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海老澤 宏文; 星野 淳子; 橋本 和一郎; 岡田 漱平
JAEA-Review 2011-016, 54 Pages, 2011/06
日本原子力研究開発機構(以下、「原子力機構」)では、世界各国からの研究者・技術者等の受入の拡大等を目指すべく国際拠点化を推進している。平成22年度から、国際拠点化をさらに推進するべく「国際拠点化推進委員会」の設置を予定しているが、同委員会における審議検討を実り多いものとするため、海外の研究機関の先進的な国際拠点化の取組状況を把握すべく、平成22年2月に欧州調査を実施した。調査対象は、CERN(欧州原子核研究機構),カダラッシュITER建設サイト,ラザフォード・アップルトン研究所(RAL)である。本報告書は、それぞれの施設における国際拠点化戦略,研究者・技術者等の受入れ及び管理,研究環境,居住環境・福利厚生,広報活動・地域との共生、に関して取りまとめたものである。
海老澤 宏文; 星野 淳子; 橋本 和一郎; 岡田 漱平
JAEA-Review 2011-005, 52 Pages, 2011/03
日本原子力研究開発機構では、世界各国からの研究者・技術者等の受入の拡大等を目指すべく国際拠点化を推進している。平成22年度から、国際拠点化をさらに推進するべく「国際拠点化推進委員会」の設置を予定しているが、同委員会における審議検討を実り多いものとするため、海外の研究機関の先進的な国際拠点化の取組状況を把握すべく、平成22年2月に欧州調査を実施した。調査対象は、CERN(欧州原子核研究機構),カダラッシュITER建設サイト,ラザフォード・アップルトン研究所(RAL)である。本報告書は、それぞれの施設における国際拠点化戦略,研究者・技術者等の受入れ及び管理,研究環境,居住環境・福利厚生,広報活動・地域との共生に関して取りまとめたものである。
岡田 漱平
原子力eye, 52(8), p.28 - 33, 2006/08
量子ビームの特性についてわかりやすく解説し、多面的に展開されている最近の量子ビームテクノロジーの研究開発と今後の広がりについて紹介する。
岡田 漱平; 沢 和弘
電気評論, 89(2), p.54 - 63, 2004/02
日本原子力研究所(原研)は、原子力委員会の「原子力の研究,開発及び利用に関する長期計画」及び総合科学技術会議の「科学技術基本計画」に示された国の施策に基づき、我が国のエネルギーの長期的な安定供給,科学技術の発展及び国民生活の質の向上に向け、原子力の持つ多様な可能性を最大限に活用する研究開発を総合的に進めている。本報では、2002年12月から2003年11月までの、原研における主要な研究開発の成果を紹介する。
河裾 厚男; 深谷 有喜; 林 和彦; 前川 雅樹; 石本 貴幸*; 岡田 漱平; 一宮 彪彦*
Materials Science Forum, 445-446, p.385 - 389, 2004/02
これまで、われわれは反射高速陽電子回折における全反射と一次ブラッグピークの存在を実証した。しかしながら、最構成表面に付随する分数次回折点の観測には至っていなかった。そこで、Si(111)77を用いて陽電子回折実験を行った。その結果、陽電子回折図形における1/7から3/7の分数次ラウエ帯の存在を発見した。さらに、鏡面反射点の入射視射角依存性(ロッキング曲線)を決定し、アドアトムによる陽電子の非弾性散乱に起因する構造を見いだした。従来の電子回折実験で決められている原子配置と吸収ポテンシャルを使用すると、実験結果が再現されないことから、これらのパラメータを変更する必要があることが判明した。
石本 貴幸*; 河裾 厚男; 伊藤 久義; 岡田 漱平
JAERI-Tech 2003-091, 32 Pages, 2003/12
反射高速陽電子回折(RHEPD)の表面研究のために装置開発を行い、1998年には、世界で初めてとなる明瞭な陽電子回折図形の観測に至った。初期に開発された装置は、三段のアインツェルレンズとコリメータによって平行陽電子ビームを得る仕組みになっていた。しかしこの装置では、ビームエネルギー分散と線によるバックグラウンドが鮮明な回折図形観察の妨げとなることがわかってきた。すなわちより精度の高い実験を行うためには、ビームエネルギー分散と
