFAGキッカー電磁石の信号の時間差から飛行時間(TOF)を求め、ガンマ線の事象を波形弁別法によって除去して中性子事象をカウントすることで中性子のTOFスペクトルを求めた。得られた中性子のTOFスペクトルから、相対論的運動学により鉄標的に対するTTNY及びDDXを求めた。
大泉 昭人; 菅原 隆徳; 相楽 洋*
Annals of Nuclear Energy, 169, p.108951_1 - 108951_9, 2022/05
被引用回数:1 パーセンタイル:19.69(Nuclear Science & Technology)使用済燃料に含まれる高レベル放射性廃棄物処分の負担軽減のために、商業サイクルから分離したマイナーアクチノイドを加速器駆動システム(ADS)により核変換させる、分離変換サイクルの研究開発が進められている。扱われる燃料の化学形態や組成が既往サイクルとは異なるため、分離変換サイクルに要求される保障措置(SG)の検認精度や核物質防護(PP)のレベルについて検討する必要がある。本研究では、核セキュリティーや核不拡散の観点でADS施設の貯蔵プールに保管されている燃料集合体の盗取や不正利用を想定し、SGの査察目標やPPの設計レベルの検討に資する物質不正利用価値が評価された。その結果、ADS施設に必要なSGの査察目標やPPの設計レベルを決める上で重要な要素の一つとして、基本的な燃料物性に基づいた定量的なコンポーネントを作成した。また、一般的な沸騰型軽水炉(BWR)のMOX燃料集合体の同評価結果と比較された。核セキュリティーの観点では、ADSの燃料集合体は、BWRのMOX燃料集合体よりも不正利用価値が低いという結果となった。核不拡散の観点では、ADSの燃料集合体中のプルトニウム(Pu)は、BWRのMOX燃料集合体中のPuよりも不正利用価値が低いという結果となったが、ADSの燃料集合体中のウラン(U)は、自発核分裂中性子発生数の差により、BWRのMOX燃料集合体中のPuと不正利用価値が同等かわずかに高いという結果となった。さらに、今回の評価を通し、多くの超ウラン元素やレアアースを含んでおり、かつU-234が同位体組成比の多くを占めるUを含んでいるADSの照射前の燃料集合体を、現行の規制基準における新燃料と位置付けるか使用済み燃料と位置付けるか判断が困難であるという新たな課題が抽出された。
岡村 知拓*; 西原 健司; 方野 量太; 大泉 昭人; 中瀬 正彦*; 朝野 英一*; 竹下 健二*
JAEA-Data/Code 2021-016, 43 Pages, 2022/03
今後の核燃料サイクルの確立・高度化には、将来の原子力発電シナリオに応じて発生する多様なマスバランスを定量的に予測・分析することが求められる。しかし、核燃料サイクルはフロントエンドからバックエンドまでの多様な工程によって構成されており、モデル化の複雑さ、想定されるシナリオの多様さなどからシナリオの分析は容易ではない。そこで日本原子力研究開発機構と東京工業大学は、天然ウランの採掘から地層処分の核種移行工程までのマスバランスを統合的に解析するためのツールとしてNMBコードを開発した。NMBコードは、汎用性のある各工程の記述、広範なデータベース、高速な核種変換計算などを備え、ユーザーが指定する発電量や再処理容量などの条件に基づいて、各工程におけるマスバランスを定量化することができる。またNMBコードは多様なステークホルダーが利用できるように実行プラットフォームをMicrosoft Excel(R)としている。本ユーザーマニュアルでは、NMB4.0版のデータベースならびにシナリオ入力を作成する方法を述べる。
岡村 知拓*; 方野 量太; 大泉 昭人; 西原 健司; 中瀬 正彦*; 朝野 英一*; 竹下 健二*
Bulletin of the Laboratory for Advanced Nuclear Energy, 6, p.29 - 30, 2022/02
東京工業大学竹下研究室では日本原子力研究開発機構(JAEA)と共同で、Nuclear Material Balance code version 4.0 (NMB4.0)の開発を実施してきた。本レポートはNMB4.0の概要と機能をまとめたものである。
大泉 昭人; 菅原 隆徳; 相楽 洋*
第42回日本核物質管理学会年次大会会議論文集(インターネット), 4 Pages, 2021/11
使用済燃料に含まれる高レベル放射性廃棄物処分の負担軽減のために、商業サイクルから分離したマイナーアクチノイドを加速器駆動システム(ADS)により核変換させる、分離変換サイクルの研究開発が進められている。扱われる燃料の化学形態や組成が既往サイクルとは異なるため、分離変換サイクルに要求される保障措置(SG)の査察目標や核物質防護(PP)のレベルについて検討する必要がある。本研究では、ADS施設の貯蔵プールに保管されている燃料集合体(新燃料及び使用済燃料)について、SGの査察目標やPPレベルの設計検討に資する物質の不正利用価値度が評価された。さらに、一般的な沸騰型軽水炉(BWR)のMOX燃料集合体(新燃料及び使用済燃料)の同評価結果と比較された。その結果、ADS燃料集合体は、BWRのMOX燃料集合体と比べて、不正利用価値が同等か低いということが明らかとなった。さらに、ADS新燃料には、多くのMAやレアアースが含まれていること、またUの同位体割合が非常に多いUであることから、現行の規制において、照射済燃料と未照射燃料のどちらと見なすべきか議論の余地があるという課題が新たに抽出された。