線のバックグラウンドを低減し、かつ観測システムのダイナミックレンジを高める必要がある。そこで、初期の装置に対して同心円球状の静電偏向器と二段のアインツェルレンズを新たに加える改造を施した。その結果、
線が起源のノイズを大幅に低減することができ、ビーム径1mm,エネルギー分散0.1%以下、及び角度分散0.1%以下の高品質陽電子ビームを得ることができた。また新たに画像観測システムを構築した。その本装置を用いて、従来の研究では観測不可能であったSi(111) 表面に付随する微弱な一次ラウエ帯の観測に成功した。
河裾 厚男; 深谷 有喜; 林 和彦; 前川 雅樹; 岡田 漱平; 一宮 彪彦
Physical Review B, 68(24), p.241313_1 - 241313_4, 2003/12
被引用回数:25 パーセンタイル:72.16(Materials Science, Multidisciplinary)本論文では、よく収束された20keVの陽電子ビームを用いたSi(111)-77再構成表面からの初めての陽電子回折の結果について報告する。1/7次から3/7次の陽電子回折パターンが明瞭に観測された。全反射ロッキング曲線を動力学回折理論によって解析したところ、表面付着原子(アドアトム)が積層欠陥層から約1.52
の位置にあることが明らかになった。これは、従来の理論値よりも大きな値であり、アドアトムが真空側に大きく変位していることを示している。
前川 雅樹; 益野 真一*; 平野 剛*; 近藤 政和*; 河裾 厚男; 伊藤 久義; 岡田 漱平
JAERI-Tech 2003-039, 52 Pages, 2003/03
高温下・応力下など極限環境下にあるバルク試料の陽電子消滅寿命測定を行うために、高速短パルス陽電子ビーム形成装置を製作した。本装置は陽電子消滅寿命測定に必要な時間間隔を持つ陽電子パルスビームを形成するための低速陽電子ビームパルス化部と、パルス圧縮とビーム加速を同時に行うことができる可能な高周波加速管より構成されている。本装置の特徴は、パルス化に用いる1keVの低エネルギービームと最大1MeVの高エネルギービームという2種類のビーム制御を同時に行う点にある。電子ビームによる動作試験では、最大1MeVのビームエネルギーが達成可能であること、試料部にて0.5mmの低エミッタンスビームを形成できることを確認した。これらは陽電子測定に適合するものである。高速パルスビームの時間構造はサテライトパルスを含むものであったが、パルス化装置に入射する低速ビームのエネルギー広がりを低減すればシングルパルス形成が可能であるとの結果を得た。高速パルス陽電子ビーム形成では電子ビーム同様の加速エネルギーを確認した。エネルギー広がりに影響されにくいパルス化システムを構築しCW加速方式を採用することで高周波加速空洞を用いた陽電子消滅寿命測定システムを構築することが可能となることが明らかとなった。
河裾 厚男; 石本 貴幸*; 岡田 漱平; 伊藤 久義; 一宮 彪彦*
Applied Surface Science, 194(1-4), p.287 - 290, 2002/06
被引用回数:6 パーセンタイル:34.34(Chemistry, Physical)静電陽電子ビームを用いた各種固体表面の回折パターンの観測と反射率測定について報告する。初めてのRHEPD観測と一連の実験の後、ビームのエネルギー分散とパックグラウンドを低減させるため、分析電極と2つのアインツェルレンズを追加することで、装置を改良した。装置は、20keVのビームを高平行で発生できる仕様となっている。測定された角度分散は、0.1°で、エネルギー分散は、100eV(1%以下)であった。最も顕著な結果は、これまで観測することができなかった第1ラウエ帯が観測できるようになったことである。そのほか、金属表面によるRHEPDロッキング曲線などが新たに測定された。
平田 浩一*; 荒井 秀幸*; 河裾 厚男; 関口 隆央*; 小林 慶規*; 岡田 漱平
Journal of Applied Physics, 90(1), p.237 - 242, 2001/07
被引用回数:4 パーセンタイル:21.58(Physics, Applied)30keVのErイオン打込みによってSiO(48nm)/Si中に生成する欠陥を陽電子消滅及びカソードルミネッセンスによって調べた。3
10
Er
/cm
及び1.5
10
Er
/cm
の注入量に対して、低速陽電子ビームによるドップラー拡がり測定を行った。ESR測定の結果と併せて考えると、注入によって発生する欠陥の種類が注入量に依存することが判明した。カソードルミネッセンスと陽電子消滅のアニール温度依存性と、欠陥がルミネッセンスに及ぼす影響について可能性を探る。
前川 雅樹; 河裾 厚男; 岡田 漱平; 伊藤 久義
Materials Science Forum, 363-365, p.658 - 660, 2001/05
高時間分解能陽電子ビームを用いた陽電子寿命測定は高温・高圧等の極限環境下での材料の構造変化や欠陥集合過程の観察に極めて有効である。本技術の確立を目指し、高周波加速の手法を用いた高速短パルス陽電子ビーム形成装置の開発を行ってきた。電子ビームを用いて動作試験を行った結果、最大ビームエネルギー1MeV5%,ビーム径0.8mmが得られ、ほぼ設計性能を満たすことが確認できた。また、陽電子消滅寿命測定を行うため、5.6ns周期、幅100psのファインパルス列形成を目指し調整を進めた。広帯域デジタルサンプリングオシロスコープによるパルス波形観測の結果、本来必要とされるパルス列に加え、サテライトパルスが観測された。サテライトパルスは陽電子寿命測定の際、擬似寿命成分となり測定精度を悪化させる原因となる。ビームシミュレーションに基づく検討を行った結果、付加的なサテライトパルスの除去にはバンチング効率の向上が有効であるとの結論を得た。
阿部 浩之; 上殿 明良*; 内田 裕久*; 小松 淳*; 岡田 漱平; 伊藤 久義
Materials Science Forum, 363-365, p.156 - 158, 2001/05
パラジウム(Pd)の水素吸蔵能を向上させることは実用上非常に重要である。われわれは、イオン照射による材料改質の検討の一環として、照射欠陥と水素吸蔵特性との関係を調べた。Pd板(サイズ: 1010
0.1mm
)にプロトン照射(エネルギー: 100keV,ドーズ量: 最大1
10
/cm
)を行い、形成される欠陥を低速陽電子ビームを用いた消滅
線エネルギードップラー拡がり測定により評価した。この結果、照射によるS-パラメータの増加が観測され、Pd表面層(厚さ400nm)における空孔クラスターの形成が確認された。また、照射及び未照射試料の水素吸蔵速度及び最大吸蔵量を比較した結果、照射により最大吸蔵濃度は変化しないが、吸蔵速度は低下することがわかった。これは、Pdバルク内への水素原子侵入に対する空孔クラスターのブロッキング効果で説明できる。
河裾 厚男; 児島 一聡; 吉川 正人; 伊藤 久義; 岡田 漱平; 一宮 彪彦*
Materials Science Forum, 363-365, p.445 - 447, 2001/05
われわれは、反射高速陽電子回折(RHEPD)に最適な陽電子ビームを開発することで、RHEPD回折図形とロッキング曲線の取得に初めて成功し、RHEPD特有の一次ブラッグ反射と全反射の効果を見いだすことができた。また、本手法を水素終端Si表面やSiC表面に適用することで、表面に残留する原子尺度の欠陥の存在を明示した。これより、高速陽電子の表面回折現象を実験的に証明するとともに、全反射領域におけるロッキング曲線が表面状態に非常に敏感であることを明確にできた。しかし、RHEPDの最も重要な応用である吸着構造の決定や表面デバイス温度の測定には至っていない。また、金属表面の陽電子反射率についても、数種の金属に対するデータは取得できたが、理論値との十分な比較を行えるほどには蓄積されていない。本講演では、さらに進んだ研究には何が必要か、高速陽電子と表面との相互作用では何が未解決であるかについて論述する。
小野田 忍*; 森 英喜*; 岡本 毅*; 平尾 敏雄; 伊藤 久義; 岡田 漱平
Radiation Physics and Chemistry, 60(4-5), p.377 - 380, 2001/03
被引用回数:8 パーセンタイル:51.84(Chemistry, Physical)宇宙環境で使用される半導体デバイスは、線や電子線によって電気特性が劣化することが知られている。半導体デバイスの中でも光デバイスは高速通信や機器間の信号伝達に有用であることから、人工衛星への積極的な搭載が図られている。このような光デバイスの耐放射線性を向上させる指針を得るために、シリコンフォトダイオード及びガリウム砒素LED(Light Emittng Diode)に