岡村 知拓*; 方野 量太; 大泉 昭人; 西原 健司; 中瀬 正彦*; 朝野 英一*; 竹下 健二*
EPJ Nuclear Sciences & Technologies (Internet), 7, p.19_1 - 19_13, 2021/11
東京工業大学と日本原子力研究開発機構の共同研究開発により、Nuclear Material Balance code version 4.0 (NMB4.0)が開発された。従来の核燃料サイクルシミュレーションコードは、主にアクチノイドの解析を行い、フロントエンドのマスバランス解析に特化していた。しかし、近年、研究開発戦略や持続的な原子力利用を考える上で、バックエンドの定量的なシミュレーションのニーズが高まっている。そこで、フロントエンドからバックエンドまでを統合した核燃料サイクルシミュレーションを実現するために、NMB4.0が開発された。NMB4.0には3つの技術的特徴がある。(1)179核種を核燃料サイクル全体で追跡していること、(2)半減期の短い核種の枯渇計算の精度を維持しつつ、数値計算コストの削減に貢献するOkamura explicit method (OEM)を実装していること、(3)バックエンドシミュレーションの柔軟性を実現していることである。本論文の目的は、統合的な核燃料サイクルシミュレーションのために新たに開発された機能を示し、他のコードとのベンチマークを行い、NMB4.0の計算性能を示すことである。
Pyeon, C. H.*; 大泉 昭人; 福島 昌宏
Nuclear Science and Engineering, 195(11), p.1144 - 1153, 2021/11
被引用回数:1 パーセンタイル:12.48(Nuclear Science & Technology)京都大学臨界集合体(KUCA)で2つの核分裂計数管を用い、Am/Uの核分裂率比を測定した結果、0.0424 0.0019であることが明らかとなった。連続エネルギーモンテカルロ計算コードMCNP-6.1を用いて本実験の解析モデルを構築し、3つの主要な核データライブラリ(JENDL-4.0, ENDF/B-VIII.0, JEFF-3.3)によるAm/Uの核分裂率比の予測精度を検証した結果、それぞれ、0.930.04, 0.940.04, and 0.930.04であることが明らかとなった。測定結果と計算結果を比較することにより、3つの主要な核データライブラリのAm核分裂断面積データが検証され、KUCAでの以前のマイナーアクチノイド照射実験と同じ精度であることが示された。また、この比較結果は、Am核分裂断面積データの精度の検証に資するAm核分裂率の積分実験を補足するデータとしても有効である。
大泉 昭人; 方野 量太; 児島 亮平; 福島 昌宏; 辻本 和文; Pyeon, C. H.*
KURNS Progress Report 2020, P. 104, 2021/08
加速器駆動未臨界システム(ADS)の研究開発において、マイナーアクチノイド(MA)の核データ検証に資する反応率の実験データの拡充は重要である。本研究では、京都大学臨界実験装置(KUCA)で局所的に構築した鉛と高濃縮ウランの混合装荷領域において、ウラン-235(U)に対するネプツニウム-237(Np)及びアメリシウム-243(Am)の各核分裂反応率比を核分裂計数管で測定した。その結果、Np/U及びAm/Uは、それぞれ0.0480.003及び0.0420.004となった。ここで得られた実験結果は、今後核データの検証に用いられる。
大泉 昭人; 相楽 洋*
Proceedings of INMM & ESARDA Joint Virtual Annual Meeting (Internet), 7 Pages, 2021/08
使用済燃料に含まれる高レベル放射性廃棄物処分の負担軽減のために、商業サイクルから分離したマイナーアクチノイドを加速器駆動システム(ADS)により核変換させる、分離変換サイクルの研究開発が進められている。扱われる燃料の化学形態や組成が既往サイクルとは異なるため、分離変換サイクルに要求される保障措置(SG)の検認精度や核物質防護(PP)のレベルについて検討する必要がある。本研究では、乾式再処理施設で扱われるCd陰極と窒化物の粉について、SGの検認目標やPPの設計レベルの検討に資する物質の不正利用価値が評価された。さらに、一般的な沸騰型軽水炉(BWR)のMOX燃料集合体(新燃料及び使用済燃料)の同評価結果と比較された。その結果、Cd陰極,窒化物の粉のいずれにおいても、崩壊熱の大きいPuのPu同位体割合が多い影響で、Puの核爆発装置当たりの発熱量が大きくなるため、BWRのMOX燃料集合体(新燃料及び使用済み燃料)よりも物質の不正利用価値が低いということが明らかとなった。