線及び電子線を照射し、照射前後のI-V特性の変化を半導体直流パラメータ解析装置(YHP製、4145A)を用いて測定した。線量率効果を調べるため、8.8Gy(Si)/hから8800Gy(Si)/hの広い線量率範囲で
線照射を行った。また、電子線照射では線量率を8.3
10
Gy(Si)/hとした。
線及び電子線の吸収線量は最大8.0
10
Gy(Si)まで照射した。その結果、シリコンフォトダイオードの場合、動作点での暗電流は照射前に数十pA程度であるが8.0
10
Gy(Si)まで照射すると約2桁増加することがわかり、暗電流が照射線量の約1/2乗に比例して増加することがわかった。一方、ガリウム砒素LEDは、動作点での電流の増加量が1.5倍にとどまった。さらに、線量率依存性はほとんど見られず、シリコンフォトダイオード及びガリウム砒素LEDともに、吸収線量率が異なっても吸収線量が同じであれば電流の増加量はほぼ等しいという結果が得られた。本実験で得られた光デバイスに対する電気特性の劣化を欠陥生成過程に基づき議論する。
前川 雅樹; 近藤 政和*; 岡田 漱平; 河裾 厚男; 伊藤 久義
Radiation Physics and Chemistry, 60(4-5), p.525 - 528, 2001/03
被引用回数:3 パーセンタイル:26.77(Chemistry, Physical)高温・高圧などの極限環境下で材料における欠陥集合過程や構造変化を観察するために極めて有効な高時間分解能陽電子ビームの形成を目指し、高速短パルス陽電子ビーム形成装置の開発を進めている。これまでに電子銃を用いた動作試験を行い、最小パルス幅として150psが得られているが、周期的なパルス列の確認までには至っていない。これは測定系のデッドタイムが長いことに起因すると考えられるため、測定系を改善し、サンプリングオシロスコープを用いてパルス波形の直接観測を行った。この結果、サブハーモニックバンチャーにより5.6ns周期(178.5MHz)にパルス化された成分に、RF加熱による幅150~200psのファインパルス列が重畳したものがビームの時間構造として取得できた。バンチングビームは、3周期程度のファインパルス(サテライトパルス)が重なっており、また5.6ns間隔のパルス列の間にもバックグラウンドとなるサテライトパルスが存在することが確認された。これらのサテライトパルスは実際の陽電子寿命測定では測定精度やS/N比の低下の原因となる。高精度な寿命測定を行うためには、チョッパー駆動の最適化を図り、サイライトパルスを除去する必要がある。現在チョッパーの改良を行い、シングルファインパルスビームの生成を進めている。
平尾 敏雄; 伊藤 久義; 岡田 漱平; 梨山 勇*
Radiation Physics and Chemistry, 60(4-5), p.269 - 272, 2001/03
被引用回数:5 パーセンタイル:38.53(Chemistry, Physical)半導体素子に高エネルギーを持ったイオンが入射した時、そのイオンの飛跡に沿って生じる高密度電離によってアップセット、ラッチアップと呼ばれるシングルイベント現象が引き起こされる。現在これらの現象を解明し、シングルイベント耐性強化への指針を得るために、重イオンマイクロビームを用いて半導体に誘起されるシングルイベント過渡電流の評価を行っている。照射試料としてはガリウム砒素ショットキーダイオードを用い、炭素及びシリコンイオンを照射した際に発生するシングルイベント過渡電流波形を計測した。その結果、発生する電荷量は理論値より1.2~3倍高く、ファネリングによる電荷収集が顕著であることが確認できた。またガリウム砒素試料で得られた収集電荷量は、シリコンダイオードの約半分の低い値が得られた。一方、イオン損傷については、シリコンダイオードと比較し、同じ照射量でもガリウム砒素ダイオードの過渡電流波形の低下は著しく、損傷の度合いは2倍程度大きいことが示唆された。得られた結果に基づき、ガリウム砒素素子とシリコン素子のシングルイベント現象の相違について議論する。
森 英喜*; 平尾 敏雄; 小野田 忍*; 伊藤 久義; 岡田 漱平; 岡本 毅*; 小泉 義晴*
Radiation Physics and Chemistry, 60(4-5), p.273 - 276, 2001/03
被引用回数:1 パーセンタイル:11.86(Chemistry, Physical)人工衛星に搭載する半導体素子のシングルイベント耐性強化には、素子を構成する要素回路の耐性を個々に調べ、耐性が低い回路を選別して改善を図るのが有効である。このためには、宇宙線と同等なLETを有する高エネルギー重イオンを微小化し、目的とする素子要素回路に照射する必要がある。そこでわれわれは、マイクロコリメータを用いた高エネルギー重イオンマイクロビームの形成を試みた。直径が100m及び20
mのマイクロコリメータ通過後のビーム形状を16M bit DRAMを用いたビームプロファイルモニタで、エネルギースペクトルを半導体検出器(SSD)で評価した結果、20
mコリメータ使用時は散乱成分が多いものの、100
mコリメータでは散乱成分がほとんどない良質の微小ビームの形成が確認できた。
大島 武; 安部 功二*; 伊藤 久義; 吉川 正人; 児島 一聡; 梨山 勇*; 岡田 漱平
Applied Physics A, 71(2), p.141 - 145, 2000/10
炭化ケイ素(SiC)への局所的不純物導入技術の確立のために、六方晶SiCにリン(P)の高温イオン注入を行い、注入量(P濃度: 110
~5
10
/cm
)、注入温度(室温~1200
)とキャリア(電子)濃度の関係を調べた。P濃度が1
10
/cm
の場合は、電子濃度は注入後の1400
熱処理により全試料で同程度となり、注入温度に依存しない。P濃度が7
10
/cm
では、注入温度が高いほど電子濃度が高まる。さらに高濃度の5
10
/cm
では、800
注入試料の電子濃度が最大となった。高濃度注入の場合、室温注入では結晶の損傷が大きく、高温での熱処理後も結晶が回復しないのに対し、高温注入では欠陥の発生が抑制されるので損傷の度合いが小さく、熱処理により結晶が回復して、結果的に電子濃度が高まると考えられる。
河裾 厚男; 岡田 漱平; 一宮 彪彦*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 171(1-2), p.219 - 230, 2000/08
被引用回数:13 パーセンタイル:64.19(Instruments & Instrumentation)表面物性の評価手法として期待されている反射高速陽電子回折(以下、RHEPD)の開発とシリコン表面構造解析及び金属表面ポテンシャルの測定に関する結果を紹介する。また、RHEPDの理論的側面についても述べる。1998年に原研高崎研において、初めて明瞭な回折図形が観測された。その後、水素終端したシリコン(111)表面の構造解析がなされている。ロッキング曲線(陽電子反射強度-入射視射角依存性)より、RHEPDに特有の全反射現象と1次ブラッグピークが認められた。動力学計算との比較から、STMや赤外吸収測定では、観測が難しいとされるSiH相の存在が示唆された。また、Au,Ni,Ir表面による反射陽電子の強度測定から、理論値と比較可能なレベルで表面ダイポール障壁が実測できた。講演では、上述の成果とともに現状の問題点と今後の展開についてもふれる。
河裾 厚男; 荒井 秀幸*; 平田 浩一*; 関口 隆史*; 小林 慶規*; 岡田 漱平
Radiation Physics and Chemistry, 58(5-6), p.615 - 619, 2000/06
被引用回数:3 パーセンタイル:26.15(Chemistry, Physical)1.54mの赤外波長域に鋭い発光ピークを示すErをSiO
/Si(膜厚500
に注入し、発光強度のアニール挙動やドーズ依存性、エネルギー依存性について調べるとともに注入によって発生した損傷の回復過程を低速陽電子ビームを用いた陽電子消滅測定及び、電子スピン共鳴吸収測定(ESR)により調べた。発光特性については、30keVで注入した場合には注入後発光が全く観測されないのに対し、300keVの場合には熱処理を施さなくても発光が見られるなど大きな違いが見られた。陽電子消滅測定及びESR測定の結果、30keVの場合に注入量が少ないと大半の欠陥は600
Cまでのアニールで消失するが発光は900
Cで著しい増加を示すことがわかった。すなわち欠陥の回復と発光の増加は完全に一致しておらず、これより600
Cで欠陥の回復を経て、900
CでErが光学的に活性な状態へ移行するものと考えられる。また注入量が高い場合ESR欠陥は600
Cまでになくなるが、陽電子消滅パラメータは完全回復からはかけ離れていることがわかった。これより、欠陥がかなり残留するか、Erが陽電子消滅に影響するなどの効果が示唆される。